禁煙後に体重が3kg以上増えると高血圧リスクが上昇
禁煙後に体重が3kg以上増加すると、高血圧の発症リスクが有意に高くなることを示唆する研究結果が報告された。ただし、喫煙を継続していた場合は体重増加が3kg未満であっても、高血圧発症リスクが有意に高くなるという。日本医科大学衛生学公衆衛生学分野の大塚俊昭氏らの研究によるもので、詳細は「The American Journal of Medicine」に9月14日掲載された。
タバコは言うまでもなく体に悪く、高血圧発症リスク因子でもあり、全ての喫煙者に禁煙が推奨される。しかし、禁煙によってニコチンの持つ空腹感抑制作用がなくなることや、味覚・嗅覚および胃粘膜の血流改善によって、食欲が高まることがあり、体重増加を介して禁煙による健康へのプラス作用を弱めてしまう可能性がある。その悪影響の一つとして、血圧の上昇が挙げられる。ただ、禁煙後の体重変化と高血圧リスクとの関連については、不明点が少なくない。大塚氏らは、日本人労働者の健診データを用いた縦断的解析により、この点を検討した。