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カレーを食べて血管炎の症状指標にいらすとやより使用前回に引き続いて、辛い物シリーズです。カレーを食べることで、血管炎の増悪を予兆している人が世の中にいるようです。すごいな! Donaldson SL, et al.Curry-assisted diagnosis in the rheumatology clinic.Oxf Med Case Reports. 2015;2015:297-299.巨細胞性動脈炎の患者さんの一部は、舌の異常を訴えることがあるようです1)。ひどいケースでは潰瘍や壊死にまで至るそうです2-4)。味覚障害を訴える人もいるようですが、私自身、巨細胞性動脈炎の症例をたくさん診ているわけではないので、よくわかりません。このケースシリーズに登場する患者さんの1人である63歳の白人男性も大血管炎に罹患しており、カレーなどの辛い物を食べた後に頭皮がピリピリするという症状を経験しました。ステロイドや免疫抑制薬による治療が導入された後も、定期的にカレーを食べているようです。よほどお好きなんでしょうか…。さて、彼がカレーを食べた後、頭皮がピリピリするという症状が起こる場合、血管炎の指標にしているバイオマーカーが上昇しやすくなるという現象が起こるそうです。カレーを食べて「あ、こりゃ血管炎悪くなっているな」というのが自分でわかるというのです。彼にとっては、血液検査の炎症性マーカーよりも、カレーを食べた後の頭皮のピリピリのほうが感度も特異度も高い指標になるのかもしれません。確かにめちゃくちゃ辛いカレーを食べると、頭のあたりがピリピリすることがありますが、血管炎の患者さんではあれは増悪しやすくなっているということなんでしょうか。1)Henderson AH. Br Med J. 1967;4:337.2)Sobrinho RABS, et al. Case Rep Med. 2017;2017:6327437.3)Zaragoza JR, et al. Case Rep Rheumatol. 2015;2015:901795.4)Grant SW, et al. Dent Update. 2013;40:669-670, 673-674, 677.