日本語でわかる最新の海外医学論文|page:341

ファイザー製コロナワクチン、3回接種でオミクロン株にも効果

 米国・ファイザー社は、12月8日に発表したプレスリリースで、現在拡大が懸念されているオミクロン株に対する同社の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの効果を調べた研究結果を公表した。それによると、初回接種(2回)では、野生株と比べ、オミクロン株に対する中和抗体力価が大幅な減少を示し、オミクロン株への保護効果が十分ではない可能性があるという。ただ、3回目の追加接種により、従来株と同等の効果が得られることも示された。同社は、より多くの人がまずは初回接種を完遂すると共に、COVID-19拡大防止には追加接種が必要であるとしている。  今回公表したのは予備的な実験データの段階だが、初回接種までの中和抗体力価は、野生株や従来の変異株などに比べ、オミクロン株に対しては有意に減少していたが、3回目の追加接種により、初回接種の25倍まで増強され、従来株並みの高い保護レベルが観察されたという。ファイザー社は、「初回接種によるコロナ重症化予防には引き続き有用だが、追加接種によりオミクロン株も含めたより高い予防効果が得られる可能性がある」とし、各国で進められている追加接種が、引き続きCOVID-19拡大防止に対する最善策であるとの見解を示した。  同社では、追加接種後のオミクロン株に対する中和抗体の持続性などを検討するため、さらにデータ収集を進めることにしている。

TN乳がん1次治療でのペムブロリズマブ、適切なCPSカットオフ値は?(KEYNOTE-355)/SABCS2021

 手術不能な局所再発または転移を有するPD-L1陽性のトリプルネガティブ(TN)乳がんの1次治療において、ペムブロリズマブ+化学療法による治療ベネフィットが期待される患者の定義としてCPS 10以上が適切であることを示唆する、第III相KEYNOTE-355試験のサブグループ解析結果を、スペイン・International Breast Cancer CenterのJavier Cortes氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2021)で発表した。  本試験では、化学療法+ペムブロリズマブが、未治療のPD-L1陽性(CPS 10以上)の手術不能な局所再発または転移を有するTN乳がん患者において、化学療法+プラセボと比べ、有意に全生存(OS)および無増悪生存(PFS)を改善したことがすでに報告されている。しかし、CPS 1以上の集団では有意なベネフィットは示されなかった。今回は、CPSのカットオフ値を追加し、CPS 1未満、1~9、10~19、20以上のサブグループに分けてOSとPFSを解析した。

日本人統合失調症患者における抗精神病薬の製剤満足度調査

 藤田医科大学の波多野 正和氏らは、服薬アドヒアランスに影響を及ぼす因子を特定するため、統合失調症患者を対象に処方された抗精神病薬の製剤に関する主観的なアンケート調査を実施した。Clinical Psychopharmacology and Neuroscience誌2021年11月30日号の報告。  処方された抗精神病薬の製剤に対する患者の満足度および不満度を評価するため、薬に対する構えの評価尺度(DAI-10)を用いた。対象患者は、同一成分、同一製剤の抗精神病薬を1ヵ月以上服用している20~75歳の統合失調症患者とした。

mRNAワクチン後24週間の感染リスク、ワクチンで差はあるか/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のmRNAワクチン、「BNT162b2」(Pfizer-BioNTech製)または「mRNA-1273」(Moderna製)を接種後24週間の感染リスクは4.5~5.8件/1,000人と低率であることが、米国・ハーバード公衆衛生大学院のBarbra A. Dickerman氏らによる、ワクチン接種済み米国退役軍人約44万人のデータの解析で明らかにされた。リスクは、BNT162b2よりもmRNA-1273で低く、こうした情勢はアルファ変異株、デルタ変異株が優勢だった時期にかかわらず一貫していたという。mRNAワクチンはCOVID-19に対して90%以上の効果があることが示されていたが、多様な集団におけるさまざまなアウトカムについて有効性の比較は行われていなかった。NEJM誌オンライン版2021年12月1日号掲載の報告。

米国の主要ガイドライン、低エビデンスも推奨強が多い?/BMJ

 米国心臓病学会(ACC)、米国心臓協会(AHA)、米国臨床腫瘍学会(ASCO)の作成した臨床ガイドラインについて、エビデンスの質が低いにもかかわらず、推奨の度合いが強い事例が少なくないことが示された。そうしたエビデンスの質と推奨の強さの「不一致」は、エビデンスベースのガイドラインと比べてコンセンサスベースのガイドラインに多かったという。カナダ・マックマスター大学のLiang Yao氏らが、ACC、AHA、ASCOの作成したガイドラインとそれに基づく推奨について実証分析を行い明らかにした。エビデンスに基づく医療とは、推奨の度合いとエビデンスの質が一致していることを原則とするが、コンセンサスベースのガイドラインでこの原則を満たしているかは明らかにされていなかったという。著者は「“信頼できる”ガイドライン作成のためには、エビデンスの質と推奨の度合いを適切に一致させることが鍵になる」と指摘している。BMJ誌2021年11月25日号掲載の報告。

サクビトリル・バルサルタン:ステージBにエビデンスが出なかったけど、日本だけはステージAから使えてしまう矛盾(解説:絹川弘一郎氏)

サクビトリル・バルサルタンはとても良い心不全治療薬である。もう少し正確に言うと素晴らしい軽症心不全治療薬である。Paradigm-HFやLifeのデータを見てもNYHA 4度には効かないし、自分の臨床経験でもその通りである。サクビトリル・バルサルタンは重症テスターともいえ、この薬剤に忍容性がない(=血圧が下がりすぎる、ないしは腎機能が悪化する)場合、NYHA 4度と認定しても構わないのではとすら、最近思う。しかし、血行動態が安定しているNYHA 2度のHFrEFには実によく効くし、リバースリモデリングも大いに期待できる。

ICIによる非小細胞肺がんの術前・術後補助療法の有効性を探る(CheckMate 77T試験)/日本肺癌学会

 最近のStageIIAからIIIBの非小細胞肺がん(NSCLC)に対する術後の5年生存率は50%以下であり、その治療効果は十分とはいえず、何らかの追加治療が必要とされてきた。  1990年代から化学療法を用いた術前補助療法が行われてきたが、最近は免疫チェックポイント阻害薬(ICI)が登場。周術期治療への可能性が期待されている。そこで、化学療法にICIを加えた周術期治療の有用性を検証するCheckMate 77T試験が現在進行しており、その概要が第62回日本肺癌学会学術集会において、神奈川県立がんセンターの伊藤宏之氏から紹介された。

日本人高齢者におけるコーヒー、緑茶、カフェインと認知症リスク

 コーヒー、緑茶、カフェインは、高齢者の認知症予防の潜在的な因子といわれているが、根拠となるエビデンスは十分ではない。新潟大学のNana Matsushita氏らは、中高年の認知症リスクとコーヒー、緑茶、カフェインの摂取との関連を調査した。Journal of the American Geriatrics Society誌オンライン版2021年10月8日号の報告。  本研究は、8年間フォローアップを行ったコホート研究である。対象者は、40~74歳の日本の地域住民1万3,757人。2011~13年に自己記入式のアンケート調査を実施した。予測因子は、コーヒー、緑茶の消費量とし、そこからカフェインの摂取量を推定した。アウトカムは、介護保険データベースより抽出した認知症発症とした。調整済みハザード比(HR)の算出には、Cox比例ハザードモデル、遅延組み入れCoxモデルを用いた。

Pacak-Zhuang症候群にbelzutifan治療が有効/NEJM

 赤血球増加症と多発性パラガングリオーマを有するPacak-Zhuang症候群の16歳女性患者において、低酸素誘導因子2α(HIF2α)阻害薬belzutifan治療により、高血圧、頭痛、および長期にわたる赤血球増加症の解消とともに、迅速かつ持続的な腫瘍縮退効果がもたらされたことを、米国・ダナファーバーがん研究所(DFCI)のJunne Kamihara氏らが報告した。Pacak-Zhuang症候群は、HIF2αをコードする遺伝子(EPAS1)の活性化変異によって引き起こされるまれな疾患で、生殖細胞系列の遺伝子検査で検出されることはほとんどなく、患者は幼少期に赤血球増加症を呈し、その後に複数の再発性および転移性のパラガングリオーマを発症する。小児期に発症した患者は複数の複雑な治療を受けることになるが、症候群の根本的な遺伝的原因を標的とする治療選択肢は限られていた。今回の結果を踏まえて著者は、「分子標的薬のレパートリーが増える中で、その長期的な効果を徹底的に調査することにより、腫瘍素因症候群の子供と大人におけるケアの目標はスクリーニングと早期発見から、将来的に腫瘍の治療、さらに予防へとシフトする可能性があるだろう」と述べている。NEJM誌2021年11月25日号掲載の報告。

「今後のコロナ医療に必要なことは?」感染症内科医・岡秀昭氏インタビュー(後編)

 2021年も残すところあと数週間。昨年の年明け早々に始まった新型コロナウイルス感染症との闘いは、2年近くになる。医療現場のみならず、社会全体を激変させたコロナだが、その最前線で治療に当たってきた医師は、最大の患者数を出した第5波を乗り越え、今ようやく息をつける状態となった。この休息が束の間なのか、しばらくの猶予となるのかは不明だが、諸外国の状況やオミクロン株の出現などを鑑みると、それほど悠長に構えていられないのが現在地点かもしれない。

精神病性うつ病の疾患経過に影響を及ぼす因子

 精神病性うつ病は、重度の症状や疾患経過を伴う疾患であるが、いまだ十分に研究されていない。フィンランド・トゥルク大学のMiika Nietola氏らは、精神病性うつ病の発症年齢や疾患経過に対する性別および精神医学的併存疾患の影響について調査を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2021年10月8日号の報告。  本研究は、1966年フィンランド北部の出生コホートに基づき実施された。精神医学的診断歴、入院歴、発症年齢、障害年金受給率、死亡率に関するデータを収集した。精神病性うつ病患者58例において、性別およびアルコール使用障害またはパーソナリティ障害の合併に基づくサブグループ間における疾患経過を比較した。

機械学習でアトピー性皮膚炎患者を層別化

 アトピー性皮膚炎(AD)の治療を巡って、近年の治療薬の開発に伴い、対象患者の層別化の重要性が指摘されている。そうした中、ドイツ・ボン大学病院のLaura Maintz氏らはAD重症度と関連する主要因子を明らかにするため、同病院入院・外来患者367例について機械学習ベースの表現型同定(deep phenotyping)解析を行い、アトピースティグマと重症ADとの関連性や、12~21歳と52歳以上で重症ADが多くなる可能性などを明らかにした。  ADは、ごくありふれた慢性の炎症性皮膚疾患であるが、表現型は非常に多様で起因の病態生理は複雑である。著者は、「今回の検討で判明した関連性は、疾患への理解を深め、特定の患者に注視したモニタリングを可能とし、個別予防・治療に寄与するものと思われる」と述べている。JAMA Dermatology誌オンライン版2021年11月10日号掲載の報告。  研究グループは、思春期および成人ADの重症度関連因子の表現型を深める検討として、2016年11月~2020年2月に前向き追跡試験に登録されたボン大学病院皮膚科の入院・外来患者を対象に断面データ解析を行った。

高齢がん患者への高齢者機能評価介入、治療毒性を低減/Lancet

 進行がんの高齢患者への介入として、地域の腫瘍医(community oncology practice)に高齢者機能評価の要約を提供すると、これを提供しない場合に比べ、がん治療による重度の毒性作用の発現頻度が抑制され、用量強度の低いレジメンで治療を開始する腫瘍医が増えることが、米国・ロチェスター大学医療センターのSupriya G. Mohile氏らのクラスター無作為化試験「GAP70+試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2021年11月20日号で報告された。  本研究は、患者管理上の推奨事項を含む高齢者機能評価の要約を地域の腫瘍医に提供することによる介入は、意思決定の改善をもたらし、高リスクのがん治療による重度の毒性を軽減するとの仮説の検証を目的とするクラスター無作為化試験であり、米国の40の地域腫瘍診療施設が参加し、2014年7月~2019年3月の期間に患者登録が行われた(米国国立がん研究所[NCI]の研究助成を受けた)。

mRNAコロナワクチンによる心筋炎・心膜炎、「重大な副反応」に追加/厚労省

 厚生労働省は12月3日、新型コロナウイルス感染症のmRNAワクチンに対し『重大な副反応』の項に「心筋炎」と「心膜炎」を追記するよう、使用上の注意の改訂指示を発出した。対象製剤はファイザー社の「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」(商品名:コミナティ)とモデルナ社の「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」(商品名:(COVID-19ワクチンモデルナ筋注)。  今年7月の時点で重要な基本的注意に追記されていたが、その後の解析で各2回接種後の若年男性(10~20代)で頻度が高いことが示唆された。

「五輪の裏で現場はギリギリまで追い詰められていた」感染症内科医・岡秀昭氏インタビュー(前編)

 2021年も残すところあと数週間。昨年の年明け早々に始まった新型コロナウイルス感染症との闘いは、2年近くになる。医療現場のみならず、社会全体を激変させたコロナだが、その最前線で治療に当たってきた医師は、最大の患者数を出した第5波を乗り越え、今ようやく息をつける状態となった。この休息が束の間なのか、しばらくの猶予となるのかは不明だが、諸外国の状況やオミクロン株の出現などを鑑みると、それほど悠長に構えていられないのが現在地点かもしれない。  第6波は来るのか、これまでのコロナ政策で今後も闘い続けられるのか―。地域のコロナ拠点病院で重症患者治療に奔走した感染症内科医・岡 秀昭氏(埼玉医科大学総合医療センター)に話を伺った。

他の抗CGRP抗体への切り替えによる片頭痛予防効果

 ある抗CGRP(受容体)モノクローナル抗体に反応しなかった片頭痛患者に対する他の抗CGRP抗体への切り替えは治療選択肢の1つとなりうる可能性があるが、現時点ではデータが不足している。ドイツ・シャリテー-ベルリン医科大学のLucas Hendrik Overeem氏らは、抗CGRP受容体モノクローナル抗体であるエレヌマブによる治療で有効性または安全性の懸念が認められた患者に対する他の抗CGRP抗体による治療反応を評価した。Cephalalgia誌オンライン版2021年10月13日号の報告。  対象は、ドイツの頭痛センター4施設において、効果不十分または継続しがたい副作用により他のCGRP抗体へ切り替えを行った片頭痛患者78例。対象患者の頭痛日誌をレトロスペクティブに分析した。対象患者のうちエレヌマブによる3サイクルの治療に反応が認められず(1ヵ月当たりの片頭痛日数の減少が30%未満)、他のCGRP抗体治療開始1ヵ月前および治療中に完全な頭痛データが得られた25例を特定した。主要評価項目は、ガルカネズマブまたはフレマネズマブ切り替え3ヵ月後における30%以上の治療反応率とした。副次的評価項目は、50%以上の治療反応率、1ヵ月当たりの片頭痛日数、1ヵ月当たりの急性頭痛薬の使用日数とした。対象患者を頭痛頻度が毎日(9例)または非毎日(16例)で層別化し、探索的サブグループ解析を行った。

高血糖の進行に影響を及ぼす抗精神病薬の関連因子

 抗精神病薬は、高血糖リスクを高める危険性がある。高血糖の進行に影響を及ぼす因子として、抗精神病薬の種類、1日投与量、数量などが挙げられているが、これらとの関連を調査した研究は少ない。北海道大学の石川 修平氏らは、高血糖の進行に関連すると考えられる背景因子で調整した後、高血糖の進行に影響を及ぼす抗精神病薬治療の関連因子について調査を行った。Progress in Neuro-Psychopharmacology & Biological Psychiatry誌オンライン版2021年10月9日号の報告。  新規に抗精神病薬治療を開始した患者を対象に高血糖の発生率を12ヵ月間調査した全国多施設共同プロスペクティブ研究を実施した。ベースライン時に正常な血糖値であった患者631例を対象に人口統計データ、処方歴、血液検査値を収集した。主要評価項目は、高血糖の発生率(正常状態から糖尿病予備軍または糖尿病が疑われる状態への進行)とし、統合失調症患者を対象とした日本のモニタリングガイダンスに基づき評価を行った。経時的なグルコース代謝に対する抗精神病薬の影響を調査するため、各抗精神病薬治療開始3、6、12ヵ月後のHbA1cレベルの変化を調査した。

ファイザー製ワクチン2回目後、90日から徐々に感染増加/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防におけるBNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製、21日間隔で2回接種)は、2回目接種から数ヵ月後には重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染の防止効果が低下し始め、2回目接種から90日以降はブレークスルー感染リスクが徐々に増加することが、イスラエル・Leumit Health ServicesのAriel Israel氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2021年11月25日号で報告された。  研究グループは、BNT162b2ワクチンの2回目接種後の経過期間とCOVID-19の罹患リスクとの関連を評価することを目的に、test negative designを用いた後ろ向き症例対照研究を行った(イスラエル・Leumit Health Servicesなどの助成を受けた)。

VHL病の腎細胞がんにbelzutifanが有効/NEJM

 フォン・ヒッペル-リンドウ(VHL)病はVHL遺伝子の生殖細胞系列の病的変異に起因するまれな常染色体性優性の遺伝性疾患で、良性または悪性の新生物と関連し、低酸素誘導因子2α(HIF-2α)の恒常的な活性化などにより生涯に患者の約70%が腎細胞がんを発症するという。米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのEric Jonasch氏らは、VHL病患者の腎細胞がん治療における第2世代分子標的薬のHIF-2α阻害薬belzutifan(MK-6482)の有用性について検討した(MK-6482-004試験)。その結果、本薬の有害事象は主にGrad1または2であり、VHL病関連の腎細胞がんだけでなく膵病変や網膜・中枢神経系の血管芽腫にも抗腫瘍活性を有することが示された。研究の成果は、NEJM誌2021年11月25日号に掲載された。

固形がん患者へのブースター接種、抗体価の変化は?/JAMA Oncol

 積極的な治療を受けている固形がん患者では新型コロナウイルス感染症により予後が悪化するリスクが高く、また、化学療法を受けているがん患者ではBNT162b2 mRNAワクチン(Pfizer/BioNTech)による体液性応答が低下することが報告されている。今回、イスラエル・Hadassah Medical CenterのYakir Rottenberg氏らが、主に化学療法を受けた固形がん患者でのBNT162b2ワクチンの3回目(ブースター)接種後30日未満の体液性応答を調査したところ、ほとんどの症例でブースター接種後早期に抗体反応がみられたことがわかった。JAMA Oncology誌オンライン版2021年11月23日号に掲載。