内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

英国NHSの改革プラン、DXなど現場の需要と一致しない?/BMJ

 英国における国民保健サービス(NHS)の改革プランでは、一般診療へのアクセス改善が優先課題とされているが、「NHS 10年プラン」に掲げられている3つの改革提案(デジタル化、地域医療への移行、予防医療の提供)は、患者が求めていることや診療所の業務を支えるために必要なものとは一致しない可能性があることを、英国・ケンブリッジ大学のCarol Sinnott氏らが、患者、介護者、総合診療医(GP)、および一般診療所のその他のスタッフを対象とした半構造化インタビューによる質的研究の結果で報告した。著者は、「3つの改革提案が、ケアの継続性を損なったり既存サービスを断片化したりしないよう、主要な関係者と連携した慎重な設計・実施・評価が求められる」とまとめている。BMJ誌2026年1月14日号掲載の報告。

コロナワクチン接種を躊躇する理由を大規模解析/Lancet

 英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのMatthew Whitaker氏らは、同国の成人約114万人を対象とした大規模コホート研究において、国民保健サービス(NHS)のCOVID-19ワクチン接種記録データとの連携により、ワクチンの接種率や接種躊躇の要因を分析した。接種躊躇の大半は具体的で対処可能な懸念によるものであり、時間の経過や情報提供の充実によって克服可能であることを明らかにした。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する有効なワクチンが存在したにもかかわらず、パンデミック期間中、英国の一部集団ではワクチン接種を躊躇する傾向が続き、その割合や動機は人口統計学的グループによって異なっていた。

妊娠中のアセトアミノフェン、神経発達症と関連なし

 アセトアミノフェンは、妊娠中の解熱・鎮痛の第1選択薬であり、非ステロイド性抗炎症薬やオピオイドより安全性が高いとされる一方で、近年自閉スペクトラム症(ASD)などの神経発達症への影響が議論され、注目を集めた。そこで、イタリア・University of ChietiのFrancesco D'Antonio氏らは、妊娠中のアセトアミノフェン使用と児のASD、注意欠如・多動症(ADHD)、知的障害(ID)リスクの関連を検討するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。その結果、妊婦のアセトアミノフェン使用とこれらの神経発達症のリスクとの間に関連はみられなかった。本研究結果は、The Lancet Obstetrics, Gynaecology, & Women's Health誌オンライン版2026年1月16日号に掲載された。

ウォーキングや家事がメタボの人の命を救う

 家事や散歩などの軽強度運動が、メタボリックシンドロームなどに該当する人の死亡リスク低下につながっている可能性が報告された。米ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院のJoseph Sartini氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of the American Heart Association(JAHA)」に1月7日掲載された。  この研究から、心血管・腎・代謝(CKM)症候群に該当する人では軽強度運動に充てる時間が毎日1時間多いことが、14年間での死亡リスクが14~20%低いことと関連していることが明らかになった。CKM症候群とは、過体重、高血圧、脂質異常、高血糖、腎機能低下などがあって、心筋梗塞や脳卒中、心不全などのリスクが高くなっている状態のこと。米国成人の約9割が、CKM症候群の構成因子を一つ以上持っている。

エナジードリンクの過剰摂取は脳卒中リスクを高める?

 エナジードリンクは活力や元気をもたらすかもしれないが、飲み過ぎは深刻な脳卒中リスクを招く可能性があるとして、医師らが警鐘を鳴らしている。「BMJ Case Reports」に12月9日掲載された英ノッティンガム大学病院のMartha Coyle氏とSunil Munshi氏による症例報告によると、毎日8缶のエナジードリンクを飲む習慣があった健康で体力もある50代の男性が、その危険性を、身をもって知ることになった。報告によると、この男性は極めて高い血圧が原因で軽度の脳卒中を起こし、永久的なダメージを受けた。男性の血圧はエナジードリンクを飲む習慣をやめた後、正常に戻ったという。

肥満症治療薬、投与中止後は体重が急増/BMJ

 英国・オックスフォード大学のSam West氏らは、過体重または肥満の成人における体重管理薬(weight management medication:WMM)中止後の体重増加を定量化し比較する目的でシステマティックレビューおよびメタ解析を実施し、WMM中止後は体重が急激に増加し、心代謝マーカーに対する有益な効果が逆転することを明らかにした。また、WMM中止後の体重増加は、行動的体重管理プログラム(BWMP:低エネルギー食と身体活動の増加を支援する肥満管理の基礎)後と比べて速かった。著者は、「より包括的な体重管理アプローチを伴わない短期の薬剤使用には、注意が必要であることを示唆している」とまとめている。

アルツハイマー病に伴うアジテーション、最適なブレクスピプラゾールの投与量は?

 アルツハイマー病に伴うアジテーションは、患者の転帰と介護者の負担に重大な影響を及ぼす。ブレクスピプラゾールは有望な治療選択肢と考えられている。しかし、至適用量は依然として不明であった。サウジアラビア・King Faisal UniversityのMahmoud Kandeel氏らは、アルツハイマー病に伴うアジテーションの治療におけるブレクスピプラゾールの異なる用量の有効性と安全性を比較するため、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2025年12月8日号の報告。

高齢者の健康関連QOL低下の最も強い予測因子は?/名古屋大学

 最大12年間にわたり縦断的に収集された日本の地域在住高齢者データを用いて健康関連QOLの長期的な変化パターンとその予測因子を調査した結果、一部の健康関連QOLは一律に低下するのではなく、維持する群と急速に低下する群に分かれ、その分岐を最も強く予測していたのは睡眠の質の悪化であったことを、名古屋大学の大島 涼賀氏らが明らかにした。Scientific Reports誌2025年12月7日号掲載の報告。  主観的な身体・精神・社会的健康を包括的に評価する健康関連QOLは将来の死亡率や心血管疾患の発症などと関連することが報告されている。

納豆が心房細動リスクを下げる?~日本人前向き研究

 大豆食品の摂取量が多いと心血管疾患を予防する可能性があることが報告されているが、心房細動予防においては解明されていない。今回、国立循環器病研究センターのParamita Khairan氏らが、都市部の日本人一般集団を対象とした前向きコホート研究で、大豆食品およびその栄養素(イソフラボン、ビタミンK)における心房細動発症率との関連を調査したところ、女性でのみ、納豆およびビタミンKの摂取量が多いと心房細動リスクが低いことが示された。The Journal of Nutrition誌2026年1月号に掲載。

中年期のうつ病の6つの症状が将来の認知症と関連

 中年期のうつ病は、これまで認知症リスクの増加と関連付けられてきた。しかし、新たな研究で、認知症と関連するのはうつ病全体ではなく、6つの特定の症状から成るクラスターである可能性が示唆された。研究グループは、これら6つの症状に焦点を当てることで、中年期に抑うつ症状に苦しんでいる人が将来、認知症を発症するのを回避できる可能性があると述べている。英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のPhilipp Frank氏らによるこの研究結果は、「The Lancet Psychiatry」に12月15日掲載された。  Frank氏は、「認知症リスクは、うつ病全体ではなく、限られた数の抑うつ症状と関連している。