精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:290

境界性パーソナリティ障害併発、自殺に対する影響は

 最近の研究によると、精神病的体験と自殺行動との間には強い関連があることが報告されている。しかし、境界性パーソナリティ障害(BPD)は一般的な精神疾患と頻繁に併発し、再発の自殺行動や精神病的体験に関連しているにもかかわらず、この関係におけるBPDの役割について研究したデータはない。アイルランド王立外科医学院のI Kelleher氏らは、BPDや一般的な精神疾患との相互関係を含む、精神病的体験と自殺企図との関連を調査した。Acta psychiatrica Scandinavica誌2017年3月号の報告。

オピオイドとベンゾジアゼピンの併用はリスクか?/BMJ

 米国・スタンフォード大学のEric C Sun氏らは、民間医療保険の支払いデータから、オピオイドとベンゾジアゼピン系薬の併用使用の傾向、および併用使用とオピオイド過剰摂取との関連を調べるレトロスペクティブな分析を行った。その結果、2001~13年の間に両薬の併用は1.8倍に急増しており、併用がオピオイド過剰摂取の全リスクに有意に関与していることが明らかになったと報告した。多くの国で、処方オピオイドの使用増大と、その結果としてオピオイド中毒や過剰摂取が起きている可能性が公衆衛生上の懸念として増している。米国では、オピオイドの致死的過剰摂取の30%でベンゾジアゼピン系薬の併用が認められており、同併用の増大がオピオイド関連死の増大を招いているのではないかと懸念されている。しかし、これまでに行われたオピオイドとベンゾジアゼピン系薬の併用に関する試験は退役軍人を対象としたもので、一般集団である民間保険加入者の使用傾向や影響については明らかにされていなかったという。BMJ誌2017年3月14日号掲載の報告。

オランザピンの心血管副作用、メラトニンの保護可能

 第2世代抗精神病薬(SGA)は、患者の早期死亡の起因となる有害な心血管代謝系副作用と関連している。これら心血管代謝系副作用を引き起こすメカニズムは十分にわかっていないが、最近、3つの独立した研究において、メラトニンがSGA治療患者の心血管代謝リスクを防御していることが示された。循環するメラトニンの主要標的領域の1つである視交叉上核(SCN)が、SGA誘発性の早期心血管系効果に関連しているかを、メキシコ国立自治大学のFrancisco Romo-Nava氏らは、Wistarラットを用いて検討を行った。Journal of pineal research誌オンライン版2017年2月22日号の報告。

うつ病スクリーニングがたった2つの質問で可能

 高齢者に対するうつ病のスクリーニングは推奨されている。中国・香港中文大学のKelvin K F Tsoi氏らは、高齢者における2項目スクリーン(Two-Question Screen)の診断精度を評価し、ほかのうつ病スクリーニング法と比較した。2項目スクリーンの質問項目は、「過去1ヵ月間で、気持ちが落ち込んだり、憂鬱な気分、絶望的な気分になりましたか」および「過去1ヵ月間で、しばしば小さなことに悩まされたり、何をしても楽しくないと感じますか」である。The British journal of psychiatry誌オンライン版2017年2月16日号の報告。

テロ襲撃後のPTSDやうつ病、2年前のバルド国立博物館襲撃事件より

 2015年3月18日、2人の武装勢力がチュニジア・チュニスのバルド国立博物館を襲撃し、23人の外国人観光客が犠牲となった。チュニジア・University of Tunis El ManarのFeten Fekih-Romdhane氏らは、人口統計学的要因および社会的支援に関連した、襲撃4~6週間後の博物館勤務者のPTSD(心的外傷後ストレス障害)とうつ症状を評価し、PTSDとうつ症状の決定要因および予測因子を分析した。Community mental health journal誌オンライン版2017年2月7日号の報告。