精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:293

認知症発症予測に歩行速度や嗅覚テスト

 軽度認知障害(MCI)、認知症、死亡率における、老化に伴う危険因子の性質および共通性は、よくわかっていない。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のDarren M Lipnicki氏らは、認知機能が正常な多くの人々を含む6年間のシングルコホート研究で潜在的な危険因子を同時に調査した。Journal of the American Medical Directors Association誌オンライン版2016年12月31日号の報告。

抗精神病薬の高用量投与は悪か

 統合失調症に対する抗精神病薬の高用量投与について、良好な症状改善との関連および有害事象や神経認知機能に対する影響を、ギリシャ・テッサロニキ・アリストテレス大学のKonstantinos N Fountoulakis氏らが、小規模パイロット自然主義横断研究により評価を行った。Progress in neuro-psychopharmacology & biological psychiatry誌オンライン版2017年1月28日号の報告。

脳トレーニングで認知症予防、認知機能低下リスクが20~30%減

 精神的な刺激となる活動への取り組みと、軽度認知障害(MCI)またはアルツハイマー病のオッズ低下との、横断的な関連が報告されている。しかし、70歳以上の高齢者による精神的な刺激となる活動がMCI発症を予測するかについての縦断的アウトカムは、ほとんど知られていない。米国・メイヨー・クリニックのJanina Krell-Roesch氏らは、高齢者における精神的な刺激となる活動とMCI発症リスクとの関連を仮説検証し、アポリポ蛋白E(APOE)ε4遺伝子型の影響を評価した。JAMA neurology誌オンライン版2017年1月30日号の報告。

統合失調症、服薬アドヒアランス研究の課題とは

 生涯に1,000人中およそ7人が罹患すると推定される統合失調症患者のうち、約50%が自殺を試みるといわれている。しかし研究において、統合失調症患者の服薬アドヒアランスを測定することは困難であり、現時点では標準的な手法が存在していない。統合失調症患者におけるノンアドヒアランスを評価するための信頼性の高い手法がなければ、アドヒアランス改善戦略の研究は進まない。米国・サウスカロライナ医科大学のCordellia E Bright氏は、統合失調症患者の服薬アドヒアランスを測定するための既存の機器について、妥当性、信頼性、エビデンスレベルを評価した。Archives of psychiatric nursing誌2017年2月号の報告。

もしかしたら、食生活の改善でADHD発症を予防できるかも

 注意欠如・多動症(ADHD)は、栄養不足や不健全な食事と関連しているが、地中海式ダイエット食との関連を調査した報告は、これまでにない。スペイン・サン・ジョアン・デウ病院のAlejandra Rios-Hernandez氏らは、地中海式ダイエット食の低アドヒアランスとADHD診断の増加に正の相関があるかを検証した。Pediatrics誌オンライン版2017年2月号の報告。

ストレス対策は新たな循環器疾患の予防戦略となりうるか?(解説:有馬 久富 氏)-643

以前より、慢性的なストレスが循環器疾患のリスクを増大させうることが知られていたが、そのメカニズムは長い間不明であった。今回、マサチューセッツ総合病院でFDG-PET検査を受けた293例を平均3.7年間追跡した成績から、慢性ストレスが、扁桃体の活性化、骨髄由来前駆細胞の放出、動脈壁の炎症を経て、循環器疾患のリスクを増大させる可能性が示唆されたとLancet誌に報告された。ストレスから循環器疾患に至るメカニズムが明らかになったことにより、ストレス対策およびストレスから動脈硬化へ至るプロセスへの対策が、循環器疾患の予防戦略となりうることが示唆された。