精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:293

糖尿病歴と自殺・事故死リスク~日本人10万人の検討

 JPHC研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study)グループの山内 貴史氏らは、糖尿病歴が外因死(自殺および事故死)のリスクに関連するかどうか、日本人の大規模集団における前向きコホートのデータを使用して検討した。その結果、男女とも59歳以下(ベースライン時)で、糖尿病歴のある人はない人と比べて外因死(とくに事故死)のリスクが有意に高かった。Diabetes & metabolism誌オンライン版2016年1月18日号に掲載。

肥満外科手術を受ける患者、うつ病19%、過食性障害17%/JAMA

 肥満外科手術を受ける患者は精神疾患を有する頻度が高く、なかでもうつ病は19%、過食性障害は17%と高いことが判明した。米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のAaron J. Dawes氏らがメタ解析の結果、明らかにした。肥満外科手術を望む患者で精神疾患はよくみられるが、有病率や術後のアウトカムに与える影響については不明であった。JAMA誌2016年1月12日号掲載の報告。

女はビタミンB6、男はビタミンB12でうつリスク低下か

 カナダの聖フランシスコ・ザビエル大学のL Gougeon氏らは、地域在住の健康な高齢男女について、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12の摂取量と3年間のうつ病発症率との関連を調べた。その結果、食物からのビタミンB6摂取量が多い女性とビタミンB12摂取量が多い男性は、うつ病の発症リスクが低いことを報告した。European Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2015年12月9日号の掲載報告。

アスピリンの抗うつ効果をラットで確認

 ヒトのみならず実験モデルにおいても、炎症性メディエーターがうつ病の一因となることが数多くの研究で示唆されている。しかし、抗炎症薬による治療がうつ病を予防できるかどうかは議論の余地があることから、インド・L. J. Institute of Pharmacy(LJIP)のShailendra Bhatt氏らは、慢性軽度ストレス(CMS)モデルラットを用いた実験を行った。その結果、アスピリンの単独または抗うつ薬との併用投与はいずれも、うつ病治療に役立つ可能性が示唆されたという。著者らは、「ストレス負荷または他の生理・生化学的機序において、炎症性メディエーターの阻害は抗うつ効果に関与している可能性がある」とまとめている。Basic & Clinical Pharmacology & Toxicology誌オンライン版2015年12月8日号の掲載報告。

学校でのADHD児ペアレンティング介入の実現性は

 英国・ノッティンガム大学のJohn A. Taylor氏らは、重度の注意欠如・多動症(ADHD)症状を抱える子供たちの親や教師のための、学校をベースとしたペアレンティング介入プログラムの実現性と受容性を検討する目的で、質的なプロセスを評価する実践的クラスター無作為化比較試験を実施した。その結果、学校内もしくは学校周辺でのペアレンティングプログラムは実施可能で受容性があることが示唆された。著者らは、今回の結果が、学校環境におけるペアレンティングプログラムへの参加を促すためのサービス提供や今後の研究に役立つとする一方で、「プログラムの継続率は高いが、参加者の募集が難しく、介入を最も必要としている親にプログラムを届けることが今後の課題」と述べている。BMC Psychiatry誌2015年11月17日号の掲載報告。

SSRIなどで効果不十分なうつ病患者、新規抗うつ薬切り替えを検証

 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)またはセロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)の効果が不十分な大うつ病性障害(MDD)患者に対し、vortioxetineは他の抗うつ薬に比べて高い寛解率を示し、忍容性も良好であることを、フランス・Lundbeck SASのMelanie Brignonea氏らが検討の結果、報告した。結果を踏まえて著者らは、「vortioxetineが代替薬として妥当であることが示唆された」とまとめている。Current Medical Research and Opinion誌2016年2月号掲載の報告。

双極性障害I型とII型、その違いを分析

 スウェーデン・カロリンスカ研究所のChristoph Abe氏らは、双極性障害I型(BD I)およびII型(BD II)患者について、皮質容積・皮質厚・皮質表面積を同時に分析するコホート研究を行い、診断に関連した神経生物学的な違いを明らかにした。著者らは、「今回の結果から、BD IとBD IIの症状の違いを説明することができ、診断のバイオマーカーとなりうる可能性を示している」と結論している。ただし、本検討結果で示された違いについては、「疾患の進行性の変化によって、また発症前の状態によっても説明でき、社会・環境・遺伝的な未知の要因に影響された可能性もある」と研究の限界にも言及している。Journal of Psychiatry Neuroscience誌オンライン版2015年12月7日号の掲載報告。