日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1082

経済危機による失業で、殺人が増え交通事故死が減る:欧州の場合

失業率の上昇により、殺人(意図的な暴力による早死)が短期的に有意に増加し、交通事故死が有意に低下することが、イギリスOxford大学社会学科のDavid Stuckler氏らが実施したヨーロッパ諸国の実証的な調査結果から判明した。現今の経済危機、特に失業が公衆衛生に及ぼす有害な影響については、広範な関心の高まりが見られるという。世界保健機構(WHO)は、「ストレス、自殺、精神疾患の持続的な増加を目の当たりにしても驚くべきでない」「貧困層および社会的弱者が最初に影響を受けるであろう」「保健予算の確保はますます難しくなるであろう」と警告している。Lancet誌2009年7月25日号(オンライン版2009年7月8日号)掲載の報告。

アステラスとアストラゼネカが吸入喘息治療薬「ブデソニド・ホルモテロール配合剤」のコ・プロモーション契約締結

アストラゼネカ株式会社とアステラス製薬株式会社は4日、吸入喘息治療薬「ブデソニド・ホルモテロール配合剤(一般名)」の日本国内におけるコ・プロモーションについて、アストラゼネカ株式会社の関連会社であるスウェーデンのアストラゼネカABとアステラス製薬が契約書を締結したと発表した。

ピタバスタチンカルシウム、米国においてFDAより販売許可取得

興和株式会社は4日、2008年10月に100%子会社である米国Kowa Research Institute, Inc.を通じて米国食品医薬品局(FDA)に申請していた、原発性高コレステロール血症および混合型脂質異常症治療剤として「ピタバスタチンカルシウム(米国登録商標名:LIVALO)の新薬販売許可を、2009年8月3日(現地時間)付で取得したと発表した。

経口バソプレシンV2受容体拮抗剤SAMSCA SIADHによる低ナトリウム血症の治療薬としてECより承認取得

大塚製薬株式会社は4日、欧州統括会社である英国大塚ファーマシューティカルヨーロッパLtd.が、経口選択的バソプレシンV2受容体拮抗剤「SAMSCA」(日本語表記:サムスカ、一般名/一般名英語表記:トルバプタン/tolvaptan)について、成人の抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)による低ナトリウム血症の適応症で、2009年8月3日に欧州委員会(European Commission:EC)から販売承認を取得したと発表した。

味の素、P&Gから骨粗鬆症治療剤リセドロネート事業に関する特許・商標など取得

味の素株式会社(以下味の素(株))は、7月31日、The The Procter & Gamble社およびProcter &Gamble Pharmaceuticals社(本社:アメリカ、以下あわせてP&G社)より、日本における骨粗鬆症治療剤リセドロネート(一般名:リセドロン酸ナトリウム水和物)事業に関する特許、商標等の資産を、総額210百万USドル(消費税込み:約210億円)で譲り受ける契約を締結したと発表した。

ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ」の申請をFDAが受理

 中外製薬株式会社およびF.ホフマン・ラ・ロシュ(以下、ロシュ社)は7月31日、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラの米国食品医薬品局(FDA)への生物学的製剤承認申請書(Biologics License Application:BLA)に関して、FDAから2008年9月に通達されたComplete Response Letterへの回答をロシュ社が提出し、FDAが受理したことを発表した。

ペグインターフェロン、α-2aとα-2b間および用量の違いでの奏効率に有意差なし

C型慢性肝炎患者には、治療ガイドラインで、ペグインターフェロンα-2a(商品名:ペガシス)もしくはα-2b(商品名:ペグイントロン)を、リバビリン(商品名:コペガス、レベトール)との併用で用いることが推奨されている。しかし、両剤には構造上および投与用量(体重補正 vs. 固定)の違いから、臨床転帰に重大な違いがもたらされると言われ、いくつかのエビデンスも報告されている。そうした中で、米国デューク大学医療センターのJohn G. McHutchison氏らIDEAL研究グループは、「HCVジェノタイプⅠ型患者で、製剤間・用量間による有意差はなかった」とする報告を発表した。NEJM誌2009年8月6日号(オンライン版2009年7月22日号)掲載より。

高血圧予防には、リスクを低下する6つの生活習慣を:女性

米国ハーバード医科大学/ブリガム&ウィメンズ病院腎臓病部門のJohn P. Forman氏らは、女性における、高血圧症発症と食事・生活習慣との関連を評価した。高血圧は、女性において重要な、死が予防可能なリスク因子である。しかし高血圧症発症のための改善可能なリスク因子が特定される一方で、それらリスク因子の組み合わせや配分に関しては評価が行われていなかった。JAMA誌2009年7月22・29日合併号より。

健康的な6つの生活習慣が心不全生涯リスク低下と関連:男性

米国ハーバード医科大学/ブリガム&ウィメンズ病院エイジング部門のLuc Djousse氏らは、男性において、改善可能な生活習慣によって心不全生涯リスクを低下できるかどうか調査を行った。心不全生涯リスクについては、40歳時点で男女を問わず約5人に1人に起き得ると報告されているが、改善可能な生活習慣と40歳以後の心不全リスクとの関連は明らかになっていない。JAMA誌2009年7月22・29日合併号より。

CSFバイオマーカーで初期アルツハイマー病を予測する?

 これまで、CSFバイオマーカーで、軽度認知障害(MCI)患者における初期アルツハイマー病(AD)を同定することは、小規模単一施設スタディでは可能であることが示されている。スウェーデンSahlgrenska大学病院臨床神経化学研究所のNiklas Mattsson氏らは、大規模な多施設治験を行い、CSFバイオマーカー[測定蛋白:amyloid1-42(A42)、total tau protein(T-tau)、tau phosphorylated(P-tau)]の診断精度を評価し、初期ADを予測できるかどうか評価を行った。JAMA誌2009年7月22・29日合併号より。

難病支援に、急死したモデル純恋さんのネックレス

今年6月に脳出血で急逝したモデル純恋(すみれ)(本名・石川安里沙)さん(21)がデザインしたネックレスが話題になっている。純恋さんはギャル系ファッション誌「小悪魔ageha(アゲハ)」のモデルとして活躍、その一方で病気や障害を持つ子供たちの支援活動もしていた。子供たちの支援に役立てたいとネックレスをデザイン、8月1日に発売されたハート形の二つの手錠が組み合わさったネックレスは、「絆(きずな)」を大事にしていた純恋さんの思いが込められている。純恋さんの遺志を継ぎ、収益は難病の子供たちを支援する財団法人日本児童家庭文化協会に寄付される。ネックレスは4色、1個4980円。ホームページ(http://www.sumire.org/)から購入できる。

新型インフル、正しい情報を把握している人ほど感染回避の行動を実行している

世界で現在なお感染拡大が伝えられる新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の発生について、人々の認識、および不安、行動に関する電話サーベイが、ロンドン大学精神医学研究所のG James Rubin氏らによって行われた。BMJ誌2009年7月18日号(オンライン版2009年7月2日号)より。

QRISK vs. Framingham、心血管疾患リスクの予測はどちらが優れているか?

イギリスで近年開発された心血管疾患リスク予測アルゴリズム「QRISK」のパフォーマンス評価が、Framinghamとの比較で行われた。QRISKの独立したパフォーマンス評価はこれまで行われていなかったという。オックスフォード大学医学統計センターのGary S Collins氏らが、イギリス保健省からの依頼で行ったもので、一般開業医(GP)の患者コホートを対象に、前向きオープンコホート研究にて、心血管疾患の10年リスクについて検討した。結果は「QRISKはFraminghamと比べて、心血管疾患10年予測リスクのパフォーマンスを改善した」と報告している。BMJ誌2009年7月18日号(オンライン版2009年7月7日号)掲載より。

【書籍紹介】できる男は2食主義

常識を少し変えてみると、新しいヒントが生まれるかもしれません!本書は、ダイエットをどのようにとらえるかという「考え方の本」です。「時間がきたから食べる」のではなく、「おなかがすいたら食べる」に考え方を変えてみませんかと提案する。その結果がダイエットにつながるという「考え方を変えることでダイエットできる」と!そして、食事のとり方を変えることは、仕事の効率がアップするという利点につながるといいます。たとえば、午前中乗ってきた仕事をランチタイムで中断させないからです。「できる男」とは、つまり今までの考え方に縛られない、仕事の効率を考えて行動できる男と提案します!

「テリパラチド」がグルココルチコイド誘発性骨粗鬆症治療薬として適応追加承認取得

 イーライリリー・アンド・カンパニーは7月23日(現地時間)、米食品医薬品局(FDA)がテリパラチド(一般名。米国での販売名:Forteo [遺伝子組み換え、注射剤])の追加適応症を承認したと発表した。新しい適応は、「骨折リスクの高い男女における継続的全身グルココルチコイド(ステロイド)療法に関連する骨粗鬆症の治療」。グルココルチコイド(ステロイド)療法は、続発性骨粗鬆症の最も多い原因であり、骨量の減少と骨折リスク上昇を引き起こすという。