ベジタリアンの食事パターンが血圧降下と関連~39報のメタ解析

提供元:ケアネット

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公開日:2014/03/03

 

 これまで、ベジタリアンの食事パターンが血圧降下と関連していることがいくつかの研究で示唆されているが、逆の研究結果も報告されており、関係は十分に確立されていない。今回、国立循環器病研究センター予防医学・疫学情報部の西村 邦宏氏らの研究チームは、ベジタリアンの食事パターンと血圧との関連を検討した介入研究と観察研究を系統的に検索し、メタ解析を実施した。その結果、肉類の摂取を制限し、野菜、大豆を中心とした豆類、豆腐、精製していない全粒穀物などの植物性の食品を中心とするベジタリアン型の食事摂取と血圧降下とが関連していることが明らかになった。このことより、高血圧に対する非薬物療法のひとつとして、ベジタリアンの食事パターンが有効である可能性が示唆された。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2014年2月24日号に掲載。

 研究チームでは、MedlineおよびWeb of Scienceにそれぞれ1946年~2013年10月、1900年~2013年11月に掲載された英文論文を系統的・網羅的に検索した。得られた258論文のうち、参入・除外基準を満たした介入研究7報と観察研究32報から、研究デザイン、対象集団のベースラインの特性、食事データ、結果を含むデータを収集し、ランダム効果モデルを用いてプール、メタ解析を実施した。

 主な結果は以下のとおり。

・介入研究7報(合計311人、平均年齢44.5歳)の解析の結果、ベジタリアンの食事パターン群はコントロール群と比較し、平均収縮期血圧で4.8 mmHg(95%CI:-6.6~-3.1、p<0.001、I2=0、異質性のp=0.45)、平均拡張期血圧で2.2 mmHg(95%CI:-3.5~-1.0、p<0.001、 I2=0、異質性のp=0.43)低く、ともに血圧降下と関連していた。

・観察研究32報(合計2万1,604人、平均年齢46.6歳)の解析においても、ベジタリアンの食事パターン群はコントロール群と比較し、平均収縮期血圧で6.9 mmHg(95%CI:-9.1~-4.7、p<0.001、I2=91.4、異質性のp<0.001)、平均拡張期血圧で4.7 mmHg(95%CI:-6.3~-3.1、p<0.001、I2=92.6、異質性のp<0.001)低く、ともに血圧降下と関連していた。

(ケアネット 金沢 浩子)