精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

卵は認知症を予防するか?

 アルツハイマー病リスクと修正可能な食事因子との関連性については、依然として多くの知見が不足している。卵は、脳の健康を支える重要な栄養素の供給源の1つである。米国・ロマリンダ大学のJisoo Oh氏らは、卵摂取量とアルツハイマー病発症率との関連性を調査するため、本研究を実施した。The Journal of Nutrition誌オンライン版2026年4月17日号の報告。  米国の大規模なプロスペクティブコホート研究であるAdventist Health Study-2よりデータを抽出した。食事および生活習慣因子は、検証済みの食物摂取頻度調査票を用いて評価した。卵の摂取頻度は、「まったく食べない/ほとんど食べない」から「週5回以上」までの範囲で分類した。

うつ病予防に最適な年齢別の睡眠時間が判明

 睡眠時間の短縮は、青年期のうつ病と関連していることが報告されている。しかし、明確な用量反応関係や年齢別のリスク閾値に関しては、依然として十分に解明されていない。中国・皖南医科大学第一附属医院のWei Cheng氏らは、この関連性を明らかにするため、代表的なサンプルを用いて、発達段階に応じた最適な睡眠時間を特定することを試みた。Frontiers in Pediatrics誌2026年3月27日号の報告。  対象は、2020~23年の全米児童健康調査(NSCH)の横断データより抽出した6~17歳の青年12万6,407例。

患者に最も好まれる第1選択抗精神病薬は?

 初回エピソードの精神疾患患者に対する抗精神病薬の選択は、臨床医が複数の基準を経験的に評価する必要があるため、非常に困難な課題である。診療記録を用いて開発された精密治療(precision treatment)ルールは、臨床医の治療選択を支援する実用的なアプローチを提供できるが、副作用や患者の嗜好は考慮されていない。イタリア・University of PaviaのKamil Krakowski氏らは、初回エピソードの精神疾患における第1選択抗精神病薬推奨のための、有効性、副作用、患者の嗜好を総合的に考慮した精密治療ルールの開発および検証を行った。Translational Psychiatry誌オンライン版2026年4月11日号の報告。

軽度認知障害患者は1年でどの程度認知機能が低下するのか?

 中国・黒龍江中医薬大学のMingyang Liu氏らは、軽度認知障害(MCI)患者における認知機能低下の軌跡を調査し、関連するリスク因子を特定するため、レトロスペクティブコホート研究を実施した。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2026年4月13日号の報告。  対象は、2021~24年にMCIと診断された高齢患者500例。MCIから認知症への進行に関連するリスク因子を特定するため、多変量Cox比例ハザード回帰モデルを用いた。認知機能低下の年間進行率は、最終スコアとベースラインスコアの差をフォローアップ期間で割って算出し、関連因子の特定には多変量線形回帰分析を用いた。

電子カルテ情報からAIが小児のADHD診断リスクを予測

 注意欠如・多動症(ADHD)は世界で数百万人もの小児に影響を及ぼしているが、多くは診断を受けないまま何年も過ごしており、早期支援の機会を逃している。こうした中、新たな研究で、人工知能(AI)が電子カルテを分析することで、一般にADHDと診断される時期よりも早い段階で、小児のADHDリスクを高い精度で推定できる可能性が示された。米デューク大学医学部のデータサイエンティストであるElliot Hill氏らによるこの研究は、「Nature Mental Health」に4月27日掲載された。  Hill氏は、「電子カルテの記録は非常に豊富な情報源となる。

夜間の食事でストレスによる腸の不調が悪化

 夜遅い時間帯の食事は、ストレスによる腸の不調を悪化させる可能性があるようだ。午後9時以降の食事量が多い人は、便秘や下痢のリスクが高くなる可能性が、新たな研究で示された。米セントメアリーズ・アンド・セントクレアズ病院のHarika Dadigiri氏らによるこの研究結果は、消化器疾患週間会議(DDW 2026、5月2〜5日、シカゴ)で発表された。  Dadigiri氏は、「何を食べるかだけでなく、いつ食べるかも重要だ。また、すでにストレスを抱えているときには、食べるタイミングが腸内環境にとって『二重の負担』となる可能性がある」とニュースリリースで述べている。

統合失調症や双極症リスクを低下させる修正可能なリスク因子は?

 統合失調症や双極症は、遺伝的リスク因子と修正可能なリスク因子の影響を受ける、重篤な精神疾患である。脳ケアスコア(BCS)は、身体的、生活習慣、社会情緒的にわたる12の修正可能な因子から構成される検証済みのツールであり、それぞれが脳の健康に関連している。中国・北京大学のYichen Cui氏らは、多遺伝子リスクスコア(PRS)により定量化されたさまざまな遺伝的リスクレベルにおいて、BCSが統合失調症または双極症のリスクとどのように関連するかを調査した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2026年4月13日号の報告。

認知症スクリーニングは家族の心理的負担を増やさない

 認知症のスクリーニングを受けることは、高齢者本人や家族が将来の疾患の進行に備えて計画や準備をするための「事前の警告」となり得る。一方で、陽性と判定された場合、家族が介護者としての役割に不安を抱いたり、高齢者本人が自立を失うことを心配したりするなど、ストレスとなる可能性もある。  しかし、こうしたストレスを理由に認知症のスクリーニングを先延ばしにする必要はないようだ。大規模臨床試験において、かかりつけ医の診察時に実施されたアルツハイマー病および関連認知症(ADRD)のスクリーニングの結果は、高齢者の家族に心理的苦痛を引き起こさないことが示された。米インディアナ大学医学部のNicole Fowler氏らによるこの研究結果は、「JAMA Internal Medicine」に4月20日掲載された。

ヨーグルトや低脂肪チーズ、高齢期のうつ病や認知症予防に有効?

 ヨーグルトやチーズなどの発酵乳製品には、非乳製品とは異なる生理活性成分が含まれているが、高齢期のうつ病や認知症リスクとの関連性については依然として不明であった。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のMuniratul Idrus氏らは、発酵乳製品摂取と高齢期のうつ病および認知症リスクとの関連を調査した。Nutrients誌2026年3月24日号の報告。  年齢70~90歳で地域在住の高齢者を対象としたコホート研究であるSydney Memory and Ageing Studyのデータを用いて、乳製品摂取と抑うつ症状(15項目の老年期うつ病評価尺度:GDS15)、心理的苦痛(Kessler-10[K10尺度])、うつ病(医師による診断または抗うつ薬の使用)と認知症(DSM-IV基準)との関連性を検討した。

性的・ジェンダー少数者の健康格差、心理的・身体的暴力被害が背景か

 性的・ジェンダー少数者(SGM)では、非SGMに比べて高血圧や精神疾患などの健康問題のリスクが高い可能性がある。今回、日本のミレニアル世代を対象とした研究で、SGMの高血圧リスクは非SGMの約3倍と推定され、こうした健康格差の背景に暴力被害が関与している可能性が示された。研究は筑波大学人文社会系の松島みどり氏らによるもので、詳細は「Public Health」に3月27日掲載された。  SGMは非SGMに比べて身体的・精神的健康状態が不良であることが報告されており、その背景には差別や心理的・身体的暴力など、少数者であることによって受ける「マイノリティストレス」があると考えられている。