新型インフルエンザ(A/H1N1)用アジュバント(MF59)添加細胞培養ワクチンの臨床試験、高い免疫原性を示す

提供元:ケアネット

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公開日:2009/09/10

 



スイス・ノバルティス社は4日、アジュバント(免疫賦活剤)を添加した細胞培養による新型インフルエンザ(ブタ由来インフルエンザA/H1N1)ワクチンのパイロット試験で、ノバルティスのワクチンが強い抗体反応と良好な忍容性を有することが示されたと発表した。日本法人のノバルティス ファーマ株式会社が報告した。

この試験は英国のLeicester大学および同大学病院で実施されたもの。Celturaと名付けられる予定のこのワクチンのパイロット試験は、18歳から50歳までの100名の健康成人ボランティアを対象に実施された。

この試験は、異なる投与間隔でワクチン接種を実施したときのワクチンの忍容性と免疫原性を評価した。細胞培養によるA/California/2009株の表面抗原7.5μgを含有するアジュバントを添加した新型インフルエンザワクチンを1回または2回接種し評価したところ、2回の接種を受けたグループに最も高い血清抗体反応が確認されただけでなく、1回の接種を受けたグループでもインフルエンザ予防が可能と判断できる同様の抗体反応が確認されたという。また、1回接種グループでは80%、2回接種グループでは90%以上の被験者で赤血球凝縮抑制抗体価が40またはそれ以上に達したことが示された。これは欧州および米国の規制当局が規定する免疫原性基準を満たすと考えられるという。この結果は、アジュバント添加ワクチンが低用量で1回接種後2週間以内に新型インフルエンザ(A/H1N1)に対する抗体を産生させる可能性があることを示しているとのこと。この試験ではアジュバントを添加しないワクチンのグループは評価されなかった。

詳細はプレスリリースへ
http://www.novartis.co.jp/news/2009/pr20090904_02.html