脳神経外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

TAVI後の脳卒中リスクを低減する目的でのルーチンでの脳塞栓保護デバイスの使用は推奨されない(解説:加藤貴雄氏)

BHF PROTECT-TAVI試験は、経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)における脳塞栓保護(CEP)デバイスの有効性を検証した英国での7,600例規模の大規模無作為化比較試験である(Kharbanda RK, et al. N Engl J Med. 2025;392:2403-2412)。CEPデバイス(Sentinel)の使用群と非使用群において、TAVI後72時間以内または退院までの脳卒中発症率に有意な差はなかった。この結果は、先行研究である北米・欧州・オーストラリアを中心に約3,000例で行われた、PROTECTED TAVR試験の結果と一致しており(Kapadia SR, et al. N Engl J Med. 2022;387:1253-1263)、TAVI後の脳卒中リスクを低減する目的でのルーチンでの使用は推奨されない結果であった。安全性に差はなかった。

インフルワクチン接種回数と認知症リスクが逆相関~メタ解析

 インフルエンザワクチン接種と認知症リスク低下との関連性については、一貫性のない結果が報告されており、この関連性は明確になっていない。台湾・Keelung Chang Gung Memorial HospitalのWen-Kang Yang氏らは、全人口および慢性腎臓病(CKD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、血管性疾患などの認知症高リスク患者におけるインフルエンザワクチン接種と認知症リスクとの関連を評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Age and Ageing誌2025年7月1日号の報告。  2025年4月6日までに公表された研究をPubMed、Embase、CENTRALよりシステマティックに検索し、ランダム効果メタ解析を実施した。バイアスリスクの評価には、ニューカッスル・オタワ尺度を用いた。

認知機能への多領域ライフスタイル介入、構造化型vs.自己主導型/JAMA

 認知機能低下および認知症のリスクがある高齢者において、構造化された高強度の介入は非構造化自己主導型介入と比較し、全般的認知機能を有意に改善した。米国・Wake Forest University School of MedicineのLaura D. Baker氏らが、同国5施設で実施した2年間の無作為化単盲検比較試験「The US Study to Protect Brain Health Through Lifestyle Intervention to Reduce Risk(US POINTER)研究」の結果を報告した。著者は、「機能的アウトカム、バイオマーカー、長期追跡のさらなる調査により、観察された認知機能改善効果の臨床的意義と持続性が明らかになるだろう」とまとめている。JAMA誌オンライン版2025年7月28日号掲載の報告。

8月10日「ハートの日」には循環器病の予防に支援を/日本心臓財団ほか

 日本心臓財団、日本循環器協会、日本循環器学会、日本AED財団の諸団体は共催で、8月10日の「健康ハートの日」を前に、都内で循環器病に関するシンポジウムを開催した。日本心臓財団が、循環器病予防と健康を呼びかける「健康ハートの日」の活動を開始し40周年の節目を迎え、「循環器病予防の40年:過去・現在・未来」をテーマに、循環器病活動を振り返り、将来の20年に向けた新たな展望を議論した。

大気汚染物質への曝露は髄膜腫リスクを高める

 大気汚染物質を吸い込む量が多い人は、髄膜腫と呼ばれる脳腫瘍のリスクが高いことが、新たな研究で示された。髄膜腫は、脳や脊髄を覆う組織の層にできる脳腫瘍の中でも発生頻度が高い腫瘍だが、ほとんどは良性である。この研究では、粒子状物質や二酸化窒素など複数の種類の大気汚染物質が髄膜腫のリスクを高める可能性のあることが示された。デンマークがん研究所のUlla Hvidtfeldt氏らによるこの研究の詳細は、「Neurology」に7月9日掲載された。Hvidtfeldt氏は、「さまざまなタイプの大気汚染物質が健康に悪影響を与えることが示されてきた。このうち超微小粒子は極めて小さく、血液脳関門を通過できるため、脳組織に直接的な影響を与える可能性がある」と話している。

心房細動による脳塞栓症に対するDOAC開始のタイミング(解説:内山真一郎氏)

心房細動による脳塞栓症の再発予防に直接経口抗凝固薬を開始する適切なタイミングは確立されていなかった。本研究は、脳梗塞後の開始時期が4日以内と5日以後の効果を比較した4件の無作為化比較試験(TIMING、ELAN、OPTIMAS、START)のメタ解析である。1次評価項目は、30日以内の脳梗塞再発、症候性脳内出血、または分類不能の脳卒中であった。結果は、4日以内に開始したほうが1次評価項目の複合エンドポイントが有意に少なく、脳梗塞の再発は少なく、脳内出血は増加しなかった。

日本の認知症動向、その傾向と地域差

 アルツハイマー病やその他の認知症は、深刻な公衆衛生上の懸念事項であり、日本においてはさらに重要な課題となっている。ベトナム・RMIT University VietnamのDeepak Kumar Behera氏らは、アルツハイマー病やその他の認知症負担の経時的傾向を調査し、関連するリスク因子を特定し、時系列モデリングを用いて将来予測を行った。Alzheimer's & Dementia誌2025年7月号の報告。  世界疾病負担(GBD)研究2021のデータを用いて、日本におけるアルツハイマー病やその他の認知症の傾向を分析し、罹患率、死亡率、障害調整生存年(DALY)を評価した。リスク因子の特定には回帰分析を、2021〜30年までの疾病負担の予測には自己回帰統合移動平均(ARIMA)モデルを用いた。

ゴルフ場の近くに住む人はパーキンソン病リスクが高い?

 パーキンソン病(PD)は、環境要因と遺伝的要因の複雑な相互作用によって引き起こされる神経変性疾患である。環境要因の中でも、農薬への曝露はPDのリスク増加に関連するとされる。米国・Barrow Neurological InstituteのBrittany Krzyzanowski氏らの研究によると、ゴルフ場の近くに住むことがPD発症リスクの2倍以上の増加と関連している可能性が示された。JAMA Network Open誌2025年5月8日号に掲載。  本研究では、1991~2015年のロチェスター疫学プロジェクト(REP)のデータを用いて、ミネソタ州南部とウィスコンシン州西部にまたがる1万6,119平方マイルの地域内における139のゴルフ場への距離とPD発症との関連性を症例対象研究で評価した。さらに、水道環境として、水道サービス区域内のゴルフ場の有無、地下水域の脆弱性(荒い土壌、浅い岩盤、カルスト地形)、市営井戸の深さでなどの条件でリスクを比較した。

コーヒーに認知症予防効果を期待してよいのか

 コーヒーおよびカフェインの摂取が高齢者の認知機能に及ぼす影響について、中国・Inner Mongolia Medical UniversityのJinrui Li氏らは、とくにアルカリホスファターゼ(ALP)の潜在的な役割に焦点を当て、調査を行った。Nutrition Journal誌2025年7月1日号の報告。  2011〜14年の米国国民健康栄養調査(NHANES)データより抽出した60歳以上の2,254人を対象に分析を行った。認知機能の評価には、老人斑の病理診断のCERADテスト、言語の流暢性を評価するAnimal Fluency test、神経心理検査であるDSSTを用いた。コーヒー摂取、カフェイン摂取、ALPレベルと認知機能との関連を明らかにするため、メンデルランダム化(MR)、タンパク質量的形質遺伝子座解析、タンパク質間相互作用ネットワークなどの手法を用いて評価した。

手術時、視力低下で困っている外科医の割合は?/医師1,000人アンケート

 医師の日常業務は診察や画像読影、手術など目を酷使する内容ばかりである。また、眼科領域の手術として、2000年代から屈折矯正手術(レーシック、眼内コンタクトレンズ[Implantable Contact Lens:ICL])が日本でも認められるようになり、現時点での医師、とくに眼科医の施術率が気になるところである。そこで今回、医師の眼の健康問題に関するアンケートを実施し、日常診療で困っていることや心がけていること、医師のレーシックやICLをはじめとする眼科手術の施術率などについて、会員医師1,024人(30代以上)にアンケート調査を行った。