日本における認知症の診断遅延と関連する要因は?

提供元:ケアネット

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公開日:2026/02/23

 

 認知症患者とその家族の生活の質を向上させるには、早期の診断とケア開始が不可欠である。日本では、支援団体が診断前後の孤立期である空白期間に注目しているが、その決定要因を検討した量的研究は、これまでほとんどなかった。東京都健康長寿医療センター研究所の岡村 毅氏らは、空白期間という枠組みを用いて、診断の遅れとケアアクセスの遅延に関連する要因を調査した。Psychogeriatrics誌2026年1月号の報告。

 本研究では、日本国内の医療機関78施設と認知症サポート医27人の協力の下、外来診療を受けている認知症患者の家族介護者を対象に、探索的横断的調査を実施した。空白期間は、空白期間I(BP1、認知症の認知から診断まで)と空白期間II(BP2、診断から介護保険サービス開始まで)の2つの段階に分類した。BP期間が75パーセンタイルを超えた参加者は、診断遅延または医療アクセス遅延に分類した。ロジスティック回帰分析は、BursacらおよびZhangらが提案した目的変数選択戦略に基づいて実施された。

 主な結果は以下のとおり。

・分析には、合計216の質問票が使用された。
・BP1およびBP2の平均期間は、それぞれ13.5ヵ月と16.9ヵ月であった。
・診断遅延は、女性介護者(オッズ比[OR]:4.51、95%信頼区間[CI]:1.72〜11.92、p=0.002)および患者の受診躊躇(OR:4.52、95%CI:2.07〜9.87、p<0.001)と関連していた。
・ケアアクセス遅延(BP2)は、診断時に65歳未満であること(OR:7.44、95%CI:1.93〜28.66、p=0.004)および同居していること(OR:3.78、95%CI:0.85〜16.91、p=0.082)と有意な関連が認められた。

 著者らは「日本における認知症患者の診断およびケアの遅延には、社会的要因、文化的要因、病理学的要因が関連していることが明らかになった」と結論付けている。

(鷹野 敦夫)