自動車事故リスク、うつ病や抗うつ薬ではどうか

自動車事故とうつ病や抗うつ薬との関連について、米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のLinda L Hill氏らがレビューを行った。Injury epidemiology誌オンライン版2017年4月3日号の報告。
1995年1月~2015年10月にパブリッシュされた英語文献およびリファレンス文献を検索した。包括基準についてシステマティックレビューした。
主な結果は以下のとおり。
・自然主義的な環境下におけるうつ病と向精神薬の両方またはいずれか一方に関連する自動車事故リスクを推定することによる包括基準を満たした疫学研究は19件であった(症例対照研究17件、コホート研究2件)。
・うつ病に関連する自動車事故のオッズ比(OR)推定値は、1.78~3.99であった。
・すべてのクラスの抗うつ薬において、自動車運転の安全性に影響を及ぼす可能性のある副作用が報告されていた。
・自動車運転に対する抗うつ薬の影響を検討した大部分の研究は、事故リスク増加を報告しており、すべての事故に対するORは1.19~2.03、致死的な事故に対するORは3.19であった。
・メタ解析では、うつ病は事故リスクの約2倍増と関連し(summary OR:1.90、95%CI:1.06~3.39)、抗うつ薬は約40%増と関連していた(summary OR:1.40、95%CI:1.18~1.66)。
著者らは「うつ病や抗うつ薬およびその組み合わせは、自動車運転の安全性に潜在的な危険性を及ぼす可能性がある。うつ病やうつ病治療に使用される薬剤の寄与を明らかにするためには、より多くの研究が必要である」としている。
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