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爪真菌症治癒の再定義を

 米国・University Hospitals Case Medical CenterのM. Ghannoum氏らは、爪真菌症治癒の定義について、菌類学的アウトカムと臨床試験期間の解釈を再検証した。その結果、現状の臨床試験期間は見直す必要があり、爪真菌症治癒の定義は、十分なウォッシュアウト後の臨床所見が、KOH直接鏡検法が陰性か否かにかかわらず、培養検査が陰性であることでみなすべきであると報告した。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年8月19日号の掲載報告。 研究グループは、「現在の爪真菌症外用薬の当局による承認は、完全治癒には、罹患した爪の除去と菌類学的な治癒を含むというあまりにも厳しい定義のため、ネガティブな影響をもたらしている可能性がある」として本検討を行った。 7件の国際共同研究での爪真菌症試験のデータをレビューした。試験には、スクリーニング時にKOH陽性、培養検査陽性で、その後48週間の治療を受けた被験者が登録されていた。さらに研究グループは、94例のKOH陽性/培養検査陰性で52週間追跡を受けた検体について形態学的な菌糸損傷について調べた。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ52週時点で集められた3,054例の検体のうち、2,360例が培養検査陰性であった。・しかしながら、そのうち1,857例(78.7%)がKOHは陽性のままであった。・形態学的変化について調べたサブセット検体からは、56例(60%)の塗抹鏡検検体に、菌糸の生育不能を示すと思われる菌糸の破損やねじれを認めた。・以上から、著者は「爪真菌症治癒定義の再評価が必要である。外用薬の臨床試験について、治療期間を再考すべきである」と結論している。また、培養検査が陰性でも塗抹鏡検検体の陽性率が高率であったことや、形態学的な菌糸損傷の所見は偽陽性を示す可能性があることなどに触れ、「十分なウォッシュアウト後の臨床症状の消失は培養検査陰性と結びつけて考え、鏡検が陰性か否かにかかわらず爪真菌症治癒の定義とみなすべきである」とまとめている。

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エキスパートに聞く!「プライマリケア医が診るがん」

プライマリケア医として、どういった基準(タイミング)で専門医へ紹介するべきでしょうか?がんの既往があるか、ないかで分ける必要があります。がんの既往がない患者さんの場合は、諸検査を行い、がんの疑いがある時に、紹介してくださると思います。時々、腫瘍マーカー高値で紹介してくださることがあります。腫瘍マーカーというのは、がんのスクリーニングには推奨されておりませんが、一般検診などで取入れられている場合があります。その場合は、偽陽性であることがありますが、まずは、専門医に紹介してくださってかまいません。がんの既往がある患者さんの場合には、治療後の場合と、治療中の場合に分けられます。手術などの治療後、つまり経過観察している場合には、再発の有無を見極める必要があります。患者さんは、ちょっとした症状で「再発ではないか?」と不安になることが多いのですが、実際患者さんの自覚症状・特に痛みなどの症状から再発が発見されるケースは稀です。がんの再発の多くは無症状のことが多いです。表在リンパ節腫大で発見されることもありますので、身体所見を取っていただきたいです。実際のところ、2~3日で軽快する症状であれば、がんの再発の症状とは考えにくいです。がんの再発を疑う自覚症状としては、持続する症状、徐々に悪化する症状かという2点だと思います。現在がんの治療中の場合:放射線治療を行っている患者さんは、放射線肺臓炎などの放射線有害事象、薬物治療を行っている方では抗がん剤有害事象に注意する必要があります。抗がん剤有害事象では、発熱性好中球減少症が最も注意すべき副作用です。発熱性好中球減少症は、エマージェンシーとなります。また、抗がん剤の最も頻度が高い副作用は、悪心・嘔吐ですが、まずは、一般的な吐き気止めで対処していただければよいと思います。嘔吐が強く脱水が懸念される場合などが紹介のタイミングといえるかも知れません。肺がんの低線量CTを検診に用いると発見率が上がるとの報告を聞きますが、エビデンスはあるでしょうか?ドラフトの段階ではあるもののUS Preventive Task Force(USPSTF:米国予防医学専門委員会)で、Grade Bのrecommendation を出しており、おそらく日本でも推奨グレードは上がってくると思われます。しかしながら、低線量CTが、全ての人に推奨されるのではありません。低線量CTを推奨するきっかけとなった、ランダム化比較試験の対象は、年齢が、55~74歳、喫煙歴が30 pack-year以上(1日喫煙本数x 喫煙年数 ÷20)、または、15年以内に止めているが、それまで喫煙歴があるような、ハイリスクの方に対してのみに有効であったということは覚えておいていただきたいと思います。スパイラルCTのデメリットは偽陽性が出やすいことです。偽陽性が出てしまうとさらなる無駄な検査のみしてしまうことになるという訳です。今後もこの点については検討が必要だと思います。遺伝子検査はなぜ普及しないのでしょうか? 最近話題の乳がんのBRCA1/2遺伝子など一部の遺伝性がんの検査について、欧米諸国では保険適応となっています。この点は、日本は欧米諸国に比べ遅れている点と思います。この背景には認可の問題もあると思いますが、がん遺伝子カウンセラーの育成など体制が整っていないこともあげられるでしょう。在宅医療におけるネットワーク構築について、有効な手段とは?急性期病院と在宅ケアとで密な連携をはかっていくことは、今後のがん診療で最も重要なことと思います。がん緩和ケアの領域では、海外では、ホスピスや緩和ケア病棟は、急性期の症状緩和を担当する緩和ケアのICUのような役割を果たし、症状緩和が得られた時点で、地域の在宅ホスピスと連携をとっています。日本では、在宅で最期を迎える確率は10%、ホスピスが7%ですが、欧米先進諸国での、70~80%(在宅+ホスピスで死亡する割合)と比べると圧倒的に低い数字です。日本では、まだまだ急性期病院で終末期を迎える患者さんが多いことを意味しています。今後、急性期病院と在宅ケア、ホスピスとのさらなるネットワーク作りが必要になってくると思われます。最近の流れとしては、余命告知は行う方向へ向かっているのでしょうか。がんの診断を伝えることに関しては、我が国でもかなりの割合で、診断を伝えるようになってきたと思います。余命告知とは、がんの診断の告知とは大きく異なるものということを認識しなければなりません。余命告知で大きな問題は、多くの医者が、median survival(生存期間中央値)の値を余命と勘違いし、あなたの余命は○ヵ月ですと言っている場合が多いように思います。この数値については大いに注意するべきです。中央値とはご存知の通り、データを小さい順に並べたとき中央に位置する値であり、100人患者さんがいたら、50番目に亡くなった方の生存期間です。がんの生存期間は、患者さんによって非常にバラつきが大きく、正規分布をなさないために平均値ではなく、中央値を使っているだけです。裏を返せば、ある患者集団の生存期間中央値が6ヵ月であった場合、数ヵ月で亡くなる患者さんもいれば、ある患者さんは数年経過しても生きておられるということです。従って、生存期間中央値を患者さん個人の“余命”として当てはめることは、医学的にも間違っているのです。それだけでなく、患者には相当な誤解を与えます。余命6ヵ月と言われれば、患者さんは6ヵ月で自分は死んでしまうと考えます。ある患者さんは、自分は、死亡宣告をされたと、死亡推定日まで、自分の余命はあと、○日と指折り数えていました。中央値ではなく、最悪値としての余命を言う臨床医もいますが、やはり数字を言うことは、患者さんはかなり数字にとらわれてしまいがちですし、誤解も生じやすいため、数字を言うことは慎重にすべきです。可能性・確率を言わない断定的な余命告知することは患者さんを傷つけるだけだと思います。残念ながら、未だがん専門施設でも断定的な余命告知をしている現状があります。大切なことは余命告知ではありません。海外では、余命告知ということはあまり議論にはなっていません。余命というものが、不正確であり、予測不可能なことが多いからです。余命を患者さんに告げることよりも、end of life discussionと言って、どのように最後を迎えるか、どのように生きるかということについて、医療者と患者が話し合いをすることを、ASCO(米国臨床腫瘍学会)でも勧めています。日本でも、このことが必要だと思います。参考:腫瘍内科医 勝俣範之のブログ がん患者さんの食事について。生ものを避けるようにいわれますが、実際にはどのようにアドバイスしたらよいでしょうか?生ものについてのエビデンスなどはあるのでしょうか?生ものを摂取して感染症の発症率が上昇するというエビデンスはありません。ASCOでも、抗がん剤の最中に生ものを避ける必要はないと述べています。血液腫瘍など抗がん剤による強力な免疫抑制が懸念されるのでない限り、生ものでもなんでも好きなものを食べてください、と患者さんへアドバイスすべきでしょう。生ものを避けるより、口腔内に発生する細菌を考慮した口腔ケアの方が重要だと思います。なお、マスクの着用に関しても実はエビデンスはありません。自分の病原菌を周囲に散布しないようにすることはできますが、他人からの感染を予防できるというエビデンスはないのです。

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トラスツズマブ術後治療1年投与と2年投与の比較-ランドマーク解析-(コメンテーター:勝俣 範之 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(129)より-

乳がん治療は、ここ10年間で大きく変革した。それは、乳がんの増殖因子であるHER2に対する抗体治療薬であるトラスツズマブの登場による。従来の抗がん剤治療は、殺細胞薬といって、がん細胞も正常細胞も見境なく殺してしまうものしかなく、患者は副作用に苦しむことを余儀なくされていた。1990年代後半から、がん細胞に特異的に発現しているさまざまな分子に対する分子標的治療薬の開発が行われ、分子標的治療薬は、副作用が少ない治療薬ということで注目を浴びた。血液腫瘍ではグリベックが開発され、固形腫瘍で最初に開発された薬剤が、トラスツズマブである。 トラスツズマブは、HER2陽性転移性乳がんのRCT(ランダム化比較試験)で全生存期間の改善を証明し1)、乳がん治療の歴史を変えた。続いて、術後補助療法のRCTでも無病生存率の改善を示し2), 3)、乳がん治療のスタンダードとなった。本論文は、乳がん術後補助療法のRCTのHERA study3)の追跡結果の報告である。 追跡期間の中央値8年での結果であるが、トラスツズマブ1年間投与群と、2年間投与群の比較をランドマーク法を用いて解析している。ランドマーク法とは、経過観察中のある時点(ランドマーク)までにイベントが発生したかどうかにより対象症例を群分けし、その時点から生存曲線を描く手法である4)。治療開始から1年の時点を起算日(ランドマーク)にして解析を行った結果、1年と2年での無病生存期間には差はなかった(HR 0.99, 95%CI 0.85-1.14, P=0.86)。ランドマーク解析はITT解析ではなく、本来のITT populationから、それぞれの群で、147例、150例除外されて解析されている(Figure 1)ので、バイアスがかかるのではないか?という懸念がある。この試験は、RCTであるので、わざわざランドマーク解析を行わなくてよいと思われる。実際には、最初の1年間は、トラスツズマブを同様に投与されるので、バイアスがかかる余地はほとんどないと思われるが、ITT解析の結果も示して、同様の結果になったといって欲しかったところである。 この試験のもう1つのポイントは、8年のフォローアップ後、トラスツズマブ1年投与群と投与しなかった群と比べて、全生存期間でトラスツズマブ群が優っていたという点である。実は、セカンダリーエンドポイントである全生存期間については、これまでに、追跡期間中央値で1年、2年、4年の時点の3回の報告がある3), 5), 6) 。全生存期間のHR(ハザード比)は、1年、2年、4年、今回の8年のフォローアップ時点で、それぞれ、0.76, 0.66, 0.85, 0.76とかなり変動していて、1年時3)と、4年時6)では、P値がそれぞれP=0.26, P=0.1087と、有意差がない状況になっている。4年時に全生存期間に有意差がなかったことに対する解釈としては、トラスツズマブ投与なし群の患者が、かなりクロスオーバーしてトラスツズマブを受けたことによるのであろうと考察されていた。しかし、8年時の今回の解析では、有意差がついた結果(P=0.0005)となった。 本論文では、クロスオーバーがあったとしてもやはり、トラスツズマブが有効であり、早く治療することが良かったのであろうと考察されている。8年時の今回の解析が行われず、4年時の解析で終わっていたとすれば、トラスツズマブが全生存期間を改善することはできなかったと解釈されていた恐れがある。また、今後さらなる長期フォローアップがなされたら、データが変わってくる可能性も考えられる。 臨床試験のセカンダリーエンドポイントやサブグループ解析の解釈や、生存解析を何度も行っている場合の解釈には慎重でなければならない。臨床試験の解析は、基本的には、プライマリーエンドポイントに対する解析のみ統計学的に正当化される。サブグループ解析を繰り返すと、多重解析となり、偽陽性や偽陰性を引き起こすことが多くなるため、注意が必要である。Japanese Journal of Clinical Oncology投稿に際しての統計解析結果のレポートに関するガイドラインhttp://www.oxfordjournals.org/our_journals/jjco/for_authors/jap.guideline.pdf参考文献1) Slamon DJ et al. N Engl J Med. 2001; 344: 783-792.2) Romond EH et al. N Engl J Med. 2005; 353: 1673-1684.3) Piccart-Gebhart MJ et al. N Engl J Med. 2005; 353: 1659-1672.4) Anderson JR et al. J Clin Oncol. 1983; 1: 710-7195) Smith I et al. Lancet. 2007; 369: 29-36.6) Gianni L et al. Lancet Oncol. 2011; 12: 236-244勝俣 範之先生のブログはこちら

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葉酸摂取は双極性障害の治療に有効

双極性障害の治療に葉酸が有効である可能性について、米国・マサチューセッツ総合病院のJi Hyun Baek氏らがレビューを行った結果を報告した。葉酸は、気分障害の治療に最も広く用いられている栄養補助食品の1つである。Baek氏らは、葉酸の代謝について調べるとともに、双極性障害との関連およびその治療可能性について検討した。Australian & New Zealand Journal of Psychiatry誌オンライン版2013年8月22日号の掲載報告。 レビューは、2012年までに発表されたPubMedおよびCochrane Libraryにて関連論文を検索し、背景情報、作用機序、臨床試験の結果をレビューした。得られた主な所見は以下のとおり。・葉酸は、モノアミン合成とホモシステイン調節にとって重大なメチル化反応に関係する基本的な補因子である。・メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(NAD(P)H)の共通の遺伝子異型(MTHFR)による機能的欠損が、双極性障害の症状に影響を及ぼすこともありうる。・双極性障害の治療に気分安定薬として一般的に用いられるバルプロ酸ナトリウム(商品名:デパケンほか)とラモトリギン(同:ラミクタール)は、葉酸とホモシステイン代謝を潜在的に阻害する可能性がある。・先行研究において、うつ病治療についての葉酸の有効性は一貫して支持されている。1試験では、躁病の治療における有効性が示されていた。・生化学的な転換を必要としない葉酸製剤は、双極性障害の治療に有益となる可能性がある。・以上のようにレビューの結果、葉酸服用は、双極性障害の治療に有効な可能性があった。また、共通の遺伝子異型MTHFRが、葉酸服用の治療効果に影響する可能性があった。葉酸製剤は、気分安定薬に関連する葉酸欠乏を潜在的に修正することが可能であり、モノアミン合成の正常化に寄与し、アウトカムを改善する可能性があった。関連医療ニュース 日本人のうつ病予防に期待?葉酸の摂取量を増やすべき うつ病患者の食事療法、ポイントは「トリプトファン摂取」 うつ病補助療法に有効なのは?「EPA vs DHA」

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抗血小板薬の診断時と周術期の2回に分ける分割投与/NEJM

 待機的経皮冠動脈インターベンション(PCI)を受ける非ST上昇型(NSTE)急性冠症候群患者へのプラスグレル(本邦では承認申請中)投与について、診断時に投与する前治療の有意な有効性、安全性は認められなかったことが、フランス・ピティエ-サルペトリエール病院のGilles Montalescot氏らによるACCOAST試験の結果、示された。P2Y12受容体阻害薬プラスグレルは、第三世代の新規抗血小板薬で、NSTE急性冠症候群患者への有効性が示されている。しかし、投与のタイミングによる影響は不明であった。著者は、今回の結果は、プラスグレルの治療戦略は冠血管造影後とすることを支持するものであったと結論している。NEJM誌オンライン版2013年9月1日号掲載の報告より。診断時投与と冠血管造影後投与の有効性を比較 ACCOAST試験は、待機的PCIを要する患者へのプラスグレル投与について、診断時投与と冠血管造影後投与の有効性を比較することを目的とした無作為化二重盲検試験であった。 試験には、トロポニン陽性を示し、無作為化後2~48時間以内に冠動脈造影が予定されていたNSTE急性冠症候群患者4,033例が登録された。被験者は、2,037例がプラスグレル前治療群(負荷量30mg)に、1,996例がプラセボを投与する群に無作為に割り付けられた。前治療群は、PCI時にプラスグレル30mgが追加投与され、プラセボ群にはPCI時にプラスグレル60mgが投与された。前治療は30日間の重大虚血性イベントを減少しない 結果、有効性についての主要複合エンドポイント(無作為化後7日間の、心血管系の原因による死亡・心筋梗塞・脳卒中・緊急血行再建術・GP IIb/IIIa阻害薬の緊急投与の必要性の複合)の発生は、両群間で有意差はみられなかった(前治療に対するハザード比:1.02、95%信頼区間[CI]:0.84~1.25、p=0.81)。 安全性についてのキーエンドポイント(無作為化後7日間の、冠動脈バイパス術[CABG]関連あり・なしにかかわらないあらゆるTIMI重大出血エピソード)の発生は、前治療群で有意に増大した(ハザード比:1.90、95%CI:1.19~3.02、p=0.006)。個別にみると、非CABG関連のTIMI重大出血は3倍(同:2.95、1.39~6.28、p=0.003)、非CABG関連の命に関わる出血は6倍(同:5.56、1.63~19.0、p=0.002)の増大であった。 前治療について、PCIを受けた患者のみの解析においても(PCI施行率68.7%、前治療後中央値4.3時間)、7日時点の主要アウトカムは減少せず、TIMI重大出血発生の増大がみられた。 以上の結果は、30日時点の評価においても、すべて確認された。 著者は、「入院後48時間以内のPCI施行が予定されたNSTE心筋梗塞患者において、診断時にプラスグレルを投与する前治療は、30日間の重大虚血性イベントを減少せず、重大出血合併症を増大した。結果は、PCIを実際に施行された患者における解析でも一致がみられ、プラスグレルの治療戦略は冠動脈解剖学的所見の分析後に行うことを支持するものである」と結論している。

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睡眠障害は痛覚過敏を誘発する

 慢性疼痛患者では睡眠障害が非常によくみられることから、睡眠障害や睡眠不足と疼痛知覚との関連の解明が重要な研究課題となっているが、これまでのところヒトにおける研究で一貫した結果は得られていない。ドイツ・ハイデルベルグ大学のSigrid Schuh-Hofer氏らは、健常人において、全断眠(TSD)は全般的な痛覚過敏を誘発するとともに状態不安を高めることを示した。TSDは睡眠障害の痛覚過敏作用の病理学的機序を解明する疼痛モデルとして役立つ可能性がある、とまとめている。Pain誌2013年9月号(オンライン版2013年5月11日号)の掲載報告。 健常者14人(女性6人、男性8人、平均23.5±4.1歳)を対象に、クロスオーバー法により、全断眠(TSD)と通常睡眠後の体性感覚プロファイルについて網羅的感覚機能評価を用い比較検討した。 主な結果は以下のとおり。・一晩のTSD後は、眠気のレベルが有意に上昇し(p<0.001)、状態不安検査スコアも有意に増加した(p<0.01)。・熱(p<0.05)および鈍的圧力(p<0.05)に対する痛覚過敏に加え、寒冷に対する痛覚過敏(p<0.01)や、針を刺すといった機械的痛覚感受性(p<0.05)も増加したが、時間的加重による変化はなかった。・矛盾熱感または動的アロディニアはみられなかった。・非侵害受容器の検出閾値に変化はなく、TSDは侵害受容器を選択的に変化させた。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・脊椎疾患にみる慢性疼痛 脊髄障害性疼痛/Pain Drawingを治療に応用する・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?

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消化性潰瘍、5人に1人がH.pylori感染やNSAIDs/アスピリン内服と関連なし

 フランスの総合病院では、消化性潰瘍患者の5人に1人がヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)感染ともNSAIDs/アスピリン内服とも関連のない特発性潰瘍であることが、仏・ヴィルヌーヴ・サン・ジョルジュ病院消化器内科 C.Charpignon氏らによる研究で明らかになった。Alimentary pharmacology & therapeutics誌オンライン版2013年8月27日号の報告。 現在、H.pylori感染やNSAIDs/アスピリンの内服と関連のない消化性潰瘍について議論されている。本研究では、フランスの総合病院32施設の消化性潰瘍患者を対象に、消化性潰瘍の疫学的および臨床的特徴について1年以上にわたり前向きに調査した。H.pylori感染は、組織学的検査、血清学的検査、13C-尿素呼気試験により診断した。NSAIDsやアスピリンの服薬状況、合併症についてのデータは、内視鏡検査当日にカルテや聞き取りによって調査した。 主な結果は以下のとおり。 ・2009年の間に試験に登録された消化性潰瘍患者933例のうち、びらん性十二指腸炎や、他の原因による潰瘍を認めた症例などを除外した713例を以下の4群に分類した。 H.pylori(+)、NSAIDs/アスピリン内服なし 285例(40.0%) H.pylori(+)、NSAIDs/アスピリン内服あり 141例(19.8%) H.pylori(-)、NSAIDs/アスピリン内服あり 133例(18.7%) H.pylori(-)、NSAIDs/アスピリン内服なし 154例(21.6%)・H.pylori陰性で、NSAIDsやアスピリンの内服もしていない特発性潰瘍の患者の割合は21.6%であった。・特発性潰瘍患者の臨床的特徴はH.pylori陽性患者、NSAIDs/アスピリン内服患者と多くの点で異なっていた。・多変量解析の結果、年齢、都会生まれ、合併症が特発性潰瘍の独立した予測因子であることがわかった。・以上の結果により、フランスの総合病院では、消化性潰瘍患者の5人に1人がH.pylori感染ともNSAIDs/アスピリン内服とも関連のない特発性潰瘍であることが明らかになった。

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ERS2013でTIOSPIR試験の全容を発表

 COPD治療の標準薬となっているチオトロピウム(商品名:スピリーバ)はハンディへラー(ドライパウダー製剤)とレスピマット(MDI:定量噴霧型製剤)の2つの吸入製剤を持つ。しかしながら、近年レスピマットにおいて死亡率増加の可能性を指摘するpooled analysisが発表された。そのため、COPD患者を対象としたチオトロピウムレスピマットの安全性および有効性に関する大規模試験TIOSPIR(TIOtropium Safety and Performance In Respimat)が行われた。New England Journal of Medicine誌にて報告されたその結果(http://www.carenet.com/news/head/carenet/36078)について、9月8日、2013年欧州呼吸器学会(ERS)にて、米国ジョンズ・ホプキンス大学のRobert A.Wise氏より発表された。 TIOSPIR試験は無作為二重盲検、スピリーバレスピマット2.5μgおよび5μg vsスピリーバハンディヘラー18μg の3アーム、ダブルダミーで行われた(レスピマット2.5μgは試験用量)。各群とも治療開始後6週目と12週目に評価し、その後は12週ごと2~3年間にわたり評価した。 プライマリエンドポイントは、死亡率(スピリーバレスピマット2.5μgおよび5μgのハンディヘラー18μgに対する非劣性)。および初回COPD増悪リスク(レスピマット5μgのハンディヘラー18μgに対する優越性)であった。患者条件は ・40歳以上の男女 ・10pack-years以上の喫煙歴を有する ・COPDと診断されている ・FEV1/FVC 70%以下 ・予測FEV1 70%以下 ・ハンディヘラー、レスピマットとも吸入可能などであった。また、実臨床に近い状況とするため、抗コリン薬以外のCOPD基礎治療薬は許可された。 一方、COPD以外の肺疾患、4週間以内の増悪、不安定な心臓疾患を有する患者(6ヵ月以内心臓発作、心筋梗塞、1年以内の致死的なうっ血性心不全、不整脈)、不定期なステロイドの使用例などは除外された。 2010年5月から2011年4月までの期間に患者登録され、50ヵ国1,200施設以上の医療機関で実施された。無作為割り付け対象は、17,183例で、治療17,135例であった。3群間の患者背景に差はなかった。治療期間の中央値は835日(約2.3年)と長期にわたった。<結果> 全死亡率はレスピマット2.5μg群 7.7%、レスピマット5μg群 7.4%、ハンディヘラー18μg群 7.7%で、対ハンディヘラー18μg群のHRはレスピマット2.5μg群 1.00(0.87~1.14)、レスピマット5μg群 0.96(0.84~1.09)であった。レスピマットはいずれの用量でもハンディヘラーとの非劣性が認められた(inferiority margin 1.25)。  死亡例のうち心血管系による死亡は、レスピマット2.5μg群 2.1%、レスピマット5μg群 2.0%、ハンディヘラー18μg群 1.8%で、対ハンディヘラー18μg群のHRはレスピマット2.5μg群 1.17(0.90~1.53)、レスピマット5μg群 1.11(0.85~1.45)であった。なお、不整脈の既往のある患者の死亡は、レスピマット2.5μg群 13.1%(HR 1.02)、レスピマット5μg群 10.6%(HR 0.81)、ハンディヘラー18μg群 12.9%で、対ハンディヘラー18μg群のHRはレスピマット2.5μg 1.02(0.74~1.39)レスピマット5μg群 0.81(0.58~1.12)であった。 増悪については、レスピマット2.5μg群49.4%、レスピマット5μg群47.9%、ハンディヘラー8μg群48.9%で、レスピマット5μg群対ハンディヘラー18μg群のHRは 0.98(0.93~1.03)、p=0.42と同等の結果であった(2.5μg群は49.4%、HR 1.02 [0.96~1.07])。 以上の結果から、チオトロピウムレスピマット2.5μgと5μgはチオトロピウムハンディヘラー18μgと同等の安全性と有効性プロファイルを有する事が示されたとWise氏は述べた。 また、テキサス大学のAntonio Anzueto氏は、期間中に開催されたプレスセミナーにて、以下のようにコメントした。「過去のPooled Analysisは期間が長くなく、対象患者数も十分とはいえない。今回の1万7千例を超える患者を2年以上追跡したTIOSPIRの結果は、過去の報告結果とは一線を画すものだといえる。さらに、世界50ヵ国、1,200施設という非常に多様な患者を対象にした点はCOPDの多様性を反映しており、また実臨床の薬剤の使用も許可したという点で、Real Worldを反映している試験だといえよう。レスピマットの簡便性は患者にとっても恩恵であり、今回の試験結果で使用の障壁は下がる可能性がある。ただし、この試験結果がすべての患者をカバーできるわけではない、医師は各々の患者のリスクを評価して薬剤を使用すべきである」。

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『COPD研究』厳選Pick Up ~海外と日本の見解を比較~

厚生労働省の「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針{健康日本21(第2次)}」では、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の認知度を2011(平成23)年の25%から2022(平成34)年度には80%まで向上させることを目標に掲げている。これにより、今後、国を挙げてCOPDの診断と治療を推し進める方針が示されたといえるであろう。COPD関連の大規模試験は欧米主体のものが多いのは事実であるが、国内でもCOPD関連の研究が集積されつつある。そこで今回、国内外におけるCOPD関連の興味深いテーマをいくつかピックアップし、紹介する。COPDには合併症や併存症が潜んでいるこれまで肺の疾患とされてきたCOPDだが、近年は、全身性の炎症性疾患と考えられており、さまざまな合併症や併存症との関係が報告されている(Fabbri L.M, et al. Eur Respir J. 2008; 31: 204-212.)。米国で行われたCOPDと臨床的に関連のある併存症の有病率の横断的大規模調査であるNHANES(米国全国健康・栄養調査) 1999-2008 (Schnell K, et al. BMC Pulm Med .2012; 12: 26.)においても、COPD患者は、COPDではない患者と比較し、循環器疾患や骨粗鬆症、がんなどを併存する割合が有意に高いことが示された。以下の論文は、そのなかでも、COPDと同様、労作時の息切れが主訴であるため、COPDが見逃される可能性のある“心不全”について取り上げている。【海外】2003年3月から2004年12月までの間に米国の259施設より登録された心不全患者のうち、左心収縮機能障害の患者は2万118例で、このうち25%にあたる5,057例がCOPDを併存していた。Mentz RJ, et al. Eur J Heart Fail. 2012; 14: 395-403.【日本】労作時の息切れの鑑別あるいは手術前検診にて、心エコー検査と呼吸機能検査を同時期に施行された患者1,699例において後ろ向きに検討を行ったところ、左室拡張機能障害を有する患者では26%で閉塞性換気障害を認めた。Onishi K, et al. Therapeutic Research. 2009; 30: 807-812.簡便にCOPD患者の健康状態を把握するには?COPD患者のマネジメントを行ううえで、健康状態を常に把握することは重要である。これまでも、COPD患者に対する質問表はあったが、手間や時間を必要とするものも多かった。このような背景の中、開発されたのがCOPD Assessment TestTM(CAT)である。CATは全8項目の短く簡便な質問票であり、より的確な治療や管理を受けられることを目的に開発された。すでに日本語版(http://adoair.jp/disease_info/cat/index.html)もリリースされている。従来の質問票と比べて、CATに妥当性はあるのか。その検証結果を紹介する。【海外】米国の安定期のCOPD患者において、CATとCOPDに特異的な健康関連QOLの評価指標の一つとして広く用いられてきたSGRQ-C(St George's Respiratory Questionnaire for COPD patients)との間に良好な相関関係が認められた(r=0.80, p<0.0001)。Jones PW, et al. Eur Respir J. 2009; 34: 648-654.【日本】相澤氏はJones氏にCATとSGRQ-Cの提供を依頼し、日本人の安定期のCOPD患者についてもCATとSGRQ-Cの関係を検討したところ、同様に相関性が認められた(r=0.82, p<0.001)。相澤久道ほか. 呼吸. 2010; 29: 835-838.気腫型のCOPDは非気腫型より1秒量(FEV1)の経年的低下が大きいCOPDにおいて、FEV1の経年的低下量はアウトカムを判定するうえで重要な指標となる。しかしながら、気腫型のCOPDか非気腫型のCOPDかで、FEV1の経年的低下量に違いがあるかについては、あまり検討されていなかった。【海外】COPD患者について3年間にわたり気管支拡張薬でマネジメントを行い、FEV1の変化を調べた。その結果、胸部CT検査により気腫型(低吸収領域が10%未満)とされた群では、非気腫型の群と比較して、FEV1が平均で327±21mL低く、経年的低下量も13±4mL低かった。Vestbo J, et al. N Engl J Med. 2011; 365: 1184-1192.【日本】北海道大学病院を中心とした多施設共同のCOPD前向きコホート研究では、COPDのFEV1の経年的変化は必ずしもすべての症例で一様に進行・悪化していなかった。さらに、肺気腫の重症度による病型(気腫型/非気腫型)は呼吸機能検査でみた重症度とは独立して、FEV1の経年的変化に影響を与えていた。Nishimura M, et al. Am J Respir Crit Care Med. 2012; 185: 44-52.西村 正治ほか. 日内会誌. 2013; 102:463-470.3次元胸部CTでCOPDの診断や治療効果を判断できる可能性COPDを診断する場合や治療の経過をみる場合、呼吸機能の数値や臨床症状から判断することが多かった。しかし、3次元胸部CT で気管支壁厚を計測することも、COPDの診断や経過観察を行ううえで有用であることが報告されている。これまで気管支径の測定は各CTスライスに対して手動による抽出が行われてきた。3次元胸部CTは早期から、わが国で積極的に研究が行われてきた分野であり、早期の臨床応用が期待されている。【海外】気道のリモデリングは喘息やCOPDでは一般的な特徴である。しかし、両者を鑑別することが難しいケースが存在する。このような場合に、気道壁の変化やエアートラッピングの量を3次元胸部CTで測定することにより、潜在的な喘息やCOPDの複雑な病理を明らかにし、治療効果を評価するうえでの手助けとなるかもしれない。Dournes G, et al. Pulm Med. 2012;2012:670414.【日本】COPD患者の気流制限は吸入抗コリン薬により改善されることが知られているが、どの部分の気管支拡張が呼吸機能を改善させているのかについてはあまり知られていなかった。そこで吸入抗コリン薬を投与した後、気道内腔のどの部分で変化が起こり、呼吸機能が改善されるのかを3次元胸部CTにより検討した。その結果、抗コリン薬による気管支拡張はFEV1の改善と比例しており、近位の気道より、遠位の気道の拡張のほうが呼吸機能の改善への寄与が大きいことがわかった。Hasegawa M, et al. Thorax. 2009; 64: 332-338.(ケアネット 鎌滝真次)

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アリピプラゾール治療を見極めるタイミングは何週目か

 抗精神病薬の治療効果を見極めるタイミングは難しい。韓国・全北大学医学部のPark Jong-Il氏らは、初回エピソード精神疾患におけるアリピプラゾール治療の有効性および安全性を確認するとともに、同治療の3週時点の反応が2週時点の反応よりもその後の反応を正確に予測することが示されたことを報告した。International Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2013年8月21日号の掲載報告。 研究グループは、初回エピソード精神疾患の治療について、アリピプラゾールの有効性と安全性を調べること、また同治療の早期反応と後発反応の関連について調べる、6週間の非盲検多施設共同試験を行った。被験者は、DSM-IV診断分類で、統合失調症様障害、統合失調情動障害、統合失調症、あるいはその他の特定できない精神障害を有した59例であった。主要評価尺度は、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、Clinical Global Impression-Severity(CGI-S)尺度であった。安全性の評価は、薬物関連有害事象、体重、脂質関連変数の測定にて行った。また、2週時点、3週時点の反応がその後の6週時点の反応をどの程度予測するかについて感度、特異度、陽性適中率、陰性適中率を算出した。 主な結果は以下のとおり。・被験者59例のうち、38例が6週間の試験を完了できた。・アリピプラゾール治療は、PANSSとCGIスコアにおいて、時間とともに有意な改善を示した。・治療反応率(ベースラインから最終観察までのPANSS総スコアの減少が30%以上と定義)は、69.1%であった。・後発反応を最も正確に予測した(陰性適中率と特異度による)のは、ベースラインから3週時点のPANSS総スコア20%以上の減少であった。・アリピプラゾールの副作用による負荷はわずかであった。体重および代謝への副作用に関しては安全なプロファイルの特徴が示された。・以上から、アリピプラゾールは初回エピソード精神疾患の治療において有効かつ安全であることが示された。治療反応は3週時点のほうが2週時点よりも、その後の反応を正確に予測した。関連医療ニュース 抗精神病薬の効果をどのタイミングで見極めるべきか? どのタイミングで使用するのが効果的?統合失調症患者への持効性注射剤投与 維持期統合失調症でどの程度のD2ブロックが必要か

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イソトレチノインの新製剤は吸収率が2倍に

 にきび治療薬として世界中で使用されているイソトレチノイン(国内未承認)は、吸収率を至適なものとするために高脂肪食の摂取が必要とされるが、脂肪食を摂取しない場合に吸収率を高める新しい製剤が開発され、米国食品医薬品局(FDA)において承認されたという。米国・ジェファーソン医科大学のGuy F. Webster氏らは、その薬物動態について従来製剤との比較を行った。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2013年8月13日号の掲載報告。 研究グループは、イソトレチノインの新製剤(isotretinoin-Lidose)の薬物動態について、従来製剤と比較する、非盲検単回投与無作為化4治療群クロスオーバー比較試験を行った。本検討において製剤の投与は、絶食状態下(一晩断食)と摂食状態下において行われた。 主な結果は以下のとおり。・両製剤は生物学的に同等の条件下で摂取された。・絶食状態における吸収は、予想されたとおり、両剤とも吸収率は低下した。・絶食状態において起きた両製剤間の大きな差は、新製剤の全体的なバイオアベイラビリティが改善したことであった。・絶食状態における投与の新製剤の血漿中平均値は、摂食状態下の66.8%に達した。一方、従来製剤では39.6%にとどまった。・上記の結果から著者は、「一晩断食後に投与した場合、新製剤のイソトレチノインは、従来製剤と薬物動態学的プロファイルは同等であるが、イソトレチノインおよび4-oxo-イソトレチノインの吸収率は2倍であることが認められた」と結論している。

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仕事と家庭の両立への悩み、女性ではうつ病リスク

 「仕事-家庭葛藤(Work-home interference: WHI)」すなわち仕事と家庭の両立における葛藤の程度には男女差がみられ、WHIが高度な女性は大うつ病になりやすいことなどが、スウェーデン・ストックホルム大学のMagnusson Hanson LL氏らによる長期研究の結果、示された。WHIとうつ病性障害が関連するか否かに関する長期研究は、これまでほとんど行われていないという。Scandinavian Journal of Work, Environment and Health誌オンライン版2013年8月21日号の掲載報告。 研究グループは、国民を代表する集団を対象に、WHIと大うつ病指標の関連についてプロスペクティブな評価を行った。具体的には、Swedish Longitudinal Occupational Survey of Health(SLOSH)に参加した大うつ病歴および抗うつ薬使用歴のない就労者、男性1,576例、女性1,678例を対象とし、多重ロジスティックおよびCox回帰モデルを用いて、自己報告によるWHIと大うつ病疑い[(Hopkins)Symptom Checklistに基づく簡易自己報告スケールが高スコア]ならびに抗うつ薬による新規治療(処方薬レジスターに基づく)との関連を調べた。観察期間は2年間であった。 主な結果は以下のとおり。・WHIが高度(かなりしばしば/常時)の例が7%、中程度(時々)の例が32%にみられた。・解析結果から、とくに高度WHIと大うつ病や抗うつ薬治療(両方またはどちらか)とがプロスペクティブに関連することが示唆された。同関連は、仕事の時間要因や裁量度(demands、control、support、overtime)などの就労状況で調整した場合も同様であった。・「大うつ病疑い」が惹起される状況に、性別による相違がみられた。別の解析により、WHIが高度な女性においてのみ、大うつ病が有意に惹起されやすいことが示唆された。・また、とりわけ男性で抗うつ薬治療率が高く、これは仕事の内容と一部関連していること、大うつ病は高度のWHIと関連していることなども示唆された。・以上のように、2年間の観察において、高度のWHIは大うつ病と抗うつ薬治療(両方またはどちらか)と関連しており、その影響は性別により若干異なることが明らかになった。関連医療ニュース SRIは月経前症候群の治療に有用か? 「抑うつ+過度な飲酒」その影響は? 仕事のストレスが大きいほど、うつ病発症リスクは高い:獨協医科大学

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肺動脈性肺高血圧症に新薬の有効性が示される―新規デュアルエンドセリン受容体拮抗薬―/NEJM

 肺動脈性肺高血圧症(PAH)の治療において、マシテンタン(国内未承認)はイベント発生および死亡を有意に抑制することが、メキシコ・Ignacio Chavez国立心臓研究所のTomas Pulido氏らが行ったSERAPHIN試験で示された。現行のPAH治療薬(エンドセリン[ET]受容体拮抗薬、ホスホジエステラーゼ5[PDE5]阻害薬、プロスタサイクリンなど)は、運動耐容能を主要評価項目とする短期的な試験(12~16週)に基づいて臨床導入されているという。デュアルET受容体拮抗薬マシテンタンは、ET受容体拮抗薬ボセンタンの化学構造を改良して有効性と安全性を向上させた新規薬剤で、受容体結合時間の延長と組織透過性の増強を特徴とする。NEJM誌2013年8月29日号掲載の報告。長期投与の有用性を、イベント発生を指標に無作為化試験で評価 SERAPHIN試験は、症候性PAH患者の治療におけるマシテンタン長期投与の有用性を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化試験。対象は、年齢12歳以上で、特発性または遺伝性PAH、結合組織疾患関連PAH、先天性全身肺シャントに伴うPAH、薬物・毒物に起因するPAHであった。 被験者は、プラセボ、マシテンタン3mg、同10mgをそれぞれ1日1回経口投与する群のいずれかに無作為に割り付けられた。試験登録時に、PAH治療としてET受容体拮抗薬を除く経口薬または吸入薬を安定的に使用していた患者は、併用してよいこととした。 主要評価項目は、治療開始から複合エンドポイント[死亡、心房中隔裂開術、肺移植、プロスタノイド(静注または皮下投与)の開始、PAH増悪]の初回発生までの期間であった。既治療例、未治療例の双方に有効 2008年5月~2009年12月までに39ヵ国151施設から742例が登録され、プラセボ群に250例、マシテンタン 3mg群に250例、同10mg群に242例が割り付けられた。平均治療期間は、それぞれ85.3週、99.5週、103.9週であった。 ベースライン時の全体の平均年齢は45.6歳、女性76.5%、PAH診断後の期間2.7年、特発性PAH 55.0%、結合組織疾患関連PAH 30.5%、6分間歩行距離360m、PDE5阻害薬の使用61.4%、経口または吸入プロスタノイドの使用5.4%、抗凝固療法51.2%であった。 複合エンドポイントの発生率は、プラセボ群が46.4%、3mg群が38.0%、10mg群は31.4%であった。プラセボ群に対する3mg群のハザード比(HR)は0.70(97.5%信頼区間[CI]:0.52~0.96、p=0.01)、10mg群のHRは0.55(97.5%CI:0.39~0.76、p<0.001)であり、いずれも有意な差が認められた。複合エンドポイントのうち、PAH増悪の頻度が最も高かった(プラセボ群:37.2%、3mg群:28.8%、10mg群:24.4%)。 6ヵ月時の6分間歩行距離は、プラセボ群が平均9.4m短縮したのに対し、3mg群は7.4m(p=0.01)、10mg群は12.5m(p=0.008)有意に延長した。また、6ヵ月時のWHO機能分類はプラセボ群が平均13%改善したのに比べ、3mg群は20%(p=0.04)、10mg群は22%(p=0.006)有意に改善した。 有害事象の発症率はプラセボ群が96.4%、3mg群が96.0%、10mg群は94.6%で、重篤な有害事象の発症率はそれぞれ55.0%、52.0%、45.0%であった。マシテンタン群で頻度の高い有害事象として、頭痛、鼻咽頭炎、貧血が認められた。 著者は、「このイベント主導型試験では、マシテンタンによる長期的な治療はPAH患者のイベント発生および死亡を有意に抑制した」とまとめ、「マシテンタンの効果は、ベースライン時のPAH治療の有無にかかわらず認められた」としている。

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1位ブルーベリー、2位ブドウ、3位リンゴ:糖尿病の発症リスクが低いフルーツ/BMJ

 果物摂取と2型糖尿病リスクとの関連性について、果物の種類によって差があること、また果物そのものよりもジュースのほうがリスクは高いことが、米国・ハーバード大学公衆衛生学部のIsao Muraki氏らの検討で明らかとなった。多くの慢性疾患の一次予防で果物の摂取が推奨されているが、疫学調査では2型糖尿病に関して相反する結果の報告があるという。これらの不一致は、果物の種類や被験者の背景因子などの違いで説明可能とされるが、その検証は十分には行われていなかった。BMJ誌オンライン版2013年8月28日号掲載の報告。10種の果物につき、約18万8,000人の医療従事者のデータを解析 研究グループは、果物の種類によって2型糖尿病の発症リスクが異なるかを検証するために、医療従事者を対象とした3つの大規模な縦断的前向きコホート試験のデータの解析を行った。 Nurses’ Health Study(1984~2008年)、Nurses’ Health Study II(1991~2009年)、Health Professionals Follow-up Study(1986~2008年)の参加者のうち、ベースライン時に慢性疾患(2型糖尿病、心血管疾患、がん)がみられなかった者を対象とし、それぞれ6万6,105人(女性)、8万5,104人(女性)、3万6,173人(男性)について解析を行った。 食品摂取頻度質問票を用いて、標準的な1食分(1サービング)の果物(10種)の摂取状況を調査した。被験者は、9つの選択肢(「まったく食べないか、<1食/月」から「≧6食/日」まで)から1つを選んで回答した。ジュースはリンゴ、オレンジ、グレープフルーツなどについて調査した。 2型糖尿病の診断を受けたと答えた被験者には、症状、検査値、糖尿病治療薬に関する補足的な質問票を送付し、その回答に基づいて診断を確定した。ブルーベリー、ブドウ、リンゴに予防効果 346万4,641人年当たり1万2,198人が2型糖尿病を発症した。果物の総摂取量で5群(<4食/週、4〜6食/週、1食/日、2食/日、≧3食/日)に分けて解析したところ、摂取量の増加と2型糖尿病リスクの低下には相関が認められ、3食/週増加するごとにリスクが有意に低下した(調整統合ハザード比[HR]:0.98、95%信頼区間[CI]:0.96~0.99、p=0.002)。年齢で調整すると、すべてのコホートで個々の果物の摂取と2型糖尿病リスクとの逆相関の関連が認められた(p<0.001)。 個々の果物で相互調整を行い、それぞれ摂取量で5群(<1食/月、1〜3食/月、1食/週、2〜4食/週、≧5食/週)に分け、3食/週増加するごとの糖尿病リスクのHRを算出した。結果は、HRが低い順(糖尿病リスクの低下が大きい順)に下記のとおりで、ブルーベリー、ブドウ・干しブドウ、リンゴ・洋梨、グレープフルーツで糖尿病リスクの有意な低下が認められた。バナナとイチゴには、3つの試験間に有意な異質性がみられた(それぞれp<0.001、p=0.01)。 ブルーベリー0.74(95%CI:0.66~0.83、p<0.001)、ブドウ・干しブドウ0.88(同:0.83~0.93、p<0.001)、プルーン0.89(同:0.79~1.01、p=0.07)、リンゴ・洋梨0.93(同:0.90~0.96、p<0.001)、バナナ0.95(同:0.91~0.98、p=0.002)、グレープフルーツ0.95(同:0.91~0.99、p=0.02)、桃・プラム・アプリコット0.97(同:0.92~1.02、p=0.21)、オレンジ0.99(同:0.95~1.03、p=0.68)、イチゴ1.03(同:0.96~1.10、p=0.46)、メロン(カンタロープ)1.10(同:1.02~1.18、p=0.01)。 果物ジュースについては、摂取量が3食/週増加するごとに、2型糖尿病リスクが有意に増加した(HR:1.08、95%CI:1.05~1.11、p<0.001)。3食/週のジュースを同量の果物に換算すると、2型糖尿病リスクが7%低下し、個々の果物ではブルーベリーで33%、ブドウ・干しブドウで19%、リンゴ・洋梨で14%、バナナで13%、グレープフルーツで12%低下した。 著者は、「ブルーベリー、ブドウ、リンゴの摂取量が多いほど2型糖尿病リスクが低下するのに対し、ジュースの摂取量が多いとリスクは高くなることも示唆された」とまとめ、「果物の種類によるリスクの違いには、グリセミック指数(GI)やグリセミック負荷(GL)との関連はなかった」と指摘している。

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チオトロピウムのレスピマットとハンディヘラーの安全性は同等/NEJM

 COPD患者に対し、チオトロピウム(商品名:スピリーバ)レスピマット 5 μgと2.5 μgは、チオトロピウムハンディヘラー18μgと比べ、安全性と有効性が同等であることがジョンズ・ホプキンス大学のRobert A. Wise氏らにより報告された。NEJM誌オンライン版2013年8月30日号の掲載報告。 COPD患者を対象としたプラセボ対照試験では、レスピマット5μgとハンディヘラー18μgの効果は同等であった。しかしながら、ハンディヘラーはプラセボと比べ死亡率を減少させるが、レスピマットはプラセボと比べ死亡率を増加させるとの報告があった。 1万7,135例のCOPD患者を対象に、二重盲検無作為化群間比較試験(TIOSPIR試験)でレスピマット2.5 μg/日 もしくは 5 μg /日とハンディヘラー18μg/日の安全性と有効性を検討した。  プライマリエンドポイントは死亡リスク(レスピマット2.5 μg もしくは 5 μg vsハンディヘラー18μgの非劣性試験)と初回のCOPD増悪リスク(レスピマット5 μg vsハンディヘラー18μgの優越性試験)とした。また、心疾患の既往があるが安定している患者を含めた心血管系の安全性についても検討した。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間の平均は2.3年であった。・死亡リスクにおいて、レスピマットのハンディヘラーに対する非劣性が認められた。 ●レスピマット5 μg vsハンディヘラー18μg ハザード比0.96、95%信頼区間[CI]:0.84~1.09 ●レスピマット2.5 μg vs ハンディヘラー18μg ハザード比1.00、95%CI:0.87~1.14・初回のCOPD増悪リスクにおいて、レスピマットのハンディヘラーに対する優越性は示されなかった。 ●レスピマット5 μg vs ハンディヘラー18μg ハザード比0.98、95% CI:0.93~1.03・死亡原因や主要な心血管系の有害事象発現率はレスピマット2.5 μg 、5 μgとハンディヘラー18μgの3群間で同等であった。

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乾癬が就業に与えるリアルな影響

 イタリア・ナポリ大学のAyala.F氏らによって、中等症~重症乾癬患者における、就業への影響が調査された。それによると、乾癬の罹患が患者の就業に対して深刻な影響を及ぼし、雇用の機会、就業日数、将来への期待、収入を得る機会に影響することが報告された。乾癬が及ぼす身体的、心理社会的な影響のため、患者さんは充実した生活を送るのが難しいことがあるが、これまで就業関連への影響については、調査が十分とはいえなかった。J Eur Acad Dermatol Venereolオンライン版2013年8月21日掲載報告。 調査はイタリアの29施設の皮膚科で行われ、787例の被験者が登録された。被験者情報は、来院時の調査票により収集された。 主な結果は以下のとおり。・被験者787例は平均年齢50歳、64%が男性であった。なお、最も多く見られた病型は、尋常性乾癬であった(91.2%)。・調査時点の平均PASI(Psoriasis Area and Severity Index)スコアは10点、平均罹病期間は19年であった。・喫煙者は非喫煙者に比べ、PASIスコアが高かった(10.8 vs 9.4、p=0.02)・55%の被験者ではキャリアアップへの期待が少なかった。・42%の被験者が雇用状態改善の見込みが少なく、35%の被験者が収入を得る機会が減少していると回答した。・約60%の被験者が、乾癬の症状が手足に存在すると、就業が制限されると回答した一方で、実際に退職したのは約25%であった。・約37%の被験者が、検査や治療のために過去3ヵ月間で3~10日仕事を休んだ。・ロジスティック回帰分析によると、就業制限の有意な予測因子は性別、低学歴、病変の数、羞恥心、怒り、自尊心であった。

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