サイト内検索|page:968

検索結果 合計:35665件 表示位置:19341 - 19360

19341.

アルコール依存症患者の再入院とBMIや渇望との関連

 常習性の飲酒、渇望、過食は、共通の病理学的メカニズムを有している。ドイツのフリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルクのChristian Weinland氏らは、BMIや渇望がアルコール依存症入院患者のアウトカムを予測するかどうかを調査した。Progress in Neuro-psychopharmacology & Biological Psychiatry誌2019年3月2日号の報告。 早期に禁酒したアルコール依存症入院男性患者101例および女性患者72例を対象に、プロスペクティブ研究を実施した。渇望は、Obsessive-Compulsive Drinking Scale(OCDS)スコアを用いて定量化した。24ヵ月以上のアルコール関連再入院を記録した。 主な結果は以下のとおり。・男性では、より高いBMIは、アルコール関連再入院と関連しており(中央値:26.1kg/m2 vs. 23.1kg/m2、p=0.007)、より高頻度(ρ=0.286、p=0.004)で、より早期(ρ=-0.256、p=0.010)の再入院との相関が認められた。・これらの関連性は、活発な喫煙者のサブグループ(79例)においてより強く認められた([アルコール関連再入院]中央値:25.9kg/m2 vs. 22.3kg/m2、p=0.005、[高頻度]ρ=0.350、p=0.002、[早期]ρ=-0.340、p=0.002)。・女性では、BMIは有意な予測因子ではなかった。・1回以上の再入院があった男性では、そうでない男性と比較し、OCDSスコアが高く(OCDS-total、OCDS-obsessive、OCDS-compulsive、p<0.040)、OCDSスコアは、再入院の高頻度(男性:OCDS-total、OCDS-obsessive、OCDS-compulsive、ρ>0.244、p<0.014、女性:OCDS-compulsive、ρ=0.341、p=0.003)と初回再入院までの期間短縮(男性:OCDS-total、OCDS-compulsive、ρ<-0.195、p<0.050、女性:OCDS-compulsive、ρ=-0.335、p=0.004)との相関が認められた。・OCDSスコアにより、男性におけるBMIとアウトカムとの関連は9~19%説明可能であった。 著者らは「BMIおよび渇望は、アルコール依存症入院患者における再入院の予測因子である。このことは、将来の再入院を予防するために使用できる可能性がある」としている。■関連記事アルコール関連での緊急入院後の自殺リスクに関するコホート研究飲酒運転の再発と交通事故、アルコール関連問題、衝動性のバイオマーカーとの関連アルコール依存症に対するナルメフェンの有効性・安全性~非盲検試験

19342.

チカグレロルの中和薬、第I相試験で有効性確認/NEJM

 チカグレロルの特異的中和薬であるPB2452について、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のDeepak L. Bhatt氏らは、健常ボランティアにおいて、チカグレロルの抗血小板作用を迅速かつ持続的に中和し、毒性は軽度であることを示した。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2019年3月17日号に掲載された。チカグレロルは経口P2Y12阻害薬で、急性冠症候群の患者や心筋梗塞の既往のある患者において、虚血性イベントのリスクを抑制するために、アスピリンとの併用で使用される。しかし他の抗血小板薬と同様、チカグレロルも大出血や緊急の侵襲的手技に伴う出血が懸念され、その抗血小板作用には、血小板輸血による可逆性はなく、出血の抑制には速効型の中和薬が有用とされる。複数の検査法で血小板機能を評価するプラセボ対照第I相試験 本研究は、健常ボランティアを対象に、単施設で行われた二重盲検プラセボ対照無作為化第I相試験であり、2018年4月3日~8月23日に参加者の登録が行われた(PhaseBio Pharmaceuticalsの助成による)。 PB2452は、チカグレロル中和薬として、チカグレロルに高い結合親和性を有するモノクローナル抗体フラグメントである。健常ボランティア(年齢18~50歳、体重50~120kg、BMI 18~35)において、48時間のチカグレロルによる治療の前後およびPB2452またはプラセボを投与後に血小板機能の評価を行った。 血小板機能の評価には、透過光血小板凝集検査法、P2Y12血小板反応性のポイント・オブ・ケア検査、血管拡張因子刺激リン酸化タンパク質検査が用いられた。中和作用は投与開始5分以内に発現、20時間以上持続 64例が登録され、PB2452群に48例(平均年齢30.5歳、男性48%)、プラセボ群には16例(34.0歳、69%)が割り付けられた。 PB2452群では、17例に27件の有害事象が認められた。主なものは注射部位内出血(4件)、医療機器部位反応(3件)、血管穿刺部位出血(2件)、注入部位血管外漏出(2件)であった。用量制限毒性や輸注反応はみられず、死亡や試験薬中止を要する有害事象、および入院を要する有害事象もみられなかった。 48時間のチカグレロル治療後には、血小板凝集能が約80%抑制された。迅速な中和を得るためにPB2452を静脈内ボーラス投与後、中和を持続させるために注入時間を8、12、16時間と延長すると、3つの測定法のすべてで、血小板機能がプラセボ群に比べ有意に上昇した。 チカグレロルの中和作用は、PB2452の投与開始から5分以内に発現し、20時間以上持続した(3つの測定法のすべての測定時点の値をBonferroni法で調整後のp<0.001)。薬剤投与終了後の血小板活性には、リバウンドの証拠はなかった。 著者は、「PB2452によるチカグレロルの抗血小板作用の中和は、出血患者に対し、より迅速な止血をもたらすか、また緊急の侵襲的手技を施行された患者において、出血を予防するかについては、まだ不明である」としている。

19343.

第12回 オッズ比は、なぜ臨床研究で使われるのか?【統計のそこが知りたい!】

第12回 オッズ比は、なぜ臨床研究で使われるのか?前回はリスク比とオッズ比の違いについてご説明しました。リスク比は臨床ですぐに役立ちそうですが、オッズ比はリスク比と比べるとあまり臨床では使い道がないように思われたかもしれません。しかし、実際の臨床研究の論文では、オッズ比はよく使われています。このように理解しにくいオッズ比が、なぜ臨床研究で使われているのか。今回は、オッズ比から何がわかるのかについて解説します。■コホート研究・ケースコントロール研究とは臨床研究でオッズ比は、どのように使われるのでしょうか?代表的な臨床研究として、「コホート研究」と「ケースコントロール(症例対照)研究」がありますが、後者の研究で集めたデータを解析する場合、以下で説明するようにリスク比は使うことができません。そこでオッズ比が使われます。はじめに「コホート研究」と「ケースコントロール研究」とは何かを解説します。臨床研究は「前向き」か「後ろ向き」かで分けることができ、コホート研究は「前向きの研究」、ケースコントロール研究は「後ろ向きの研究」とされています。たとえば、高血圧症患者さんの喫煙の有無と脳卒中発症の有無の関連性を調べたいとします。●コホート研究高血圧症で脳卒中がない人をランダムに1,000人抽出し、今までに喫煙していたかどうかを調査し、その後の5年間において、喫煙の有無別に脳卒中を発症したかを追跡調査します。調査開始時点では脳卒中は発症しておらず、それから5年後(未来)に脳卒中の発症を調べます。このような研究をコホート研究といいます。この研究は5年後の未来へ向かって調べる研究であるので「前向き」の研究といいます。●ケースコントロール研究高血圧症で脳卒中を発症した患者さん1,000人とランダムに選んだ脳卒中を発症していない高血圧症患者さん1,000人について、過去の喫煙の有無を調査します。すでに脳卒中を発症している高血圧症患者さんと発症していない高血圧症患者さんがいて、その時点から過去にさかのぼって喫煙をしていたかどうかを調べます。このような研究をケースコントロール研究といいます。この研究は過去へ向かって調べる研究であるため「後ろ向き」の研究といいます。この2つの研究の違いを、原因と結果という因果関係からみてみましょう。上記の例では、喫煙の有無が原因で脳卒中発症が結果です。コホート研究は、未来の結果(脳卒中発症有無)を調べる研究であり、ケースコントロール研究は過去の原因(喫煙の有無)を調べる研究となります。それでは、ケースコントロール研究で集めたデータを解析する場合、リスク比を使うことはできないが、オッズ比であれば使うことができるということについて解説します。■ケースコントロール研究ではオッズ比が使われる!表のデータを、ケースコントロール研究(後ろ向き研究)で集めたデータということにします。表 脳卒中と喫煙の関係におけるケースコントロール研究の事例この表から、喫煙者が脳卒中を発症するリスクは77%です。この数値から一般的に「高血圧症患者さんで喫煙する人は脳卒中を発症するリスクが約8割もいる」と言ってもよいでしょうか。この事例は、ケースコントロール研究で集めたデータという設定です。ケースコントロール研究で、喫煙が脳卒中発症の要因になっているかどうかを検討するには、まず「ケース」として、脳卒中が発症したと診断された人のデータを収集し、その一人ひとりのカルテや、本人・ご家族に聞き取り調査などを行い、喫煙していたかどうかを調べます。また、「コントロール」として、脳卒中を発症していない人を必要な人数集めて、その人たちが喫煙をしていたかどうかを調べます。つまり、入手可能なデータは、「高血圧症患者さんで脳卒中を発症した人の何%が喫煙していたか」と「高血圧症患者さんで脳卒中を発症していない人の何%が喫煙していたか」のデータとなります。ですから、ケースコントロール研究からは、「リスク比を算出するときの割り算の分子となる『喫煙者の何%が脳卒中を発症したのか』」と「リスク比を算出するときの割り算の分母となる『非喫煙者の何%が脳卒中を発症したのか』」のどちらのデータも入手することはできません。表の事例は脳卒中発症と診断された1,000人とランダムに選んだ脳卒中を発症していない高血圧症患者さん1,000人について、過去の喫煙の有無を調査したものです。したがって、全対象者における脳卒中発症のリスクは1,000÷2,000の50%で、調査対象者のサンプリング(抽出)に依存します。サンプリングに依存しているリスクを用いてリスク比を計算するのは、大きな間違いとなります。こうした理由から、ケースコントロール研究の場合は、オッズ比を用いて、影響要因であるかどうかが判断できるのです。事例のデータの場合、オッズ比が1.0よりも大きいので、高血圧症患者さんにおける脳卒中発症は喫煙の有無が影響要因であるということがわかります。しかし、「オッズ比から、喫煙者が脳卒中を発症するリスクは非喫煙者に比べ4.0倍である」と解釈してはいけないというのは繰り返し述べているところです。余談ですが、ある疾病の発症頻度が非常にまれな場合は、リスク比はオッズ比で近似できるとされています。■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第2回 リスク比(相対危険度)とオッズ比セクション2 よくあるオッズ比の間違った解釈第4回 ギモンを解決!一問一答質問5 リスク比(相対危険度)とオッズ比の違いは?(その1)質問5 リスク比(相対危険度)とオッズ比の違いは?(その2)

19344.

薬機法改正後、薬剤師法に追記される義務【赤羽根弁護士の「薬剤師的に気になった法律問題」】第12回

2019年3月19日、薬機法の改正案が閣議決定され、今国会での成立が目指されていることはご存じかと思います。国会に提出された法律案は厚生労働省のホームページで公表されていますが、もう皆さんは確認したでしょうか。まだ法律案の段階ですし、厚生労働省令等が決まるまで詳細はわからないところもあるとはいえ、薬剤師の業務を規定する重要な法律なので、一度は目を通しておいてもいいかもしれません。薬機法に併せて薬剤師法も改正される今回予定されている改正には、服用期間中のフォローの義務化、知事認定制度により年1回の更新が必要な「地域連携薬局」「専門医療機関連携薬局」の新設、薬局ガバナンスの整備など、皆さんの業務に影響を与える内容が盛り込まれています。たとえば、服用期間中のフォローとして、薬を渡したときの情報提供および指導だけではなく、必要に応じて服用期間中についても継続的かつ的確な把握などが義務付けられ、その内容について記録することも求められます。この点については、薬機法の改正と併せて薬剤師法も改正が予定されています。これまでも、薬剤師には以下のとおり、情報提供および指導義務がありました。薬剤師法(情報の提供及び指導)第25条の2 薬剤師は、調剤した薬剤の適正な使用のため、販売又は授与の目的で調剤したときは、患者又は現にその看護に当たつている者に対し、必要な情報を提供し、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わなければならない改正では、これに加えて服用期間のフォローとして以下の追記が予定されています。第25条の2 第2項薬剤師は、前項に定める場合のほか、調剤した薬剤の適正な使用のため必要があると認める場合には、患者の当該薬剤の使用の状況を継続的かつ的確に把握するとともに、患者又は現にその看護に当たつている者に対し、必要な情報を提供し、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わなければならない改正法の施行前に準備を始めるべきこのような義務は、すべての患者に対してではなく「必要があると認める場合」とされています。どのような場合に必要があるかは、薬剤師の専門的な判断によることになりますが、適切な対応が必要であったにもかかわらず、そのような対応を行わず、患者に健康被害が起こってしまった場合などには、患者に対する損害賠償などの責任が発生することも否定できません。まだ法案の成立前ですし、施行まで時間もあるとは思いますが、このような義務が定められることを前提に、組織として今から準備を始めたほうがよいでしょう。また、今後予想されるその他の改正についても早めに検討し、個々人の認識を合わせるなどの対応が適切と考えられます。参考資料1)厚生労働省 第198回国会(常会)提出法律案 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案(平成31年3月19日提出)概要

19345.

第33回 職場の雰囲気を内側から変える!のがお仕事という薬剤師【週刊・川添ラヂオ】

動画解説今回は札幌から株式会社サンクールあしたば薬局の大澤祐貴子先生との対談をお届けします。大澤先生は何かしらの問題を抱える店舗にスタッフとして赴任し、内側から店舗を改善するサポート推進課長です。スタッフのメンタルは仕事の効率や事故にも大きな影響を与えるそう。エリアマネージャーとは違った、大澤さんならではのアプローチとは?

19346.

肺がんの予後、正常組織の肺マイクロバイオームと関連

 腸内フローラなどとともに注目されている“ヒトマイクロバイオーム”が、肺がん予後に関わるという興味深い知見が示された。ヒトマイクロバイオームは、局所の発がんまたはがん進行に寄与する可能性のある多くの機能を有しているが、これまで肺がんの予後と肺マイクロバイオームとの関連は知られていなかった。米国・ニューヨーク大学のBrandilyn A. Peters氏らは、予備研究として少数例で解析を行い、正常な肺マイクロバイオームが肺がんの予後と潜在的に関連していることを初めて明らかにした。さらに大規模な研究が必要ではあるが、著者は「予後に関する細菌バイオマーカーを定義することが、肺がん患者の生存アウトカム改善につながる可能性がある」とまとめている。Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌オンライン版2019年2月7日号掲載の報告。 研究グループは、非小細胞肺がん(NSCLC)19例を対象に予備研究を行った。 同一肺葉/区における腫瘍組織および遠隔正常組織のペア検体を用いて16S rRNA解析を施行し、腫瘍または正常組織のマイクロバイオーム多様性/構成と無再発生存(RFS)/無病生存(DFS)との関連を調べるとともに、腫瘍組織と正常組織のマイクロバイオーム多様性/構成を比較した。 主な結果は以下のとおり。・正常組織におけるマイクロバイオームの豊富さ(richness:操作的分類単位[OTU]数が高い)と多様性(diversity:Shannon指数が高い)が、RFS低下(OTU数に関するp=0.08、Shannon指数に関するp=0.03)およびDFS低下(それぞれp=0.03、p=0.02)と関連していた。・正常組織では、Koribacteraceae科の豊富さがRFSおよびDFSの上昇と関連していた。一方で、Bacteroidaceae科、Lachnospiraceae科およびRuminococcaceae科の豊富さはRFSおよびDFSの低下と関連していた(p<0.05)。・腫瘍組織におけるマイクロバイオームの多様性と全体の構成は、RFSおよびDFSと関連していなかった。・腫瘍組織では対応する正常組織と比較し、マイクロバイオームの豊富さと多様性が低かったが(p≦0.0001)、全体の構成に差はなかった。

19347.

うつ、不安、睡眠の質に対する「お笑い介入」~メタ解析

 うつ病や不安症状の治療に対し、ネガティブな感情を減少させるための介入が求められており、お笑いやユーモアを用いた介入(お笑い介入)は、安全かつ便利で、患者と医療従事者との関係を良好に保つことが期待される介入方法である。成人のうつ病、不安および睡眠の質に対するお笑い介入の効果を定量化するため、中国・吉林大学のJinping Zhao氏らが検討を行った。Journal of Advanced Nursing誌オンライン版2019年3月18日号の報告。 ランダム化比較試験のメタ解析を実施し、2018年12月までの研究を各種データベース(PubMed、Embase、PsycINFO、Web of Science、Cochrane Central Register of Controlled Trials、Chinese National Knowledge Infrastructure、Weipu、Wanfang Data)より検索した。Cochrane Collaborationガイドラインに従って、メタ解析レビューを実施した。研究の選択、データ抽出、バイアスリスク(Cochrane Collaborationバイアスリスク評価ツール)の評価は、独立した2人のレビューアにより実施した。 主な結果は以下のとおり。・10研究より、814例が抽出された。・メタ解析では、お笑い介入が成人のうつ病、不安を有意に減少させ、睡眠の質を改善することが示唆された。・サブグループ解析では、長期的なお笑い介入は、うつ病患者により多くのベネフィットをもたらすことが示唆された。 著者らは「お笑い介入は、成人のうつ病や不安を軽減し、睡眠の質の改善に有効であることが明らかとなった。今後は、質の高いフォローアップ評価を行うために、さらなる研究が求められる」としている。■関連記事「笑い」でうつ病診断が可能にこれからのうつ病治療、どんな介入を行うべきかうつ病や不安症状に対する食事療法~メタ解析

19348.

学会でツイッター活用、日循の取り組みはどこまでバズったか?

 2019年3月29日から31日まで開催された第83回 日本循環器学会学術集会において、同学会は、日本国内の医学系学会では初めて、学術集会中の発表内容をツイッター上で公開した。 #19JCSのハッシュタグを付けて投稿されたツイート総数は、リツイートも含み、約8,000。公式アカウント@JCIRC_IPRのインプレッション数は期間中だけで77万を超え、フォロワーが約2,000人から4,000人強へ倍増した。 投稿内容は、一般演題を除くシンポジウムをはじめとした講演の全演者の9割・330名以上から事前に撮影の許諾を得た、スライド写真や文字によるサマリ、発表後のインタビュー動画。スライド写真のツイートを行ったのは、同学会情報広報部会および事前に承諾を得た公式サポーターの学会員約20名。公式サポーターは医師を筆頭とした循環器診療に関わる医療者だ。 今回の結果について、同情報広報部会は「予想よりもスムーズだった」と評している。演題の9割をカバーし、同部会と公式サポーターによる専門的見地からコメントを付けた投稿も中には含まれたことで、批判的吟味を含めた議論の土壌を作れたからだ。 また、学術集会初日に合わせて「日本循環器学会ツイッター利用指針」を国内医学系学会で初めて公開し、公式な学会活動としてコンプライアンス体制を整えてツイッターを活用したことも今後につながる成果だ。 一方、今後の課題は学会員へのツイッター活用の普及にある。専門家による適切な医療情報の提供、議論がより多くなされることでより質の高い情報発信が可能となるからだ。 公式アカウントのフォロワーが、学術集会中に2,000人以上増えた結果を踏まえ、今後もメリットが周知されればツイッターを活用する学会員の増加を期待できると同部会は考えている。 この取り組みはほかの診療科へも波及している。#19JCSでのツイートを見ると、救急や整形外科、精神科などの医師がこの活動に共感し、所属学会に問い合わせをしている様子が伺える。 膨大な数の演題が登録される学術集会において、興味があるテーマのすべてを聞くことは不可能だが、SNSは物理的制約を乗り越えて知見を広げる助けになる。またリアルタイムでの専門医・医療関連者同士のディスカッションがSNSを通じて活発になれば、研究・臨床・教育の質向上にも寄与する可能性も広がる。 海外では、欧州心臓病学会(ESC)や米国心臓協会(AHA)のように活発にSNSを使用する学会もあれば、米国糖尿病学会(ADA)のように否定的な立場をとる学会もある。 SNSをどう使うかは学会によって異なる見解があると予想されるが、今回の日本循環器学会の取り組みが国内学術集会におけるSNS活用の在り方に影響を与えることは間違いなさそうだ。■リンク日本循環器学会情報広報部会@JCIRC_IPRハッシュタグ #19JCS■参考文献米国主要循環器系学会で2014年から2016年にかけて急速に進んだSNS活用の現状2018年欧州心臓病学会学術集会でのツイッター活用

19349.

院外心停止後蘇生のNSTEMIに、即時冠動脈造影は有効か/NEJM

 院外心停止後に蘇生に成功した非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)患者では、即時的に冠動脈造影を行い、必要に応じて経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行するアプローチは、神経学的回復後に遅延的にこれを施行する戦略と比較して、90日生存率の改善は得られないことが、オランダ・アムステルダム大学医療センターのJorrit S. Lemkes氏らが実施したCOACT試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2019年3月18日号に掲載された。院外心停止の主な原因は虚血性心疾患であり、現行の欧米のガイドラインでは、蘇生後のST上昇型心筋梗塞(STEMI)へは即時的な冠動脈造影とPCIが推奨されている。一方、蘇生後のNSTEMIへの即時的な施行に関しては、無作為化試験のデータはなく、観察研究では相反する結果の報告があるという。NSTEMIへの即時的施行を評価するオランダの無作為化試験 本研究は、オランダの19施設が参加した非盲検無作為化試験であり、2015年1月~2018年7月に患者登録が行われた(オランダ心臓研究所などの助成による)。 院外心停止から蘇生し、心電図検査でST上昇がみられない患者552例のうち、後に同意を撤回した患者を除く538例(平均年齢65.3±12.6、男性79.0%)を対象とした。 これらの患者を、即時的に冠動脈造影を行う群(273例)または神経学的回復後に行う遅延的冠動脈造影群(265例)に、1対1の割合で無作為に割り付けた。両群とも、必要に応じてPCIが施行された。 主要エンドポイントは90日生存率とした。副次エンドポイントは、脳機能が良好または軽度~中等度障害の状態での90日生存率、心筋傷害、カテコールアミン投与期間、ショックのマーカー、心室頻拍の再発、人工呼吸器の使用期間、大出血、急性腎障害、腎代替療法の必要性、目標体温の到達時間、集中治療室(ICU)退室時の神経学的状態などであった。90日生存率:64.5% vs.67.2%、目標体温到達時間が長い 冠動脈造影の施行率は、即時的冠動脈造影群が97.1%、遅延的冠動脈造影群は64.9%であった。心停止から冠動脈造影施行までの時間中央値は、それぞれ2.3時間、121.9時間、無作為割り付けから冠動脈造影までの時間中央値は、0.8時間、119.9時間だった。 急性血栓性閉塞が即時群3.4%、遅延群7.6%にみられた。PCIはそれぞれ33.0%、24.2%で、CABGが6.2%、8.7%で行われ、薬物療法または保存的治療は61.5%、67.5%で実施された。 90日時の生存率は、即時群が64.5%(176/273例)、遅延群は67.2%(178/265例)と、両群に有意な差を認めなかった(オッズ比[OR]:0.89、95%信頼区間[CI]:0.62~1.27、p=0.51)。 副次エンドポイントのうち、目標体温到達時間中央値が、即時群5.4時間と、遅延群の4.7時間に比べ有意に長かった(幾何平均値の比:1.19、95%CI:1.04~1.36)。他の副次エンドポイントには、両群に有意な差はなかった。 著者は、「心停止後に蘇生したNSTEMIで、冠動脈造影の即時的施行により生存ベネフィットが得られたとする以前の観察研究は、選択バイアスが影響した可能性がある」と指摘している。 また、これらの結果の理由として、(1)PCIは、急性血栓性閉塞を有する冠動脈疾患患者で転帰の改善と関連し、安定冠動脈疾患ではこのような効果はないが、本試験では急性血栓性冠動脈閉塞は5%のみで、ほとんどが安定冠動脈疾患であった、(2)神経学的損傷による死亡が多く、心臓が原因の死亡の3倍以上であった、(3)目標体温到達までに長い時間を要したことが、即時的冠動脈造影の潜在的なベネフィットを弱めた可能性があるなどの点を挙げている。

19350.

β遮断薬長期投与、肝硬変の代償不全を予防/Lancet

 代償性肝硬変および臨床的に重要な門脈圧亢進症(CSPH)の患者では、β遮断薬の長期投与により代償不全(腹水、胃腸出血、脳症)のない生存が改善されることが、スペイン・バルセロナ自治大学のCandid Villanueva氏らが実施したPREDESCI試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2019年3月22日号に掲載された。肝硬変における臨床的な代償不全は予後不良とされる。CSPHは、肝静脈圧較差(HVPG)≧10mmHgで定義され、代償不全の最も強力な予測因子だという。代償不全/死亡をプラセボと比較 本研究は、β遮断薬によるHVPG低下が、CSPHを伴う代償性肝硬変における代償不全や死亡のリスクを低減するかを検証する研究者主導の二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験である(Spanish Ministries of Health and Economyの助成による)。 高リスクの静脈瘤のない代償性肝硬変およびCSPHで、HVPG≧10mmHgの患者(年齢18~80歳)を登録し、プロプラノロール静脈内投与によるHVPGの急性反応を評価した。レスポンダー(HVPGがベースラインから>10%低下)は、プロプラノロール(40~160mg、1日2回)またはプラセボを投与する群に、非レスポンダーはカルベジロール(≦25mg/日)またはプラセボを投与する群に無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは、肝硬変の代償不全(腹水、門脈圧亢進症関連の胃腸出血、顕性肝性脳症の発現と定義)または死亡とした。代償性肝硬変では、代償不全が発症する前の死亡は、ほとんどが肝臓とは関連がないため、肝臓非関連死を競合イベントとしたintention-to-treat解析が行われた。主要エンドポイント:16% vs.27%、腹水の発生低下が主要因 2010年1月~2013年7月の期間に、スペインの8施設で201例が登録され、β遮断薬群に100例(平均年齢60歳、男性59%、プロプラノロール67例、カルベジロール33例)、プラセボ群には101例(59歳、63%)が割り付けられた。フォローアップ期間中央値は37ヵ月だった。 主要エンドポイントの発生率は、β遮断薬群が16%(16/100例)と、プラセボ群の27%(27/101例)に比べ有意に低かった(ハザード比[HR]:0.51、95%信頼区間[CI]:0.26~0.97、p=0.041)。 この両群の差は、β遮断薬群で腹水の発生が少なかったためであり(9% vs.20%、0.42、0.19~0.92、p=0.0297)、胃腸出血(4% vs.3%、1.52、0.34~6.82、p=0.61)および顕性肝性脳症(4% vs.5%、0.92、0.40~2.21、p=0.98)には差はみられなかった。 全体の有害事象の発生は、両群でほぼ同等であった(β遮断薬群84% vs.プラセボ群87%)。治療に関連する可能性があると判定された有害事象は、それぞれ39%、30%、その可能性が高いと判定された有害事象は16%、15%であった。6例に重度の有害事象が認められ、β遮断薬群が4例、プラセボ群は2例だった。 著者は、「この非選択的β遮断薬の新たな適応は、患者転帰の改善や医療費の抑制に多大な効果をもたらし、今後、臨床ガイドラインに影響を及ぼす可能性がある」としている。

19352.

膀胱留置カテーテルは地獄の痛み?【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第136回

膀胱留置カテーテルは地獄の痛み?ぱくたそより使用膀胱留置カテーテルは、病院でよく使用されていますが、入れられるほうはたまったもんじゃありません。私も過去に椎間板ヘルニアの手術時に1日だけ留置されたことがありますが、まさに地獄の苦しみでした。思い出したくもない。 Saint S, et al.Urinary catheters: what type do men and their nurses prefer?J Am Geriatr Soc. 1999;47:1453-1457.この研究は、大学病院で尿道カテーテルを使用した患者さん104人と医療従事者99人にアンケートをとったものです。104人の患者さんのうち、コンドームカテーテルを使用していたのが21人、膀胱留置カテーテルを使用していたのが83人でした。その結果、膀胱留置カテーテルを使用した患者さんでは、不快感があるのは42%、疼痛を感じていたのは48%、ADLが制限されていたのは61%と約半数がネガティブな回答をしました。コンドームカテーテルの場合、これらはそれぞれ14%、14%、24%でしたから、明らかな差がありますね。コンドームカテーテルの装着には、膀胱留置カテーテルよりも5~10分長くかかってしまうと医療従事者は回答しており、これは本研究の対象が寝たきりの高齢者が多かったからかもしれません。また、医療従事者の96%はコンドームカテーテルの脱落や尿漏れを懸念していることがわかりました。20年前の論文ですから、コンドームカテーテルの質もイマイチだったのかもしれませんね。今のコンドームカテーテルは結構ピッチリしていて、漏れにくくなっています。医療従事者にとって、膀胱留置カテーテルのほうが管理しやすいのは確かですが、患者サイドに立って考えると、コンドームカテーテルのほうが快適なのです。膀胱留置カテーテルを留置された83人のうち2人は「地獄のような痛みだ(“hurts like hell”)」と回答しており、私もこれには至極同意いたします。もう2度と入れられたくありません…。ルーチンワークで尿道にカテーテルを通さなければならない理由はそう多くないと思います。

19353.

長期PPI使用と認知症リスク

 プロトンポンプ阻害薬(PPI)と認知症リスクの潜在的な関連性については、相反するデータが報告されている。台湾・国立台湾大学のShih-Tsung Huang氏らは、高齢者におけるPPI使用とその後の認知症リスクの関連について検討を行った。Clinical Pharmacology and Therapeutics誌オンライン版2019年3月12日号の報告。 混合軌跡モデリング(group-based trajectory modeling)を用いて、3年以上の長期PPI使用に関して異なるグループを特定し、5年のフォローアップ期間におけるPPI使用と認知症との関連を調査した。 主な結果は以下のとおり。・PPIを使用した高齢者1万533例を、短期使用群(7,406例、70.3%)、断続使用群(1,528例、14.5%)、長期使用群(1,599例、15.2%)の3群に分類した。・短期使用群と比較し、長期使用群(HR:0.99、95%CI:0.93~1.17)および断続使用群(HR:0.91、95%CI:0.76~1.09)では、認知症発症リスク増加との関連は認められなかった。・PPIの使用パターンにかかわらず、平均4年のフォローアップ期間中における有意な認知症リスク増加は認められなかった。■関連記事ベンゾジアゼピン使用と認知症リスク長期ベンゾジアゼピン使用者における認知症リスク~メタ解析軽度アルツハイマー病に対するコリンエステラーゼ阻害薬のベネフィット

19354.

新たな経皮・経中隔的僧帽弁置換術による初の試験結果【Dr.河田pick up】

 重症僧帽弁逆流症は、心不全などを引き起こし、死亡とも関連する。しかしながら、開心術による弁の置換や修復の候補とならない患者も存在する。経カテーテルによる僧帽弁修復は、解剖学的に適した患者であれば安全で有効な手段であるが、多くの患者は解剖学的に適さず、修復が難しかったり、不成功や一時的なものであったりする。本研究は経皮・経中隔的僧帽弁置換術の実用性について評価したもので、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のJohn G. Webb氏らがJournal of American College of Cardiology誌2019年3月号に発表した。なお、複数の著者は、今回の研究で用いられた人工弁を提供したEdwards Life Science社からコンサルフィーや研究サポートフィーを受けている。ニチノールドックとバルーンを用いて拡張する心臓弁を用いたシステム ヒトに対する最初の研究は2017年8月~2018年8月の間に行われた。この新しいシステムは僧帽弁腱索を囲むニチノール(ニッケルチタン合金)ドックと、バルーンを用いて広げられる経カテーテル心臓弁からなる。ドックと経カテーテル心臓弁は一体となって機能し、両者の間に患者の僧帽弁を挟みこむことで僧帽弁逆流をなくす。対象は重症症候性僧帽弁逆流症、一次エンドポイントは手技成功率 主な選択基準は重症、症候性の僧帽弁逆流症で開心術のリスクが高い患者。左室駆出率が30%未満、あるいは術前のスクリーニングで解剖学的に望ましくないと判断された症例は除外された。一次エンドポイントは、僧帽弁学術研究団体(Mitral Valve Academic Research Consortium:MVARC)の基準で定義された、手技終了時における手技成功率。二次エンドポイントは、30日時点での生存率、非発症率そしてデバイスの不具合(僧帽弁逆流のグレード>1、僧帽弁の圧較差>6mmHg、左室流出路の圧較差>20mmHg)であった。10例中9例で僧帽弁の植込みに成功 10例の、さまざまな原因による重症僧帽弁逆流症患者(変性性4例、機能性4例、混合型2例)が治療を受けた。10例中9例(90%)でデバイスが植込まれ、一次エンドポイントにおいて、手技の成功と認められた。植込みが成功した全例において、経食道的エコーで僧帽弁逆流はtrivial(わずか)以下に減少し、平均圧較差は2.3±1.4mmHgであった。心嚢液貯留が1例に認められ、心嚢穿刺が行われため、デバイスの植込みは実施されなかった。平均入院期間は1.5日であり、30日時点で脳梗塞、心筋梗塞、再入院、左室流出路の閉塞、デバイスの移動、塞栓症、開心術への変更はなかった。弁周囲からのリークに伴う逆流が認められた症例が1例あり、閉鎖デバイスを用いてリークの治療を行った。それ以外の全例において、僧帽弁逆流のグレードは≦1となった。死亡例も認められていない。経皮・経中隔的僧帽弁置換術は、開心術のリスクが高い患者に対して施行可能な手技で、安全に行うことができたといえる。 画期的な治療法ではあるが、症例数が10例と少なく、臨床において広く使えるのかについては今後、さらなる評価が必要である。(Oregon Heart and Vascular Institute 河田 宏)関連コンテンツ循環器内科 米国臨床留学記

19355.

がんサバイバーのオピオイド使用、米国での実態/JCO

 オピオイド依存が深刻な米国では、疼痛マネジメントへの懸念も高いようだ。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのTalya Salz氏らは、「がんサバイバーは、オピオイド関連被害を受けるリスクが高い可能性がある」として、オピオイドの継続的使用と高用量使用について、大腸がん、肺がん、乳がんの高齢がんサバイバーと非がん対照集団の比較解析を行った。これまで、診断後のオピオイド使用の経時的傾向は知られていなかったという。解析の結果、がん種によって継続的使用の実態は異なること、診断後3~5年はサバイバーのほうが高用量の継続的使用が多い一方、診断後6年で継続的使用の差はみられないことなどが明らかになった。著者は「がん治療中および治療後の適切な疼痛マネジメント戦略では、オピオイドの高用量継続的使用のリスクを考慮しなければならない」と述べている。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2019年2月28日号掲載の報告。 研究グループは、米国のがん登録データベース「SEER」と高齢者向け公的医療保険「メディケア」のデータを用いて、オピオイドの継続的使用(90日以上連続)について、2008~13年に大腸がん、肺がん、乳がんと診断されたオピオイド未使用サバイバーと、マッチングされた非がん対照を比較するマルチレベルロジスティック回帰分析を行った。 サバイバーと対照の継続的使用における、高用量(モルヒネ換算1日平均90mg以上)オピオイド使用の割合を比較した。 主な結果は以下のとおり。・解析は、サバイバー4万6,789例、非がん対照13万8,136例で行われた。・3つ(大腸がん、肺がん、乳がん)の高齢がんサバイバーの大規模集団において、オピオイドの継続的使用傾向は、がん種により異なることが確認された。・診断日後の1年間において、大腸がんおよび肺がんサバイバーにおけるオピオイドの継続的使用は、対照のオピオイドのそれを上回っていた。大腸がんサバイバーのオッズ比(OR)は1.34(95%CI:1.22~1.47)、肺がんサバイバーのORは2.55(95%CI:2.34~2.77)であった。・上記の差は年々短縮した。・乳がん患者の継続的使用は対照の継続的使用と比べて、各年いずれも少なかった。・診断から3~5年の継続的使用において、サバイバーは対照よりも高用量使用が多い傾向がみられた。一方で、診断後6年におけるサバイバーの継続的使用者は対照よりも多い傾向はみられなかった。

19356.

転移乳がん、アナストロゾール単剤vs.フルべストラント併用/NEJM

 米国・カリフォルニア大学アーバイン医療センターのRita S. Mehta氏らは、閉経後ホルモン受容体陽性転移乳がんに対する、アロマターゼ阻害薬アナストロゾールと選択的エストロゲン受容体調節薬フルベストラントの併用療法の有効性および安全性を検証した、多施設共同無作為化非盲検試験「S0226試験」の全生存期間(OS)に関する最終解析結果を報告した。アナストロゾール+フルベストラント併用投与群はアナストロゾール単独投与群と比較して、OS延長の有意な効果が長期にわたり維持されていたことが示されたという。一方で、アナストロゾール単独投与群の患者の約半数は増悪後にフルベストラントの投与(クロスオーバー)が行われた。本試験について研究グループは2012年に、閉経後ホルモン受容体陽性転移乳がんに対する1次治療としてのアナストロゾール+フルベストラント併用療法は、アナストロゾール単独投与群と比較し、無増悪生存期間を有意に延長し、OSも有意ではあるもののわずかに延長することを報告していた。NEJM誌2019年3月28日号掲載の報告。アナストロゾール単独群vs.併用群、有効性と安全性を最長12年追跡 S0226試験では、未治療の閉経後ホルモン受容体陽性転移乳がん患者を、アナストロゾール単独投与群およびフルベストラント併用投与群に1対1の割合で、術後のタモキシフェン使用の有無で層別化し、無作為に割り付け追跡した。アナストロゾール単独投与群は増悪時にフルベストラント投与へのクロスオーバーが強く推奨された。 両側層別化log-rank検定およびCox回帰法により生存解析を行うとともに(intention-to-treat解析)、有効性および安全性についてサブグループ解析も行った。 無作為化された患者707例のうち、適格患者694例が解析対象となった。アナストロゾール併用群のOSが単独群より有意に延長 フルベストラント併用投与群は349例中247例(71%)が死亡しOS中央値は49.8ヵ月。一方、アナストロゾール単独投与群は345例中261例(76%)が死亡しOS中央値は42.0ヵ月であり、有意差が確認された(死亡のハザード比[HR]:0.82、95%信頼区間[CI]:0.69~0.98、log-rank検定のp=0.03)。 サブグループ解析の結果、タモキシフェン治療歴がない患者では、フルベストラント併用投与群はアナストロゾール単独投与群よりもOSの延長が認められたが(OS中央値はそれぞれ52.2ヵ月および40.3ヵ月、HR:0.73、95%CI:0.58~0.92)、タモキシフェン治療歴がある患者では、両群のOSは同程度であった(OS中央値はそれぞれ48.2ヵ月および43.5ヵ月、HR:0.97、95%CI:0.74~1.27)(相互作用のp=0.09)。 Grade 3~5の有害事象の発現率は、両群で同程度であった。 なお、アナストロゾール単独投与群の約45%がフルベストラント投与へクロスオーバーしていた。 著者は、「今回の結果から、とくに術後補助内分泌療法の治療歴がない患者において、アナストロゾール+フルベストラント併用療法の有効性が高いことが示唆された」とまとめている。

19357.

アフリカの黒人高血圧に有益な降圧薬2剤併用は/NEJM

 サハラ以南のアフリカに住む黒人高血圧患者において、アムロジピン+ヒドロクロロチアジドまたはペリンドプリルの併用療法は、ペリンドプリル+ヒドロクロロチアジド併用療法より6ヵ月時の降圧効果が大きく、有効であることが示されたという。ナイジェリア・アブジャ大学のDike B. Ojji氏らが、サハラ以南のアフリカ6ヵ国で実施した無作為化単盲検3群比較試験「Comparison of Three Combination Therapies in Lowering Blood Pressure in Black Africans:CREOLE試験」の結果を報告した。黒人のアフリカ人は高血圧の有病率が高く、血圧コントロールに2剤以上の降圧薬を必要とすることが多いが、現在利用可能で最も有効な2剤併用療法の組み合わせは確立されていなかった。NEJM誌オンライン版2019年3月18日号掲載の報告。3つの2剤併用療法について、6ヵ月後に有効性を比較 研究グループは2017年6~12月に、血圧コントロール不良の黒人のアフリカ人患者728例(未治療患者または1剤のみの降圧薬を服用している患者、≧140/90mmHg)を対象に試験を行った。 被験者を、アムロジピン+ヒドロクロロチアジド(HCTZ)併用群、アムロジピン+ペリンドプリル併用群、ペリンドプリル+HCTZ併用群の3群に無作為に割り付けた。投与量は、いずれの群もアムロジピン5mg/日、HCTZ 12.5mg/日、ペリンドプリル4mg/日から開始し、2ヵ月後に倍量(それぞれ10mg/日、25mg/日、8mg/日)にして4ヵ月間投与した。 主要評価項目は、ベースラインから6ヵ月時の24時間自由行動下収縮期血圧の変化とし、線形混合効果モデルを用いintention-to-treat集団にて有効性を解析した。アムロジピン+ヒドロクロロチアジドまたはペリンドプリルの併用が有効 被験者は、平均年齢51歳、女性が63%であった。ベースラインと6ヵ月時に24時間血圧モニタリングを実施できた患者621例について解析した。 アムロジピン+HCTZ併用群およびアムロジピン+ペリンドプリル併用群は、ペリンドプリル+HCTZ併用群と比較し、24時間自由行動下収縮期血圧が低かった。ベースラインからの変化量についてペリンドプリル+HCTZ併用群との群間差は、アムロジピン+HCTZ併用群が-3.14mmHg(95%信頼区間[CI]:-5.90~-0.38、p=0.03)、アムロジピン+ペリンドプリル併用群は-3.00mmHg(95%CI:-5.8~-0.20、p=0.04)であった。アムロジピン+HCTZ併用群とアムロジピン+ペリンドプリル併用群の群間差は、-0.14mmHg(95%CI:-2.90~2.61、p=0.92)であった。 診察室血圧および自由行動下拡張期血圧についても、3群間にみられた差は同様であった。

19358.

プライマリケアにおける高齢者の尿路感染症には速やかな抗菌薬処方が有効(解説:小金丸博氏)-1023

 尿路感染症は高齢者における最も代表的な細菌感染症である。重症度は自然軽快する軽症のものから、死亡率が20~40%に至る重症敗血症まで幅広い。高齢者では典型的な臨床経過や局所症状を認めないことも多く、診断は困難である。そのうえ、65歳以上の女性の20%以上に無症候性細菌尿を認めることが尿路感染症の診断をさらに困難にする。 現在、薬剤耐性菌を減らすための対策として世界中で抗菌薬の適正使用を推進する動きがある。最近の英国からの報告によると、2004年~2014年の間にプライマリケアにおける高齢者の尿路感染症に対する広域抗菌薬の処方は減少していたが、その一方でグラム陰性菌による血流感染症が増加しており、その関連性が議論されている。 本研究は、高齢者の下部尿路感染症患者に対する抗菌薬治療介入の方法と治療成績の関係を検討した後ろ向きコホート研究である。英国のプライマリケアを受診した65歳以上の患者のうち、下部尿路感染症と確定診断、あるいは疑われた全患者を対象とした。無症候性細菌尿、複雑性尿路感染症、入院例などは除外された。抗菌薬の処方タイミングによって、即時処方群(初回診断日に処方)、待機処方群(初回診断日から7日以内に処方)、処方なし群の3群に分類し、診断から60日以内の血流感染症、全死亡率などを比較した。その結果、60日以内の血流感染症の発生率は即時処方群が0.2%だったのに対し、待機処方群は2.2%、処方なし群は2.9%と有意に高率だった(p=0.001)。共変量で補正すると、即時処方群と比較した待機処方群の血流感染症のオッズ比は7.12(95%信頼区間:6.22~8.14)、処方なし群のオッズ比は8.08(同:7.12~9.16)だった。60日以内の全死亡率は、即時処方群が1.6%、待機処方群が2.8%、処方なし群が5.4%だった。多変量Cox回帰モデルで解析した結果、高齢、男性、Charlson併存疾患指数、喫煙などが60日以内の死亡と関連があった。特に、85歳以上の男性において死亡リスクが高かった。 本研究において、高齢者の下部尿路感染症に対して抗菌薬を即時処方することで、その後の血流感染症発生率や死亡率を減らすことが示された。後ろ向き研究であるものの、英国のデータベースを用いた非常に患者数の大きい研究であり、結果の信頼度は高い。研究のlimitationとして、菌名や耐性菌の割合など原因微生物の情報がないこと、患者の服薬遵守率が不明なこと、続発した血流感染症の侵入門戸が尿路かどうか不明なことなどが挙げられる。耐性菌を蔓延させないために抗菌薬の使用量を減らす努力は重要であるが、高齢者の尿路感染症に対して抗菌薬を投与することは妥当と考える。ただし、無症候性細菌尿に対して抗菌薬を投与することは厳に慎まなければならない。 本研究の結果をみると即時処方群が86.6%を占めていたが、本邦では高齢者の尿路感染症に対してもっと高率に抗菌薬を処方していると思われる。処方された抗菌薬をみてみると、トリメトプリム、ニトロフラントインがセファロスポリンやペニシリン系より多かった。キノロン系抗菌薬の割合が4.4%と少なかったことは、日本のプライマリケアの現場でも大いに見習うべき点であろう。

19359.

発表! 新元号【Dr. 中島の 新・徒然草】(266)

ニ百六十六の段 発表! 新元号平成31年4月1日午前11時過ぎ。私は手術室のモニターを見ながら、脳外科のレジデントとしゃべっていました。レジ「もうすぐですね」中島「先生は平成生まれか?」レジ「そうです」中島「じゃあ小渕さんが『平成』という額を掲げていたのは知らんわけや」レジ「ええ。でも、姉がギリギリ昭和なんですよ」中島「昭和何年?」レジ「昭和64年1月7日で、昭和最後の日に生まれたんです」中島「それはレアな存在やな」そこに麻酔科の先生がやってきました。麻酔「新元号が決まりましたよ」レジ&中島「なに!」麻酔「レイワです。命令の『令』に平和の『和』で、『令和』」中島「そうするとローマ字は『R』やな」レジ「そうなりますね」中島「令和というと、昭和とちょっと似ているなあ」麻酔「そうですね」中島「『平成』のときも最初は違和感があったけど、しばらくしたら慣れたからなあ」確かに平成が始まったばかりの時は、新しい元号がしっくりきませんでした。私だけではなく、周囲もそう感じていたようです。でも、1年もしたら、すっかり慣れてしまいました。今回もきっとそうなるのでしょう。新元号のいいところは、平成に換算しやすいということです。平成31年が令和元年。存在しないけど、平成32年は令和2年。私の免許証の有効期限は平成35年になっていますが、令和5年になりますね。ということで、新元号の発表は予想以上に大きなニュースになりました。新しい時代が、読者の皆様にとっても、素晴らしい日々になることをお祈りいたします。最後に1句令和きて 日本全国 リセットだ

19360.

第22回 【薬局サービス紹介】自宅にお薬がたくさん余っていませんか?【使える!服薬指導箋】

第22回 【薬局サービス紹介】自宅にお薬がたくさん余っていませんか?1)厚生労働省 平成30年度診療報酬改定について 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 別添3 調剤報酬点数表

検索結果 合計:35665件 表示位置:19341 - 19360