【新発売】乳房再建に保険適用となるアナトミカル型ゲル充填人工乳房

提供元:ケアネット

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公開日:2014/01/27

 

 アラガン・ジャパン株式会社は1月8日、乳房再建に保険適用となるアナトミカル型ゲル充填人工乳房「ナトレル410(フォーテン)ブレスト・インプラント」を発売した。これに伴い、1月21日に東京都中央区で発表記者会見を開催した。

 わが国では、年間約6万人が新たに罹患している乳がん。その患者のうち約4割が乳房全摘出術を受けている。近年の診断技術の発達により、乳房温存可能症例が増えた一方で、再発リスクを考慮した全摘出術を選択するケースも多く、今後もその割合は変わらないとみられている。

 手術による乳房の喪失は患者さんのQOLを下げるため、全摘出術後に乳房再建術を受ける患者さんが徐々に増えてきている。乳房再建には、自家組織による再建と人工乳房による再建の2つの方法がある。自家組織による再建は、人工物の移植による副作用の心配がなく、順応性が高いことがメリットとして挙げられるが、術者の高いスキルが求められ、侵襲性も高い方法である。一方で、人工乳房による再建は自家組織による再建に比べ侵襲が少なく、手術部位を広げる必要がないため、現在約7割の患者が人工乳房再建術を選択している。

 今回、新発売された「ナトレル410ブレスト・インプラント」は、アナトミカル型(しずく型)の人工乳房で、患者さんの胸部の形状とゲルの素材により204種類から選択可能となっている。昨年7月に保険適用となったラウンド型の人工乳房と合わせれば、選択肢は346種類にものぼる。

 同社は、より患者さんの体型・ニーズに合わせることが可能になったことで、乳房再建術施行患者は年間約3,400人から、2020年には約6,000人に増えると見込んでいる。
 乳がんは、乳房切除により長期予後が期待できるとはいえ、患者さんのQOLは少なからず低下してしまう。新たな人工乳房の登場により、女性がより女性らしく生きる選択肢が増えることにつながるのではないだろうか。

アラガン・ジャパン株式会社

(ケアネット 岸田有希子)