脳神経外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:7

次々と承認される抗アミロイド抗体、有効性に違いはあるか?

 近年、アルツハイマー病に対する抗アミロイド抗体の承認が加速している。しかし、抗アミロイド抗体の臨床的意義やリスク/ベネフィットプロファイルは、依然として明らかになっていない。他の治療法ではなく、抗アミロイド抗体を選択する根拠を確立するためにも、アルツハイマー病の異質性および抗アミロイド抗体の長期臨床データの不足は、課題である。スペイン・University of Castilla-La ManchaのDanko Jeremic氏らは、抗アミロイド抗体の有効性および安全性を評価し、比較するため、従来のペアワイズメタ解析ならびに第II相および第III相臨床試験の結果を用いたベイジアンネットワークメタ解析を実施した。また、本研究の目的を達成するため、研究者や臨床医が疾患進行や有害事象のベースラインリスクに関するさまざまな事前選択や仮定を組み込み、これらの治療法の相対的および絶対的なリスク/ベネフィットをリアルタイムに評価できる無料のWebアプリケーションAlzMeta.app 2.0を開発した。Journal of Medical Internet Research誌2025年4月7日号の報告。

脳卒中、認知症、老年期うつ病は17個のリスク因子を共有

 脳卒中、認知症、老年期うつ病は17個のリスク因子を共有しており、これらの因子のうちの一つでも改善すれば、3種類の疾患全てのリスクが低下する可能性のあることが、新たな研究で示唆された。米マサチューセッツ総合病院(MGH)脳ケアラボのSanjula Singh氏らによるこの研究結果は、「Journal of Neurology, Neurosurgery and Psychiatry」に4月3日掲載された。  研究グループによると、脳卒中の少なくとも60%、認知症の40%、老年期うつ病の35%は修正可能なリスク因子に起因しており、これらの疾患が共通の病態生理学的背景を持つため、リスク因子にも多くの重複が見られるという。

適量のアルコール摂取でもアミロイドβは蓄積する?

 WHOの声明によると、人間の健康に対する安全なアルコール摂取量は存在しないとされている。しかし、アルコール摂取とアルツハイマー病の病態との関連は、依然としてよくわかっていない。ギリシャ・Harokopio UniversityのArchontoula Drouka氏らは、アルコール摂取の頻度やパターンが神経変性バイオマーカーの予測と関連するかを明らかにするため、非認知症の中年成人コホートによる検討を行った。European Journal of Nutrition誌2025年4月1日号の報告。  対象は、ALBION試験より組み入れられた非認知症者195人。アルコール摂取頻度のサブグループ(非飲酒者、時々飲酒者、軽度〜中等度の飲酒者)、地中海食型アルコール食生活パターン順守のサブグループにおける脳脊髄液(CFS)中のアルツハイマー病バイオマーカー(タウ[Tau]、リン酸化タウ[P Tau]、アミロイドβ[Aβ])を評価するため、多変量ロジスティック回帰分析を実施した。分析では、非飲酒者を基準カテゴリーとして使用した。

教育レベルの高い人は脳卒中後に認知機能が急激に低下する?

 英語には、「The higher you fly, the harder you fall(高く飛べば飛ぶほど、落下も激しくなる)」という諺があるが、脳卒中後の後遺症についてもこれが当てはまる可能性があるようだ。大学以上の教育を受けた人は高校卒業(以下、高卒)未満の人に比べて、脳卒中後に実行機能の急激な低下に直面する可能性のあることが、新たな研究で示唆された。実行機能とは、目標を設定し、その達成に向けて計画を練り、問題に柔軟に対応しながら遂行する能力のことだ。米ミシガン大学医学部神経学教授のMellanie Springer氏らによるこの研究結果は、「JAMA Network Open」に3月26日掲載された。

食事中の飲酒量が多いと片頭痛発生率が低い

 アルコール摂取と片頭痛または重度の頭痛との関係は、これまでの文献において依然として議論の的となっている。アルコールは広く消費されている飲料であるため、アルコールと片頭痛または重度の頭痛との関連を明らかにすることは、患者のマネジメントに役立つと考えられる。中国・安徽医科大学のYi Tang氏らは、アルコール摂取と片頭痛または重度の頭痛との潜在的な関係を調査するため、本研究を実施した。Brain and Behavior誌2025年3月号の報告。  1999年3月〜2004年12月の米国国民健康栄養調査(NHANES)データベースのデータを用いて、閾値効果、平滑化曲線フィッティング、多変量ロジスティック回帰を網羅した分析を行い、アルコール摂取レベルと片頭痛または重度の頭痛との関係を評価した。サブグループ解析と相互作用テストにより、異なる層別集団間におけるこれらの関連の安定性を調査した。

新たな方法を用いた強力なMRIがてんかん病変を検出

 標準的な3T(静磁場強度が3テスラ)MRIの2倍以上の強さの磁場を発生させる7T MRIを用いることで、3T MRIでは検出できなかったてんかんの原因となる病変を検出できることが、新たな研究で明らかにされた。特に、パラレル送信システムを用いた7T MRI(pTx 7T MRI)は病変の描出に優れていたという。英ケンブリッジ大学生物医学画像分野教授のChristopher Rodgers氏らによるこの研究の詳細は、「Epilepsia」に3月20日掲載された。  MRIは、薬剤抵抗性てんかん患者の手術前評価において、脳の構造的病変の検出に重要な役割を果たしている。7Tてんかんタスクフォースの2021年のコンセンサスペーパーでは、薬剤抵抗性てんかん患者に対しては、7T MRIの使用が推奨されている。7T MRIは、従来の3T MRIよりも空間解像度と感度が優れており、3T MRIでは検出できないてんかんの構造的病変を検出できる。しかし、7T MRIには、側頭葉などの脳の重要な領域において信号ドロップアウト(信号が低下した領域が黒く映る)が発生するという欠点がある。

ゾルピデムとBZDの使用が認知症リスク増加と関連〜メタ解析

 ガンマアミノ酪酸(GABA)系は、認知機能や記憶プロセスに関連していることが知られている。そして、GABAA受容体およびその他の関連経路の活動は、βアミロイドペプチド(Aβ)の蓄積に影響を及ぼす。そのため、GABAA受容体に影響を及ぼす薬剤の使用とアルツハイマー病および認知症の発症リスクとの関連を調査する研究が進められてきた。イラン・Shahid Beheshti University of Medical SciencesのKimia Vakili氏らは、ベンゾジアゼピン(BZD)、ゾルピデム、トリアゾラム、麻酔薬に焦点を当て、GABAA受容体に影響を及ぼす薬剤とアルツハイマー病および認知症リスクとの関連を明らかにするため、文献レビューおよびメタ解析を実施した。Molecular Neurobiology誌オンライン版2025年3月20日号の報告。

2年間のフレマネズマブ治療の有効性および継続性〜国内単一施設観察研究

 フレマネズマブの12週間に1回675mgを皮下投与した場合の長期的なアドヒアランスや有効性に関するリアルワールドデータは、依然として不足している。静岡赤十字病院の吉田 昌平氏らは、反復性片頭痛(EM)および慢性片頭痛(CM)に対する2年にわたるフレマネズマブ675mgの有効性およびアドヒアランスを評価し、治療中止理由の分析を行った。The Journal of Headache and Pain誌2025年3月11日号の報告。  対象は、静岡赤十字病院の頭痛センターに通院している患者のうち、2021年11月〜2022年6月にフレマネズマブの12週間に1回675mgを皮下投与する治療を行った15歳以上の患者。頭痛の頻度および重症度は、頭痛日誌を用いて記録した。観察期間は、治療開始後24ヵ月間までとした。治療中止理由は、フォローアップ時のカルテ記録より収集した。

tenecteplase、脳梗塞治療でアルテプラーゼと同等の効果

 急性期脳梗塞の治療薬として2月28日、米食品医薬品局(FDA)により承認された血栓溶解薬のTNKase(一般名テネクテプラーゼ〔tenecteplase〕)の有効性と安全性は、米国の大多数の病院で使用されている血栓溶解薬のアルテプラーゼと同等であるとする研究結果が報告された。テネクテプラーゼには、アルテプラーゼと比べて投与に要する時間が格段に短いというメリットもある。米テキサス大学サウスウェスタン医療センターのJustin Rousseau氏らによる本研究の詳細は、「JAMA Network Open」に3月12日掲載された。

血栓溶解療法は後方循環系脳梗塞に発症後24時間まで有効か?(解説:内山真一郎氏)

中国で行われたEXPECTS研究は、CTで高度の早期低吸収域がなく、血栓除去術が予定されていない、発症後4.5~24時間の後方循環系脳梗塞患者において、アルテプラーゼ投与と標準的内科治療を比較した無作為化試験である。結果は、90日後の自立例がアルテプラーゼ投与群で標準的内科治療群より有意に多く、36時間以内の症候性頭蓋内出血は両群間で有意差がなかった。最近行われた無作為化比較試験では、灌流画像で証明された前方循環系の大血管閉塞患者で発症後24時間まで治療時間枠を拡大できる可能性が示唆されていたが、この研究により実用的で安価なCTでも症例選択に代用できることが示された。後方循環系は前方循環系よりも側副血行が豊富で虚血耐性が高く、血栓溶解療法による脳出血リスクが低いと考えられる。本研究では、血栓除去術が予定されていた大血管閉塞による重症例が除外されたことも脳出血リスクの低下に貢献したと思われる。本研究の限界として、対象患者が漢人のみであったため他の人種には全般化できないことを挙げているが、人種的に近い日本人患者には大いに参考になる結果ではないかと思われる。