精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

急性期うつ病に対する21種類の抗うつ薬の比較~ネットワークメタ解析

 うつ病は、成人の精神疾患において世界的に頻度が高く、負担が大きく、かつ多大なコストを要する疾患の1つである。うつ病の治療では薬物療法と非薬物療法の両方が利用可能である。しかし、リソースが不十分であるため、心理的介入よりも抗うつ薬が頻繁に使用されている。これらの抗うつ薬の処方は、利用可能な最良の科学的根拠に基づいて行われるべきである。英国・オックスフォード大学のAndrea Cipriani氏らは、成人単極性うつ病患者に対する急性期治療薬としての抗うつ薬を比較、順位付けしたこれまでの研究を更新、拡張することを目的とし、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。Focus(American Psychiatric Publishing)誌2026年4月号の報告。

レカネマブ、実臨床でも安全性は臨床試験とおおむね一致

 Sally Osmerさんは、最先端のアルツハイマー病治療薬レカネマブ(商品名:レケンビ)による治療を受ける機会があることを知り、迷わず受け入れた。Osmerさんはアルツハイマー病の家族歴があり、74歳のときに早期アルツハイマー病と診断された。診断当初、彼女は特に症状を自覚していなかったが、画像検査と遺伝子検査から診断が確定したという。Osmerさんは、「アルツハイマー病と診断されたときは、とてもショックを受けた。体は健康なのに脳はゆっくりと衰えていくと考えると、とても怖い。ただ、早期に発見できたのは幸運だったし、治療を開始できたことも嬉しく思っている」と話している。

スタチンとARBの併用で認知症リスクは低下するのか

 高血圧と脂質異常症は、認知症の修正可能な危険因子であり、スタチンと降圧薬の併用は保護的な効果をもたらす可能性がある。しかし、特定の薬剤の組み合わせに関するエビデンスは依然として限られている。オーストラリア・タスマニア大学のEyayaw Ashete Belachew氏らは、アンジオテンシンII(Ang-II)産生を増加させる降圧薬(Ang-II産生促進薬)とスタチンの併用と、Ang-II産生を減少させる降圧薬(Ang-II産生抑制薬)とスタチンの併用を、認知症リスクとの関連について比較検討した。International Journal of Geriatric Psychiatry誌2026年8月号の報告。

生活リズムが規則的な高齢者は痛みや抑うつ症状が少ない傾向

 規則正しい生活リズムを維持することは、心身の健康維持につながるかもしれない。毎日の睡眠や食事、社会的交流などの行動や社会生活のリズム(以下、生活リズム)が規則的な人は、痛みや抑うつ症状が少ない傾向にあることが、新たな研究で示された。また、このような生活リズムの規則性と健康との関連は、不眠症状の有無に関わりなく認められたという。米ミズーリ大学人間発達学分野のEunjin Tracy氏らによるこの研究結果は、「Journal of Behavioral Medicine」6月号に掲載された。

治療抵抗性統合失調症の発生率はどのくらい?

 治療抵抗性統合失調症の真の発生率は、依然として不明である。その主な理由は、過去の研究が不均一な定義やレトロスペクティブ評価に依存していたことにあると考えられる。Treatment Response and Resistance in Psychosis(TRRIP)コンセンサス基準が標準化されたが、これがプロスペクティブに適用されることはまれであった。英国・リバプール大学のDan W. Joyce氏らは、大規模な地域ベースの臨床試験において、操作的に定義されたTRRIP基準を用い、治療抵抗性統合失調症の発生率をプロスペクティブに推定した。また、ベースライン時の人口統計学的変数や臨床的変数が治療抵抗性統合失調症の発生を予測するかどうかを検討した。BJPsych Open誌2026年7月20日号の報告。

アルツハイマー病と強く関連したのは、高血圧より低血圧?

 アルツハイマー病(AD)と関連する心血管疾患(CVD)のサブタイプが特定され、最も強く一貫した関連が見られたのは低血圧であったという研究結果が、「Journal of the American Heart Association(JAHA)」6月16日号に掲載された。  米ミシガン工科大学のAili Toyli氏らは、UKバイオバンク(対象者50万2,133人)とAll of Us研究プログラム(対象者28万7,011人)という2つの大規模なバイオバンクにおいて、ADと11種類のCVDサブタイプとの関連を検討した。

日本人片頭痛患者の特徴と治療パターンが判明~OVERCOME研究

 片頭痛が個人の生活に及ぼす負担は、その人の背景と関連している。しかし、日本においては、年齢、性別、就労状況、収入、家族の介護といった要因と患者報告アウトカム(PRO)や片頭痛の治療パターンとの関連に関するエビデンスは限られている。大分・おおば脳神経外科・頭痛クリニックの大場 さとみ氏らは、日本における片頭痛の疫学・治療・ケアに関する観察研究であるOVERCOME(Japan)第2回研究のデータを用い、人口統計学的サブグループごとの片頭痛による負担および治療薬の使用状況について解析を行った。Pain and Therapy誌オンライン版2026年7月14日号の報告。

仕事関連のストレスが中高年の睡眠問題と関連

 仕事関連のストレスが、中高年の働く人々の睡眠の質やウェルビーイングと関連している可能性が、新たな研究で示された。50~66歳の就労者を対象とした小規模な調査から、睡眠障害と診断されたことがないにもかかわらず、対象者の多くが持続的な睡眠問題を抱えていることが明らかになった。英エディンバラ大学デジタルヘルス・データサイエンス教授のAthanasios Tsanas氏らによるこの研究の詳細は、7月28日付で「Scientific Reports」に掲載された。  さらに懸念すべきことに、ほぼ10人中9人の研究参加者が、1年間の研究期間中に少なくとも1回、臨床的に問題となる睡眠状態の基準を満たしていた。

果物や野菜でうつ病リスクはどのくらい低下するのか?

 抑うつ症状は、世界的に障害の主な原因となっており、修正可能な生活習慣要因を特定することは公衆衛生上の優先課題である。イラン・テヘラン医科大学のNazanin Zamanian氏らは、果物および野菜の摂取と抑うつ症状の発症リスクとの関連を検討したプロスペクティブコホート研究を対象に、システマティック・レビューおよび用量反応メタ解析を実施した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2026年7月21日号の報告。  2025年11月までに公表された研究をPubMed、Web of Science、Scopus、Embase、Google Scholarより検索した。

認知症のない期間、高血圧・糖尿病・喫煙の3因子で13年短縮

 高血圧、糖尿病、喫煙といった血管リスク因子は認知症や早期死亡に関連することが知られているが、これらが重複した際、認知症を発症せずに過ごせる期間(認知症のない生存期間)がどれほど短縮するのかは明らかでなかった。中国・清華大学のJiaqi Hu氏らの研究グループは、米国の大規模な動脈硬化リスクコミュニティ研究の解析から、中年期における血管リスク因子の蓄積が認知症のない生存期間を最大12.6年短縮させることを明らかにした。Neurology Open Access誌2026年9月号に掲載。  本研究では、米国4地域で実施された「Atherosclerosis Risk in Communities(ARIC)研究」の参加者のうち、55歳時点で認知症がない1万2,409例(平均年齢56.2歳、女性56.0%)を対象に前向きコホート研究を行った。