蛋白尿の進行が認知機能低下と独立して関連

提供元:ケアネット

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公開日:2026/02/24

 

 慢性腎臓病(CKD)患者を対象とした前向きコホート研究により、CKDの重症度が認知機能障害の発症リスク上昇と関連し、とくに蛋白尿の進行が注意力・処理速度および実行機能の低下と独立して関連することが、米国・Tulane University School of Public Health and Tropical MedicineのZhijie Huang氏らにより示された。JAMA Network Open誌2026年2月17日号掲載の報告。

 これまでの研究により、CKDが認知症や認知機能低下のリスク因子となる可能性が指摘されているが、CKD患者のみを対象に前向きに検討した研究は限られている。そこで研究グループは、推算糸球体濾過量(eGFR)の低下と尿蛋白/クレアチニン比(UPCR)の上昇が認知機能障害の発症率上昇と関連するという仮説を立て、eGFRおよびUPCRに基づくCKD重症度と認知機能障害の発症との関連を検討した。

 対象は、Chronic Renal Insufficiency Cohort(CRIC)研究に2003~08年および2013~15年に登録された21~79歳のCKD患者5,607例であった。ベースラインで認知機能障害を有する患者は除外した。統計分析は2024年8月~2025年12月に実施した。

 認知機能は、全般的認知機能をModified Mini-Mental State Examination、言語記憶・遅延再生をBuschke Selective Reminding Test、注意力・処理速度をTrail Making Test A、実行機能をTrail Making Test Bで年1回または2年ごとに評価した。各検査において、ベースライン時のコホート全体平均から1SD以上低い値を示した場合を認知機能障害の発症と定義した。Cox比例ハザードモデルを用い、人口統計学的因子や生活習慣、臨床因子を段階的に調整して解析を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・参加者5,607例のうち、男性は3,159例(56.3%)、平均年齢は59.6歳(SD 10.8)、追跡期間中央値は各検査で4~6年であった。
・対数変換したUPCRが1SD上昇するごとに、注意力・処理速度障害のリスクは21%増加し(ハザード比[HR]:1.21、95%信頼区間[CI]:1.05~1.41、p=0.01)、実行機能障害のリスクは16%増加した(HR:1.16、95%CI:1.02~1.31、p=0.02)。
・eGFRが1SD低下するごとに、注意力・処理速度障害のリスクは21%増加した(HR:1.21、95%CI:1.05~1.38、p=0.006)。
・CKDステージ別では、G4~5はG1~2と比較して、注意力・処理速度障害リスクが54%増加した(HR:1.54、95%CI:1.05~2.27、線形傾向のp=0.03)。
・UPCRと認知機能障害との関連はeGFRで調整した後も維持された一方、eGFRと注意力・処理速度との関連はUPCRで調整した後に大きく減弱した。
・eGFRとUPCRを組み合わせた統合解析では、両方が最も進行した群(eGFRが60mL/分/1.73m2未満かつUPCRが150mg/g以上)は、基準群(eGFRが60mL/分/1.73m2以上かつUPCRが150mg/g未満)と比較して、全般的認知機能障害のリスクが38%増加し(HR:1.38、95%CI:1.05~1.82、p=0.003)、言語記憶・遅延再生障害のリスクが54%(HR:1.54、95%CI:1.08~2.19、p=0.02)増加した。
・これらの関連は、年齢、性別、人種、糖尿病の有無にかかわらず一貫して認められた。

 これらの結果より、研究グループは「CKDの重症度が認知機能障害の発症率増加と前向きに関連することが示された。これらの知見は、CKDの重症度が認知機能低下の危険因子であることを強調するものである」とまとめた。

(ケアネット 森)