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腹壁破裂児の1年アウトカム予測のベンチマーク

出生時に腹壁破裂を伴った新生児について、患児を単純群(腸が無傷、無損傷、連続している)と複雑群(腸に穿孔・壊死または閉塞が起きている)に階層化することで、1年アウトカムを確実に予測できることが明らかにされた。Bradnock氏英国・グラスゴー王立小児病院のTimothy J Bradnock氏らが、英国およびアイルランドで行った全国住民ベースのコホート研究からの報告による。Bradnock氏は、同方法が、各治療施設のアウトカムやパフォーマンスを評価するベンチマークになり得、次なるステップとして、同法を用いて、懸念されている腹壁破裂児の初期治療戦略や治療アルゴリズム開発のための無作為化試験を行うことも提言した。BMJ誌2011年11月19日号(オンライン版2011年11月15日号)掲載報告より。英国とアイルランドの28施設301例を対象に調査Bradnock氏らは、2006年10月~2008年3月までに、英国およびアイルランドで腹壁破裂を伴い出生した新生児の1年アウトカムを評価する人口ベースコホート研究を行った。被験児は、英国およびアイルランド国内28の小児外科センターで登録された393例で、そのうち301例(77%)が解析対象となった。主要評価項目は、非経口栄養摂取期間、入院期間、経腸栄養摂取が完全となったまでの期間、腸管障害率、腸管障害関連の肝疾患率、非計画的再手術率、致命率であった。評価は、事前特定したサブグループ(単純性腹壁破裂群、複雑性腹壁破裂群)で行われた。単純群と複雑群に階層化することで1年アウトカムを確実に予測できる結果、単純性腹壁破裂群の患児と比べて、複雑性腹壁破裂群の患児のほうが、完全経腸栄養摂取までの時間が長くかかり(平均差:21日、95%信頼区間:9~39)、非経口栄養摂取の期間が長く(同:25日、9~46)、入院期間も長かった(同:57日、29~95)。また、腸管障害率も高く(81%対41%、相対比:1.96、95%信頼区間:1.56~2.46)、腸管障害関連の肝疾患(23%対4%、同:5.13、2.15~12.3)、非計画的再手術(42%対10%、同:4.39、2.50~7.70)の割合も高かった。一方で初回手術で腹壁閉鎖した患児と比べて、サイロ作製術で腹壁閉鎖をした患児は、完全経腸栄養摂取までの時間が長くかかり(平均差:5日、95%信頼区間:1~9)、腸管障害のリスクが高かった(52%対32%、相対比:1.61、95%信頼区間:1.17~2.24)。その他のイベント発生率は低く、両群間で有意差はなかった。死亡は12例(4%)だった。これらを踏まえてBradnock氏は、「腹壁破裂児を単純群もしくは複雑群に階層化することは1年アウトカムを確実に予測する。それは、懸念されている初期管理戦略について、プライマリ腹壁閉鎖かサイロ作製腹壁閉鎖かを比較する多施設共同無作為化試験を行うのに十分な臨床的均衡を有している。すなわち、どちらの治療が初期管理戦略として至適であるかを判定するため、あるいは治療アルゴリズムを定めるのにも十分な臨床的均衡を有している」と結論している。

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ocrelizumab、再発寛解型多発性硬化症の脳病変を低減

ヒト化抗CD20モノクローナル抗体ocrelizumabは、再発寛解型多発性硬化症における脳MRI上のガドリニウム増強病変の低減や臨床的な予後の改善に有用なことが、スイス・バーセル大学病院のLudwig Kappos氏らの検討で示された。多発性硬化症における炎症は、炎症誘発性のCD4陽性T細胞(Th1、ThIL-17)によって誘導されると考えられるが、B細胞も抗体依存性/非依存性の経路を介して関与している可能性があるという。ocrelizumabはCD20陽性B細胞を選択的に阻害し、CD20のキメラ型モノクローナル抗体リツキシマブ(商品名:リツキサン)に比べ抗体依存性で細胞誘導性の細胞障害性作用が強いため組織依存性の発病機序の調整能が高く、ヒト化されているため反復投与しても免疫原性が低いことから、ベネフィット-リスクプロファイルが優れると期待されている。Lancet誌2011年11月19日号(オンライン版2011年11月1日号)掲載の報告。4群を比較する無作為化プラセボ対照第2相試験研究グループは、再発寛解型多発性硬化症に対するocrelizumabの安全性および有効性を評価する多施設共同無作為化プラセボ対照第2相試験を行った。20ヵ国79施設から18~55歳の再発寛解型多発性硬化症患者が登録され、プラセボ群、低用量ocrelizumab群(600mg:1日目と15日目に300mgずつ静注)、高用量ocrelizumab群(2,000mg:1日目と15日目に1,000mgずつ静注)あるいはインターフェロンβ1a群(30μg、週1回、筋注)の4つの群に無作為に割り付けられた。ベースラインおよび治療期間中は4週ごとに、MRIによる評価を実施した。治療割り付け情報は、参加施設、監視委員会、統計解析担当者、製薬会社のプロジェクトチームには公開されなかった。インターフェロンβ1a群を除き、治療は二重盲検下に進められた。主要評価項目は、12、16、20、24週のT1強調脳MRI上のガドリニウム増強病変(GEL)の総数とした。低用量群、高用量群ともGEL数が有意に低減無作為割り付けされた220例のうち218例(99%)が少なくとも1回の投与を受け、24週の治療を終了したのが204例(93%)、48週の治療を完遂したのは196例(89%)であった。解析の対象となった218例のintention-to-treat集団のうち、プラセボ群に54例、低用量ocrelizumab群に55例、高用量ocrelizumab群に55例、インターフェロンβ1a群には54例が割り付けられた。24週の時点で、intention-to-treat集団におけるGEL数の割合はプラセボ群に比べ低用量ocrelizumab群で89%と有意に低く(95%信頼区間:68~97、p<0.0001)、高用量ocrelizumabでも96%と有意差を認めた(同:89~99、p<0.0001)。探索的な解析ではあるが、ocrelizumabは低用量群、高用量群ともインターフェロンβ1a群よりもGEL低下率が良好であった。重篤な有害事象の発現率は、プラセボ群4%(2/54例)、低用量ocrelizumab群2%(1/55例)、高用量ocrelizumab群5%(3/55例)、インターフェロンβ1a群4%(2/54例)であった。著者は、「ocrelizumabは脳MRI上のB細胞の減少や臨床的な疾患活動性の改善において明らかな有効性を示し、低用量と高用量で効果は同等であった」と結論し、「この知見は多発性硬化症の病因におけるB細胞の関与を示唆しており、今後の大規模な長期試験の実施の根拠となるものだ」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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重症肺炎児への母親による抗菌薬投与、医療施設紹介よりも有効

パキスタンの重症肺炎の小児に対し、地域の女性医療従事者(LHW)が母親に経口抗菌薬を提供する方法は、LHWが経口抗菌薬を投与後に医療施設を紹介する標準治療よりも有用なことが、Save the Children USパキスタン支局のAbdul Bari氏らによる検討で示された。WHOの定義による重症肺炎児に対しては、経口コトリモキサゾール(ST合剤、商品名:バクタほか)を投与後に専門医療施設へ紹介することが推奨されている。しかし、医療資源が乏しい環境では患児が実際に専門施設を受診することは困難で、適切な治療へのアクセス率は低いという。Lancet誌2011年11月19日号(オンライン版2011年11月11日号)掲載の報告。母親による経口アモキシシリン投与の有用性をクラスター無作為化試験で評価研究グループは、重症肺炎の患児に対しLHWが経口アモキシシリン(商品名:アモリン、サワシリンほか)を用いて行う地域住民ベースの疾患管理の有用性を評価するクラスター無作為化試験を実施した。パキスタン・Haripur地区の28の医療施設を介入群と対照群に1対1の割合で無作為に割り付けた。対象は、試験対象地域に居住するWHOの定義による重症肺炎の生後2~59週の患児とした。介入群には、LHWから母親に使用の手引きとともに経口アモキシシリン(生後2~11ヵ月児:80~90mg/日あるいは375mg×2回/日、生後12~59ヵ月児:625mg×2回/日)が提供された。対照群では、LHWが初回分の経口コトリモキサゾール(生後2~11ヵ月児:スルファメトキサゾール200mg+トリメトプリム40mg、生後12~5年児:スルファメトキサゾール300mg+トリメトプリム60mg)を投与し、患児を標準的治療を行う医療施設に紹介した。参加者、医療提供者、効果判定者には治療割り付け情報がマスクされた。主要評価項目は、6日目までの治療不成功とし、クラスターで調整したper protcol解析を行った。治療不成功率が半減介入群に14施設(1,995例)、対照群にも14施設(1,477例)が割り付けられ、それぞれ1,857例、1,354例の患児が解析の対象となった。クラスター調整後の6日目まで治療不成功率は、介入群が9%(165/1,857例)と、対照群の18%(241/1,354例)に比べ有意に低かった(リスク差:-8.9%、95%信頼区間:-12.4~-5.4)。さらにベースラインの共変量で調整したところ、このリスク差は小さくなったが有意差は維持された(同:-7.3、-10.1~-4.5)。介入群で1例、対照群では2例が死亡した。有害事象としては、介入群で下痢が4例、皮疹が1例に、対照群では下痢が3例に認められた。著者は、「この地域住民ベースの疾患管理は、治療導入の遅れや、家計、医療費の負担を抑制し、重症肺炎児の標準治療となる可能性がある」と結論し、「本試験は同等性の検証を目的にデザインされたが、得られた知見は介入群の優位性を示すものであった」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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T&A 動きながら考える救急初療 -プライマリ・ケア編- 

第1回 「動きながら考える救急初療」 第2回 「ショック」  第1回「動きながら考える救急初療」-軽症に見える重症患者を見極めろ!-病院設定と違い診療所では発症から間もない患者が典型的な症状を呈さずに来院します。まずは“救急初療ユニバーサルアルゴリズム”を3部構成で紹介します。デモンストレーションでは診療所での動き方をダイナミックに解説。T&A動きながら考える救急初療で、軽症にみえる重症患者を見極めよう!第2回「ショック」-ショックはvitalが変化する前に見極めろ!-すでに不安定な状態になっている患者をどのようにマネージメントするか、「ショック」を認識したらどうするか、などショックの分類と見分け方を確認していきます。クリニックで治療しなければ助からないショックもあります。開業医の方にぜひ身に付けていただきたい治療法を伝授します!T&A RAP  Triage and Action !

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これならデキル!内科医のための精神科的対応“自由自在”

第1回「話を聴くということ」第2回「フォーマットで聴く」第3回「MAPSOとは?その①『うつ』と『躁』」 第1回「話を聴くということ」外来患者の中には、ひとつの疾患が原因と限らず、さまざまな原因が複雑に絡み合い症候として現れていることも少なくありません。特にメンタルな要素が伴う場合、非精神科医では非常に手こずってしまうケースが見受けられます。場当たり的な対応をして、余計に限られた時間を浪費してしまうなんてことも…。そんなお悩みを解決する本シリーズでは、米国の「Psychiatry In Primary Care」という、プライマリ・ケア医向けの優れたメンタル対応プログラムを日本の医療従事者のためにカスタマイズしてお届けします。講師の井出先生の目標は、「初診でも20分以内に問診から診察までを完了すること」。プログラムに沿って学習していけば、精神科非専門医でも心療対応力をレベルアップして、日々の診療に臨めます。ぜひ「これならデキル!」を実感してください。第2回「フォーマットで聴く」プログラムのノウハウの真骨頂とも言うべき、フォーマットについて学びます。このフォーマットとは、定型的な構造に従って患者さんの話を聴くことです。これを遵守すれば、「時間を効率的に使える」「診療の疲れが劇的に軽減する」「聴き終わったときには、診断がついている」という三つのメリットを享受できます。第3回「MAPSOとは?その①『うつ』と『躁』」今回からは、いよいよ本格的なメソッドを公開します。メソッドのキモになるMAPSOとは、患者さんの心理コンディション[M:うつ・躁エピソードチェック/A:不安5種/P:精神病症状/S:アルコール/O:器質的]の聴取方法です。MAPSOをマスターすると、用語と疾患概念が内科臨床の中で使いやすいように整理できます。また、パターン認識によって素早く疾患の存在に気付けるようになります。 第3回では、[M:うつ・躁エピソードチェック]に関して解説します。臨場感溢れる講義をお楽しみください。

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リウマチ膠原病セミナー

①「関節X線AsBCD」②「小児のリウマチ性疾患の見方」」③「不明熱のアプローチ~こわい血管炎~」 リウマチ膠原病セミナーリウマチ膠原病の専門医によって開催された本セミナーでの到達目標は、「日常診療で最低限の初期診断、フォローアップができること!」です。リウマチ膠原病の診断に不可欠である関節X線画像の読み方をはじめ、患者の症状でみられる不明熱に起因する血管炎の臨床所見や診断、治療へのアプローチについて、また近年注目されている小児リウマチ性疾患の国内外の動向から治療目標である寛解を長期間達成するための各種薬剤の選択基準について、エビデンスを含めてご紹介します。Advanceなトピックだけでなく、臨床内科医として本当に知っておかなければいけないことを中心に分かりやすく解説しています。※本DVDに収録したセミナーは、2009年6月に亀田総合病院にて収録されたものです。①「関節X線AsBCD」講師 : 山本 万希子氏(亀田総合病院 リウマチ膠原病内科)本講演のテキストをダウンロードできます。(別ウインドウで開きます)②「小児のリウマチ性疾患の見方」講師 : 山口 賢一氏(聖路加国際病院 アレルギー膠原病科 副医長)③「不明熱のアプローチ~こわい血管炎~」講師 : 松井 和生氏(亀田総合病院 リウマチ膠原病内科 部長)

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リウマチ膠原病セミナー

⑦「Lupus for dummies」⑧「免疫抑制剤の使い方と副作用~知っておくべきこと~」⑨「日和見感染症の予防と治療」特典映像「症例検討会」 リウマチ膠原病セミナー臨床に携わるジェネラリストとして知っておかなければならない情報について、あまり難しいことは抜きにして分かりやすく解説します。ループスを疑う患者へのアプローチ法・検査・診断の進め方、そして病態生理にも触れてよりループスの理解が深まるように進めます。また、日常診療で頻度の高い「免疫抑制剤」、免疫抑制剤とは切っても切れない、感染症の中でも特に知っておきたい「日和見感染症」について詳しく解説します。特典映像では症例提示を元に診断・治療戦略をディスカッションします。※本DVDに収録したセミナーは、2009年6月に亀田総合病院にて収録されたものです。⑦「Lupus for dummies」講師 : 高田 和生氏(東京医科歯科大学 膠原病・リウマチ内科 講師)⑧「免疫抑制剤の使い方と副作用~知っておくべきこと~」講師 : 萩野 昇氏(帝京大学ちば総合医療センター 血液・リウマチ内科)⑨「日和見感染症の予防と治療」講師 : 細川 直登氏(亀田総合病院 総合診療・感染症科 臨床検査科 部長)

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乳幼児へのマラリアワクチンRTS,S/AS01、疾患発症および重症化とも予防に効果

世界のマラリア罹患者は年間約2億2,500万人、うち死亡は78万1,000人に上り、ほとんどがアフリカの小児だという。そのような公衆衛生上の脅威であるマラリアに対して開発されたワクチンRTS,S/AS01が、5~17ヵ月児の臨床症状発症を約半分に抑え、重症化を予防し得ることが、RTS,S Clinical Trials Partnershipらにより行われている第3相試験の結果、報告された。試験は、アフリカ7ヵ国・11施設共同で行われており、本報告は同試験初の報告で、NEJM誌2011年11月17日号(オンライン版2011年10月18日号)で発表された。アフリカ7ヵ国・11施設で1万5,460例を登録し検討研究グループは、2009年3月~2011年1月に、アフリカ7ヵ国・11施設で、生後6~12週児(6,573例)と生後5~17ヵ月児(8,923例)の2つの年齢カテゴリーの乳児合わせて1万5,460例を登録し、RTS,S/AS01または比較のための非マラリアワクチンを接種した。主要エンドポイントは、プロトコルに従って3回のワクチン接種をすべて受けた5~17ヵ月児6,000例について解析した、ワクチン接種後12ヵ月間の有効性(マラリアの臨床症状発症に対するワクチン効果)とした。また、2つの年齢カテゴリーの重症マラリアへのワクチン有効性の評価は、250例の小児が重症マラリアを発症した時点で行われた。初回接種後14ヵ月時点、ワクチン有効性は3回接種児で55.8%ワクチンの初回接種後14ヵ月時点で、5~17ヵ月児6,000例の臨床的マラリアエピソードの発生率は、RTS,S/AS01群は0.32件/人・年、対照群は0.55件/人・年で、ワクチン有効性は、intention-to-treat集団(ワクチン接種を最低1回接種児)では50.4%(95%信頼区間:45.8~54.6)、パープロトコル集団(同3回接種児)では55.8%(97.5%信頼区間:50.6~60.4)であった。重症マラリアに対するワクチンの有効性は、intention-to-treat集団45.1%(95%信頼区間:23.8~60.5)、パープロトコル集団47.3%(同:22.4~64.2)であった。両年齢カテゴリー群合わせての重症マラリアに対するワクチンの有効性は、平均追跡期間11ヵ月のパープロトコル集団で34.8%(同:16.2~49.2)であった。重篤な有害事象の発生頻度は、2つの試験群で同程度だった。なお5~17ヵ月児群において、RTS,S/AS01ワクチン接種後の全身性痙攣発作の割合は、1.04件/1,000回接種(95%信頼区間:0.62~1.64)だった。(武藤まき:医療ライター)

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ADHD薬と重篤な心血管イベントリスク上昇との証拠示されず

注意欠陥・多動性障害(ADHD)薬について、北米で持ち上がっている、重篤な心血管イベントリスクを増大するのではないかとの懸念に対し、米国・ヴァンダービルト大学小児科部門のWilliam O. Cooper氏らは、2~24歳約120万人を対象とする大規模な後ろ向きコホート試験を行った。結果、両者の因果関係は認められなかったことを報告した。95%信頼区間の上限値がリスク倍増の可能性を無視できない値ではあったが、「しかしながら、リスク増大の絶対値は低い」と結論している。NEJM誌2011年11月17日号(オンライン版2011年11月1日号)掲載報告より。2~24歳の、ADHD薬服用中の37万3,667人・年を含む257万9,104人・年について検討Cooper氏らは、ADHD服用と重篤な心血管イベントとの関連を調べるため、4つの健康保険組織(テネシーメディケイド、ワシントン州メディケイド、カイザーパーマネント・カリフォルニア、オプタムインサイト・エピデミオロジー)から自動抽出したデータを用いて後ろ向きコホート研究を行った。対象は、2~24歳120万438例で、ADHD薬を服用中の37万3,667人・年を含む257万9,104人・年について検討した。健康保険データと人口動態データから重篤な心血管イベント例(突然死、急性心筋梗塞、脳卒中)を同定し、診療録と突き合わせエンドポイントを同定。ADHD薬現在服用者と非服用者とのエンドポイント発生の推定相対リスクをCox回帰モデルによるハザード比で比較した。ADHD薬現在服用者にリスク増大は認められずコホートにおける重篤な心血管イベント例は81件であった(3.1件/10万人・年)。ADHD薬現在服用者の重篤な心血管イベントのリスクは増大していなかった(補正後ハザード比:0.75、95%信頼区間:0.31~1.85)。リスク増大は、個別エンドポイントすべてで認められなかった。また以前の服用者と現在服用者との比較でも認められなかった(同:0.70、0.29~1.72)。その他いくつかの試験推測について言及した解析の結果も、ADHD薬服用と試験のエンドポイントのリスクとの関連は有意ではなかった。(武藤まき:医療ライター)

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初発の心筋梗塞後の院内死亡率、冠動脈心疾患リスクが少ないほど増大

 心筋梗塞を初めて発症し、それ以前に心血管疾患歴のない人の院内死亡リスクについて、5つの主要な冠動脈心疾患リスクの数との関連を調べた結果、リスクが少ないほど高くなる逆相関の関連がみられることが大規模試験の結果、示された。米国フロリダ州にあるWatson ClinicのJohn G. Canto氏らが、約54万人を対象とした試験で明らかにしたもので、JAMA誌2011年11月16日号で発表した。これまで地域ベースでの急性心筋梗塞の冠動脈心疾患リスク因子数とアウトカムとの関連について、調査されたことはほとんどなかった。全米心筋梗塞レジストリ54万2,008人について調査 研究グループは、1994~2006年の全米心筋梗塞レジストリから、心筋梗塞を初めて発症し、それ以前に心血管疾患歴のない54万2,008人について調査を行った。 冠動脈心疾患の主要リスク因子である、高血圧、喫煙、脂質異常症、糖尿病、冠動脈心疾患の家族歴の5つと、院内総死亡リスクの関連について分析を行った。 被験者の平均年齢は66.3歳、うち女性は41.4%だった。そのうち、来院時に冠動脈心疾患のリスク因子が全く認められなかったのは14.4%、1~3個のリスク因子があったのは81%、4~5個のリスク因子があったのは4.5%だった。リスク因子0の人は、5つを有する人に比べ院内死亡リスクが1.54倍 リスク因子の数は、年齢が増すほど増加し、リスクがまったく認められなかった群の平均年齢は56.7歳だったのに対し、5つすべてが認められた群の平均年齢は71.5歳だった(傾向に関するp<0.001)。 被験者のうち、院内総死亡数は5万788人だった。補正前の院内死亡率は、同リスク因子が少ないほど高率で、リスク因子総数0群14.9%、同1群10.9%、同2群7.9%、同3群5.3%、同4群4.2%、同5群3.6%だった。 年齢とその他臨床的リスク因子を補正後、主要な冠動脈心疾患リスク因子の数と、院内総死亡率との間には逆相関の関連が認められた。同リスク因子総数0群の、同5群に対する同死亡に関するオッズ比は1.54(95%信頼区間:1.23~1.94)だった。

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脳卒中再発リスク、収縮期血圧120mmHg未満でも増大

非心原性虚血性脳卒中患者の脳卒中再発リスクは、収縮期血圧値が130~140mmHg未満で最も低く、低過ぎても(120mmHg未満)、高過ぎても(140mmHg以上)、再発リスクは増大することが明らかにされた。米国・カリフォルニア大学サン・ディエゴ校のBruce Ovbiagele氏らが、2万人超について行った事後観察研究の結果、明らかにしたもので、JAMA誌2011年11月16日号で発表した。脳卒中再発予防のガイドラインでは、収縮期血圧が低いほどリスクはより低下するとして、120mmHgも正常値としている。35ヵ国、695ヵ所で最大2.5年追跡研究グループは、2003年9月~2006年7月にかけて35ヵ国695ヵ所の医療センターを通じ、非心原性虚血性脳卒中を発症して間もない50歳以上、2万330人を対象に、事後観察研究を開始し、2008年2月8日まで、最大2.5年追跡した。被験者は、平均収縮期血圧値によって正常超低値群(120mmHg未満)、正常低値群(120~130mmHg未満)、正常高値群(130~140mmHg未満)、高値群(140~150mmHg未満)、超高値群(150mmHg以上)の5群に分けられた。主要アウトカムは、種類を問わないあらゆる脳卒中の再発とした。副次アウトカムは、脳卒中・心筋梗塞・血管疾患による死亡の複合とされた。130~140mmHg群に比べ、120mmHg未満群の脳卒中再発リスクは約1.3倍結果、脳卒中再発率は、血圧値の低い群からそれぞれ、8.0%、7.2%、6.8%、8.7%、14.1%だった。130~140mmHg群を基準にした場合、脳卒中再発に関する補正後ハザード比は、120mmHg未満群が1.29(95%信頼区間:1.07~1.56)、140~150mmHg未満群が1.23(同:1.07~1.41)、150mmHg以上群が2.08(同:1.83~2.37)だった。また副次アウトカムについては、130~140mmHg群を基準にした場合、120mmHg未満群が1.31(95%信頼区間:1.13~1.52)、120~130mmHg未満群が1.16(同:1.03~1.31)、140~150mmHg未満群が1.24(同:1.11~1.39)、150mmHg以上群が1.94(同:1.74~2.16)だった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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関節リウマチ患者が求める治療とは? ~患者パネルを用いた実態調査~

関節リウマチ(RA)治療は、痛みを取ることしかできなかった“care”の時代から、メトトレキサート(MTX)と生物学的製剤の登場によって、臨床的寛解や生命予後改善を目指す“cure”の時代へとめざましい進歩を遂げている。現在は、5年後10年後を考えて治療することが重要となってきているが、現在の薬物治療の実態や患者さんの意識はどうなのか? ここでは、2011年11月24日に開催されたセミナー「リウマチ治療が抱える課題:治療が遅れ、痛みがとりきれない患者さんも ~早期診断・治療が十分でない現状が明らかに~」(主催:ファイザー株式会社)から、RA患者を対象としたインターネット調査結果に関する山中 寿氏(東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター 所長)の講演をレポートする。■500名のRA患者を対象としたインターネット調査今回のインターネット調査は、電通リサーチ・ミリオネットのパネル登録者から、RA治療のために医療機関に通院中で、薬剤によるRA治療が行われているRA患者500名(RA罹患率に合わせ、男女比を1:4に調整)を対象に2011年6月に実施された。患者背景は、年齢49.8±10.6歳、JHAQスコア0.55±0.64、生物学的製剤使用患者割合24%であった。 本調査の対象患者は、自らパネルに登録していることを考慮すると、治療や情報収集におけるモチベーションはより高いと考えられる。しかしながら、山中氏によると、同氏が2000年から実施し、毎回約5,000名のRA患者の情報を集積している前向き観察研究のJ-ARAMIS(Japanese Arthritis Rheumatism and Aging Medical Information System、2006年にIORRA;Institute of Rheumatology, Rheumatoid Arthritisと改称)とほぼ同様な結果が得られたとのことである。■発症から確定診断・薬物治療までの現状自覚症状発現から確定診断までの期間は、3ヵ月以上が53.6%、4割近くが6ヵ月以上であった。自覚症状発現からMTX開始までの期間は2年以上が56.5%を占め、またMTX無効な場合に投与できる生物学的製剤使用までの期間は、78.5%が自覚症状発現から2年以上の期間を要していた。なおMTXについては、2011年2月に添付文書が改訂され、治療の最初から使用できるようになったため、今後、この期間は短くなるものと思われる。 また本調査では、RAの確定診断やMTXおよび生物学的製剤の投与は、整形外科よりも膠原病・リウマチ科で積極的に実施されている傾向が認められた。診療科におけるこれらの差は、地域の医療環境に差がある可能性が高い、と山中氏は推察している。■生物学的製剤による治療状況生物学的製剤の使用状況については、エタネルセプト(商品名:エンブレル)が45.0%ともっとも多く、次いでインフリキシマブ(商品名:レミケード)が27.5%であった。IORRAのデータ(2011年4月時点)でも、エタネルセプトが47.6%であり、同様の傾向を示していた。 RA治療に対する満足度では、生物学的製剤使用患者では72.5%、非使用患者では49.7%が「満足である」と回答し、生物学的製剤を使用している患者のほうが治療満足度が高いことが示された。しかし、生物学的製剤使用患者では、二次無効や副作用などで薬剤変更経験がある患者は31.6%存在していた。 実際の生物学的製剤の選定においては、71.7%が医師主導で薬剤を選定しており、投与方法や投与回数などの使い方はよく理解しているものの、長期にわたる効果や安全性については理解が十分ではないことが明らかとなった。その一方で、生物学的製剤使用患者は長期的な治療効果の維持を望んでいることが示されたことから、長期的な治療効果や副作用についてもしっかりと情報提供を行い、長期的な治療の必要性を伝えていくことが必要である、と山中氏は指摘した。■就労・医療費における問題RAの発症によって、仕事を辞めたり変更したりしたことのある患者は4割を超え、とくに女性は5割近くにのぼり、就労に支障を来たしていることが示された。 医療費に関する調査結果からは、医療費の問題で生物学的製剤を使用していない患者さんが存在する可能性が示唆された。現在、生物学的製剤を使用する場合の薬剤費が年間約140万円であり、3割負担でも月々4~5万円かかることが生物学的製剤使用のネックとなっていることがうかがわれる。また、世帯年収別の生物学的製剤の使用状況を調べたところ、300万円未満の世帯を除くと、年収の増加に伴って使用患者の割合が増加していた(300万円未満の世帯での使用割合は、生活保護などのサポート制度などの影響が推察される)。山中氏は薬剤選定の際には患者さんに治療費用を含めて選択肢を示しているが、ほとんどの患者さんがその場では決められないという。■RA患者が求める情報提供情報の入手度に関する質問には、半数以上のRA患者が「適切な治療や薬剤に関する情報」や「RAに関する一般疾病情報」については「得られている」と回答している。しかし、「研究成果などに関する最新診療情報」や「医療機関およびサービスの選択に関わる情報」については3割前後であり、今後はこれらについての情報提供が望まれる。■「壁抜け」まであと少し今回の調査結果について、山中氏は、「これらのRA治療における問題点を今後の診療に生かし、RA患者さんが少しでも楽な生活、楽しい人生を送るためによい方向に向けていきたい」と語り、さらにRA診療について「かなり進歩したが、まだ壁を抜けきったわけではない。半分は壁の向こうにあり、まだまだ解決すべき問題は多い。それを自覚して努力していきたい」と述べて講演を締めくくった。(ケアネット 金沢 浩子)

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B型慢性活動性肝炎治療薬 ペグインターフェロン-α-2a製剤(商品名:ペガシス)

 ペグインターフェロン-α-2a製剤(商品名:ペガシス)が、2011年9月、「B型慢性活動性肝炎におけるウイルス血症の改善」の効能・効果追加を承認された。ペガシスの適応追加に関する審査は、優先審査に指定され、申請から約8ヵ月という異例のスピードであった。B型慢性肝炎の経過は多様 B型肝炎は、肝臓がんの原因の17%を占め、わが国には約150万人のB型肝炎キャリアがいると報告されている。B型肝炎キャリアの多くは、無症候性キャリアであるが、無症候性キャリアからも肝臓がんが突然発症するなどB型肝炎の経過には多様性があり、治療が難しい疾患である。治療の中心はIFNとエンテカビル 現在のB型慢性肝炎は、おもにインターフェロン(IFN)、核酸アナログ製剤、肝庇護薬で治療されており、2011年B型慢性肝炎の治療ガイドラインでは、35歳未満はIFN、35歳以上は核酸アナログ製剤のエンテカビルが、多くの患者カテゴリーで治療の中心とされている1)。 しかし、従来のIFNは、適応がHBe抗原陽性例のみであったため対象が限定され、さらに、一般的に3回/週の投与を必要としたため、利便性も高いとはいえなかった。核酸アナログ製剤は、B型肝炎ウイルスの増殖を強力に抑制し、かつ、経口投与のために利便性が高いものの、長期にわたり投与する必要があり、耐性ウイルスの出現や投与中止による肝炎の急性増悪も懸念されている。ペガシスはHBe抗原陽性例に加え陰性例にも有効 そのような中、ペガシスがB型慢性活動性肝炎に対して適応追加された。ペガシスは、従来のIFN-α-2aに40KDaのポリエチレングリコール(PEG)を結合させ血中からのIFN消失時間を延長し効果を持続させた薬剤である。すでにC型慢性肝炎での高い治療実績がある。 ペガシスは、HBe抗原陽性例を対象に、有効性・安全性をみた国内第Ⅱ/Ⅲ相試験において、用量、投与期間に応じて高い効果が認められた。その試験において、ペガシス90μg48週群は17.1%、180μg48週(3回/週)群は19.5%の有効率を示し、ペガシス週1回48週投与のIFNα週3回24週投与に対する非劣性が検証された。また、ペガシス90μg48週投与により、投与終了24週時で24.4%にHBeセロコンバージョンが認められた。 ペガシスは、HBe抗原陰性例を対象とした国内第Ⅱ/Ⅲ相試験において、90μg週1回48週投与により、投与終了後24週時に、HBV DNA <4.3Log copies/mL達成率が37.5%、ALT≦40IU/L達成率が68.8%となり、HBe抗原陰性例に対しても優れた効果が認められた。 B型慢性活動性肝炎におけるウイルス血症の改善に対する国内臨床試験において、副作用(臨床検査値異常を含む)は225例全例に認めらている。主な副作用は、発熱71.6%、頭痛65.3%、倦怠感63.1%等であった。興味深いのはHBsセロコンバージョンの達成 HBs抗原陽性かつHBe抗原陰性例における肝の発生率は、HBs抗原陰性かつHBe抗原陰性例の9.6倍であると報告され2)、最近ではHBsセロコンバージョンを治療目標のひとつとするようになってきている。 このHBsセロコンバージョンに対して、ペガシスは興味深いデータがある。ペガシスは、B型慢性活動性肝炎に対する国内臨床試験で、90μgおよび180μg48週投与の両群で、投与終了24週後に、それぞれHBsセロコンバージョン(いずれも1/41例)が見られている。IFNによる免疫の賦活化は投与終了後も継続するため3)、投与終了からの期間が長くなると、HBsセロコンバージョン率がさらに上昇すると予想される。HBsセロコンバージョンは、核酸アナログ製剤では達成が難しいため、ペガシス特有の作用として注目される。ペガシスへの期待 ペガシスのB型慢性活動性肝炎への適応追加により、投与回数の少ないIFN(従来のIFN:1週3回、ペガシス:1週1回)が使用可能となった。また、48週の投与が可能となり、従来のIFNよりも高い治療効果(HBeセロコンバージョン率、HBsセロコンバージョン率等)が期待できるようになった。さらに、HBe抗原陰性例にもIFNが使用可能となった。 今後、ペガシスにより、B型肝炎の新たな治療戦略が登場することが期待される。特に妊娠を希望する若い世代には朗報と言えるのではないだろうか。

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英国における待機的手術施行への民間活力導入、その質的評価は?

英国待機的手術のアウトカムについて、民間治療センター(ISTC)とNHS治療センターとを比較した結果、両者はほぼ同等であることが報告された。英国では、患者が待機的手術をすみやかに、より強い選択権を有して受けられ、より良好なアウトカムを得られるようにするとの目的で、1999年より公的医療サービスであるNHS治療センターの改革プログラムが開始。そのさらなる進展のため2002年より民間活力を導入、2009年12月末までに29のISTCが開設(さらに2施設が建設中)された。しかし、治療センター増大が歓迎される中、ISTCの“民間運営”“外国人医師”に対する懸念が高まり、2006年以降、第三者機構によるISTCとNHSとを比較する質的評価の取り組みが行われているという。本論の報告は、英国保健省がRoyal College of Surgeons of Englandに質的評価の比較について委嘱したPatient Outcomes in Surgery(POiS)監査機構(2007年11月設立)による最終報告で、Royal College of Surgeons of EnglandのJ Chard氏らが、BMJ誌2011年11月12日号(オンライン版2011年10月19日号)で発表した。25のISTCおよび72のNHS治療センターの患者報告のアウトカムを収集・比較POiSは、ISTCとNHS治療センターとの待機的手術(股関節/膝関節置換術、鼡径ヘルニア修復術、静脈瘤手術)のアウトカムについて比較するため、25のISTCおよび72のNHS治療センターで、患者によって報告された術後3~6ヵ月のアウトカムをフォローアップ収集し比較した。具体的には、股関節/膝関節置換術については2008年6月~2009年9月に、ISTCで5,671例、NHS治療センターで1万4,292例を収集、鼡径ヘルニア修復術は2008年12月~2009年9月に同640例と2,023例を、静脈瘤手術は同期間に同248例と1,336例を収集した。それらの患者によって報告された症状と障害(48ポイントスケールのOxford股関節・膝スコア、Aberdeen静脈瘤調査票)、QOL(EuroQol EQ-5Dスコア)を比較の指標とした。NHSの患者のほうがアウトカム劣るが……患者特性として、ISTCの患者のほうがNHSの患者と比べ、健康で、術前重症度は小さく、より裕福であるとの傾向が認められた。補正後アウトカムは、NHSで関節置換術を受けた患者のほうが、劣っていると報告した患者が多かった。同患者のほうが、Oxford股関節スコアは-1.7(95%信頼区間:-2.5~-0.9)、Oxford膝スコアは-0.9(同:-1.6~-0.2)低かった。また、合併症の報告例がNHS患者のほうが多かった。股関節に関する合併症報告例は1.3倍(オッズ比:1.3、95%信頼区間:1.1~1.5)、膝は1.4倍(同:1.4、1.2~1.6)だった。ヘルニア手術、静脈瘤手術の術後アウトカムについては、両施設間に有意な差はみられなかったが、NHS患者のほうが、ヘルニア修復術後の結果が劣っており(オッズ比:1.4、95%信頼区間:1.0~1.9)、静脈瘤手術について追加手術が多かった(同:2.8、1.2~6.8)。Chard氏は「ISTC患者のほうが、やや健康で重症度が低かった。いくつかのアウトカムはISTCのほうがよかったが、ISTCが選択サービスの提供において持ち得る可能性があるインパクトと比べて、その差異は小さかった」と結論している。

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リピート処方の質と安全に、受付・事務スタッフの創造的判断が貢献

リピート処方(repeat prescribing)、いわゆるDo処方について、受付または事務スタッフが、質および安全性に対して重大な「隠れた」貢献を行っているとの研究結果が報告された。英国・バーツ&ロンドン医科歯科大学校のDeborah Swinglehurst氏らによる。BMJ誌2011年11月12日号(オンライン版2011年11月3日号)掲載報告より。リピート処方をめぐる質・安全への貢献および障壁について調査Swinglehurst氏らは、GP(general practice)におけるリピート処方に関して、組織業務の様子を描出、調査、比較検討することで、質および安全に対する貢献者および障壁を特定する研究を行った。研究対象となったのは、電子患者記録を使用しており、患者への処方が準オートメーション化されている英国4都市の組織形態が多様なGP。395時間にわたって民族誌学的事例研究の手法でスタッフ(医師25人、看護師16人、ヘルスアシスタント4人、マネジャー6人、受付・事務スタッフ56人)を観察し、28の文書と、リピート処方に関わる部分的、全体的な人為的な現象について調べた。主要評価項目は、患者安全や良好な診療の特徴に対する潜在的な脅威とした。研究グループは、医師、受付・事務スタッフがリピート処方について、どのような貢献をしているか、また協同しているかを観察し、処方作業をマッピングすること、組織的実践を描出すること、それらを一緒に話し合って描画しているかなどについて解析した。これらは社会的モデルとして知られるもので、ICT(information and communications technologies)により形成化されているものであった。これからの患者安全の研究は、テクノロジーサポートを研究することが大切調査・解析の結果、リピート処方は複雑で、患者安全に重大な影響を有し、医師とスタッフの協働が求められるテクノロジーサポート・ソーシャルプラクティスであることが明らかになった。リピート処方の半数以上が、受付スタッフによって“例外”と判断されていた。大半は、電子リスト上にあったものと異なる薬、投与量、タイミングなどの理由によるものであった。形式的な処方プロトコルと、リピート処方を書くことにはギャップが存在する。そのギャップを埋める作業として、医師が知らないうちに、受付・事務スタッフの創造的な判断が貢献していた。Swinglehurst氏は、「一見、平凡で、標準的で、自動化されていると見られるテクノロジーサポート・ルーチンワークは、実際には高度な部分的な調整や判断が最前線のスタッフによって求められる。それらを研究することが、患者安全研究の新たなアジェンダになっていくだろう」と結論している。

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病理医がいないために4分の1近くの医師が剖検を行っていない

メドピアは18日、同社が運営する医師コミュニティサイト「MedPeer」(https://medpeer.jp/)にて、「剖検許諾のとり方」について実施した調査結果を、同社サイト内で報告した。調査手法は、MedPeer会員(登録会員数:40,206名、2011年11月1日時点)である医師を対象とした「ポスティング調査」と呼ばれるオープン回答型のインターネットリサーチ。調査期間は、10月10日~16日。有効回答数は 2,477件。「剖検許諾」そのものについては、「病理医がいないので、剖検は行っていない」と回答した医師が24%であった。「興味ある症例、症例報告になりそうな症例に限り、剖検の許諾をお願いしている」が23%。剖検を依頼するのは「診断確定できなかった症例」「予想外の経過を取った症例」「訴訟などの問題が起こる可能性がある場合」「家族が希望する場合」「家族や医療者にとって死因究明が必要と考えた場合」などと続いた。「基本的に、どのような症例でも剖検について説明し、許諾を得るのを原則としている」と回答した医師は22%。臨床研修病院や大学病院で「原則として全例で説明する」というコメントが多かった。ただし「高齢で死因が明らかな症例」「手術をしてよく病態がわかっているような場合」は話をしないということも。また、家族からの承諾をもらうむずかしさについて言及したコメントも目立った。詳細はプレスリリースへhttps://medpeer.jp/posting_view_review?rid=20111118-1

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インフルエンザワクチン、先生はいくらで接種しますか?

メドピアは21日、同社が運営する医師コミュニティサイト「MedPeer」(https://medpeer.jp/)にて実施した「今年インフルエンザワクチンをいくらで接種しますか?」の調査結果をまとめ、同サイト内で報告した。調査手法は、MedPeer会員(登録会員数:40,206名、2011年11月1日時点)である医師を対象とした「ポスティング調査」と呼ばれるオープン回答型のインターネットリサーチ。調査期間は、10月19日 ~25日の1週間。有効回答数は 327件。今回の調査対象は、小児科、小児外科の医師であった。「今年インフルエンザワクチンをいくらで接種しますか?」という問いに対して、30%の医師が「3000円~3500円未満」と回答した。「2500円から3000円未満」は20%、「2000円~2500円未満」が18%と続いた。全体的に、料金は「例年どおり」という声が多い「値上げした」というコメントもあった。1回目より2回目のほうが安く設定されていたり、大人と子供で異なっていたり、すべて一律料金にしていたり、医院によって設定基準はばらばらであった。また、「地域で統一している」という声がある一方で、医院によって料金が異なるせいか「料金の問い合わせが多くて困る」という声もみられた。また、予防接種のために病院を訪れる人が多くなるため、「料金をわざと高めに設定している」というコメントもあった。詳細はプレスリリースへhttps://medpeer.jp/posting_view_review?rid=20111121-1

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専門病棟での集学的管理プロトコールが急性期脳卒中の予後を改善

急性期脳卒中専門病棟における看護師による発熱、高血糖、嚥下障害の集学的な管理プロトコールの実践により、退院後の良好な患者アウトカムがもたらされることが、オーストラリア・カソリック大学看護学研究所のSandy Middleton氏らが行ったQASC試験で示された。組織化された脳卒中専門病棟は脳血管イベントによる死亡や身体機能障害を低減するが、長期的な患者の回復に重要なことが知られているにもかかわらず十分な管理が行われていない因子として、発熱、高血糖、嚥下障害が挙げられるという。同氏らは、これら3つの因子のエビデンスに基づく集学的な管理プロトコールを専門病棟で遂行するための標準化された教育プログラムを開発した。Lancet誌2011年11月12日号(オンライン版2011年10月12日号)掲載の報告。ASUにおけるFeSS管理プロトコールの有用性を評価するクラスター無作為化試験QASC(Quality in Acute Stroke Care)試験の研究グループは、急性期脳卒中の専門病棟(acute stroke unit: ASU)に入院中の患者において、エビデンスに基づく発熱(fever)、高血糖(hyperglycaemia=sugar)、嚥下障害(swallowing dysfunction)(FeSS)の管理が、退院後のアウトカムに及ぼす影響を評価する単盲検クラスター無作為化対照比較試験を実施した。対象は、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州のCTとhigh dependency unit(HDU)を備えたASUに入院した発症後48時間以内の虚血性脳卒中または脳出血患者で、英語を話す18歳以上の者とした。FeSS群には、集学的チームによるFeSS管理のための治療プロトコール(ASU入院後72時間内に行う看護師による管理が中心)が施行され、対照群は既存のガイドラインの簡易版に基づく治療を受けた。介入前(無作為割り付け前)と、介入後の患者コホートを登録し、90日後の死亡または要介助[修正Rankinスケール(mRS)≧2]、機能評価[Barthelインデックス(BI)]、QOL(SF-36の「身体機能」と「心の健康」)を比較した。研究助手、統計解析担当、患者には割り付け情報はマスクされた。脳卒中専門病棟の拡充につながる知見19のASUがクラスターとして登録され、FeSS群に10施設、対照群には9施設が割り付けられた。介入前(2005年7月30日~2007年10月30日)のデータは687例から、介入後(2009年2月4日~2010年8月25日)のデータは1,009例(FeSS群:558例、対照群:451例)から得られた。介入前データの解析結果はすでに報告されており、90日後の死亡、死亡または要介助、機能評価などはFeSS群と対照群で同等であった。介入後は、脳卒中の重症度にかかわらず、90日後における死亡またはmRS≧2の割合はFeSS群が42%(236/558例)と、対照群の58%(259/449例)に比べ有意に低かった(p=0.002)。SF-36の「身体機能」の平均スコアはFeSS群[45.6(SD 10.2)]が対照群[42.5(SD 10.5)]よりも有意に良好だった(p=0.002)が、死亡率[4%(21/558例)vs. 5%(24/451例)、p=0.36]やSF-36の「心の健康」[49.5(SD 10.9)vs. 49.4(SD 10.6)、p=0.69]に差はなく、機能評価[BI≧60:92%(487/532例)vs. 90%(380/423例)、p=0.44]も両群で同等であった。著者は、「エビデンスに基づく看護師による発熱、高血糖、嚥下障害の集学的な管理プロトコールは、脳卒中専門病棟退院後の患者において良好なアウトカムをもたらす」と結論し、「これらの知見は脳卒中専門病棟の拡充の可能性を示すものだ」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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乳房温存術後の放射線療法による再発抑制効果は背景因子で異なる

乳房温存術後の温存乳房に対し放射線療法を追加することにより、再発率がほぼ半減して乳がん死は約6分の5にまで低下し、これらのベネフィットはほとんどのサブグループで認められるが、その程度は背景因子によって異なることが、Early Breast Cancer Trialists’ Collaborative Group(EBCTCG)によるメタ解析で示された。早期乳がんには通常、乳房温存術が行われるが、温存乳房内には微小腫瘍病変が残存している可能性があり、後年、局所再発や遠隔転移を来す恐れがある。乳房温存術後の放射線療法により再発や乳がん死が低減することが示されているが、より有効性の高いサブグループが存在する可能性があるという。Lancet誌2011年11月12日号(オンライン版2011年10月20日号)掲載の報告。放射線療法追加の効果の背景因子による違いを評価EBCTCGは、乳房温存術後に放射線療法を受けた患者において、さまざまな予後因子や背景因子に応じて再発や乳がん死の状況を解析し、15年乳がん死リスクに対する10年再発リスクの影響を検討するためのメタ解析を行った。解析には、乳房温存術後に放射線療法を受けた患者と受けなかった患者の予後を比較した17件の無作為化試験に登録された1万801例の個々の患者データを用いた。このうち、病理学的にリンパ節転移陰性(pN0)あるいは陽性(pN+)と確定された患者は8,337例であった。1例の15年乳がん死の回避には4例の10年再発の予防が必要初回再発(局所および遠隔)の10年リスクは、乳房温存術単独群の35.0%から放射線療法追加群では19.3%まで有意に低下し(絶対低下率:15.7%、95%信頼区間:13.7~17.7、2p<0.00001)、15年乳がん死リスクは単独群の25.2%から追加群では21.4%まで有意に減少した(同:3.8%、1.6~6.0、2p=0.00005)。pN0例(7,287例)においては、10年再発リスクは乳房温存術単独群の31.0%から放射線療法追加群では15.6%まで(絶対低下率:15.4%、95%信頼区間:13.2~17.6、2p<0.00001)、15年乳がん死リスクは単独群の20.5%から追加群では17.2%まで有意に低減した(同:3.3%、0.8~5.8、2p=0.005)。pN0例における再発リスクの絶対低下率は年齢、腫瘍の悪性度、エストロゲン受容体の状態、タモキシフェン(商品名:ノルバデックスほか)の使用状況、手術範囲によって変動がみられ、これらの背景因子を用いて10年再発リスクの絶対低下率を「高(≧20%)」「中(10~19%)」「低(<10%)」に分けて予測が可能であった。また、この分類に対応した15年乳がん死リスクの絶対低下率が高い群は7.8%、中等度の群は1.1%、低い群は0.1%であった(死亡の絶対低下率の傾向検定:2p=0.03)。pN+例(1,050例)は、10年再発リスクが乳房温存術単独群の63.7%から放射線療法追加群では42.5%まで有意に低下し(絶対低下率:21.2%、95%信頼区間:14.5~27.9、2p<0.00001)、15年乳がん死リスクは単独群の51.3%から追加群では42.8%まで有意に減少した(同:8.5%、1.8~15.2、2p=0.01)。全体として、10年後の再発を4例で予防できれば、1例を15年後の乳がん死から救うことが可能であった。このような関連は、リンパ節転移の状態が確定された患者におけるリスク低減の高/中/低の予測カテゴリーでも同様に認められた。著者は、「乳房温存術後の温存乳房に対する放射線療法により再発率がほぼ半減し、乳がん死は約6分の5にまで低下した。これらのベネフィットはほとんどのサブグループでみられたが、ベネフィットの程度は患者の背景因子によって実質的に異なっており、治療の決定の際に予後の予測が可能と考えられる」と結論し、「温存乳房内の微小残存腫瘍を放射線療法で死滅させることで局所再発と遠隔転移の双方を抑制可能なことが示唆される」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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2011年初夏にドイツで大流行したO104:H4の疫学的プロファイル

ドイツでは、2011年5月、6月、7月に、志賀毒素産生性大腸菌O104:H4による胃腸炎および溶血性尿毒症症候群(HUS)が大流行した。その疫学的プロファイル調査の結果、同定された大腸菌株は通常のO104:H4ではみられないタイプであったこと、HUS発生が主に成人の女性で多かったことが明らかにされた。ドイツ・Robert Koch研究所Christina Frank氏らHUS研究チームによる。同大流行は、もやしの消費が媒介となった可能性が最も高いとされている。NEJM誌2011年11月10日号(オンライン版2011年6月22日号)掲載報告より。2ヵ月間で3,816例報告、北ドイツに集中研究チームは、ドイツにおいて報告された志賀毒素産生性大腸菌O104:H4による胃腸炎例およびHUS例と、ハンブルグ大学医療センターに紹介されてきた患者の臨床情報について解析を行った。報告例について、発症時期が2011年5月1日~7月4日であり、血清型がO104または不明の志賀毒素産生性大腸菌に感染した患者で、HUSまたは胃腸炎の発症が報告された例を、大流行の対象と定義した。結果、3,816例(うち死亡54例)が同定義に当てはまった。発生報告は、北ドイツに集中しており、5月21、22日がピークであった。腸管凝集性大腸菌の遺伝子タイプを有しESBLを産生する志賀毒素産生性大腸菌HUS患者は、そのうち845例(22%)だった。HUS患者の大半は成人(88%、年齢中央値42歳)で、女性が過度に多かった(68%)。菌の推定潜伏期間中央値は8日間で、下痢発症からHUS発現までは中央値5日間であった。一方、ハンブルグ大学医療センターで前向きに追跡した59例の患者については、HUS例は12例(20%)だったが、性差、また初期症状・徴候について有意差は認められなかった。また、発生株について調べた結果、血清型はO104:H4であったが、腸管凝集性大腸菌の遺伝子タイプを有し、通常O104:H4でみられる腸管出血性大腸菌の遺伝子タイプはみられず、基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)を産生する志賀毒素産生性大腸菌であることが確認された。

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