お知らせがあります

2026/07/15
7月16日(木)10:00~11:00は緊急メンテナンスのため、スタンプチャレンジをご利用いただけません

内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:170

世界では、HIV予防は新しい時代へ(解説:岡慎一氏)

Pre-Exposure Prophylaxis(PrEP)と呼ばれる、HIV感染リスクがある人に対する予防法の研究が、欧米を中心に盛んに行われていたのは、2010年前後である。その結果をもとに2012年には、米国でPrEPが、HIV感染予防法として承認された。当時の方法は、TDFとFTCという2剤の合剤(ツルバダ錠)を1日1回経口服用するというものであった。その後、ほぼ世界中でツルバダ錠によるPrEPは承認された。これに対し、日本では、2024年9月頃にやっとツルバダ錠によるPrEPが承認される予定である。まさに、12年という十二支の周回遅れである。先進国でPrEPが認可されていなかったのは、もちろん日本だけである。

経口コロナ治療薬シェア7割のゾコーバ、入院を37%抑制/塩野義

 塩野義製薬は7月29日の第1四半期決算説明会にて、新型コロナウイルス感染症治療薬のゾコーバ(一般名:エンシトレルビル フマル酸)について、現在流通する3剤の経口コロナ治療薬の中でシェアを拡大し、とくに2024年4月以降は重症化リスク因子を有する患者への処方が多く、7月第3週時点でシェア67.6%に達したことを明らかにした。ゾコーバの重症化リスクのある患者の入院抑制効果など、リアルワールドエビデンスが蓄積されていることについて、以下のとおり説明された。

80歳以上の心房細動患者、低用量エドキサバンは有益か

 心房細動への抗凝固薬の処方において、高齢患者では若年患者より出血が増加するため、推奨用量より低い用量を処方することが多いが、無作為化試験のデータは少ない。今回、米国・ハーバード大学医学部のAndre Zimerman氏らは、80歳以上の心房細動患者において、事前に規定された減量基準を満たさない場合でも低用量の抗凝固薬(エドキサバン)が有益かどうか、ENGAGE AF-TIMI 48試験における事後解析で検討した。その結果、エドキサバン30mgは、エドキサバン60mgとの比較(減量基準を満たさない患者)またはワルファリンとの比較(減量基準を満たす/満たさない患者)において重大な出血が少なく、虚血性イベントは増加しなかった。JAMA Cardiology誌オンライン版2024年7月10日号に掲載。

日本人高齢者の難聴と認知症との関係

 日本では、高齢者の補聴器装着率が他の先進国より低いといわれている。このボトルネックを特定し、対策を講じることは重要である。広島市立広島市民病院の福増 一郎氏らは、難聴と認知症との関係についての認知向上が、聴力検査や補聴器装着に意義があるかを調査した。Auris Nasus Larynx誌2024年8月号の報告。  総合病院を受診した65歳以上の参加者を対象にアンケート調査を実施し、次の背景因子を調査した。 (1)最近の聴力検査歴 (2)耳鼻咽喉科を受診し、聴力検査を希望するか (3)難聴と認知症との関係についての認知状況 (4)補聴器の装着について

忽那氏が振り返る新型コロナ、今後の対策は?/感染症学会・化学療法学会

 2024年8月2日の政府の発表によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の定点当たりの報告数は14.6人で、昨夏ピーク時(第9波)の20.5人に迫る勢いで12週連続増加し、とくに10歳未満の感染者数が最も多く、1医療機関当たり2.16人だった。週当たりの新規入院患者数は4,579人で、すでに第9波および第10波のピークを超えている。  大阪大学医学部感染制御学の忽那 賢志氏は、これまでのコロナ禍を振り返り、パンデミック時に対応できる医師が不足しているという課題や、患者数増加に伴う医師や看護師のバーンアウトのリスク増加など、今後のパンデミックへの対策について、6月27~29日に開催の第98回日本感染症学会学術講演会 第72回日本化学療法学会総会 合同学会にて発表した。

ニルマトレルビル・リトナビルには曝露後予防効果がない(解説:栗原宏氏)

2024年現在も定期的にCOVID-19の感染拡大が繰り返されている。家庭内や職場等で感染者が出た場合、無症状者に対する有効な予防策が問題となる。重症化リスクを持つ患者の家庭、医療機関や療養施設では大きな関心があると思われる。とくに医療機関や療養施設での患者やスタッフのクラスターの発生は、当該施設だけでなく地域全体にも大きな負担となりうる。  現在、ニルマトレルビル・リトナビル(商品名:パキロビッド)5日分の費用は、3割負担でも約3万円とかなり高額である。

メタボリックシンドロームとうつ病〜日本リアルワールドデータ横断的研究

 メタボリックシンドローム(MetS)とうつ病は、どちらも優先度の高い健康問題であり、とくに労働年齢層において問題となる。これまで、MetSとうつ病との関連についての研究は、数多く行われているが、そのすべてが一貫しているわけではない。帝京大学の杉本 九実氏らは、広範なリアルワールドデータを分析することにより、MetSとうつ病の関連性を判断するため、本研究を実施した。Environmental Health and Preventive Medicine誌2024年号の報告。  東京都を除くすべての都道府県の地方自治体職員の2019年度の保険請求および健康診断のデータを用いた。うつ病診断および抗うつ薬の処方月数に応じて、参加者を次の4群に分類した。確実にうつ病ではない(CN群)、うつ病でない可能性が高い(PN群)、うつ病の可能性あり(PD群)、うつ病である(CD群)。MetSおよびその構成要素である内臓肥満、高血圧、脂質異常症、糖尿病と各うつ病カテゴリとの関連性を分析するため、ロジスティック回帰を用いた。

前夜が超高温だった日は脳卒中リスクが増大

 夜間の暑熱曝露と脳卒中との関連を調べた15年間にわたる時間層別ケースクロスオーバー解析によって、前夜が極端な暑さだった日は脳卒中のリスクが有意に高く、2006~12年と比較して2013~20年はそのリスクが増大していたことを、ドイツ・Helmholtz Zentrum MunchenのCheng He氏らが明らかにした。European Heart Journal誌2024年6月21日号掲載の報告。  都市部のヒートアイランド現象により、ここ数十年で夜間の気温は昼間の気温よりも急速に上昇している。夜間の暑熱曝露の増加は、睡眠や体温調節などを妨げて健康に重大なリスクをもたらす可能性があるが、脳卒中リスクに及ぼす影響を調査した研究はない。そこで研究グループは、ドイツのアウクスブルク地域における夜間の暑熱曝露と脳卒中リスクとの関連性を調査し、15年間にわたる時間的変動を調べた。

日本人高齢者におけるスタチン投与量と認知症リスク

 これまでの研究では、スタチンの使用と認知症リスク低下との関連が示唆されているが、とくに超高齢社会である日本においては、この関連性は十分に検討されていない。大阪大学の戈 三玉氏らは、65歳以上の日本人高齢者を対象にスタチン使用と認知症リスクとの関連を調査した。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2024年7月1日号の報告。  2014年4月~2020年12月の17自治体におけるレセプトデータを含むLIFE研究(Longevity Improvement & Fair Evidence Study)のデータを用いて、ネステッドケースコントロール研究を実施した。年齢、性別、自治体、コホート参加年のデータに基づき、1症例を5対照群とマッチさせた。オッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)の算出には、条件付きロジスティック回帰モデルを用いた。

公共の場でのマスク着用、呼吸器感染症の発症予防効果は/BMJ

 14日間にわたり公共の場でサージカルフェイスマスクを着用した場合、着用しない場合と比較して、自己申告に基づく呼吸器感染症の症状発症リスクが有意に減少した。ノルウェー・公衆衛生研究所のRunar Barstad Solberg氏らが実用的無作為化優越性試験の結果を報告した。感染予防策としてのサージカルフェイスマスクの有効性は定かではなく、観察研究でフェイスマスクの着用が呼吸器感染症のリスクを減少させることが示唆されているが、これまでの無作為化試験は検出力不足など方法論的に限界があった。著者は、「本研究は多くの先行試験と異なり、十分な検出力を有している。フェイスマスクの着用は、負担の少ない比較的低コストで簡単な、呼吸器感染症の流行を抑えるために検討する価値があると考えられるいくつかの公衆衛生および社会的対策の1つである」とまとめている。BMJ誌2024年7月24日号掲載の報告。