内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:169

小児~成人期のnon-HDL-C高値、中年期の心血管イベントと関連/JAMA

 小児期から成人期まで、持続的な非HDLコレステロール(non-HDL-C)高値の脂質異常症を有する人は心血管イベントのリスクが高かったが、成人期までにnon-HDL-C値が改善した人は脂質異常症ではなかった人と心血管リスクは同程度であることが、オーストラリア・メルボルン大学のFeitong Wu氏らによる、International Childhood Cardiovascular Cohort(i3C)コンソーシアムの前向きコホート研究で示された。non-HDL-C上昇は小児によくみられ、成人期の心血管リスクを増大することが知られる。しかし、小児期のnon-HDL-C上昇が成人期までに改善することが臨床的な心血管リスクの低下と関連するかどうかは不明であった。著者は今回の結果から、「小児期のnon-HDL-C上昇を予防・軽減するための介入が、早発性心血管疾患の予防に役立つ可能性が示唆された」とまとめている。JAMA誌オンライン版2024年4月12日号掲載の報告。

医師の共感スキルが高いほど患者の腰痛が改善

 医師の共感と慢性腰痛患者の長期的アウトカムとの関連を調査したコホート研究の結果、患者評価による医師の共感度が高いほど12ヵ月にわたる患者の痛み、機能、健康関連QOL(HRQOL)が良好であったことを、米国・University of North Texas Health Science CenterのJohn C. Licciardone氏らが明らかにした。JAMA Network Open誌2024年4月11日号掲載の報告。  対象は、2016年4月1日~2023年7月25日にPain Registry for Epidemiological, Clinical, and Interventional Studies and Innovation(PRECISION)に登録された21~79歳の慢性腰痛(3ヵ月以上継続)患者で、12ヵ月間追跡された。医師の共感度は、CARE Measure(患者の視点で医師の共感度を評価するツール)を用いて評価された。10項目を1(poor)~5(excellent)点で評価し、合計スコアが30点以上の場合は「非常に共感的」、29点以下の場合は「わずかに共感的」に分類された。主要アウトカムは、患者報告による疼痛、機能、HRQOLであった。データは登録時および3ヵ月ごとの診察で収集し、時間的傾向を測定してベースラインおよび長期的な共変量を調整するための多変量モデルを含む一般化推定方程式を用いて解析された。

olezarsen月1回投与、トリグリセライドを50%減/NEJM

 olezarsenは、開発中のアポリポ蛋白C-III(APOC3)mRNAを標的とするN-アセチルガラクトサミン結合型アンチセンス・オリゴヌクレオチド。米国・ハーバード大学医学大学院のBrian A. Bergmark氏らBridge-TIMI 73a Investigatorsは、「Bridge-TIMI 73a試験」において、主に中等度の高トリグリセライド(TG)血症を有し心血管リスクが高い患者集団では、本薬の月1回投与によりプラセボと比較して、TG値を有意に低下させ、安全性に関する重大な懸念は生じないことを示した。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2024年4月7日号に掲載された。

日本人不眠症患者におけるレンボレキサント切り替えの有効性と安全性

 慢性不眠症患者は、従来の治療法では必ずしも満足のいく有効性および安全性を得られているとはいえない。したがって、代替治療法への切り替えを考慮する必要があるものの、これらの有効性を評価したプロスペクティブ研究は不十分である。久留米大学の小曽根 基裕氏らは、慢性不眠症患者に対するレンボレキサントへの切り替えにより患者の満足度が向上するかを評価した。Advances in Therapy誌2024年4月号の報告。  対象は、現在の治療に満足していない日本人慢性不眠症患者90例。4つのコホート研究から、プロスペクティブ非ランダム化オープンラベル介入的多施設共同研究を実施した。コホート研究には、非ベンゾジアゼピン系鎮痛催眠薬(ゾルピデム、ゾピクロン、エスゾピクロン)単剤療法、デュアルオレキシン受容体拮抗薬(スボレキサント)単剤療法、スボレキサントとベンゾジアゼピン受容体作動薬の併用療法、スボレキサントとメラトニン受容体作動薬(ラメルテオン)からレンボレキサントへの切り替えの4つを含めた。主要エンドポイントは、2週間(漸増期終了)時点でのレンボレキサント切り替え成功率とした。切り替え成功の定義は、漸増期にレンボレキサントを服薬し、その後の維持期(2~14週目)においてレンボレキサントの継続使用意向を示した患者の割合とした。患者の満足度と安全性(治療中に発現した有害事象[TEAE]の発生率)の評価は、14週目(漸増期および維持期終了時)に実施した。

新年度、あなたの医局は増えたor減った?/医師1,000人アンケート

 新年度がはじまり、新人を迎えた職場も多い。医師の就職を語るうえで欠かせないものに「医局」の存在がある。ケアネット会員医師を対象に、医局への所属状況や選択理由、最近の医局員数の増減などについて、30~50代・200床以上の医療機関の勤務者を対象とし、オンラインのアンケート形式で聞いた。  「Q1. 現在、医局に所属していますか?」の問いに、「はい」と答えたのは73%。200床以上という中規模以上の病院に勤務している医師であっても、3割近くが医局に所属していない現状が明らかになった。年代別にみると30代は8割近くが医局に所属しているが、年代が高くなるにつれ所属者の割合が減り、50代は7割だった。

家族内での治療抵抗性うつ病の発生率

 抗うつ薬に対する治療反応と治療抵抗性うつ病のフェノタイプは、遺伝的根拠があると考えられる。治療抵抗性うつ病のフェノタイプと他の精神疾患との遺伝的感受性は、これまでの遺伝的研究でも確立されているが、これらの結果を裏付ける集団ベースのコホート研究は、これまでなかった。台湾・台北栄民総医院のChih-Ming Cheng氏らは、治療抵抗性うつ病の感受性および家族内での治療抵抗性うつ病と他の精神疾患との感受性を推定するため、台湾全国コホート研究を実施した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2024年4月3日号の報告。

コロナ禍以降、自宅での脳卒中・心血管死が急増/日本内科学会

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行期において、自宅や介護施設での脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患による死亡が増加し、2023年末時点でも循環器疾患による死亡のトレンドが減少していないことが、白十字会白十字病院 脳血管内科の入江 克実氏らの研究グループによる解析で明らかになった。本研究は、4月12~14日に開催された第121回日本内科学会総会・講演会の一般演題プレナリーセッションにて、入江氏が発表した。  入江氏によると、国内での総死亡数の推移データにおいて、2023年末時点でもCOVID-19流行前と比べて超過死亡は増加しているという。

BPSDが死亡リスクに及ぼす影響~日本人コホート研究

 認知症の行動・心理症状(BPSD)は、認知症の初期段階から頻繁にみられる症状であり、軽度認知障害(MCI)でも出現することが少なくない。しかし、BPSDが予後にどのような影響を及ぼすかは不明である。国立長寿医療研究センターの野口 泰司氏らは、認知障害を有する人におけるBPSDと死亡率との関連を踏査した。Journal of epidemiology誌オンライン版2024年3月23日号の報告。  2010~18年に国立長寿医療研究センターを受診した、初回外来患者を登録したメモリークリニックベースのコホート研究であるNCGG-STTORIES試験に参加した、MCIまたは認知症と診断された男性1,065例(平均年齢:77.1歳)および女性1,681例(同:78.6歳)を対象に、縦断的研究を実施した。死亡関連の情報は、参加者または近親者から返送された郵送調査より収集し、最長8年間フォローアップ調査を行った。BPSDは、ベースライン時にDementia Behavior Disturbance Scale(DBD)を用いて評価した。

うつ病の第2選択治療、機械学習で最適化できるか

 標準的な第1選択治療である抗うつ薬単剤療法で寛解を達成する患者は、うつ病患者の3分の1未満である。適切な第2選択治療を決定するためのプロセスは、多くの場合、臨床的直観に基づいており、長期にわたる試行錯誤を伴い、患者に多大な負担を与え、最適な治療機会の提供遅延につながる。この問題に対処するため、米国・マサチューセッツ総合病院のJoshua Curtiss氏らは、第2選択治療に応じた寛解の予測精度向上を目指し、アンサンブル機械学習アプローチを用いた検討を行った。Psychological Medicine誌オンライン版2024年3月27日号の報告。

新型インフルエンザ、新型コロナ両パンデミックは世界人口動態にいかなる影響を及ぼしたか?(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)

米国・保健指標評価研究所(IHME)のSchumacher氏を中心とするGlobal Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study (GBD) 2021(GBD-21と略記)の研究グループは、1950年から2021年までの72年間に及ぶ世界各国/地域における年齢/性差を考慮した人口動態指標に関する膨大な解析結果を発表した。GBD-21では、72年間における移住、HIV流行、紛争、飢餓、自然災害、感染症などの人口動態に対する影響を解析している。世界の総人口は1950年に25億であったものが2000年には61億、2021年には79億と著明に増加していた。世界の人口増加は2008年から2009年に最大に達し、それ以降はプラトー、2017年以降は減少傾向に転じている。本論評では、GBD-21に示された解析結果を基に、人類の人口動態に多大な影響を及ぼしたと予想される2009~10年の新型インフルエンザ(2009-H1N1)と2019年末から始まった新型コロナ(severe acute respiratory syndrome coronavirus-2:SARS-CoV-2)両パンデミックの影響に焦点を絞り考察する。