脳神経外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

音声で日本人の軽度認知障害を検出可能か?

 軽度認知障害(MCI)では、発声パターンやテンポの変化がみられることがあるため、音声は認知機能障害の潜在的なバイオマーカーとなる可能性がある。音声バイオマーカーの予測特性をタイムリーかつ非侵襲的に検出するうえで、人工知能(AI)を用いたMCIの検出は、費用対効果に優れる方法であると考えられる。国立循環器病研究センターの清重 映里氏らは、日本の地域住民における非構造的な会話の音声データからAIで生成した音声バイオマーカーを用いて、MCIを検出する予測モデルを開発し、その効果を検証した。The Lancet Regional Health. Western Pacific誌2025年6月12日号の報告。

脳梗塞発症後4.5~24時間、アルテプラーゼ静注vs.標準薬物治療/JAMA

 虚血性脳卒中発症後4.5時間以降における静脈内血栓溶解療法の安全性と有効性については、いまだ十分な検討は行われていない。中国・Second Affiliated Hospital of Zhejiang University, School of MedicineのYing Zhou氏らHOPE investigatorsは無作為化試験において、灌流画像で救済可能組織が確認され、血栓除去術が当初予定されなかった急性虚血性脳卒中患者では、発症後4.5~24時間以内のアルテプラーゼ静脈内投与は、症候性頭蓋内出血は増加したが機能的アウトカムのベネフィットが得られたことを示した。JAMA誌オンライン版2025年8月7日号掲載の報告。

片頭痛予防に有効な食事パターンは?

 片頭痛は、患者の生活の質に重大な影響を及ぼす一般的な神経疾患である。食事パターンは、片頭痛の予防とマネジメントにおいて、潜在的に重要な因子として認識されている。イラン・Kerman University of Medical SciencesのVahideh Behrouz氏らは、地中海式ダイエット、高血圧予防のための食事療法DASH食、神経発生遅延のための地中海-DASH食介入(MIND)、ケトジェニックダイエット、低脂肪食、低血糖食、グルテンフリーダイエット、断食ダイエットなど、さまざまな食事パターンを比較分析し、片頭痛の予防とマネジメントにおける有効性を評価し、その根底にあるメカニズムを明らかにするため、システマティックビューを実施した。Brain and Behavior誌2025年7月号の報告。

高齢期も自由を失い管理される時代になるのだろうか?(解説:岡村毅氏)

20世紀の人々は、○○を食べると認知症にならない、という夢物語をよく語っていた。例の○○オイルなどだ。その背景には、人々は認知症のこともまだあまり知らず、よくわかんないけど、なりたくないよね、恐ろしいよね、という無垢な認識であったことが挙げられる。大学病院でも、認知症と精神疾患の人はオペ室には入れるべからず、などといわれていた。こういう時代だからこそ「実は○○がよい」みたいな魔法の杖のような話が受ける。何も知らない人同士が無責任に話している世間話にすぎないからだ。これをハイデガーなら頽落と呼ぶかもしれない。

アルツハイマー病に伴うアジテーションに対するブレクスピプラゾール、最大何週目までの忍容性が確認されているか

 認知症高齢者は、抗精神病薬の副作用に対しとくに脆弱である。非定型抗精神病薬ブレクスピプラゾールは、アルツハイマー病に伴うアジテーションに対する治療薬として、多くの国で承認されている。米国・Otsuka Pharmaceutical Development & CommercializationのAlpesh Shah氏らは、認知症患者に対するブレクスピプラゾールの安全性と忍容性を評価するため、3つのランダム化試験と1つの継続試験の統合解析を行った。CNS Drugs誌オンライン版2025年7月19日号の報告。  アルツハイマー病に伴うアジテーションを有する認知症患者を対象とした、3つの12週間ランダム化二重盲検プラセボ対照第III相試験と、1つの12週間実薬継続第III相試験のデータを統合した。安全性アウトカムには、治療関連有害事象(TEAE)、体重変化、自殺念慮、錐体外路症状、認知機能障害を含めた。検討対象となったデータセットは2つ。1つは、ブレクスピプラゾール0.5〜3mg/日とプラセボを投与した3つのランダム化試験のデータを統合した12週間のデータセット。もう1つは、ブレクスピプラゾール2〜3mg/日の親ランダム化試験と継続試験のデータを統合した24週間のデータセット。

アルツハイマー病予防に必要な最低限の運動量が判明

 これまでの研究では、身体活動とアルツハイマー病リスクとの逆相関関係が示唆されている。多くの研究において身体活動の健康効果が報告されているが、高齢期における身体活動の具体的な効果は依然として不明であり、高齢者では激しい身体活動が困難な場合も少なくない。さらに、身体活動の評価方法には、実施時期やその種類など、ばらつきも大きい。米国・Touro UniversityのAmy Sakazaki氏らは、高齢期における身体活動の効果および高齢者にとっての最低限の身体活動レベルを明らかにするため、既存の文献を評価するシステマティックレビューを実施した。Journal of Osteopathic Medicine誌オンライン版2025年7月16日号の報告。

日本における認知症予防、社会参加の促進はどの程度効果があるのか

 社会参加は、認知症発症リスクの低下と関連している可能性があり、近年日本において増加傾向にある。この社会参加の促進が、認知症発症率の変化と関連している可能性がある。医療経済研究機構の藤原 聡子氏らは、5つの自治体における2つの高齢者コホートの認知症発症率を比較し、その違いが社会参加と関連しているのか、あるいは社会参加の変数と関連しているかを検討した。Archives of Gerontology and Geriatrics誌2025年10月号の報告。  日本老年学的評価研究(JAGES)のデータを分析した。本研究は、要介護認定を受けていない65歳以上の地域在住高齢者を対象とした2つの3年間フォローアップ調査コホート(2013〜16年:2万5,281人、2016〜19年:2万6,284人)で構成された。生存分析を用いて、コホートおよび社会参加を説明変数として認知症のハザード比(HR)を算出した。解析は、年齢別(65〜74歳、75歳以上)に層別化し、人口統計学的因子、社会参加、社会参加に関連する変数について調整した。

循環器病予防に大きく寄与する2つの因子/国立循環器病研究センター

 心血管疾患(CVD)リスク因子については、高血圧や喫煙、体型、栄養などの関連性が指摘されている。では、これらの因子はCVDへの寄与について、どの程度定量化できるのであろうか。このテーマに関して、国立循環器病研究センター予防医学・疫学情報部の尾形 宗士郎氏らの研究グループは、高度なマイクロシミュレーションモデル「IMPACT NCD-JPN」を開発し、2001~19年に起きた循環器病のリスク要因の変化が、全国の循環器病(冠動脈疾患と脳卒中)の発症数、死亡数、医療費、QALYs(質調整生存年)にどのような影響を与えたかを定量的に評価した。その結果、収縮期血圧(SBP)の低下と喫煙率の低下が循環器病発症の軽減に大きく寄与していることがわかった。この結果は、The Lancet Regional Health Western Pacific誌2025年7月8日号に掲載された。

高齢てんかん患者では睡眠不足が全死亡リスクを押し上げる

 睡眠不足が健康に悪影響を及ぼすとするエビデンスの蓄積とともに近年、睡眠衛生は公衆衛生上の主要な課題の一つとなっている。しかし、睡眠不足がてんかん患者に与える長期的な影響は明らかでない。米ウォールデン大学のSrikanta Banerjee氏らは、米国国民健康面接調査(NHIS)と死亡統計データをリンクさせ、高齢てんかん患者の睡眠不足が全死亡リスクに及ぼす影響を検討。結果の詳細が「Healthcare」に4月23日掲載された。  2008~2018年のNHISに参加し、2019年末までの死亡記録を追跡し得た65歳以上の高齢者、1万7,319人を解析対象とした。このうち245人が、医療専門家からてんかんと言われた経験があり、てんかんを有する人(PWE)と定義された。