日本語でわかる最新の海外医学論文|page:339

抜け毛を気にしているのは女性に多い/アイスタット

 「毛髪の悩み」は古今東西、どの年代でも共通する悩みである。日々の生活でも「育毛」や「ウイッグ」のコマーシャルをみない日はないほど一般的だ。そこで、「薄毛の人」と「そうでない人」では違いに何があるのだろうか。株式会社アイスタットは、9月16日に一般の人の「薄毛・抜け毛」に関する意識調査を行った。アンケート調査は、セルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の全国の会員30~59歳の300人が対象。

非重度のうつ病治療における運動介入と薬物療法の比較~メタ解析

 中国・香港大学のFrancesco Recchia氏らは、重度でない成人うつ病の抑うつ症状軽減に対する運動介入、抗うつ薬治療、これらの併用療法の有効性を比較するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。その結果、重度でない成人うつ病患者の抑うつ症状軽減に対し、運動介入と薬理学的介入の効果に差はないことを報告した。著者らは、「本結果は、このような患者に対する抗うつ薬治療の代替療法または補助療法として、運動療法の検討を支持するものである」としている。British Journal of Sports Medicine誌オンライン版2022年9月16日号の報告。

腎細胞がん周術期ニボルマブの有用性(PROSPER、ECOG-ACRIN EA8143試験)/ESMO2022

 腎摘出術を受ける再発リスクの高い腎細胞がん患者に対して、抗PD-1抗体ニボルマブによる周術期療法で無増悪生存期間(PFS)の改善はみられなかった。米国の臨床試験ネットワークによる無作為化第III相試験の結果として、米国・ジョンズホプキンス大学のMohamad Allaf氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO2022)で報告した。

4種類の血糖降下薬、メトホルミン併用時のHbA1c値への効果に差は?/NEJM

 2型糖尿病患者では、糖化ヘモグロビン(HbA1c)の目標値を維持するために、メトホルミンに加えいくつかの種類の血糖降下薬が投与されるが、その相対的有効性は明らかにされていない。米国・マサチューセッツ総合病院のDavid M. Nathan氏らGRADE Study Research Groupは、「GRADE研究」において、4種類の血糖降下薬の効果を比較し、これらの薬剤はいずれもメトホルミンとの併用でHbA1c値を低下させたが、その目標値の達成と維持においては、グラルギンとリラグルチドが他の2剤よりもわずかながら有意に有効性が高いことを確認した。研究の成果は、NEJM誌2022年9月22日号で報告された。

観察研究データで因果推論をする新しい方法論(解説:折笠秀樹氏)

この新しい方法論はたぶん聞きなれないでしょう。「target trial emulation」というものです。あえて和訳すれば、「標的試験模倣」でしょうか。観察研究データを使って、標的の(やってみたい)臨床試験を真似ることにより、因果推論、つまり治療効果を評価する手法です。因果推論するためのゴールドスタンダードは、ランダム化比較試験といわれています。その欠陥として、それは理想状況下での実験のため、診療現場と乖離しているといわれます。一般化可能性が低いのがランダム化比較試験の欠点です。現場に近いデータで得られる結果は、リアルワールドエビデンス(RWE)と呼ばれます。その代表例は診療録やレセプトです。一般性の高いリアルワールドデータを単純に解析すれば、さまざまなバイアスが混入します。プロペンシティ解析や操作変数解析は、主に交絡バイアスを補正する手法です。今回提案された「標的試験模倣」は、現場に近いリアルワールドデータを、目標とするランダム化比較試験へ近付けたうえで解析する手法です。

血管腫・血管奇形ガイドラインが5年ぶりに改訂

 第18回日本血管腫血管奇形学会学術集会(2022年9月16~17日)において、「血管腫・血管奇形・リンパ管奇形診療ガイドライン改訂について」(科研製薬共催)と題したセミナーが開催され、秋田班ガイドライン改訂統括委員長を務める新潟大学大学院小児外科学分野の木下 義晶氏が解説した。  今回のガイドラインは、第1版である「血管腫・血管奇形診療ガイドライン2013」、第2版である「血管腫・血管奇形・リンパ管奇形診療ガイドライン2017」に次いだ第3版となり、名称は「血管腫・脈管奇形・血管奇形・リンパ管奇形・リンパ管腫症診療ガイドライン2022」となる見込みという。本ガイドラインの作成は2020年から開始され、Minds診療ガイドライン作成マニュアル2017に則して作成されている。

男性乳がんの予後予測因子

 毎年診断される乳がんのうち、男性が0.5~1%を占めている。今回、男性乳がんの予後予測因子について、米国・MedStar Georgetown University HospitalのOlutayo A. Sogunro氏らが後ろ向きチャートレビューを実施したところ、死亡リスクが高かったのは、高齢、糖尿病、心房細動、末期腎不全、PS 3、低分化腺癌、転移ありだった。なお、男性の乳がん患者では女性の乳がんと比べ、全生存率が低かった。Journal of Surgical Research誌オンライン版2022年9月28日号に掲載。

デュルバルマブ+化学療法、進行胆道がんに米国で承認/アストラゼネカ

 アストラゼネカは2022年9月12日、局所進行または転移のある胆道がん(BTC)の成人患者の治療薬として、デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)と化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)との併用療法が、米国で承認されたことを発表した。  米国食品医薬品局(FDA)による今回の承認は、転移のあるBTC患者685例を対象とした、第III相無作為化二重盲検プラセボ対照国際多施設共同試験TOPAZ-1の結果に基づいている。  TOPAZ-1試験の中間解析では、デュルバルマブと化学療法の併用により、化学療法単独と比べて死亡リスクが20%低下することが示された(ハザード比[HR]:0.80、95%信頼区間[CI]:0.66〜0.97、p=0.021)。治療開始から2年後の生存率は、デュルバルマブと化学療法の併用療法で25%、化学療法単独で10%と推定された。結果は、PD-L1の発現状況や腫瘍の原発部位にかかわらず、事前に規定されたすべてのサブグループで一致していた。

NSCLC1次治療、sintilimab+anlotinibの有用性(SUNRISE)/ESMO2022

 転移のある非小細胞肺がん(NSCLC)に対する1次療法として、抗PD-1抗体薬sintilimabとマルチチロシンキナーゼ阻害薬anlotinibとの併用療法はプラチナ化学療法に比べて奏効率(ORR)や無増悪生存期間(PFS)を改善する可能性が示された。オープンラベル多施設共同無作為化第II相試験として実施されたSUNRISE試験の中間解析の結果として、中国上海交通大学のBaohui Han氏が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2022)で報告した。 ・対象: 未治療のドライバー変異陰性StageIV NSCLC患者 ・試験群:sintilimab 200mg(day1)+anlotinib 10mg(day1~14)3週ごと(43例) ・対照群:プラチナダブレット化学療法3週ごと4~6サイクル(46例) ・評価項目: [主要評価項目]ORR [副次評価項目]奏効期間(DoR)、PFS、全生存期間(OS)、安全性

ホルモン感受性前立腺がんに対するアビラテロン+プレドニゾロン+エンザルタミドの成績/ESMO2022

 転移のあるホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)に対して、アビラテロン+プレドニゾロン(AAP療法)にエンザルタミド(ENZ)を追加しても、全生存期間(OS)の改善はみられなかった。STAMPEDEプラットホームプロトコールの2つの無作為化第III相試験(AAP試験、AAP+ENZ試験)のメタ解析結果として、英国London's Global UniversityのGerhardt Attard氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO2022)で報告した。

ブースター接種の入院予防効果、何日くらいで弱まる?/JAMA

 新型コロナのmRNAワクチン(以下、新型コロナワクチン)のブースター接種をすることで、どの程度の予防効果が補われ、それがどのくらい持続するかについてはあまり知られていない。そこで、シカゴ大学のJessica P. Ridgway氏らは初回ワクチン接種(2回接種)とブースター接種(3回目)でのコロナによる入院割合について評価した。その結果、ブースター接種が入院率の低下と関連した。ただし、ブースター接種からの時間経過に伴い、その関連は弱まっていったことが明らかになった。2022年9月23日JAMA誌オンライン版のリサーチレターでの報告。

日本人双極性障害外来患者への薬物治療に対する年齢や性別の影響~MUSUBI研究

 出産可能年齢の女性および高齢の双極性障害患者において、薬理学的治療に特別な注意を払う必要があるものの、現行のガイドラインでは明確に示されていない。とくに、出産可能年齢の女性双極性障害患者に対しては、薬物療法のリスクとベネフィットのバランスに懸念が高まる。獨協医科大学の川俣 安史氏らは、双極性障害外来患者への向精神薬処方に対する年齢および性別の影響について、調査を行った。その結果、若年女性に対するバルプロ酸とリチウムのリスクおよび安全性に関する情報が偏っている可能性が示唆され、これを修正するためのさらなる研究が求められることを報告した。また、高齢患者では、ラモトリギンよりもリチウムが処方されることが多く、高齢患者に対する薬物療法の選択においても、さらなる研究の必要性が示唆された。Annals of General Psychiatry誌2022年9月12日号の報告。

HIV感染と心血管疾患に関連はあるか/JAMA

 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に関連した心血管疾患の有病率は増加しているが、そのメカニズムはまだ十分に理解されていないという。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのJonathan A. Hudson氏らは、HIV感染者と非感染者を高度な心血管画像法で比較した研究のデータを解析した。その結果、HIV感染者の画像ベースの心血管系病変に関する利用可能なデータの要約を提供することはできたものの、解析の対象となった研究は異質性が大きく、HIV感染率の高い低所得国のデータは含まれていないため、結果の解釈は限定的とならざるをえないことが示された。研究の詳細は、JAMA誌2022年9月13日号に掲載された。  研究グループは、HIV感染者と非感染者をCT冠動脈造影、心臓MR、PETを用いて比較検討した高度な心血管画像研究について系統的なレビューを行った(英国心臓財団の助成を受けた)。

コロナ2価ワクチンの安全性と免疫原性、1価と比較~第II/III相試験/NEJM

 オミクロン株対応2価ワクチン「mRNA-1273.214」(モデルナ製)は、単価ワクチンmRNA-1273よりオミクロン株に対する中和抗体反応が優れており、安全性に関する懸念は認められなかったことを、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のSpyros Chalkias氏らが、現在進行中の第II/III相試験の中間解析の結果、報告した。オミクロン株対応2価ワクチンmRNA-1273.214の追加接種の安全性および免疫原性は明らかになっていなかった。NEJM誌オンライン版2022年9月16日号掲載の報告。  研究グループは、単価ワクチンmRNA-1273(起源株Wuhan-Hu-1のスパイクタンパク質をコードするmRNA)を2回接種(100μg)し、1回目の追加接種(50μg)を3ヵ月以上前に受けた成人を対象に、50μgの2価ワクチンmRNA-1273.214(mRNA-1273を25μg、オミクロン株B.1.1.529[BA.1]のスパイクタンパク質をコードするmRNAを25μg)を接種する群(パートG)と、50μgの単価ワクチンmRNA-1273を接種する群(パートF)に順次登録し、2回目の追加接種を行い、接種後28日時点のmRNA-1273.214の安全性、反応原性、免疫原性を評価した。

教育研修プログラムとして高く評価(解説:野間重孝氏)

現在ヨード造影剤を用いた検査・治療手技は日常診療で欠かすことのできない存在となっている。その際問題になるのが造影剤による急性腎障害(CIN)であり、ヨード造影剤投与後72時間以内に血清クレアチニン値が前値より0.5mg/dL以上、または前値より25%以上上昇した場合と定義される。CINは院内発症の急性腎障害(AKI)の10~13%に及ぶと考えられ、多くのAKIが不可逆的であるのと同様にCINもその多くが不可逆的であり、その後の治療の大きな障壁となる。検査・治療に当たる医師は最大限の注意を払うことが求められ、裏付けとなる十分な知識・経験と技術が求められるところとなる。本研究は非緊急冠動脈造影や経皮的冠動脈インターベンションを施行する心臓専門医に対して教育、造影剤投与量および血行力学的に誘導された輸液目標に対するコンピュータによる臨床的意志決定支援、監査とフィードバックを行い、介入前後の成績を比較検討したものである。この一連の報告は、研究というより教育・研修プログラムの効果判定とその報告と考えるべきで、その意味から今回の試みは成功だったと評価されると考えられる。

日本人高齢者の睡眠時間と認知症リスクとの関係~NISSINプロジェクト

 大阪公立大学の鵜川 重和氏らは、身体的および社会的に自立した日本人高齢者における毎日の睡眠時間と認知症発症リスク(高血圧、糖尿病、心血管疾患などの併存疾患の有無にかかわらず)との関連を調査するため、日本人の年齢別コホートを行った。その結果、日々の習慣的な睡眠時間は、将来の認知症発症リスクの予測因子であることが示唆された。Sleep Medicine誌オンライン版2022年9月3日号の報告。  64~65歳の日本人1,954人(男性:1,006人、女性:948人)を含むプロスペクティブコホート研究を実施した。1日の睡眠時間、症状、人口統計学的因子、ライフスタイル特性に関するデータは、ベースラインアンケート調査および健康診断調査(2000~05年)より収集した。認知症発症は、厚生労働省が提唱する全国標準化認知症尺度を用いて確認した。認知症発症のハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を算出するため、競合リスクモデルを用いた。死亡例も競合イベントとして扱った。

心不全未発症者、睡眠時無呼吸や質低下が心拡張機能障害と関連/兵庫医大

 心不全未発症の段階において、睡眠時の無呼吸と質の低下がそれぞれ独立した左室拡張機能低下の重要な予測因子であることを、兵庫医科大学糖尿病内分泌・免疫内科学講座の大学院生の木俵 米一氏らの共同研究グループが前向き研究で解明した。これまで、心不全患者では睡眠に関する問題が多く、睡眠が心不全発症と関連する可能性が指摘されていたが、無呼吸、短時間、質の低下などの睡眠関連因子を定量的かつ同時に評価し、左室拡張機能障害の進行に対する影響を直接検討した研究は報告されていなかった。

4種類の血糖降下薬、メトホルミン併用時の効果を比較/NEJM

 米国では、2型糖尿病患者の治療においてメトホルミンとの併用で使用される血糖降下薬の相対的有効性のデータは十分でないという。米国・マサチューセッツ総合病院のDavid M. Nathan氏らGRADE Study Research Groupは、「GRADE研究」において、メトホルミンと4種類の血糖降下薬の併用療法の効果を比較し、微小血管合併症や死亡の発生には4種類の薬剤で実質的な差はないが、心血管疾患の発生には群間差が存在する可能性があることを示した。研究の成果は、NEJM誌2022年9月22日号に掲載された。  GRADE研究は、2型糖尿病患者の治療における4種類の血糖降下薬の相対的有効性の評価を目的とする無作為化並行群間比較試験であり、2013年7月~2017年8月の期間に、米国の36施設で参加者の登録が行われた(米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所[NIDDK]などの助成を受けた)。本論では、主に副次アウトカムの結果が報告され、主要アウトカムは別の論文で詳報された。

治療抵抗性高血圧への腎デナベーション、長期アウトカムは/Lancet

 治療抵抗性高血圧患者に対する腎デナベーションシステム「Symplicity」(米国Medtronic製)の安全性と有効性を検討した偽処置(シャム)対照大規模臨床試験「SYMPLICITY HTN-3試験」の最終報告として、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のDeepak L. Bhatt氏らが長期(36ヵ月フォローアップ)アウトカムの結果を発表した。処置後6ヵ月時点の評価では、降圧を安全に達成できることは確認された一方で有意な降圧の有効性は見いだせなかったが、36ヵ月時点の評価において、安全性に関するエビデンスが増強されるとともに、12~36ヵ月において、施術を受けた患者の降圧効果がシャム対照患者と比べて大きく、また血圧コントロールが良好であったことが示されたという。結果を踏まえて著者は、「腎デナベーションの臨床的効果が時間とともに衰えることはなく、増す可能性があることが示唆された」と述べている。Lancet誌オンライン版2022年9月16日号掲載の報告。