精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:213

不眠症患者の疲労に関連する因子

 不眠症患者では一般的に疲労が認められるが、臨床症状との関連についてはあまり知られていない。韓国・成均館大学校のSeog Ju Kim氏らは、不眠症患者の疲労と臨床症状との関連について調査を行った。Journal of Psychiatric Research誌2019年10月号の報告。  スタンフォード大学睡眠医学センターを受診した患者を対象に、不眠重症度指数(ISI)、不眠症状アンケート(ISQ)、疲労重症度尺度(FSS)、エプワース眠気尺度(ESS)、こころとからだの質問票(PHQ-9)を実施した。

GABAA受容体を標的とした新規抗うつ薬の展望/NEJM

 GABAA受容体に対する選択的ポジティブアロステリックモジュレーターのSAGE-217を14日間連日経口投与した結果、プラセボと比較して15日目のうつ症状が改善したが、有害事象の頻度はSAGE-217群で多かった。米国・Sage TherapeuticsのHandan Gunduz-Bruce氏らが、大うつ病性障害(うつ病)患者を対象とした第II相二重盲検比較試験の結果を報告した。うつ病の発症にGABAの神経伝達障害が関与していることが示唆されているが、大うつ病治療におけるSAGE-217の有効性および安全性は不明であった。NEJM誌2019年9月5日号掲載の報告。

2004年新潟県中越地震後の心理的苦痛と認知症リスクとの関連

 大地震は極度のストレスを引き起こし、認知機能に悪影響を及ぼす可能性がある。新潟大学の中村 和利氏らは、2004年新潟県中越地震後の心理的苦痛と認知症との関連について検討を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2019年8月19日号の報告。  本研究は、10~12年フォローアップを行ったレトロスペクティブコホート研究である。対象者は、2004年新潟県中越地震後に年次健康診断を行った40歳以上の小千谷市民(2005年6,012人、2006年5,424人、2007年5,687人)。Kessler Psychological Distress Scale(K10)を用いて心理的苦痛を評価し、K10スコアが10以上を心理的苦痛ありと定義した。

統合失調症患者の洞察力がうつ、QOL、自殺に及ぼす影響

 統合失調症患者の半数以上が、生涯に自殺を試みる。より良い洞察力は、機能により良い影響をもたらすが、自殺企図の増加とも関連している。洞察力と自殺企図との関連を明確にするため、フランス・ベルサイユ大学のMickael Ehrminger氏らは、構造方程式モデリングを用いて検討を行った。Journal of Clinical Medicine誌2019年8月10日号の報告。  統合失調症スペクトラム障害患者の洞察力、QOL、うつ、自殺企図を、ベースラインおよび12ヵ月後の時点で測定を行った。これらの関連は、クロルプロマジン換算量、陽性症状、陰性症状、一般精神病理によりコントロールした潜在差スコアモデルを用いて調査した。

6時間睡眠に忍び寄る睡眠負債、解決策はコーヒーナップ

 日本人の睡眠時間は世界でダントツ短い。厚生労働省の『平成27年 国民健康・栄養調査』によると、睡眠時間6時間未満の人がわずか8年で11%も増加し、全体の4割を占めている。睡眠不足が日常的に継続した先には、健康被害はおろか経済損失としても影響がでるという。  2019年9月2日、働くひとの眠り方改革「Biz×Sleep」プロジェクト始動に先駆けたオープニングイベントが開催され、枝川 義邦氏(早稲田大学リサーチイノベーションセンター 研究戦略部門教授)が「『働き方改革』成功の鍵は“眠り方改革”!」について講演、問題解決の糸口について語った。トークセッションでは、お笑い芸人TKO(木本 武宏氏、木下 隆行氏)が、眠りの悩みについて打ち明けた。

臨床的うつ病の補完代替療法~メタ解析

 うつ病に対する補完代替療法(CAM)の治療戦略や推奨事項は、臨床ガイドラインによって大きく異なる。ドイツ・デュースブルク・エッセン大学のHeidemarie Haller氏らは、臨床診断を受けたうつ病患者へのCAMに関するレベル1のエビデンスをシステマティックにレビューした。BMJ Open誌2019年8月5日号の報告。  2018年6月までのランダム化比較試験(RCT)のメタ解析を、PubMed、PsycInfo、Centralより検索した。うつ病の重症度、治療反応、寛解、再発、有害事象をアウトカムに含めた。エビデンスの質は、RCTおよびメタ解析などの方法論的質を考慮し、GRADEに基づいて評価を行った。

救急受診アルツハイマー病患者における向精神薬有害事象

 130万超の救急部門(ED)受診は、高齢者の薬物有害事象(ADE)と関連している。高齢者におけるアルツハイマー病(AD)有病率は増加しており、AD患者に処方される向精神薬のパターンにより、ADEの相加リスクが増加している。このような患者における向精神薬関連のADEついて、全国レベルの研究は十分とは言えない。米国・カリフォルニア大学のAryana Sepassi氏らは、高齢AD患者における向精神薬関連ADEの発生率と経済的負担について、非AD高齢者と比較し検討を行った。The Annals of Pharmacotherapy誌オンライン版2019年7月25日号の報告。

統合失調症患者の喫煙関連疾患リスク

 統合失調症患者は、一般集団と比較し喫煙率が3倍で、喫煙関連疾患の影響を受けやすいといわれている。イスラエル・テルアビブ大学のIsrael Krieger氏らは、統合失調症患者の喫煙と慢性閉塞性肺疾患(COPD)および虚血性心疾患(IHD)の累積発症率について、健常な喫煙者と比較し評価を行った。Schizophrenia Research誌オンライン版2019年8月6日号の報告。  統合失調症患者1万502例とマッチした健常な喫煙者1万502例を対象に、COPDおよびIHDの累積発症率を評価するため、コホート研究を設計した。両群間のオッズ比(OR)および累積発症率を比較するため、階層ロジスティック回帰とカプランマイヤー回帰モデルを用いた。

抗うつ薬治療後の錐体外路反応

 錐体外路症状(EPS)は、抗精神病薬で一般的にみられる副作用である。しかし、抗うつ薬治療後のEPSに関する症例報告もある。抗うつ薬がEPSを引き起こすメカニズムは十分にわかってはいないが、ドパミン作動性経路へのセロトニン入力が関与している可能性が高い。オーストリア・グラーツ医科大学のSabrina Morkl氏らは、抗うつ薬治療に関連するEPSについて評価を行った。The World Journal of Biological Psychiatry誌オンライン版2019年8月7日号の報告。

片頭痛と認知症との関連

 片頭痛と認知症との関連に焦点を当てたこれまでの研究の多くは、一般的な併存疾患を調整することがうまくいっていなかった。ドイツ・IQVIAのKarel Kostev氏らは、英国の一般診療における片頭痛と認知症との関連を調査するため、レトロスペクティブコホート研究を実施した。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2019年8月6日号の報告。  1997~2016年に英国の一般診療施設67件で片頭痛と診断された患者と年齢、性別、インデックス年、診断がマッチした非片頭痛患者を対象に含めた。主要アウトカムは、インデックス日から10年間の認知症発症との関連とした。