歩くスピードが遅くなると認知症のサイン

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 運動認知リスク症候群(MCR)は、遅い歩行速度と軽度の認知異常を特徴とし、各国で新しく説明されている前認知症症候群である。米国・イェシーバー大学のJoe Verghese氏らは、MCRの頻度および認知症との関連を明らかにすることを目的に、17ヵ国の22コホートのデータを基に解析を行った。その結果、MCRは高齢者で頻度が高いこと、MCRは認知機能低下を強力かつ早期に予測しうることを報告した。Neurology誌2014年8月号の掲載報告。

 本研究の目的は、MCRの頻度および認知症リスクとの関連を報告することである。17ヵ国の22コホートから、認知症および認知障害のない60歳以上の成人2万6,802例のデータを収集し、MCRに関する併合解析を行った。また、4件の前向きコホート試験から、ベースラインのMini-Mental State Examination(MMSE)スコアが25以上の、認知症を認めない4,812例のデータを収集し、認知障害(MMSEスコアが4ポイント以上低下)発症リスクおよびMCRに関連する認知症リスクについて、交絡因子補正後Coxモデルを用いて検討した。

 主な結果は以下のとおり。

・ベースライン時、2万6,802例中2,808例がMCRと判定された。
・MCRの有病率は9.7%(95%信頼区間[CI]:8.2~11.2%)であった。
・MCRの有病率は高齢者で高いことが示されたが、性差は認められなかった。
・併合サンプルにおいて、MCRは認知障害の発症リスクを予測した(補正後ハザード比[aHR]:2.0、95%CI:1.7~2.4)。個々のコホートにおけるaHRsの範囲は1.5~2.7であった。
・併合サンプルにおいて、MCRは認知症の予測因子でもあった(aHR:1.9、95%CI:1.5~2.3)。
・早期認知症およびその他の前認知症症候群を併せ持つ者など、認知障害の可能性を有する被験者を除外した後も、この結果は一貫して認められた。
・以上より、MCRは高齢者に多くみられ、認知機能低下に対する強力かつ早期のリスクファクターであった。この臨床的アプローチは、ハイリスク高齢者を特定するさまざまな局面において、容易に適用可能と思われる。

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