日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1079

骨粗鬆症治療剤「エビスタ」をルーマニアで販売

第一三共株式会社と連結子会社のランバクシー・ラボラトリーズ(本社:インド共和国デリー市、以下「ランバクシー」)は1日、ランバクシー傘下のTerapia S.A.(以下「テラピア・ランバクシー」)を通じて、骨粗鬆症治療剤EVISTA(一般名:raloxifene、以下「エビスタ」)をルーマニア国内において販売開始すると発表した。

米国FDAが向精神病薬SAPHRISを承認

米国シェリング・プラウ・コーポレーションは、SAPHRIS(一般名:asenapine)舌下錠の成人統合失調症および精神症状の有無を問わない成人双極I型障害に伴う躁病または混合エピソードの急性期治療に対する承認を米国食品医薬品局(FDA)より取得したことを発表した。SAPHRISは、第一選択薬として使用することができ、また、両適応について同時に初回承認された最初の向精神病薬。28日に、同社の日本法人が報告した。

新規経口抗凝固剤ダビガトラン エテキシラートは、ワルファリンに比べ脳卒中の発症予防で優れ、出血も少ない

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は31日、脳卒中予防でのダビガトラン エテキシラートの有用性を検討した大規模臨床試験RE-LYの結果を発表した。試験結果はダビガトランが、有効性、安全性とも、対照としたワルファリンに対する優越性を示すものであり、ダビガトランは治療域に維持されたワルファリンと比べ、出血性を含む脳卒中または全身性塞栓症の発症リスクと、生命を脅かす出血および頭蓋内出血の発症を有意に低下し、血管死(出血死を含む)を有意に減少することがわかったという。

新しい骨粗鬆症治療薬として期待されるdenosumab:FREEDOM

 骨粗鬆症の治療に有用ではないかと期待されているdenosumabは、破骨細胞の形成、作用に不可欠なサイトカインであるRANKL(receptor activator of nuclear factor-κB ligand)に作用し、骨吸収を抑制し骨密度を増加する完全ヒトモノクローナル抗体である。骨粗鬆症、がんの骨転移、関節リウマチによる関節破壊などさまざまな骨代謝異常の治療・予防を目的に開発が行われている。本論は、FREEDOMと呼ばれる国際間無作為プラセボ試験からの報告。NEJM誌2009年8月20日号(オンライン版2009年8月11日号発表)にて掲載された。

米国で急性気道感染症への抗生物質投与率、過去10年間も継続的に減少

米国で、過去10年間の急性気道感染症への抗生物質投与率が低下してきていることがわかった。米国Vanderbilt大学のCarlos G. Grijalva氏らの調べで明らかになったもので、JAMA誌2009年8月19日号で発表した。同投与率は、1990年代に減少傾向にあったが、その後も同傾向が続いていることが確認された。抗生物質耐性菌の感染症による死亡率が増加する中では朗報と言える。

四価HPVワクチン、市販後調査で失神と静脈血栓塞栓症が他種ワクチンより高率

米国で四価ヒトパピローマウイルス組換えワクチン(qHPV)の市販後調査で、ワクチン投与後の有害事象発生率について2年半の調査の結果、失神と静脈血栓塞栓症の発生率が、他のワクチン投与後と比べ高率であることが明らかになった。米国疾病予防対策センター(CDC)のBarbara A. Slade氏らの調べで明らかになったもので、JAMA誌2009年8月19日号で発表した。米国食品医薬品局(FDA)は2006年6月にqHPVを承認、その後CDCの予防接種に関する委員会Advisory Committee on Immunization Practices(ACIP)では、女児の11~12歳に対する投与と、13~26歳の追加投与を勧告している。

進行がん患者への緩和ケア、QOLと患者の心的状態を改善

進行がん患者に対し、心理教育的な緩和ケアを提供することで、患者の生活の質(QOL)や心的状態を改善する効果があることが、無作為化試験の結果明らかになった。一方で、症状の程度や入院期間などに対する効果は、認められなかった。進行がん患者に対する、緩和ケアの効果について行った無作為化試験は珍しいという。米国Dartmouth Hitchcock Medical CenterのMarie Bakitas氏らが、300人超の進行がん患者を対象に行った試験で明らかにしたもので、JAMA誌2009年8月19日号で発表した。

2型糖尿病治療薬「SYR-322」の心血管系リスク評価追加試験にFDAが合意

武田薬品工業株式会社は28日、米国の武田グローバル研究開発センター株式会社が、2型糖尿病治療薬として米国にて販売許可申請中のDPP-4阻害薬SYR-322(一般名:alogliptin)について、米国食品医薬品局(以下、FDA)より、心血管系リスク評価の追加試験(EXAMINE試験)デザインに関し合意を得たと発表した。

フェマーラの5年投与が術後療法としてタモキシフェンよりも優れる

 スイス・ノバルティス社は、閉経後早期乳がん(ホルモン感受性)の患者に対する術後の「フェマーラ(一般名:レトロゾール)」の5年投与は、タモキシフェンに比べ至適な治療法であることを立証するデータがThe New England Journal of Medicine誌に掲載されたと発表した。ノバルティス ファーマ株式会社が28日に報告した。

インフルエンザより早く来る!―予防の一歩は『知る』ことから

8月27日、大手町ファーストスクエアにて開催された「周産期医療最前線 ―インフルエンザより早く来る!ママの知らないRSウイルス感染症」セミナー(主催:アボット ジャパン株式会社)について、2回に分けてお届けする。東京女子医科大学の楠田聡氏は、2歳未満の子を持つ母親の、RSウイルス(RSV)に関する意識調査の結果を発表した。

インテグラーゼ阻害薬/HIV感染症治療薬「アイセントレス」FDAが成人未治療HIV-1患者への使用を承認

 Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.は、米国食品医薬品局(FDA)が、インテグラーゼ阻害薬/HIV感染症治療薬「アイセントレス」の適応拡大(治療経験のない成人HIV-1患者への投与)を承認したことを発表した。子会社である万有製薬株式会社が27日に報告した。

Avastinと化学療法の併用で、進行性乳がんの治療歴のある女性において無増悪生存期間が延長する

スイス・ロシュ社は、治療歴のあるHER2陰性の進行性乳がん女性を対象としたAvastinとさまざまな化学療法の併用を検討した第III相臨床試験(RIBBON-2試験)において、Avastinと化学療法の併用群では化学療法単独に比べ、主要評価項目である無増悪生存期間の延長が認められたことを発表した。中外製薬株式会社が26日に報告した。

ファイザーとアステラス製薬「カデュエット配合錠」のコ・プロモーション契約締結

ファイザー株式会社とアステラス製薬株式会社は26日、持続性Ca拮抗薬/HMG-CoA還元酵素阻害剤「カデュエット配合錠」(一般名:アムロジピンベシル酸塩・アトルバスタチンカルシウム水和物配合剤)に関し、日本国内におけるコ・プロモーション(共同販促)契約を締結したと発表した。

統合失調症治療剤「ルラシドン」の第III相試験(PEARL2試験)の結果が発表される

 大日本住友製薬株式会社は26日、自社開発中の統合失調症治療剤「ルラシドン」の2本目の第III相試験(PEARL2試験)の結果を発表した。この試験は急性期の統合失調症患者を対象とした6週間投与のプラセボ対照二重盲検比較試験であり、ルラシドン40mg/日および120mg/日の両投与群は、主要評価項目および主な副次評価項目において、プラセボ投与群に比べ有意に高い有効性を示したという。また、ルラシドン投与群はプラセボ投与群と同程度の中止脱落率であり、良好な忍容性を示し、体重や脂質への影響もプラセボ投与群と同程度だったとのこと。

診察時の小冊子活用で、小児呼吸器感染症の受診および抗生物質処方を抑制できる

小児期の呼吸器感染症は、ほとんどが受診の必要がなく、ましてや抗生物質によるベネフィットはほとんどないにもかかわらず、再受診を含む受療率は高いままで、抗生物質も頻繁に処方されている。英国の公的医療保険であるNHSでは、小児の急性の咳だけで5,140万ドル以上の医療費が費やされており、その大半が、開業医の診察によるもので、ガイドラインも整備されているが改善の兆しはなく問題視されている。そこで、英国カーディフ大学医学部プライマリ・ケア/公衆衛生学部門のNick A Francis氏らは、小児呼吸器感染症に関する小冊子をプライマリ・ケア医に提供し、診察時に使うようトレーニングをすることで、再受診率や抗生物質の処方率が減るのではないかと、クラスター無作為化試験を行い検討した。BMJ誌2009年8月15日号(オンライン版2009年7月29日号)より。

公営介護施設vs. 民営介護施設、介護の質が高いのはどちらか?

ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)医学部レジデントのVikram R Comondore氏らは、ナーシングホームにおける介護の質を、営利施設(民営施設)と非営利施設(公営施設)とで比較した。同種の研究が行われた観察研究と無作為化試験のシステマティックレビューとメメタ解析によって行われたもの。カナダでは介護施設は52%が民営。ちなみに米国は3分の2が、イギリスでは約半数が民営で、ヨーロッパ全体では現在、施設の民営化が推進されているという。BMJ誌2009年8月15日号(オンライン版2009年8月4日号)より。

心房細動患者の脳卒中予防のための経皮的左心耳閉鎖術 vs. ワルファリン療法

非弁膜症性心房細動患者では、塞栓性発作は左心耳(LAA)血栓によると考えられている。米国メイヨー医科大学のDavid R Holmes氏らは、心房細動患者の脳卒中予防のために、LAAの経皮的閉鎖術の有効性と安全性を評価するため、ワルファリン療法との比較で無作為化非劣性試験を行った。Lancet誌2009年8月15日号より。