呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:15

治療転帰、男女医師で有意差~35研究のメタ解析

 これまでに、女性医師が治療した患者は男性医師が治療した患者よりも転帰が良く、医療費も低くなる可能性が報告されている。医師と患者の性別の一致も転帰に影響する可能性があるが、これまでの研究では有意差は確認されておらず、統合解析によるエビデンスはほとんどない。今回、米国・メイヨークリニックのKiyan Heybati氏らがランダム効果メタ解析を実施した結果、女性医師の治療を受けた患者は、男性医師の治療を受けた患者に比べ死亡率が有意に低く、再入院も少なかったことがわかった。BMC Health Services Research誌2025年1月17日号に掲載。

COVID-19パンデミック前後で医療の利用状況が大きく変化

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック前後で、国内医療機関の利用状況が大きく変わったことが明らかになった。全国的に入院患者の減少傾向が続いているという。慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュートの野村周平氏、東京海洋大学の田上悠太氏、東京大学のカオ・アルトン・クアン氏らの研究の結果であり、詳細は「Healthcare」に11月19日掲載された。著者らは、「入院患者数の減少は通常の状況下では医療システムの効率化の観点からポジティブに捉えられる可能性がある一方で、パンデミック期間中には超過死亡も観測されていることから、入院患者数の減少による国民の健康への潜在的な影響も排除できない」としている。

COPD、多遺伝子リスクスコア併用で診断能改善/JAMA

 医師による慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診断を受けたことがない成人において、従来の修正肺機能質問票(mLFQ)スコアにCOPD多遺伝子リスクスコア(polygenic risk score:PRS)を併用すると、mLFQのみによるアプローチと比較して、中等症~重症のCOPDの診断能が改善することが米国・Boston University Chobanian & Avedisian School of MedicineのJingzhou Zhang氏らの調査で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2025年1月22日号で報告された。  研究グループは、COPDが未診断の集団において、従来のリスク因子や呼吸器症状に関する質問票にCOPD PRSを加えると、COPDの同定が改善されるかを検証する目的で横断的なコホート研究を行った。

重大な副作用にアナフィラキシー追加、アルギニン含有製剤など/厚労省

 2025年1月29日、厚生労働省はアルギニン含有注射剤などに対して、添付文書の改訂指示を発出した。副作用の項に重大な副作用としてアナフィラキシーの追記がなされる。  対象医薬品は以下のとおり。 ◯プラスアミノ輸液(混合アミノ酸・ブドウ糖製剤) ◯ツインパル輸液(混合アミノ酸・ブドウ糖・無機塩類製剤) ◯ビーフリード輸液(その他の配合剤) ◯アルギU点滴静注(一般名:L-アルギニン塩酸塩) ◯アルギニン点滴静注(同)

血液検査でワクチン効果の持続期間が予測できる?

 幼少期に受けた予防接種が、麻疹(はしか)や流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)から、われわれの身を守り続けている一方、インフルエンザワクチンは、毎年接種する必要がある。このように、あるワクチンが数十年にわたり抗体を産生するように免疫機能を誘導する一方で、他のワクチンは数カ月しか効果が持続しない理由については、免疫学の大きな謎とされてきた。米スタンフォード大学医学部の微生物学・免疫学教授で主任研究員のBali Pulendran氏らの最新の研究により、その理由の一端が解明され、ワクチン効果の持続期間を予測できる血液検査の可能性が示唆された。

鳥インフルエンザによる死亡例、米国で初めて確認

 2024年12月、鳥インフルエンザにより入院していた米ルイジアナ州の住民が死亡した。米国初の鳥インフルエンザによる死亡例である。死亡した患者について同州の保健当局は、「65歳以上で基礎疾患があったと報告されている」と発表した。患者は、A型鳥インフルエンザウイルス(H5N1亜型)に感染した野鳥や個人の庭で飼育されていた家禽との接触により感染したという。なお、同州で他にヒトへの感染例は確認されていない。  米疾病対策センター(CDC)は1月6日付の声明で、「ルイジアナ州での死亡者について入手可能な情報を慎重に精査したが、一般市民に対するリスクは依然として低いとの評価に変わりはない。最も重要なのは、ヒトからヒトへの感染は確認されていないということだ」と強調している。

抗インフル薬、非重症者で症状改善が早いのは?~メタ解析

 重症ではないインフルエンザ患者に対する抗ウイルス薬の効果を調査した結果、バロキサビルは高リスク患者の入院リスクを低減し、症状改善までの時間を短縮する可能性があったものの、その他の抗ウイルス薬は患者のアウトカムにほとんどまたはまったく影響を与えないか不確実な影響であったことを、中国・山東大学のYa Gao氏らが明らかにした。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2025年1月13日号掲載の報告。  インフルエンザは重大な転機に至ることがあり、高リスク者ではとくに抗ウイルス薬が処方されることが多い。しかし、重症でないインフルエンザの治療に最適な抗ウイルス薬は依然として不明である。そこで研究グループは、重症ではないインフルエンザ患者の治療における抗ウイルス薬の有用性を評価するため、系統的レビューとネットワークメタ解析を行った。

「別れた後が地獄」職場内恋愛経験者は約半数!/医師1,000人アンケート

 医師は、結婚したい職業ランキングで上位の常連となっている。では、医師の結婚・恋愛事情は、どのようになっているのだろうか。CareNet.comでは、20~40代の医師1,003人を対象に、結婚・恋愛事情に関するアンケートを実施した(2024年12月25~31日実施)。本アンケートでは、パートナーの有無や出会いのきっかけ・取り組み、パートナーの方の職業、職場内恋愛の経験について聞いた。また、職場内恋愛のエピソードも募集した。

ベースアップ評価料の届出様式を大幅に簡素化/日医

 日本医師会(会長:松本 吉郎氏[松本皮膚科形成外科医院 理事長・院長])は、1月22日に定例会見を開催した。  はじめに松本氏が阪神・淡路大震災から30年を迎え、これまでの医師会の活動を振り返った。この大震災から得た教訓が現在のさまざまな災害対策の基礎となったこと、JMATの発足とともにチーム運営のためにさまざまな研修や関係政府機関や学会とも連携を進めていることなどを説明し、「南海トラフ地震に備え、医師会では地域の医師会とともに今後も取り組んでいく」と災害対策への展望を語った。

PM2.5が多いとマラソン選手の記録が低下する

 マラソン選手は良い記録を出すために、レース前やレース中に摂取する食べ物や飲み物に細心の注意を払う。しかし、新たな研究によると、レース時の大気汚染のレベルも、走行タイムを左右する因子の一つであることが明らかになった。大気汚染のレベルが高いほど、選手の走行タイムが悪化する傾向があるという。  この研究は、米ハーバード大学博士課程のElvira Fleury氏らによるもので、詳細は「Sports Medicine」に12月18日掲載された。論文の筆頭著者であるFleury氏は、「ハイレベルのマラソン選手は記録向上のために、トレーニング、栄養、シューズやウエア、競技コース、さらに天候まで考慮して大会に臨んでいる。しかしわれわれの研究から、パフォーマンスの最大化には、大気汚染の影響をも考慮すべきであることが示された」と述べている。