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第12回 毎日簡単! 料理をしないでちょい足し「お手軽タンパク質」医療者向けワンポイント解説日本の総人口1億2,671万人(平成29年10月1日現在)のうち、65歳以上人口は、3,515万人で、総人口の27.7%を占めています。また、65歳以上人口は、平成37年(2025年)には、3,677万人に達し、平成54年(2042年)に3,935万人でピークを迎え、そのあとは減少に転じると推計されています。さらに、平成48年(2036年)には、3人に1人が、平成77年(2065年)には、2.6人に1人が65歳以上の社会になると推測されています*。高齢化に向けて問題になっているのが、サルコペニア、フレイルです。サルコペニアは加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下、フレイルは高齢期におけるさまざまな生理的予備能が低下したことで健康障害が起こりやすい状態のことを示します。サルコペニアは、フレイルの要因の一つでもあり、この状態に繋がる原因として、栄養不良、タンパク質不足などが挙げられます。1日のタンパク質の摂取量について、日本人の食事摂取基準(2015年版・最新版)によると、18〜70歳以上のタンパク質の推奨量は、男性:60g、女性:50gと明記されています。また、平成29年国民健康・栄養調査の結果では、たんぱく質の摂取量は60歳代で最も多いことが明らかになりました。65歳以上の低栄養傾向の者(BMI≦20kg/m2)の割合は、全体:16.4%、男性:12.5%、女性:19.6%であり、ここ10年間での有位な増減は見られません。しかし、人口全体が高齢化に向かっていくことや、年齢と共に食事量が減ること、嗜好によるタンパク質不足、吸収率の低下などを考慮すると、元気なうちからタンパク質を意識することが大切です。今回は、栄養不足の方、高齢者の方が元気に過ごすために、意識してもらいたい「簡単にちょい足しできる調理不要のタンパク質」についてご紹介します。まずは、タンパク質の意識・取り入れ方法について説明します。1)食事にプラスしてタンパク質を意識しようタンパク質の摂取が不足する要因として、a)食事量が少ない b)欠食 c)嗜好がご飯やパン、麺類などの炭水化物に偏る、などがあります。普段からタンパク質が不足しているような患者さんには、『お手軽タンパク質』をプラスして摂取するよう伝えてみましょう。2)調理しなくていい「お手軽タンパク質」を常備しようタンパク質をプラスするには献立に取り入れることも大切ですが、普段から食べているものにプラスする意識を持つと、摂取量を安定的に増やすことができます。ほかの栄養素を合わせて摂るメリットも伝え、常備を心がけてもらいましょう。3)分けて食べようタンパク質は、消化に負担がかかること、エネルギー不足と共に少しずつ分解されていくことをふまえ、まとめて食べるのではなく、こまめに取り入れることがオススメです。三度の食事のほか、間食、飲み物、夜食などに加えると良いでしょう。【調理をしないでとりやすい「お手軽タンパク質」】卵茹でる、炒める、味噌汁に加えるなど、調理が簡単で、手軽に食べられるタンパク質源。アミノ酸バランスも理想的なタンパク質。ツナ缶マグロやカツオの油煮または水煮。米、パン、麺など何にでも相性がよい。サバ缶安くて、栄養価が豊富と大人気のタンパク質源。オメガ3系脂肪酸のDHA、EPAが豊富であり、血管の炎症などを抑える働きがある。イワシ缶サバ缶より脂質が少なく、タンパク質も豊富。サバと同じくDHA、EPAが豊富。納豆低脂肪、発酵食品。腸内環境を整えるほか、骨粗鬆症の予防効果が期待できるビタミンKが豊富に含まれている。チーズおやつとしても手軽に食べられることが魅力的なタンパク質源。豆腐木綿のほうがタンパク質はやや多い。絹ごし豆腐は、コンビニなどでも多く扱っているため購入しやすいタンパク質。低脂肪であり、柔らかい食感は、どの世代にも取り入れやすい。ヨーグルト発酵食品であり、ヨーグルトによって菌の種類、働き、味わいが異なるため、いろいろなヨーグルトで変化をつけられる。間食としても良い。パルメザンチーズチーズの中で一番タンパク質の含有量が高い。パスタや炒め物にかけるだけではなく、味噌汁やサラダなどに簡単に加えることができる。◆きな粉1回に食べられる量は少ないが、大豆の粉なのでタンパク質は豊富。ヨーグルトやアイスなどのデザート類にかけたり、料理に加えても美味しい。*:平成30年版高齢者社会白書