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より確実な血糖値管理を目指すなら、インスリンの早期導入を!

 3月2日、サノフィは「インスリン全国講演会2013」と題し、医師向けのセミナーを開催した。このセミナーは、同社の代表製品であるインスリン グラルギン(商品名:ランタス)の発売10年を記念して開催されたもので、糖尿病診療に従事する医師が参集した。 はじめにOpening Remarksとして渥美義仁氏(永寿総合病院)が、インスリンの発見と製薬の歴史を振り返るとともに、「持効型溶解インスリンの登場は、糖尿病治療に新しい選択肢をもたらした」とその役割を評価した。そして、今回のセミナーのテーマであるBOT(basal supported oral therapy)などにも触れ、今日の講演の意義を述べた。 第1部では経口血糖降下薬との併用療法について講演が行われた。はじめに「BOTの有用性」をテーマに鈴木大輔氏(東海大学医学部)が、外来でのBOTについて講演し、経口血糖降下薬とインスリンの併用で確実な血糖降下ができる反面、体重増加への配慮やSU薬併用時の低血糖に注意が必要であると語った。 次に「Basal Plus、B2Bの有用性」をテーマに大工原裕之氏(坂出市立病院)が、基礎インスリン補充の意義を自院のデータで示し、追加インスリンをいかに安全に増やしていくかを説明した。とくにBOTでも効果が弱い患者には、朝夕の追加インスリンの導入などが効果的と自験例を述べた。 続いて「Basal Bolusの有用性」をテーマに横山宏樹氏(自由が丘横山内科クリニック)が、初期診療後のインスリン導入とSU薬減薬への取り組みや自院の取り組みを講演した。とくに教科書的な処方だけではなく、「低血糖 しないさせない 絶対に」を合言葉に、食事と患者の運動量や生活環境も見据えてインスリン量を決定していること、クリニックスタッフが電話で患者フォローをする取り組みを行っていることを述べた。 第2部では主に1型糖尿病について、「1型糖尿病治療 Basal Bolus療法におけるインスリン製剤の使い方-内科の立場から-」をテーマに柳澤克之氏(市立札幌病院)が、講演を行った。「札幌では雪かきによる低血糖が多いこと」がレポートされ、超速効型インスリンで低血糖発生を防止していることや患者満足度調査も良好なことが報告された。 次に「1型糖尿病治療 BasalBolus療法におけるインスリン製剤の使い方-小児科の立場から-」をテーマに浦上達彦氏(駿河台日本大学病院)が、小児糖尿病のインスリン治療について講演した。小児の治療では、成人と異なる生活習慣のために幼児期、学童期、思春期に合わせたインスリン提供のスケジューリングや低血糖予防の指導が必要であると語った。 最後にClosing Remarksとして河盛隆造氏(順天堂大学大学院スポートロジーセンター)が登壇し、「より効果的にインスリンが用いられるようになることが今後の課題であり、2型糖尿病の患者であれば、インスリン分泌ができなくなる前に早期に導入し、分泌の回復につとめることが大きな目標となる。その後インスリンからの離脱を期すのが次の目標である」と述べ、講演会は終了した。サノフィ 医療関係者向け製品情報サイトケアネット特集「糖尿病」のバックナンバーはこちら

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食道下部への磁気デバイス留置で、GERDの胃酸逆流を抑制/NEJM

 手術的に食道下部に装着して括約筋を補強する磁気デバイスが、プロトンポンプ阻害薬(PPI)の効果が十分でない胃食道逆流症(GERD)患者の胃酸逆流の抑制に有効である可能性が、米国・Minnesota GastroenterologyのRobert A. Ganz氏らの検討で示された。GERDの根本的な病理学的異常は食道下部括約筋の機能低下だという。現在の第1選択治療は主にPPIによる胃酸分泌抑制だが、文献的には最大40%の患者で症状のコントロールが不十分とされる。これらの患者には噴門形成術(Nissen法)が適応となる場合があるが、合併症のため同意が得られないことも多いとされる。NEJM誌2013年2月21日号掲載の報告。5年計画の前向き単群試験の3年時の解析結果を報告 研究グループは、食道下部括約筋を補強する磁気デバイスの有用性を評価するプロスペクティブな多施設共同試験を実施した。試験デザインは、試験資金提供者、治験担当医、米国食品医薬品局(FDA)が共同で行い、対照群を設定しない単群試験とした。今回は、5年計画の試験の3年時の解析結果が報告された。 2009年1~9月までに米国の13施設およびオランダの1施設から、年齢18~75歳、GERD罹病期間6ヵ月以上、PPIの効果が不十分で、PPI非服用時の食道内pHモニタリングで胃酸曝露の増加を確認した症例が登録された。 磁気デバイスは、磁石片を収めたチタン製の外枠をチタン製のワイヤで輪状に連結したもの。隣接する磁石片の磁力を利用して食道下部括約筋の抵抗力を増強することで、逆流時の噴門部の異常な開口は抑制し、一方で食物通過時やおくび(げっぷ)、嘔吐の際は拡張する。個々の患者の食道外径に合わせて作製され、腹腔鏡手術で食道下部へ留置した。 1次エンドポイントは1年後の胃酸逆流の正常化(pH<4の時間が1日の<4.5%)またはpH<4の時間の50%以上の減少とし、2次エンドポイントは1年後のGERD関連QOLの50%以上の改善およびPPIの1日服用量の50%以上の減量とした。これら有効性のエンドポイントが60%以上の患者で達成された場合に、「治療は成功」と判定することとした。1次エンドポイント達成率64%、PPI中止率86%、デバイス除去6例 登録された100例の年齢中央値は53(18~75)歳、男性が52%、BMI中央値は28(20~35)kg/m2、逆流症状の罹病期間中央値は10(1~40)年、PPI治療期間中央値は5(<1~20)年であった。施術時間中央値は36(7~125)分で、全例が術後1日以内に退院し、食事制限はなされなかった。 1次エンドポイントの達成率は64%(64/100例)、pHモニタリングを完遂した96例では67%(64例)だった。ベースラインのPPI非服用時との比較におけるQOLの50%以上の改善は92%(92/100例)で達成され、PPI服用時との比較(事後解析)では73%であった。PPIの平均1日服用量の50%以上の減量は93%(93/100例)で達成され、服用中止率は1年後が86%、3年後は87%だった。 最も頻度の高い有害事象は嚥下障害で、術後は68%にみられたが、1年後に11%、3年後には4%に低下した。重篤な有害事象は6例に認め、このうち4例(嚥下障害3例、嘔吐1例)はデバイスの除去を要した。残りの2例は術後2日目に悪心・嘔吐で再入院したが、保存的治療で回復した。他に2例(持続するGERD症状、胸痛)でデバイスが除去された。 著者は、「新たに開発された磁気デバイスにより、GERD患者の多くで胃酸曝露の抑制、逆流症状の改善が得られ、PPIの服用中止が可能となった。今後は、症例数を増やし、より長期の検討を進める必要がある」と結論している。

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アピキサバン、VTEの抗凝固療法の延長治療として有用/NEJM

 経口第Xa因子阻害薬アピキサバン(商品名:エリキュース)による抗凝固療法の延長治療は、大出血の発生率を上昇することなく静脈血栓塞栓症(VTE)の再発リスクを低減することが、イタリア・ペルージャ大学のGiancarlo Agnelli氏らによるAMPLIFY-EXT試験で示された。深部静脈血栓症(DVT)や肺塞栓症(PE)などのVTEは、心疾患や脳卒中後の血管関連死の原因として3番目に頻度が高いという。欧米のガイドラインは3ヵ月以上の抗凝固療法を推奨しているが、標準治療であるワルファリンは、出血リスクのほかモニタリングや食事制限などの問題で治療の継続が難しくなることが多く、延長治療の決定には困難が伴う。アピキサバンは固定用量レジメンでの投与が可能で、モニタリングも不要なため、VTEの延長治療の選択肢となる可能性があった。NEJM誌2013年2月21日号(オンライン版2012年12月8日号)掲載の報告。2つの用量の有効性と安全性をプラセボ対照試験で評価 AMPLIFY-EXT試験は、VTEに対する抗凝固療法の延長治療としてのアピキサバンの有用性を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化試験。 対象は、年齢18歳以上、症候性のDVTまたはPEの診断で標準的な6~12ヵ月の抗凝固療法を完遂したが、抗凝固療法の継続・中止の判断が臨床的に困難な症例とした。 これらの患者が、アピキサバンの治療用量(5mg、1日2回)、血栓予防用量(2.5mg、1日2回)またはプラセボを与する群のいずれかに無作為に割り付けられ、12ヵ月の治療が行われた。VTE再発/全死因死亡:プラセボ群11.6%、2.5mg群3.8%、5mg群4.2% 2008年5月~2011年7月までに28ヵ国328施設から2,482例(ITT集団)が登録され、アピキサバン2.5mg群に840例(平均年齢56.6歳、男性58.0%、DVT 64.8%)、5mg群に813例(同:56.4歳、57.7%、64.8%)、プラセボ群には829例(同:57.1歳、56.5%、66.5%)が割り付けられた。 有効性に関する主要評価項目である症候性VTEの再発または全死因死亡の発生率は、プラセボ群の11.6%(96例)に比べ2.5mg群は3.8%[32例、相対リスク(RR):0.33、95%信頼区間(CI):0.22~0.48、差:7.8ポイント、95%CI:5.5~10.3、p<0.001]、5mg群は4.2%(34例、0.36、0.25~0.53、7.4、4.8~10.0、p<0.001)であり、いずれも有意な差が認められた。 有効性の副次的評価項目である症候性VTEの再発またはVTE関連死の発生率は、プラセボ群の8.8%(73例)に対し2.5mg群が1.7%(14例、RR:0.19、95%CI:0.11~0.33、差:7.2ポイント、95%CI:5.0~9.3、p<0.001)、5mg群も1.7%(14例、0.20、0.11~0.34、7.0、4.9~9.1、p<0.001)と、両群とも有意に優れた。 安全性の主要評価項目である大出血の発生率は、プラセボ群の0.5%(4例)、2.5mg群の0.2%(2例)、5mg群の0.1%(1例)に認められ、大量ではないものの臨床的に重要な出血は、それぞれ2.3%(19例)、3.0%(25例)、4.2%(34例)にみられた。全死因死亡は、プラセボ群の1.7%に比べ2.5mg群は0.8%、5mg群は0.5%だった。 著者は、「アピキサバンの治療用量または血栓予防用量を用いた抗凝固療法の延長治療により、VTEの再発リスクが抑制され、大出血の発生率は上昇しなかった」と結論し、「今後、より長期の治療のリスクとベネフィットを評価する臨床試験を行う必要がある。アピキサバン群で動脈血栓イベントの低下が観察されたことから、VTEの持続的な血栓リスクには動脈血栓も関与している可能性がある」と指摘している。

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有用な臨床意思決定支援システムとは?/BMJ

 診療プロセスやアウトカムの改善効果のある臨床意思決定支援システムは、患者と医師の双方へのアドバイスが提供されるものや、アドバイスに従わない場合にその理由を入力するようになっているものであることが、カナダ・Western Ontario大学のPavel S Roshanov氏らが行ったメタ解析で明らかになった。一方で、電子カルテやオーダー・エントリー・システムに助言が示されるシステムは、あまり効果的ではなかったという。BMJ誌オンライン版2013年2月14日号掲載の報告より。162件の無作為化試験をメタ解析 研究グループは、162件の無作為化比較試験についてメタ解析を行い、診療プロセスや患者のアウトカム改善効果のある臨床意思決定支援システムについて分析した。 意思決定支援システムによって、診療プロセスまたは主要アウトカムに関する評価項目が、すべて50%以上改善した場合について、同システムが効果的だと定義した。主要アウトカムが不明の場合には、複数の事前に規定したアウトカムが50%以上改善した場合とした。アドバイスに従わない理由を書き込むシステムの効果が高い その結果、ケア中に電子カルテに助言が示されるシステムやオーダー・エントリー・システムで自動的に示されるものの効果は低く、診療プロセスや患者アウトカム改善に関するオッズ比は、0.37(95%信頼区間:0.17~0.80)だった。 より効果的なシステムは、患者と医師へのアドバイスが提供されるもので、同オッズ比は2.77(同:1.07~7.17)だった。さらに、アドバイスに従わない場合に、その理由の入力が必要となっているシステムの効果が高く、同オッズ比は11.23(同:1.98~63.72)だった。 なお、臨床意思決定支援システムの評価は、開発元が評価したものが大半であった。そしてそれら開発元がシステムを評価した場合には、その評価が第三者による評価よりも高くなる傾向にあり、同オッズ比は4.35(同:1.66~11.44)だった。

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10年先を見据えた抗精神病薬選択のポイント

 米国・コロンビア大学のT Scott Stroup氏らは、オランザピン、クエチアピン、リスペリドンからアリピプラゾールへの切り替えについて、フラミンガムリスクスコア(FRS)およびメタボリックシンドローム(MetS)に基づいた心血管疾患(CVD)発症リスクの影響を調査し、その臨床的意義を検討した。Schizophrenia research誌2013年2月21日号の報告。 現在の治療(オランザピン、クエチアピン、リスペリドン)で安定している患者を、現在治療継続群とアリピプラゾール切り替え群(24週間のフォローアップ)に無作為に割り付け、BMI 27以上とnon-HDL-C 130mg/dL以上の患者間でのFRSとMetSの変化を比較した。FRSは心筋梗塞や冠動脈死といった重篤な冠動脈性心疾患(CHD)アウトカムの10年リスクを予測できる。また、MetSは脳卒中、糖尿病などCVDリスクの増加に関連している。すべての対象者には健康的な食事と運動を推進するプログラムを実施していた。 主な結果は以下のとおり。・現在治療継続群98例、アリピプラゾール切り替え群89例を含む患者から、あらかじめ分析に必要なベースライン値の値を測定した。・CHD10年リスクの最小二乗平均推定値は、現在治療継続群(7.4%→6.4%)と比較し、アリピプラゾール切り替え群(7.0%→5.2%)でより多く減少した(p=0.0429)。・最終観察時にメタボリックシンドロームを有するオッズ比は1.748であった(現在治療継続群 vs アリピプラゾール切り替え群、95%Cl:0.919~3.324、p=0.0885)。・メタボリックシンドローム発症に関しては、統計学的に有意な差は認められなかった。・アリピプラゾールに切り替えた上で、健康的な食事と運動を推進するプログラムを実施することで、CHD10年リスクをより軽減させることが期待できる。・切り替え時には治療中止などのリスクを考慮する必要があるが、本研究では症状の増悪や入院の有意な増加は認められなかった。関連医療ニュース ・抗精神病薬の高用量投与で心血管イベントリスク上昇:横浜市立大 ・第二世代抗精神病薬によるインスリン分泌障害の独立した予測因子は・・・ ・抗精神病薬投与前に予後予測は可能か?

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蒸気滅菌で利用可能、バナナの葉は低コストの優れた創傷被覆材

 バナナの葉は優れた創傷被覆材であることが、ドイツ・エバーハルト・カール大学テュービンゲンのEmmanuella Guenova氏らによる試験の結果、明らかにされた。バナナの葉は、熱帯地域の国では安価かつ優れた利用しやすい包帯材と見なされているという。しかし、これまで創傷被覆材として取り上げた研究はなく、Guenova氏らは、バナナの葉の有益な特性を損なわず滅菌する方法を検討し、創傷被覆材としての価値を検証した。Dermatologic Surgery誌2013年2月号(オンライン版2012年12月10日号)の掲載報告。 バナナの葉は、天然資源であるためさまざまな病原体による汚染が著しく、使用前にそれらを除去しなければならない。しかし、その有益な特性を損なうことなく効果的に滅菌する方法は明らかになっていない。 研究グループは、バナナの葉の有益な特性を損なうことなく滅菌する方法について検討することを目的とした。 主な検討と結果は以下のとおり。・初めに、バナナの葉の自然のミクロフローラを減らす除染技術について比較検討した。次に、マウス皮膚移植モデルで、バナナの葉の創傷被覆材としての性質を検討し、さらにアフリカ・ウガンダで術後患者において検証した。・結果、滅菌法としては、蒸気滅菌法が至適な手法であることが実証された。・バナナの葉の創傷被覆材としての性質は、ワセリン・ガーゼドレッシングと同程度であった。・臨床設定(アフリカ・ウガンダで術後患者を対象とした)の試験にも成功した。・バナナの葉は、創傷被覆材として望ましい性質と低コストを兼ね備えており、創傷被覆材の優れた選択肢となることが判明した。

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地中海式食事療法、高リスク集団の心血管イベント1次予防に有用/NEJM

 地中海食(エネルギー制限はしない)とオリーブオイルまたはミックスナッツを組み合わせた食事療法が、心血管リスクの高い集団の心血管イベントの1次予防において相対リスクを約30%低減することが、スペイン・バルセロナ大学病院のRamon Estruch氏らの検討で明らかとなった。地中海食は、オリーブオイル、果物、ナッツ、野菜、シリアルの摂取量が多く、魚や鶏肉の摂取量は中等度、乳製品、赤身肉、加工肉、菓子類の摂取量は少ないことが特徴とされる。地中海式食事療法の遵守状況と心血管リスクは逆相関を示すことが、観察コホート試験や2次予防試験で確認されている。NEJM誌オンライン版2013年2月25日号掲載の報告。カロリー制限や運動の併用なしの食事療法の効果を評価 PREDIMED(Prevencion con Dieta Mediterranea)試験は、地中海式食事療法(MD)による心血管イベントの1次予防効果を検証する多施設共同無作為化試験。 対象は、年齢が男性55~80歳、女性60~80歳、登録時に心血管疾患を発症しておらず、2型糖尿病を有するか、あるいは喫煙、高血圧、高LDLコレステロール値、低HDLコレステロール値、過体重または肥満、早期冠動脈心疾患の家族歴のうち3つ以上を有する者とした。参加者は、MD+エキストラヴァージンオリーブオイル(EVOO)、MD+3種のナッツ(Nuts:ウォールナッツ、アーモンド、ヘーゼルナッツ)、対照群(低脂肪食の説明)の3群に無作為に割り付けられた。 総カロリーの制限や身体活動の推奨は行われなかった。2つのMD群は、それぞれEVOO(約1L/週)またはNuts(計30g/日分)を無料で提供され、ベースライン時とその後は3ヵ月ごとに食事指導とMD遵守状況の評価を受けた。 1次エンドポイントは主要な心血管イベント(心筋梗塞、脳卒中、心血管死)の発症率とした。なお、中間解析の結果に基づき、フォローアップ期間中央値4.8年の時点で試験は中止された。1次エンドポイントのハザード比:MD+EVOO群0.70、MD+Nuts群0.72 2003年10月~2009年6月までに7,447人が登録され、MD+EVOO群に2,543人(平均年齢67.0歳、女性58.7%)、MD+Nuts群に2,454人(同:66.7歳、54.0%)、対照群には2,450人(同:67.3歳、59.7%)が割り付けられた。 1次エンドポイントは288人に発生した。そのうちMD+EVOO群が96人(3.8%)、MD+Nuts群が83人(3.4%)、対照群は109人(4.4%)で、1,000人年当たりの発生率はそれぞれ8.1(対照群との比較p=0.009、)、8.0(同p=0.02)、11.2であった。多変量調整済みハザード比(HR)は、対照群を基準とするとMD+EVOO群が0.70(p=0.01)、MD+Nuts群は0.72(p=0.03)だった。 主要心血管イベントのうち調整済みHRがMD群で有意に優れたのは脳卒中のみであった(MD+EVOO群:0.67、p=0.04、MD+Nuts群:0.54、p=0.006)。全死因死亡には有意な差を認めず、食事療法に関連する有害な影響もみられなかった。 著者は、「この結果は、高リスク集団の心血管イベント1次予防における地中海食のベネフィットを支持するもの」と結論している。

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(64)〕 女性のカルシウムサプリメント・カルシウム錠の投与は諸刃の剣(投与は慎重に!)

カルシウムはヒトを含む生物の体内に存在する最も豊富なミネラルの一つであり、かつ最も重要な体内の高精度な情報伝達のメッセンジャーとしても利用されている。血清カルシウムのレベルは厳格に調節されており、カルシウム摂取量が不足している場合は、腸管からより効果的に吸収され、腎臓でのカルシウムの保持力の亢進により、この不足が補われる。不足が続けば骨格プールからカルシウムがさらに動員され、骨が脆弱となり、骨折が起こりやすくなる。このため、とくに高齢者や閉経後の女性では、骨折予防のためカルシウム摂取と活性ビタミンD服用が伝統的に勧められてきた1)。ところが、カルシウム摂取不足、カルシウムサプリメントの使用を含むカルシウムの過剰摂取について、総死亡、心血管死亡、虚血性心疾患死亡を増加させる可能性や2), 3)、一部のがんの発生を抑制する可能性4), 5)まで指摘されるに至り、議論は複雑さを増している。 2013年度BMJ誌に掲載されたスエーデン・ウプサラ大学のKarl Michaelsson氏の女性を対象とした前向きコホート試験は、この異論の多い問題に一石を投じている。食事由来のカルシウム摂取に関しては、多変量解析モデルにおいてカルシウム摂取600mg未満の低摂取群では総死亡、心血管疾患死亡、虚血性心疾患死亡、脳卒中死亡のすべてでハザード比が増加し、死亡リスクの有意な増加を示した。一方、食事由来カルシウム摂取が1,400mg/日以上の高摂取群では総死亡、心血管疾患死亡、虚血性心疾患死亡でハザード比が増加し、死亡リスクの有意な増加を示したが、脳卒中死亡に関しては有意差を認めなかった。食事由来カルシウム摂取600mg/日未満群では年齢調整、調整ハザード比はそれぞれ総死亡に関して1.53、1.43と有意に高かったが、カルシウム錠併用群ではそれぞれ0.59、0.49で有意差を認めなかった。カルシウム含有サプリメント群ではそれぞれ1.45、1.17で有意差を認めなかった。また、食事由来カルシウム摂取1,400mg/日以上群では年齢調整、調整ハザード比はそれぞれ総死亡に関して1.30、1.17で年齢調整ハザード比のみ有意に高かった。カルシウム錠併用群ではそれぞれ2.65、 2.57といずれもハザード比は大きくなり、有意に高かった。カルシウム含有サプリメント使用群ではそれぞれ1.85、1.51で調整ハザード比のみ有意に高かった。 以上からカルシウム低摂取、カルシウム高摂取が総死亡、心血管死亡、虚血性心疾患死亡を、カルシウム低摂取が脳卒中死亡を含んだ死亡リスクを高めることは疑う予知がないと考える。しかし、低カルシウム摂取群にカルシウム錠を追加投与した場合に総死亡のハザード比が低下し、有意差が消失したことから、カルシウム錠の有用性が脳卒中予防を含め期待できるかもしれない。逆にカルシウム高摂取群でのカルシウム錠の追加投与はハザード比を大きくし、死亡リスクを増大させる。少なくともカルシウム摂取は600mg~1,400mgの範囲を守り、摂取過剰、不足に注意を払うことが重要になる。カルシウム低摂取ケースは例外としてカルシウム錠の投与を行うことが好ましいが、それ以外のケースでは安易なカルシウムサプリメント・カルシウム錠の投与を慎むことが治療の上で考慮すべきポイントと考える。しかしながら、周辺構造モデルによる感度分析の結果によれば600mg未満のカルシウム低摂取群においての死亡リスク上昇は時間依存性交絡因子によるバイアスの影響による可能性が疑われた。 しかし、この論文で疑問のすべてが解決したわけでない。今後さらなる研究が病態解明のため必要である。

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【ご案内】医療介護多職種交流会 第1回MLB×Kagoshima(メディカルラーニングバー鹿児島)

 一般社団法人LINKは、3月23日に医療・介護現場で働く方々を対象に、学びのイベント「医療介護多職種交流会 第1回MLB×Kagoshima(メディカルラーニングバー鹿児島)を開催する。 開催概要は以下のとおり。【日時】2013年3月23日(土) 18:00~21:00(受付17:30)【テーマ】「地域における連携構築あれこれ」「あなたの毎日が輝くノンテクニカルスキル入門」【講師】山口 高秀 氏(おひさま会理事長)佐藤 和弘 氏(医療教育団体MEDIPRO!代表)【開催場所】Jazz Spot Lileth鹿児島市千日町9-4 天文館 Kビル 4F【定員】50名(先着順) ※事前登録制【対象】医療・介護従事者の方【参加費】当日払い5,000円(1DRINK+おつまみ付)【参加方法(事前登録制)】http://the1stmlbkagoshima.peatix.com/上記URLの「チケットを申し込む」からご登録ください。【お問い合わせ】E-mail : info@link-japan.co専用フォーム:http://goo.gl/Bj9w3【Medical Learning Bar(メディカルラーニングバー)について】MLB公式Facebookページ:https://www.facebook.com/MedicalLearningBar一般社団法人LINK ウェブサイト:http://www.link-japan.co

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うつ病治療に「チューインガム」が良い!?

 これまでの研究によると、チューインガムはストレスや抑うつ症状を軽減する可能性が示唆されている。しかし、うつ病治療におけるチューインガムの臨床応用に関する研究はあまり報告されていない。トルコ・アタテュルク大学のFurkan Muhammed Erbay氏らは、うつ病患者に対するチューインガム使用の影響を検討した。Appetite誌オンライン版2013年2月12日号の報告。 対象は軽度~中等度のうつ病患者30例。薬物治療単独群とチューインガム併用群に割り付け、6週間治療を行った。うつ病のレベルを測定するためにハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)トルコ版を用いた。治療後の評価は、グループ割り付けを認識していない医師により実施した。主なHAM-Dスコアと各項目の変化量はそれぞれ独立したサンプルのt検定とカイ二乗検定により分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・チューインガム併用群は薬物治療単独群と比較し、治療によく反応した。・チューインガムの最も有益な効果は、食欲不振や鼓腸などの胃腸症状で認められた。・チューインガムは、抑うつ症状に直接的な効果を示すかは不明なものの、うつ病に起因する症状を軽減する可能性があると考えられる。関連医療ニュース ・SSRI+非定型抗精神病薬の併用、抗うつ作用増強の可能性が示唆 ・うつ病患者の食事療法、ポイントは「トリプトファン摂取」 ・抗うつ薬を使いこなす! 種類、性、年齢を考慮

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SYNTAXスコアII開発でCABGかPCIかの予測能がより高く/Lancet

 複雑な冠動脈疾患の血行再建術の選択について、解剖学的な複雑さを考慮しただけのSYNTAXスコアよりも、同スコアに左室駆出率などの臨床因子を加えたSYNTAXスコアIIが有効であることが報告された。オランダ・エラスムス大学メディカルセンターのVasim Farooq氏らが行った試験で明らかにしたもので、Lancet誌オンライン版2013年2月23日号で発表した。SYNTAXスコアは、欧米のガイドラインで至適な血行再建術選択ツールとして提唱されているが、予測能に限界があることが指摘されていた。そこで同研究グループは、8つの予測因子から成るSYNTAXスコアIIを開発し検証試験を行った。SYNTAXスコアにベースライン時の臨床因子などを追加 研究グループは、1,800人を対象に行った無作為化試験「SYNTAX試験」の結果を基に、4年死亡率との関連が強かったベースライン時の臨床因子などをSYNTAXスコアに加えたSYNTAXスコアIIを開発した。 SYNTAXスコアIIについて、冠動脈バイパス術(CABG)と経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を行った場合の4年死亡率の差の予測能を調べ、従来のSYNTAXスコアと比較した。 外的妥当性の検証は、CABGまたはPCIを行った多国籍の被験者2,891人を対象としたDELTAレジストリにて行った。SYNTAXスコアIIのC統計量、内的・外的妥当性いずれも0.7強 SYNTAXスコアIIに盛り込まれた予測因子は、解剖学的SYNTAXスコア、年齢、クレアチニンクリアランス、左室駆出率(LVEF)、非保護左冠動脈主幹部病変(ULMCA)、末梢血管疾患、女性、慢性閉塞性肺疾患(COPD)だった。 試験の結果、SYNTAXスコアIIは、CABGとPCIを行った患者の4年死亡率の差を有意に予測した(p=0.0037)。CABGまたはPCIを受けた人が同等の4年死亡率を達成するには、年齢が若く、女性であり、LVEFが低い人ではより解剖学的SYNTAXスコアが低いことが必要だった。一方で、高年齢でULMCAとCOPDがある人は、解剖学的SYNTAXスコアは高い必要があった。 糖尿病の有無は、CABGとPCIの選択においては重要ではなかった(p=0.67)。 SYNTAXスコアIIのSYNTAX試験による内的妥当性の結果は、C統計量0.725であり、DELTAレジストリによる外的妥当性では、C統計量0.716であった。これらは従来のSYNTAXスコアの各値0.567、0.612に比べ、いずれも有意に高値だった。 著者は、「複雑な冠動脈疾患患者の4年死亡率は、SYNTAXスコアIIによる予測のほうが良好であり、CABGかPCIかの意思決定に優れている可能性がある」と結論している。

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(63)〕 SYNTAX試験の5年追跡結果、CABGのPCIに対する優位性が確認されるも、全死亡・脳卒中に有意差なし

SYNTAX試験は,左主幹部疾患および3枝疾患を、心臓外科医とPCI施行医がどちらの治療法でも施行可能と判断すればPCIかCABGに無作為に割り付け比較した研究である。PCIは第1世代の薬物溶出性ステントであるTaxusA を用いている。1年の追跡結果からの主論文では、「再血行再建も含めた主要エンドポイントについてTaxusを用いたPCIはCABGに対して非劣性を達成することができなかった」が結論である。この公式見解とは別に、従来はCABGの牙城とされていた左主幹部疾患の中でもPCIで治療可能な領域が存在することを示した点では画期的な研究であった。一方で、3枝疾患の中でも動脈硬化の進展した(SYNTAXスコアの高い)症例においては、PCIはCABGに及ばないことが確認された。 今回、このSYNTAX試験の5年の結果が報告された。今回の5年間の追跡結果でも、心疾患イベント発症率はCABGで26.9%、PCIで37.3%とCABGにおいて成績が勝っていた。しかし、結果をよく見ると、全死亡においては、11.4% 対13.9%とPCIでやや多いものの、P値は0.10と有意差は認められなかった。脳卒中については3.7% 対2.4%と、こちらはCABGの方が多いもののP値は0.09と有意差は認めなかった。 これまでは、CABGとPCIの比較試験においてはフォローアップの期間が延長されるほど、CABGの優位性が際立ってくるとされていた。5年間の観察期間をもってしても、全死亡という真のエンドポイントに差がないという今回の結果は、CABGの優位性を否定しないものの、症例に応じてではあるが、左主幹部疾患および3枝疾患においてもPCIは治療法の選択肢となりうることを示したといえる。 さらには、この研究で用いられたTaxusステントは日常臨床のアリーナから退場し、成績の勝る第2世代の薬物溶出性ステントが使用されている。また、FFRなどの生理学的指標を用いて多枝疾患のPCIの適応を判断することによって予後を改善させる可能性も報告されている。冠動脈血行再建において、PCIかCABGかという議論は、今後も当面は続くものと思われる。

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外陰部硬化性苔癬にはプロアクティブな維持療法が効果的であり安全

 外陰部硬化性苔癬(VLS)のプロアクティブな維持療法について、局所ステロイド治療で症状が安定した後、週に2回の0.1%フランカルボン酸モメタゾン軟膏(商品名:フルメタほか)を56週間塗布した結果、寛解維持と再発防止が得られ、効果的で安全な治療オプションであることが示された。イタリア・フェラーラ大学のA. Virgili氏らが、無作為化試験の中間結果を報告した。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年2月12日号の掲載報告。 外陰部硬化性苔癬の慢性化や再発は、局所ステロイド治療で効果が得られた後の、長期間にわたる症状管理において問題となる。研究グループは、プロアクティブな治療(週2回の0.1%フランカルボン酸モメタゾン軟膏塗布)の効果を、1日1回の局所ビタミンEあるいはコールドクリーム塗布との比較で、3ヵ月間の局所ステロイド治療後の寛解維持と再発リスクの低下について調べた。 被験者はまず12週間のアクティブ治療期に登録され、1日1回の0.1%フランカルボン酸モメタゾン軟膏塗布を受けた。その後、寛解が得られた患者は52週間の維持治療期に登録され、無作為に週2回の0.1%フランカルボン酸モメタゾン軟膏塗布群、1日1回のコールドクリーム塗布、1日1回の局所ビタミンE治療群に割り付けられた。 主要有効性指標は、再発率と再発までの平均期間であった。 主な結果は以下のとおり。・試験登録された被験者は27例であった。アクティブ治療期後に、完全(あるいはほぼ完全)な寛解を得た25例が維持治療期に入った。・52週の維持治療期終了までに、再発を認めたのは10例(40%)であった。5例(55.6%)はビタミンE群、5例(62.5%)はコールドクリーム群であった。・一方で同期間に、0.1%フランカルボン酸モメタゾン軟膏塗布群での再発はみられなかった。・再発率は、ビタミンEおよびコールドクリーム両治療群のほうが、プロアクティブな治療群よりも有意に高率であった。・ビタミンEおよびコールドクリーム治療群の再発までの平均期間は同一で、21.6週であった。

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2012年度10大ニュース~心房細動編~ 第5位

解説者のブログのご紹介『心房細動な日々』国内海外国内5位 J-RHYTHM Registryの結果が明らかに~70歳未満でもINRは低めで良いのか?わが国における抗凝固療法の最大の観察研究であるJ-RHYTHM Registryの結果が、第29回日本心電学会学術集会で口頭発表されました1)。同研究の対象は外来通院中の心房細動連続症例で、2009年1月~7月に全国の基幹病院などから7,937例が登録されました。ワルファリン投与が行われたのは6,932例(87%)で、INR 1.6~2.59でコントロールされていた症例が66%を占めています。イベント発生直近のINRレベル別に2年間のイベント発生率を検討すると、INR 1.6未満では血栓性イベントが、INR 2.6以上では出血性イベントが有意に高率に認められ、両イベントを合わせた発生率は、INR 1.6~2.59で有意に低率であり、この結果は、70歳未満例、70歳以上例いずれにおいても同様に認められたとのことです。このことは、70歳未満であってもINRの管理目標値を1.6〜2.6に設定することの妥当性をある程度示唆する所見です。本格的な検証には前向き試験が必要ですが、これは専門医ならずともほとんど医師が納得の結果ではないでしょうか?なぜならリアルワールドではかなりの医師が、若年者においてもこのように低めのINR管理をしていることは、周知の事実だからです。ガイドラインを守らなかったという点では公然の秘密とも言えたのかもしれません。この発表で、その秘密が秘密でなくなった感があります。1)小谷英太郎ほか.心電図 2012;32:S5-72.海外5位 左心耳閉鎖デバイスに関する無作為化試験~日本で普及するのか?左心耳というのは内胸動脈とともに「神様が心臓に残した2つのいたずら」の一つで、目立った役割がなく、そればかりか血栓形成の場であり、人類にとって迷惑な構造物と思われています。これをカテーテルを用いて閉鎖してしまうデバイスが過去10年間でいくつか開発されてきてはいたものの、エビデンスとしては不十分でした。本年(2013年)1月のCirculation誌に非弁膜症性心房細動に対するワルファリン単独投与との無作為割付試験(PROTECT AF)1)が報告され、やや方向性が見えて来ました。CHADS2スコア1点以上の707人を対象に2.3年追跡したところ、脳卒中、全身性塞栓症、心血管死に差はなく、安全性においても有意差はありませんでした。ただし重篤な合併症も報告されており、実用化にあたってはデバイスの改良、植え込み技術の習得など課題は少なくない段階と思われます。何より、侵襲的治療の普及しにくい日本で今後どのような展開があるのか、注目すべき段階に来ていることは間違いありません。1)Reddy VY, et al. Circulation.2013;127:720-729. Epub 2013 Jan 16.

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難治性の慢性特発性蕁麻疹、オマリズマブで症状改善/NEJM

 慢性特発性蕁麻疹(chronic idiopathic/spontaneous urticaria)で抗ヒスタミン薬(ヒスタミンH1拮抗薬)の高用量投与でも症状が改善されない患者について、抗IgEモノクローナル抗体オマリズマブの投与により症状が改善されたことが、ドイツ・Charite-UniversitatsmedizinのMarcus Maurer氏らによる第3相多施設共同無作為化二重盲検試験の結果、報告された。慢性特発性蕁麻疹患者の多くが、抗ヒスタミン薬の高用量投与でも症状が改善しない。抗IgE抗体オマリズマブ(商品名:ゾレア、本邦での適応は気管支喘息)の有効性については第2相試験で示され、本試験では有効性と安全性が検討された。NEJM誌オンライン版2013年2月24日号掲載報告より。323例をオマリズマブ75mg、150mg、300mg群とプラセボ群に割り付け検討 第3相試験は、成人および12歳以上の中程度~重度の慢性特発性蕁麻疹患者(抗ヒスタミン薬治療が無効)を対象とした28週間にわたるオマリズマブ治療の有効性と安全性を検討することを目的とした。 466例の患者がスクリーニングを受け、323例(42.5±13.7、76%が女性、平均体重82.4±21.9kg)が3つの皮下注治療(75mg、150mg、300mg)群またはプラセボ群に無作為化された。治療は4週間隔で行われた。12週の治療期間終了後、16週間にわたって追跡が行われた。 主要有効性アウトカムは、かゆみ重症度スコアのベースラインからの変化で週単位で評価が行われた(範囲:0~21週、最高スコアが最も重症度が高いことを示す)。150mg、300mg群で有意に症状が改善、重大有害イベントは300mg群が高い ベースラインのかゆみ重症度スコアは、年齢階層や性別、体重、罹患期間など、全4群において14階層群から得ていた。 12週時点において、プラセボ群のスコアのベースラインからの変化は、平均-5.1±5.6であり、75mg群は-5.9±6.5(p=0.46)、150mg群は-8.1±6.4(p=0.001)、300mg群は-9.8±6.0(p<0.001)であった。また同時点での、事前特定の副次アウトカムについてはほとんどが同等性を示した。有害事象の頻度も同程度であった。 重大な有害イベントの発生は概して低かったが、300mg群(6%)で、プラセボ群(3%)や75mg群および150mg群(いずれも1%)よりも高率だった。

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