腎移植前脳死ドナーへの低用量ドーパミン投与で、移植後の透析回数が減少

提供元:ケアネット

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公開日:2009/09/29

 



腎移植前に、脳死状態のドナーに対し低用量ドーパミンを投与することで、レシピエントの腎移植後の透析必要回数が減少する。これは、ドイツMannheim大学のPeter Schnuelle氏らが、264人のドナーについて行った、多施設共同無作為化オープンラベル試験で明らかにしたもので、JAMA誌2009年9月9日号で発表した。海外では腎移植は、脳死状態のドナーから行われる場合が一般的だが、そのため、腎移植片が移植前に多くの損傷を受けてしまうという問題があった。

移植後1週間の複数透析リスク、ドーパミン群で有意に減少




試験は、2004年3月~2008年12月にかけて、ヨーロッパの60ヵ所の医療機関で行われた。研究グループは、脳死状態で心拍動のあるドナー264人を無作為に2群に分け、一方には低用量ドーパミン(4μg/kg/min)を移植前に投与し、もう一方には投与しなかった。

ドーパミン注入時間の中央値は、344分(四分位範囲:215分)。注入後、レシピエント487人について、移植後1週間の透析必要回数を調べた。

その結果、ドーパミン非投与のドナーから移植を受けたレシピエントで、複数回透析を受けたのは、35.4%(260人中92人、95%信頼区間:29.5%~41.2%)だったのに対し、ドーパミンを投与したドナーからのレシピエントは、同割合が24.7%(227人中56人、同:19.0%~30.3%)で、後者のほうが有意に低率だった(p=0.01)。

複数回透析を受けた人、3年以降の同種移植片不全リスクが3.61倍に




また、複数回にわたり透析が必要だったレシピエントは、必要としなかったレシピエントに比べ、移植後3年以降に、同種移植片不全を起こすリスクが、3.61倍(ハザード比:3.61、95%信頼区間:2.39~5.45、p<0.001)にも上った。透析必要回数が1回だった人は、同リスクは増加していない。

なお、ドーパミン投与によりドナーに、収縮期血圧の上昇(3.8mmHg、同:0.7~6.9、p=0.02)、手術後回復までの尿生産量の増加(29mL、同:7~51mL、p=0.009)が見られたが、研究グループは「臨床的には問題がない範囲」だと述べている。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)