内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

2型DMの新規発症リスクを低下・増加させる降圧薬は?/Lancet

 降圧治療は2型糖尿病の新規発症予防に効果的な戦略であるが、その効果は降圧薬のクラスにより異なっており、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)およびアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)で良好な結果が得られることが、英国・オックスフォード大学のMilad Nazarzadeh氏らBlood Pressure Lowering Treatment Trialists' Collaboration(BPLTTC)のメタ解析で示された。降圧治療は、糖尿病の細小血管および大血管合併症を予防する戦略として確立されているが、糖尿病そのものの予防に寄与するかは不明であった。著者は、「降圧薬のクラスによる差はおそらくオフターゲット作用の違いによるものと考えられる。今回のエビデンスは、糖尿病発症予防のために降圧薬のクラスを選択する必要があることを支持するものであり、個々の臨床的な糖尿病リスクに応じた薬剤選択の改善に結び付くだろう」と述べている。Lancet誌2021年11月13日号掲載の報告。

新型コロナとインフルワクチンの同時接種は安全か/Lancet

 新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンを同時に接種できれば、医療現場の負担減少につながる。米国ではワクチン接種率を高めるために同時接種も可としているが、日本では現時点で互いに片方のワクチンを受けて2週間後に接種可となっている。今回、英国のComfluCOV Trialグループによる多施設共同無作為化第IV相試験で、新型コロナウイルスへのアストラゼネカ製ワクチン(ChAdOx1)もしくはファイザー製ワクチン(BNT162b2)とインフルエンザワクチンの同時接種により安全性の懸念は引き起こされなかったことが示された。また、両ワクチンに対する抗体反応も維持されていた。英国・University Hospitals Bristol and Weston NHS Foundation TrustのRajeka Lazarus氏らが、Lancet誌オンライン版2021年11月11日号で報告した。

AZの新規抗体カクテル療法、発症および重症化抑制で良好な結果

 英・アストラゼネカは11月24日付けのプレスリリースで、進行中の2つの第III相試験(PROVENT試験・TACKLE試験)の新たな解析により、長時間作用型抗体AZD7442(tixagevimab・cilgavimab併用療法)の単回筋肉内投与が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する高い有効性と長期予防効果を示したことを発表した。同社は10月5日、米国食品医薬局(FDA)に対し、AZD7442のCOVID-19予防に対する緊急使用許可を申請したことも同時に公表した。  PROVENT試験では、SARS-CoV-2に感染していない高リスクおよび免疫不全の被験者を対象に、COVID-19発症予防に対するAZD7442 300mg単回筋肉内投与の安全性と有効性を評価した。米国、英国をはじめとする5ヵ国87施設で実施され、5,197例の被験者をAZD7442投与群とプラセボ投与群に2:1の割合で無作為に割り付けた。中央値6ヵ月の追跡期間で評価した結果、AZD7442群はプラセボ群に比べ、症候性COVID-19の発症リスクを83%低減した。

HPVワクチン接種行動は変わったか?

 HPVワクチンは2010年の接種開始以降、副反応忌避が続き接種率1%未満が続いていたが、昨年自治体から接種対象者への個別通知が再開し、今年は積極的受診勧奨再開に向けた検討会が開かれるなど動きが出てきた。  現在どのように接種行動や意識は変化しているのだろうか。HPVワクチンの普及啓発活動を行う一般社団法人みんなで知ろうHPVプロジェクト(通称みんパピ!)が、現在のHPVワクチンに対する意識・実態調査を行った。  調査はインターネット上で行われた。9,219名の回答者から無料接種対象年齢の本人として高校1年生の女子473名を抽出しHPVワクチン接種の有無を尋ねたところ、接種した、もしくは接種中が14.4%だった。

自宅そばにファストフード店があると糖尿病になりやすい?

 ファストフード店が近くにあると時間に追われている時の食事には便利かもしれないが、2型糖尿病のリスクが高くなる可能性を示唆するデータが報告された。反対に、郊外や農村のスーパーマーケットの多い地域の住民は、糖尿病リスクが抑制されているかもしれないとのことだ。  この研究は、米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン・ヘルスのRania Kanchi氏らが行った、退役軍人対象縦断的コホート研究の結果であり、詳細は「JAMA Network Open」に10月29日掲載された。論文の筆頭著者であるKanchi氏は、「食料の選択肢が限られておらず多くの食品を入手可能な環境は、個人の健康にとっても、国家レベルの公衆衛生においても非常に重要だ」と語っている。

診断基準への採用を目指す!新たな膝OA予後リスク判定デバイスとは

 10月29日にWeb開催された日本抗加齢協会主催『第3回ヘルスケアベンチャー大賞』において、変形性膝関節症(以下、膝OA)の進行予後を推定するウェアラブルデバイスを開発した、株式会社iMUが大賞に選ばれた。  同社は慶應義塾大学医学部発のヘルスケアスタート・アップであり、受賞に結び付いた製品は、膝OAの進行予後リスクが5m歩くだけで見える化できるウェアラブルデバイスだ。既存製品で90分を要した計測時間はわずか5分に短縮され、医師・患者の双方にメリットのある製品開発に成功した。

3回目のワクチンは2回目完了から8ヵ月/厚労省

 11月17日、厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンについて、今後のCOVID-19ワクチンの追加接種などに関する自治体向け説明会を開催した。追加接種については11月15日開催のワクチン分科会を踏まえた対応方針をもとに行われる。本稿では資料より抜粋した主要項目を示す。 (1)3回目の追加接種について 【ワクチンの対象者】 ・感染拡大防止及び重症化予防の観点から、1回目・2回目の接種が完了していない者への接種機会の提供を継続するとともに、2回接種完了者すべてに対して追加接種の機会を提供する。

温暖化で腎疾患による入院が増加している

 地球温暖化が腎臓に脅威を与えかねないとする研究論文が発表された。モナッシュ大学(オーストラリア)のYuming Guod氏、Shanshan Li氏らがブラジルの医療データを解析した結果であり、腎疾患による全入院の7%強が、気温が高いことに起因したものである可能性があるという。詳細は「The Lancet Regional Health - Americas」に10月31日掲載された。  気候変動は、世界規模でさまざまな疾患や死亡のリスクを高めている可能性が指摘されているが、腎疾患との関連を調査した報告は少ない。Guod氏らは、両者の関連を定量的に評価するため、以下の検討を行った。同氏らによると、本研究は気温と腎疾患の関連を調査した過去最大規模の研究という。  Guod氏らはこの研究でまず、2000~2015年にブラジル国内の1,816の都市から報告された1日ごとの入院患者データを収集。この間に、腎疾患による入院が272万6,886件記録されていた。次に、時間層別化ケースクロスオーバーデザインという統計学的手法により、気温の上昇に伴う腎疾患による入院リスクへの影響を解析した。その結果、平均気温が1°C上昇するごとに腎疾患による入院が0.9%、有意に上昇していることが明らかになった〔リスク比(RR)1.009(95%信頼区間1.008~1.010)〕。両者の関係は、気温が上昇した当日に最も強固であり、1~2日後にも有意な関連が維持されていた。

適切な睡眠時間は認知機能低下のリスクを下げる?

 たとえ初期段階のアルツハイマー病患者であっても、適切な睡眠時間を確保することで、加齢に伴う認知機能低下のリスクを下げられる可能性のあることが新たな研究で明らかにされた。睡眠時間は少な過ぎても多過ぎても認知機能低下と関連したという。米ワシントン大学医学部のDavid Holtzman氏らによるこの研究結果は、「Brain」に10月20日掲載された。  アルツハイマー病は認知機能低下の主因であり、認知症症例の70%を占める。睡眠不足はアルツハイマー病でよく現れる症状であり、病態の進行を促す要因でもある。過去の研究では、睡眠時間は少な過ぎても多過ぎても、認知機能テストの低スコアと関連することが示されている。しかしこれらの研究では通常、アルツハイマー病自体の評価は行われていない。

5〜11歳児のコロナワクチン接種について親が知っておくべきこと

 米国では、5〜11歳の小児に対する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種が承認された。これを受け、接種対象年齢の子どもを持つ親たちは、ワクチンの安全性や接種の必要性に関して疑問を抱いている。米コロラド小児病院の小児感染症専門医Donna Curtis氏が、そうした疑問に対する回答を示した。  5〜11歳児用のワクチンは、2020年12月から成人に投与されている米ファイザー社製のワクチンの用量を3分の1にしたもの。米食品医薬品局(FDA)に提出されたデータによると、このワクチンの5〜11歳児におけるCOVID-19の発症予防効果は90.7%と示されている。大人や青年と同様に、5〜11歳児でも、1回目の接種から3週間後に2回目の接種が必要である。