脳神経外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

心・脳血管疾患の既往やNSAIDs使用はパーキンソン病リスクを高めるか?

 心・脳血管疾患の既往はパーキンソン病(PD)のリスク増加と関連することが示されているが、逆の因果関係による可能性が疑われていた。一方、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)はPDリスクを低減させると考えられてきたが、過去のエビデンスは一貫しておらず、背景にある血管疾患による交絡の可能性も懸念されていた。英国・University of OxfordのClare Wotton氏らは、女性約82万例を対象とした大規模前向きコホート研究「Million Women Study」のデータを用いて解析を行った。その結果、虚血性心疾患および脳血管疾患の既往はPD発症リスクの有意な上昇と関連しており、逆の因果関係だけでは説明できないことが示された。

元プロサッカー選手、中年期から脳萎縮の可能性

 サッカーW杯の熱狂が米国を席巻する中、サッカーのもう一つの側面、すなわちサッカーが脳に及ぼす影響に光を当てた研究が報告された。中年期の元プロサッカー選手では、コンタクトスポーツの経験がない人と比べて、脳の重要な領域の萎縮がより顕著であることが明らかになった。また、元選手では、うつ症状や不安症状が多く見られ、計画や問題解決の困難を訴える傾向も認められたという。英インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)のCaleigh Grace Lynch氏らによるこの研究結果は、アルツハイマー病協会国際会議(AAIC 2026、7月12~15日、英ロンドン)で発表された。

卵円孔開存を伴う片頭痛、抗血栓療法が有効か/BMJ

 卵円孔開存(PFO)は片頭痛、とくに前兆を伴う片頭痛と関連し、微小塞栓メカニズムの関与の可能性が示されている。小規模な研究で抗血小板療法(アスピリン、P2Y12阻害薬)の有効性が示唆されているが、これらのエビデンスには一貫性がなく、多くは非比較研究だという。中国医学科学院・北京協和医学院のZiping Li氏らは「COMPETE試験」において、PFOおよび片頭痛を有する患者のレスポンダー率に関して、アスピリン、クロピドグレル、リバーロキサバンはメトプロロールに対し非劣性であり、このうちリバーロキサバンは大出血イベントを増加させずに、レスポンダー率が有意に優れることを示した。研究の成果は、BMJ誌2026年7月29日号で報告された。

重度歯周炎、高齢者の脳卒中リスク上昇――医療費増加とも関連

 口腔の健康状態は、脳卒中発症だけでなく、その後の医療負担にも影響するのだろうか。今回、高齢者1,997人を対象とした5年間の追跡研究で、重度歯周炎は脳卒中発症リスクの上昇と関連し、脳卒中後の医療費増加にも関与する可能性が示された。研究は愛知学院大学歯学部口腔衛生学講座の齋藤瑞季氏、嶋崎義浩氏らによるもので、詳細は6月12日付で「Journal of Clinical Periodontology」に掲載された。  歯周炎は口腔内の慢性炎症性疾患であり、歯周病菌や炎症反応が血管に影響することで、心血管疾患リスクを高める可能性が指摘されている。

本当にCGRP関連抗体薬で片頭痛の高水準ケアは可能となったのか?

 国際頭痛学会は、より高い治療水準を確立するため、実臨床における片頭痛予防の新たな治療目標を提示した。スペイン・Vall d'Hebron HospitalのEdoardo Caronna氏らは、CGRP関連抗体薬による片頭痛特異的治療を6ヵ月間行った後に、これらの目標を達成した患者の割合を評価する初の研究として、欧州における多施設共同実臨床プロスペクティブコホート研究(EUREkAコホート研究)を実施した。Cephalalgia誌2026年6月号の報告。  対象は、CGRP関連抗体薬(エレヌマブ70mgまたは140mgを毎月、ガルカネズマブ120mgを毎月+240mgの負荷投与、フレマネズマブ225mgを毎月またはフレマネズマブ675mgを四半期ごと)による治療を行った成人片頭痛患者。

実臨床におけるレカネマブとAChE阻害薬の有用性比較

 アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬は、アルツハイマー病の症状を緩和する。一方、レカネマブは、アルツハイマー病の進行を修飾する可能性が示されている。しかし、レカネマブの安全性や臨床的影響に関するリアルワールド・エビデンスは、依然として限られている。台湾・Mackay Medical UniversityのChuo-Yu Lee氏らは、軽度認知障害(MCI)またはアルツハイマー病の患者を対象に、レカネマブ投与を開始した場合とAChE阻害薬を投与した場合の安全性および有効性を比較するため、本研究を実施した。Alzheimer's Research & Therapy誌オンライン版2026年6月22日号の報告。

話せる言語数が多いほど脳年齢は若い?

 言語を学ぶことには思わぬメリットがあるかもしれない。新たな研究で、複数の言語を話す人は、1つの言語しか話さない人と比べてAIで推定された脳年齢が若い可能性があることが示唆された。バスク認知・脳・言語センター(スペイン)の副科学ディレクターであるLucia Amoruso氏らによるこの研究結果は、欧州神経科学会連合フォーラム(FENS Forum 2026、7月6~10日、スペイン・バルセロナ)で発表された。Amoruso氏は、「簡単に言えば、話せる言語数が多い人ほど、脳年齢が実年齢より若い傾向が見られた」と述べている。

中・遠位血管閉塞による脳梗塞、血栓回収療法は有効か/JAMA

 機械的血栓回収療法は、急性期虚血性脳卒中(AIS)の治療法を一変させ、大血管閉塞(LVO)に伴うAISの標準治療となったが、主要な無作為化臨床試験の対象の多くは近位部閉塞の患者で、より遠位部の閉塞はごく一部(M2セグメントに及ぶものは0.5~14.3%)だという。フランス・Hopital Pitie-SalpetriereのFrederic Clarencon氏らDISCOUNT Investigatorsは、非盲検(評価者盲検)無作為化臨床試験「DISCOUNT試験」において、中・遠位血管閉塞(MDVO)に関連する急性期AIS患者では、薬物療法単独と比較して血栓回収療法+薬物療法は、3ヵ月の時点での良好な臨床アウトカム(修正Rankin尺度[mRS]スコア:0~2点)の達成割合を上昇させず、血栓回収療法に伴う出血性合併症の発生頻度が高いことを示した。研究の成果はJAMA誌オンライン版2026年7月22日号で報告された。

認知症リスクを考慮した帯状疱疹ワクチン、最適なタイミングは

 これまでの観察研究において、帯状疱疹ワクチン接種と認知症との間に予防的な関連があることが報告されている。しかし、これらの研究には方法論的な限界がある、あるいは米国では現在利用できない生ワクチンが対象となっていた。米国・Brown UniversityのKaleen N. Hayes氏らは、亜急性期ケアまたは長期ケアを目的として専門看護施設に最近入所した高齢者を対象に、入所後12ヵ月以内または退所後の遺伝子組み換え帯状疱疹ワクチン接種(RZV)と認知症との関連を推定するため、本研究を実施した。Annals of Internal Medicine誌7月号の報告。

適量のコーヒーで心不全や脳卒中リスクが低下~AHAステートメント

 カフェインは世界で最も広く消費されている嗜好薬物の1つであるものの、心血管系に対する詳細なリスクや有効性については、摂取形態や個人差による影響を含めて整理が必要とされてきた。米国心臓協会(AHA)専門委員会のGregory M. Marcus氏(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)らは、カフェインおよびコーヒー摂取が心血管系に及ぼす影響に関する最新の科学的ステートメントを発表した。習慣的な適量摂取(カフェイン最大400mg/日、8オンスカップ[約240mL]でコーヒー3~5杯/日)は多くの成人において安全であり、冠動脈疾患、心不全、脳卒中、心房細動、2型糖尿病などのリスク低下と関連していることが示された。Circulation誌オンライン版2026年7月20日号に掲載。