高齢者では喫煙が慢性疼痛を増悪させている可能性がある

提供元:ケアネット

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公開日:2013/05/17

 

 スウェーデン・ルンド大学のUlf Jakobsson氏らによる横断研究の結果、65歳以上の高齢者では喫煙が慢性疼痛の強さと関連していることが明らかになった。著者は、喫煙をやめさせるための介入が、高齢者の疼痛を緩和する一つの方法となるかもしれないとまとめている。Pain Practice誌オンライン版2013年4月12日号の掲載報告。

 2011年に、スウェーデン在住の65歳以上の高齢者2,000人を無作為に抽出し、人口統計学的データ、生活状況、タバコ(喫煙用タバコまたは湿性嗅ぎタバコ)の使用、主観的健康、慢性疼痛(疼痛の強さ、持続期間、疼痛の場所)について郵送によるアンケート調査を行った。

 慢性疼痛は、3ヵ月以上持続する痛みと定義した。

 主な結果は以下のとおり。

・1,141人から回答を得た(回答率57%、65~103歳、女性53.6%)。このうち38.5%が慢性疼痛を有しており、喫煙者は9%であった。
・喫煙者のうち47.6%が慢性疼痛を有していた。
・喫煙者は非喫煙者と比較して、慢性疼痛の強度は有意に高かったが、有病率はそうではなかった。
・サブグループ解析において、女性は喫煙者と非喫煙者との間に疼痛強度と有病率のいずれも有意差を認めたが、男性は疼痛強度のみであった。
・湿性嗅ぎタバコと疼痛には関連はなかった。

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(ケアネット)