肥大型心筋症の長期予後予測、心臓MRIとNT-proBNPが有用/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2026/05/22

 

 肥大型心筋症(HCM)患者のリスク評価に、心臓MRIおよびNT-proBNPの組み入れが有用であることが示された。米国・University of Virginia HealthのChristopher M. Kramer氏らHCMR Investigatorsが、米国国立心肺血液研究所(NHLBI)主導の大規模前向き登録研究「NHLBI HCM Registry」の結果を報告した。HCMに関する現在のリスク予測ガイドラインは心臓突然死のみを予測するものであり、そのため回避可能であったはずの死亡や、不必要であったはずの植込み型除細動器装着という事態を招いているとされる。JAMA誌オンライン版2026年5月11日号掲載の報告。

欧米6ヵ国の44施設で2,750例のデータを登録

 研究グループは、2014年4月1日~2017年4月7日に、欧米6ヵ国の44施設において、HCM患者2,750例を前向きに登録した。

 患者の健康歴についてアンケート調査を行い、臨床心エコー検査報告書を含む臨床データを収集し、バイオマーカーおよび遺伝子検査のための採血、造影剤を用いた心臓MRI検査を実施した。イベントの確認のため、電話および診療記録により毎年追跡調査を行った。

 主要エンドポイントは、HCMに関連する心血管死、電気的除細動または除細動を要する非致死的持続性心室性不整脈(VA)、および左室補助装置(LVAD)埋設または心臓移植の複合、副次エンドポイントは心臓突然死および非致死的VAイベントの複合とすることが事前に規定された。エラスティックネット法を用いて最も重要な予測因子を特定し、Cox比例ハザード回帰分析を用いて最終モデルを推定した。

心臓MRIとNT-proBNPをリスク評価に組み込むことが有用

 前向きに登録された2,750例のうち、HCMの表現型類似疾患と診断された9例、および同意撤回または追跡データがない43例を除外した2,698例(98%)が解析対象となった。1,919例(71%)が男性で、平均(±標準偏差)年齢は50±11歳、423例(16%)が少数民族グループに属していた。

 平均追跡期間6.9±2.1年において、104例(3.9%)に117件の主要エンドポイントのイベントが認められた。

 主要イベント初回発生に関するモデルには、ガドリニウム遅延造影による左室心筋重量に対する左室瘢痕の割合(LGE%、ハザード比[HR]:1.86、95%信頼区間[CI]:1.58~2.20、p<0.001)、左室心筋重量係数(HR:1.09、95%CI:1.01~1.17、p=0.03)、ならびに左室収縮末期容積係数(HR:1.28、95%CI:1.12~1.46、p<0.001)(いずれも10単位増加当たりのHR)、研究開始時の心不全既往歴(HR:2.89、95%CI:1.75~4.77、p<0.001)、およびNT-proBNPのlog変換値(log単位当たりHR:1.41、95%CI:1.17~1.70、p<0.001)が含まれた(全体のC統計量0.77)。

 左室心筋重量に対するLGE%が9%以上の場合、主要エンドポイントの複合イベント発生率が著明に増加した(p=0.001)。

 副次エンドポイントの心臓突然死およびVAのリスク因子モデル(69例)には、LGE%、左室心筋重量係数、左室駆出率、およびNT-proBNPのlog変換値が含まれた(C統計量0.76)。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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コメンテーター : 佐田 政隆( さた まさたか ) 氏

徳島大学大学院 医歯薬学研究部 循環器内科学 教授

J-CLEAR評議員