冠動脈疾患疑い患者にCTAが有用な臨床的指標は?/BMJ

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 安定胸痛があり冠動脈疾患が疑われる患者に対して、冠動脈CT血管造影(冠動脈CTA)による恩恵があるのは、臨床的な検査前確率が7~67%の範囲の患者であることが明らかにされた。また、冠動脈CTAの診断精度は、経験的に64列超の検出器を用いたほうが感度・特異度ともに高いことや、狭心症がある患者でも低下しないこと、男性で高く、高齢者では低いことなども示された。ドイツ・シャリテ大学病院ベルリンのRobert Haase氏らが、65試験についてメタ解析を行い明らかにしたもので、BMJ誌2019年6月12日号で発表した。冠動脈CTAは、正確かつ非侵襲的に閉塞性冠動脈疾患(CAD)をルールアウトすることができる。しかし英国NICEや欧州心臓病学会の現行ガイドラインでは、典型的・非典型的狭心症のすべての患者についてのCTAは推奨されておらず、臨床的情報(性別、年齢、胸痛タイプなど)で推定されたCADの検査前確率が15~50%の患者にのみ実施されているという。

CTAの閉塞性CADに関する診断精度を検証
 研究グループは、冠動脈CTAと冠動脈造影を比較した診断精度に関する前向き試験について、メタ解析を行った。Medline、Embase、Web of Scienceを用いて公表された試験結果を、また未発表の試験結果については試験を行った研究者に直接連絡を取って確認した。50%以上の内径縮小を閉塞性CADのカットオフ値としており、また全被験者がCADの疑いで冠動脈造影の適応があり、冠動脈CTAと冠動脈造影を両方実施していた試験を解析対象とした。

 主要アウトカムは、CTAの閉塞性CADに関する臨床的事前検査としての陽性・陰性適中率で、一般化線形混合モデルで分析した(非CTA診断結果を包含および除外して算出)。

 非治療/治療閾値モデルを用いて、CTAの診断精度が高くその実施が適切である検査前確率の範囲を導いた。同モデルでは、CTA陰性の際の検査後確率は15%未満(陰性適中率85%以上)、CTA陽性の際の検査後確率は50%超を閾値とした。

64列超検出器のCTA装置で精度が向上
 65の前向き診断精度試験(被験者5,332例)のデータを包含して解析した。

 臨床的な検査前確率が7~67%の範囲で、非治療/治療閾値モデルの治療閾値50%超、非治療閾値15%未満となった。具体的には検査前確率が7%では、CTAの陽性適中率は50.9%(95%信頼区間[CI]:43.3~57.7)で、陰性適中率は97.8%(同:96.4~98.7)だった。検査前確率が67%では、CTAの陽性適中率は82.7%(同:78.3~86.2)、陰性適中率は85.0%(同:80.2~88.9)だった。

 被験者全体ではCTAの感度は95.2%(95%CI:92.6~96.9)、特異度は79.2%(同:74.9~82.9)だった。

 また、64列超検出器のCTA装置を用いたほうが、同64列未満の場合に比べ、経験的感度(93.4% vs.86.5%、p=0.002)、特異度(84.4% vs.72.6%、p<0.001)がともに高かった。

 CTAのROC曲線下面積(AUC)は0.897[0.889~0.906]であり、CTAの診断能は、男性よりも女性でわずかに低かった(AUC:0.874[0.858~0.890] vs.0.907[0.897~0.916]、p<0.001)。また、75歳超になるとわずかに低くなった(0.864[0.834~0.894]、全年齢群と比較したp=0.018)。狭心症のタイプ(典型的狭心症0.895[0.873~0.917]、非典型的狭心症0.898[0.884~0.913]、非狭心症胸痛0.884[0.870~0.899]、その他の胸部不快感0.915[0.897~0.934])による有意な影響はみられなかった。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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コメンテーター : 野間 重孝( のま しげたか ) 氏

栃木県済生会宇都宮病院 副院長

J-CLEAR評議員

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