内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:169

肥満2型DMへの経口セマグルチド、最適な用量・期間は?/Lancet

 十分な血糖コントロールが得られていない2型糖尿病成人患者において、経口セマグルチド25mgおよび50mgは糖化ヘモグロビン(HbA1c)値低下および体重減少に関して、同14mgに対する優越性が確認され、安全性に関して新たな懸念は認められなかった。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のVanita R. Aroda氏らが、14ヵ国177施設で実施された第IIIb相多施設共同無作為化二重盲検比較試験「PIONEER PLUS試験」の結果を報告した。セマグルチド1日1回経口投与は2型糖尿病の有効な治療法であり、セマグルチドの経口投与および皮下投与試験の曝露-反応解析では、曝露量の増加に伴いHbA1c値の低下および体重減少が大きくなることが示されていた。Lancet誌オンライン版2023年6月26日号掲載の報告。

既存の保険証の有効期限の延長も必要/日医

 日本医師会常任理事の釜萢 敏氏が、7月5日の定例記者会見で、新型コロナウイルス感染症の現在の感染状況について報告し、「現状は第9波に入ったと判断するのが妥当」との見解を示した。  「4月上旬から、緩やかではあるけれども新規感染者が増えているという状況が今日までずっと続いていて、今後も夏に向けて引き続き感染者が増える恐れがある。幸いに全国的には医療の逼迫はまだそれほど多くはなく、救急搬送困難事例は少し増えてはいるがまだそれほどではない」と述べた一方で、感染者が増加している沖縄県の状況について危機感を示した

新型コロナ、軽症でも精子に長期ダメージ

 欧州ヒト生殖医学会(European Society of Human Reproduction and Embryology:ESHRE)第39回年次総会で発表された新たな知見によると、COVID-19に感染した男性は、3ヵ月以上が経過しても精子の濃度が低下し、泳ぐことのできる精子も減少していたという。同学会が2023年6月26日付のプレスリリースで発表した。  スペイン・IERA財団の生殖専門家であるRocio Nunez-Calonge氏は、COVID-19感染後、平均100日が経過しても精子の質と濃度に改善はみられなかった、と述べた。

片頭痛治療薬抗CGRP抗体の比較~メタ解析

 抗カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)抗体は、新しい片頭痛予防薬である。また、米国においてCGRP受容体拮抗薬であるatogepantが片頭痛予防薬として承認された。中国・首都医科大学のWenfang Sun氏らは、将来の臨床試験の参考となるよう、さまざまな用量の抗CGRPモノクローナル抗体およびatogepantを含む片頭痛治療に対する有効性および安全性を評価するため、ネットワークメタ解析を実施した。その結果、すべての抗CGRP薬は片頭痛予防に効果的であり、とくにフレマネズマブ225mg/月、エレヌマブ140mg/月、atogepant 60mg/日は、副作用リスクが低く、効果的な介入であることが示唆された。The Clinical Journal of Pain誌オンライン版2023年6月2日号の報告。

1日1回の経口orforglipron、肥満成人の体重減少に有効/NEJM

 非糖尿病の肥満成人において、1日1回の経口剤である非ペプチドGLP-1受容体作動薬orforglipronは、体重減少と関連することが示された。orforglipronに関して報告された有害事象は、GLP-1受容体作動薬の注射製剤と類似したものだったという。カナダ・マクマスター大学のSean Wharton氏らが、272例を対象に行った第II相の多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照並行群比較試験の結果を報告した。肥満は、世界中で疾患および死亡に結びつく重大リスク因子となっており、1日1回の経口orforglipronの肥満成人における体重減少の有効性と安全性に関するデータが求められていた。NEJM誌オンライン版2023年6月23日号掲載の報告。

暑くても脳卒中が増加?~メタ解析

 暑さと寒さの両方が脳卒中の罹患率および死亡率を増大させ、発展途上国よりも先進国のほうが暑さによるリスクが高いことが、中国・Tongji Medical CollegeのJing Wen氏らによって明らかになった。Brain and Behavior誌オンライン版2023年6月2日号掲載の報告。  これまでの研究で、気温は脳卒中の罹患率および死亡率と関連することが示唆されているが、そのエビデンスは十分ではない。そこで研究グループは、気温と脳卒中の罹患率および死亡率との関連を評価するためにメタ解析を行った。

スタチンで肝疾患を予防できる可能性の高い人は

 スタチン服用が肝疾患を予防する可能性が示唆されている。今回、ドイツ・University Hospital RWTH AachenのMara Sophie Vell氏らは、肝疾患・肝細胞がん発症の減少、および肝臓関連死亡の減少と関連するかどうかを3つのコホートで検討した。その結果、スタチン服用者は非服用者に比べ、肝疾患発症リスクが15%低く、肝細胞がん発症リスクについては最大74%低かった。また、このスタチンのベネフィットは、とくに男性、糖尿病患者、肝疾患の遺伝的リスクがある人で得られる可能性が高いことが示唆された。JAMA Network Open誌2023年6月26日号に掲載。

スコアに基づくコロナ罹患後症状の定義を提案した論文報告(解説:寺田教彦氏)

新型コロナウイルス感染症罹患後、数週間から数ヵ月にわたってさまざまな症状が続くことがあり、海外では「long COVID」や「postacute sequelae of SARS-CoV-2 infection:PASC」、本邦では新型コロナウイルス感染症の罹患後症状と呼称されている。世界各国から報告されているが、この罹患後症状の明確な診断基準はなく、病態も判明しきってはいない。WHOは「post COVID-19 condition」について、新型コロナウイルス感染症に罹患した人で、罹患後3ヵ月以上経過しており、少なくとも2ヵ月以上症状が持続し、他の疾患による症状として説明がつかない状態を定義しており(詳細はWHO HP、Coronavirus disease (COVID-19): Post COVID-19 condition.[2023/06/18最終確認]を参照)、本邦の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント 第2.0版」でも引用されている。

他の睡眠薬からレンボレキサントへの切り替え効果~SLIM研究

 ほりこし心身クリニックの堀越 翔氏らは、他の睡眠薬からデュアルオレキシン受容体拮抗薬レンボレキサント(LEB)への切り替えによる有効性および安全性を評価するため、本研究を行った。その結果、他の睡眠薬からLEBに切り替えることで、ベンゾジアゼピン(BZD)、Z薬に関連するリスクが低下する可能性が示唆された。Journal of Clinical Sleep Medicine誌オンライン版2023年5月30日号の報告。  対象は2020年12月~2022年2月に、ほりこし心身クリニックを受診した不眠症患者61例。アテネ不眠症尺度(AIS)、エプワース眠気尺度(ESS)、Perceived Deficits Questionnaire-5 item(PDQ-5)を含む診療記録から得られた臨床データを分析した。切り替え前の睡眠薬には、BZD、Z薬、スボレキサント、ラメルテオン、ミルタザピン、トラゾドン、抗精神病薬を含めた。主要アウトカムは、LEBへの切り替え3ヵ月後のAISスコアの平均変化とした。副次的アウトカムは、LEBへの切り替え3ヵ月後のESSスコアおよびPDQ-5スコアの平均変化とした。また、切り替え前後のジアゼパム換算量の比較も行った。

コロナ入院患者の他疾患発症、インフルと比較

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が重症化した人は、急性期後も心血管疾患、神経疾患、精神疾患、炎症性疾患や自己免疫疾患などを発症するリスクが高まり、Long COVIDとして問題になっている。しかし、それはほかの感染症と比較した場合にも、リスクが高いと言えるのだろうか? カナダ・トロント大学のKieran L Quinn氏らはカナダのオンタリオ州において、臨床データベースと医療行政データベースをリンクさせた集団ベースのコホート研究を実施し、研究結果はJAMA Internal Medicine誌オンライン版2023年6月20日号に掲載された。