精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:211

長期抗精神病薬治療が体重に及ぼす影響~コホート研究

 抗精神病薬は、長期間にわたり使用されることが多いにもかかわらず、体重への影響に関するエビデンスの大半は、短期的な臨床試験による報告にとどまっている。とくに、抗精神病薬の投与量による体重への影響については、ほとんど調査されていない。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのJuan Carlos Bazo-Alvarez氏らは、3種類の第2世代抗精神病薬を高用量または低用量で開始した患者における体重への短期的および長期的変化について検討を行った。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2019年11月14日号の報告。

地域密着型認知症治療の現状調査~相模原市認知症疾患医療センターでの調査

 日本では認知症対策として地域密着型統合ケアシステムを促進するため、2013年に認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)を策定し、2015年に認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)として改訂を行った。これらのプログラム導入後、地域の認知症ケアにどのような影響を及ぼすかについては、十分な研究が行われていない。北里大学の姜 善貴氏らは、相模原市認知症疾患医療センターにおける認知症診断を含む医療相談経路の調査を通じて、地域密着型認知症治療の現状について調査を行った。Psychogeriatrics誌オンライン版2019年12月4日号の報告。

統合失調症の維持療法における抗精神病薬使用ガイドラインのレビュー

 慶應義塾大学の下村 雄太郎氏らは、統合失調症の維持期における抗精神病薬治療に関する臨床ガイドラインおよびアルゴリズムについて、臨床実践に導くために、これまでのシステマティックレビューに、最新の知見を含めて更新した。Schizophrenia Research誌オンライン版2019年11月26日号の報告。  統合失調症の維持期における抗精神病薬治療に関する臨床ガイドラインおよびアルゴリズムを特定するため、MEDLINE、Embaseよりシステマティックに文献検索を行った。ガイドライン/アルゴリズムの全体的な品質をAGREE IIに従って評価し、治療推奨事項に関する情報を抽出した。

日本人統合失調症患者における1年間の禁煙変化

 岡山県・たいようの丘ホスピタルの樋口 裕二氏らは、日本人の統合失調症患者の喫煙者における禁煙への意欲や行動に関するフォローアップ調査を実施した。BMC Psychiatry誌2019年11月21日号の報告。  参加者は、2016年4月1日時点で1年以上通院しており、過去6ヵ月以内に2回以上受診していた20~69歳の統合失調症外来患者。2016年にプールされた患者680例よりランダムに抽出した420例を対象にベースライン調査を行い、現在の喫煙状況や禁煙段階を含む喫煙行動に関して2017年までフォローアップ調査を実施した。禁煙段階の分布と変化、1年後の喫煙者および非喫煙者数、自然主義的な1年間の禁煙フォローアップによる禁煙率を算出した。

がんや心血管疾患による死亡リスクに対する不眠症の影響~メタ解析

 不眠症が死亡率と関連する可能性を示唆するエビデンスが蓄積されつつある。しかし、これらの調査結果に一貫性は認められていない。中国・蘭州大学のLong Ge氏らは、不眠症と死亡率との関連を明らかにするため、メタ解析を実施した。Sleep Medicine Reviews誌2019年12月号の報告。  18歳以上の成人を対象に不眠症、不眠症状と死亡リスクとの関連を評価したプロスペクティブコホート研究を、MEDLINE、EMBASEよりシステマティックに検索した。ランダム効果メタ解析を用いてサマリーハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を算出した。また、エビデンスの質は、GRADEシステムを用いて評価した。

日本人2型糖尿病患者における経口血糖降下薬使用とうつ病リスク~コホート研究

 2型糖尿病(T2DM)は、うつ病のリスク因子だといわれている。脳内のインスリン抵抗性は、うつ病の潜在的な役目を果たすため、T2DM患者の将来のうつ病リスクは、T2DM治療に使用される経口血糖降下薬(OHA)の種類によって変わる可能性がある。日本大学の秋元 勇人氏らは、特定の種類のOHAがT2DMに併存するうつ病リスクと関連しているかについて、検討を行った。Pharmacology Research & Perspectives誌2019年11月21日号の報告。

大幅なスピード違反、高級車が多い診療科は?/BMJ

 医師の運転時のスピードや高級車の所有率は、診療科によって異なるのだろうか。米国・ハーバード大学メディカルスクールのAndré Zimerman氏らがスピード違反の切符を切られた医師を対象とした観察研究で、大幅なスピード超過で切符を切られる可能性が高い診療科や、高級車の所有率が高い診療科を調査した。BMJ誌2019年12月18日号(クリスマス特集号)に掲載。  本観察研究の対象は、2004~17年に米国フロリダ州でスピード違反のチケットを切られた医師5,372人と医師以外の1万9,639人。年齢および性別を調整後、速度制限を20mile/時(32.19km/時)を超える大幅なスピード違反、高級車の所有、警察官による違反切符の減免割合を診療科ごとに調査した。

てんかん重積状態が止まらないときの薬剤選択(解説:岡村毅氏)-1162

精神科医をしていると、世界はいまも謎に満ちていると感じる。ほかの科ではどうであろうか? 教科書だけ見ていると、多くのことが既知になり、予測可能になったように思われる。でも臨床現場はいまだにわからないことだらけだ。医師になって17年が過ぎたが、闇の中で意思決定をし続けなければならない臨床医学に、私はいまだに戦慄することがある。精神医学の例を挙げだすと深みにはまるので、神経学の例を挙げよう。たとえば、てんかん重積状態である。ベンゾジアゼピンが効かない場合どうすればよいのだろうか? 日本神経学会のガイドラインでは、ホスフェニトインあるいはフェノバルビタールあるいはミダゾラムあるいはレベチラセタムとある。要するに、どれが優れているかわからないのだ。