日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1094

プライマリ・ケアでのがん兆候症状と非がん診断

英国King’s College London School of Medicine一般診療/プライマリ・ケア部門のRoger Jones氏らは、プライマリ・ケアでのがん兆候症状と非がん診断に関するコホート研究を行った。兆候症状を呈している患者の大半が臨床的に意味ある診断を下されていると報告している。BMJ誌2009年8月29日号(オンライン版2009年8月13日号)掲載より。

重症咽頭痛、ステロイド投与で症状を有意に改善?:メタ解析

英国オックスフォード大学プライマリ・ヘルスケア部門のGail Hayward氏らは、咽頭痛にステロイドが有効かどうかについて、システマティックレビューとメタ解析を行った。重症例や滲出性扁桃炎では、抗生物質投与に加えて投与することで症状改善が見られたと報告している。BMJ誌2009年8月29日号(オンライン版2009年8月6日号)掲載より。

プライマリ・ケアにおけるCOPDの予後評価に有用な指標を開発

プライマリ・ケアにおける慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予後評価では、改訂BODEインデックス(BMI、気道閉塞、呼吸困難、運動能)およびその簡略版であるADOインデックス(年齢、呼吸困難、気道閉塞)が有用であることが、アメリカJohns Hopkins Bloomberg公共健康医学部疫学科のMilo A Puhan氏らが実施した2つのコホートを対象とした検討で判明した。BODEインデックスはCOPDの予後評価にさかんに活用されているが、このインデックスで予測された死亡リスクが実際の死亡率と一致するか否かを検討した試験はないという。Lancet誌2009年8月29日号掲載の報告。

吸入ブデソニドはCOPD患者の肺炎リスクを増大させない

吸入ブデソニド(商品名:パルミコート)は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の肺炎リスクを増大させないことが、カナダBritish Columbia大学St Paul’s病院のDon D Sin氏らが実施したメタ解析で明らかとなった。ブデソニドはCOPDの増悪を抑制しQOLを改善するが、肺炎のリスクを増大させる可能性が指摘されている。また、吸入ステロイド薬は肺炎リスクを約50%も増大させることを示す大規模臨床試験の結果もあるという。Lancet誌2009年8月29日号掲載の報告。

中外製薬が1200万人分のタミフルの通常流通品を2010年3月までに生産・供給へ

中外製薬株式会社は7日、F.ホフマン・ラ・ロシュ社から輸入し、製造・販売している抗インフルエンザウイルス剤「タミフルカプセル75」「タミフルドライシロップ3%」(一般名:オセルタミビルリン酸塩)について、2010年3月までに新たに1200万人分の通常流通品を供給する計画を発表した。

1つのキットで2つの遺伝子型のノロウイルスを同時検出できる検出試薬キットが発売

島津製作所は7日、検体からの遺伝子の抽出・精製なしに直接遺伝子を増幅・検出できる「アンプダイレクト」技術を用いたノロウイルス検出試薬キットの改良新製品『ノロウイルスG1&G2検出試薬キット』を9月8日に発売した。このキットを使用することで、従来品では個別検出が必要であった遺伝子型の異なる2つのグループのノロウイルスを1つのキットで検出できるようになった。

新型インフルエンザ(A/H1N1)用アジュバント(MF59)添加細胞培養ワクチンの臨床試験、高い免疫原性を示す

スイス・ノバルティス社は4日、アジュバント(免疫賦活剤)を添加した細胞培養による新型インフルエンザ(ブタ由来インフルエンザA/H1N1)ワクチンのパイロット試験で、ノバルティスのワクチンが強い抗体反応と良好な忍容性を有することが示されたと発表した。日本法人のノバルティス ファーマ株式会社が報告した。

高感度心筋トロポニン検査は心筋梗塞の早期診断を大いに改善できる(2)

心筋梗塞の早期診断は迅速な治療を促し、胸痛症状を示した患者のアウトカムを改善する。その意味で、緊急環境下で施行される心筋壊死マーカー検査は診断価値が高く、胸痛患者ケアに一里塚を築いたが、胸痛出現直後の精度は低い。これに代わって心筋トロポニン検査が急性心筋梗塞の診断の中心的役割を果たすようになっているが、ヨハネス・グーテンベルク大学(ドイツ)のTill Keller氏ら研究グループは、急性心筋梗塞の早期診断とリスク層別化について、高感度トロポニンI測定法の評価を行った。NEJM誌2009年8月27日号より。

高感度心筋トロポニン検査は心筋梗塞の早期診断を大いに改善できる(1)

急性心筋梗塞は死および身体障害の主要な原因の1つだが、一方で米国やヨーロッパでは毎年約1,500万人の患者が、胸痛など急性心筋梗塞様の症状を呈し救急治療部に搬送されている。そのため、急性心筋梗塞の迅速で信頼性の高い診断が求められるが、こうした臨床上のニーズはまだ十分に満たされていない。バーゼル大学病院(スイス)のTobias Reichlin氏らは、新しい診断法として期待される高感度心筋トロポニン測定法(4つの測定法)の精度について、標準測定法との比較で検討を行った。NEJM誌2009年8月27日号より。

中等症(GOLDのステージ2)COPD患者の呼吸機能とQOLを有意に改善

ドイツ・ベーリンガーインゲルハイム社は8月28日、ランセット誌(8月28日発刊号)で発表された大規模臨床試験UPLIFT(Understanding Potential Long-term Impacts on Function with Tiotropium)のサブ解析から、チオトロピウム(製品名:スピリーバ)が最長4年にわたり中等症のCOPD患者(GOLDのガイドラインでステージ2と既定される患者)の呼吸機能を継続して改善されることが明らかになったと発表した。

2型糖尿病治療薬(SYR-322とアクトスの合剤)のFDA審査結果を受領

武田薬品工業株式会社は4日、子会社である武田グローバル研究開発センター株式会社(米国イリノイ州)が、米国時間9月2日、米国食品医薬品局(以下、「FDA」)より、2型糖尿病治療薬SYR-322(一般名:alogliptin)と同治療剤アクトスの合剤に関する審査結果通知を受領したと発表した。