てんかん重積、レベチラセタムvs.ホスフェニトインvs.バルプロ酸/NEJM

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ケアネット

てんかん重積、レベチラセタムvs.ホスフェニトインvs.バルプロ酸/NEJMのイメージ

 ベンゾジアゼピン系薬治療抵抗性の痙攣性てんかん重積状態の患者に対し、静注用抗痙攣薬レベチラセタム、ホスフェニトイン、バルプロ酸は、いずれも効果は同等で、約半数で1時間以内に発作停止と意識レベル改善が認められることが明らかにされた。有害事象の発現頻度も3剤間で同程度だった。米国・バージニア大学のJaideep Kapur氏らが、384例を対象に行った適応的デザイン・無作為化二重盲検試験の結果で、NEJM誌2019年11月28日号で発表した。これまで、同患者への薬剤選択について十分な研究は行われていなかった。

60分後までの発作停止と意識レベル改善を比較
 研究グループは、ベンゾジアゼピン系薬治療抵抗性の痙攣性てんかん重積状態の小児および成人を対象に、適応的デザイン・無作為化二重盲検試験を行った。

 被験者を無作為に3群に分け、静注用抗痙攣薬のレベチラセタム、ホスフェニトイン、バルプロ酸をそれぞれ投与し、有効性と安全性を比較した。

 主要アウトカムは、抗痙攣薬を追加せず、薬剤の注入開始から60分後までの臨床的に明らかな発作停止と、意識レベルの改善とした。各薬剤の有効性が最も高い/最も低い事後確率を算出して評価した。

 安全性アウトカムは、生命を脅かす血圧低下または不整脈、気管内挿管、発作の再発、死亡などだった。

3剤の発作停止・意識レベル改善率、45~47%と同等
 試験には2015年11月3日~2017年10月31日に400例が登録された。そのうち16例は再発により2回登録された患者で、2度目の登録データは除外し、384例をintention-to-treat(ITT)の解析対象とした(レベチラセタム群145例、ホスフェニトイン群118例、バルプロ酸群121例)。なお本試験は、計画されていた中間解析で事前規定の無益性基準(1つの薬剤の優劣を見いだすことが無益である)を満たしたため、2017年11月に登録が中止となった。

 ITT集団のベースラインにおける患者特性は3群間で類似していた。全被験者の55%が男性で、小児および思春期(最年長は17歳)が39%、18~65歳が48%、65歳超が13%だった。また、10%で心因性発作があったことが確認された。

 主要アウトカムの60分後までの発作停止と意識レベルの改善は、レベチラセタム群は68例(47%、95%信用区間[Crl]:39~55)、ホスフェニトイン群は53例(45%、同:36~54)、バルプロ酸群は56例(46%、38~55)で認められた。各薬剤の有効性が最も高い事後確率は、それぞれ0.41、0.24、0.35だった。

 安全性については、数値的には血圧低下と気管内挿管はホスフェニトイン群で他の2群に比べて多く、また死亡はレベチラセタム群で他の2群に比べて多かったが、いずれも有意差はなかった。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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