整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

コラーゲンサプリ、皮膚と関節の健康に有益な可能性

 コラーゲンのサプリメント(以下、サプリ)には、皮膚の健康を改善し、加齢による変形性関節症の痛みを軽減するなど、一定の効果があることが、新たなエビデンスレビューで明らかになった。コラーゲンサプリを摂取している間は皮膚の弾力性と水分量が改善し、変形性関節症による痛みやこわばりも緩和されることが示された。サプリによるこのような効果は、摂取期間が長いほど大きくなることも確認されたという。英アングリア・ラスキン大学公衆衛生学分野のLee Smith氏らによるこの研究結果は、「Aesthetic Surgery Journal Open Forum」に1月30日掲載された。Smith氏は、「コラーゲンは万能薬ではないが、継続的に摂取することで、特に皮膚や変形性関節症に対して信頼できる効果がある」と述べている。

脳卒中後の転倒予防、在宅個別化介入で転倒率低下/BMJ

 脳卒中生存者の転倒率は、一般高齢者の転倒率と比べて2倍以上(73%vs.30%)と報告されており、多くの場合、転倒に伴う外傷や入院に至る。また、脳卒中経験者は転倒を繰り返す反復転倒者となるリスクが高く、転倒の影響は長期的な健康や幸福な生活を深刻に脅かす要因となるが、脳卒中後の転倒を予防する有効な介入法は確立されていない。オーストラリア・シドニー大学のLindy Clemson氏らは「FAST試験」において、在宅での個別化介入が、地域在住の脳卒中経験者の転倒を大幅に予防することを示した。研究の成果は、BMJ誌2026年3月24日号で報告された。

腱滑膜巨細胞腫、pimicotinibが高い奏効率/Lancet

 腱滑膜巨細胞腫(TGCT)は、関節滑膜、滑液包、腱鞘などに発生する局所的に侵襲性の高いまれな軟部組織腫瘍であり、痛み、腫れ、こわばり、関節可動域の低下が一般的な症状で、適切な治療が行われないと関節や骨に不可逆的な損傷を引き起こす可能性があるという。中国・首都医科大学のHairong Xu氏らは「MANEUVER試験」において、手術不能なTGCTの治療ではプラセボと比較してpimicotinib(高選択性の強力なコロニー刺激因子-1受容体[CSF-1R]阻害薬)は、25週時の客観的奏効率(ORR)が有意に高く、TGCT関連の機能制限および症状の負担に関して臨床的に意義のある改善をもたらし、管理可能な安全性プロファイルを有することを示した。研究の成果は、Lancet誌2026年3月14日号で報告された。

「スマートウェア」がフィットネストラッキングの次の最前線に

健康意識の高い人は、ウォーキングやジョギングの前に手首にFitbitを装着したり、ベルトに歩数計を付けたりすることが習慣になっている。しかし、追加の装置を用意しなくても歩数の測定や身体の動きの追跡が可能な「スマートウェア」の実現につながる新たな研究結果が明らかになった。現在使用されている肌に密着させるセンサーよりも、ゆったりとした衣服に取り付けた小型センサーの方が、身体の動きを正確に記録できることを突き止めたという。英キングス・カレッジ・ロンドン(KCL)工学分野のMatthew Howard氏らによるこの研究の詳細は、「Nature Communications」に1月20日掲載された。

3疾患を追加し8年ぶりに改訂「自己炎症性疾患診療ガイドライン2026」

 自己炎症性疾患とは、自然免疫系の遺伝子の異常で発症し、症状として発熱と眼、関節、皮膚、漿膜などに及ぶ全身炎症を特徴とする疾患である。その概念は比較的新しく1999年から提唱されている。現在では、診療技術の進歩などにより疾患分類なども整備されている。そして、その疾患の多くは希少疾病や難病として知られている。2017年に『自己炎症性疾患診療ガイドライン 2017』が発行され、遺伝学的検査など検査が一般的となり、日本免疫不全・自己炎症学会も創設された。その後、厚生労働科学研究などの研究班研究により、掲載疾患の改訂と新規疾患のガイドライン作成作業を経て『自己炎症性疾患診療ガイドライン2026』が発刊された。

夕食中心の食事でフレイルリスク上昇

 夕食にエネルギー摂取が偏る高齢者や、朝食と夕食にエネルギー摂取のピークがある高齢者では、朝食・昼食・夕食で均等にエネルギーを摂取する高齢者と比べてフレイルの有病率が高い可能性を、韓国国立保健研究院のHan Byul Jang氏らが示した。Nutrients誌2026年2月22日号掲載の報告。  高齢者のフレイル予防において食事は重要な要素であるが、これまでの研究は主に総エネルギー摂取量や栄養の質に焦点が当てられてきた。近年、時間栄養学(chrono-nutrition)の観点から食事タイミングの重要性が示唆されているが、1日を通したエネルギー摂取の時間的分布を包括的に検討した研究は限られている。そこで研究グループは、食事の量・質・タイミングが高齢者のフレイルと独立して関連するかどうかを検討するため、横断研究を実施した。

最新の人工股関節、30年後も92%が再置換術不要/Lancet

 カナダ・Queen's School of MedicineのVeronica Pentland氏らは、システマティックレビューおよび各国の人工関節レジストリデータのメタ解析を行い、最新の人工股関節全置換術の30年生存率、すなわち30年間再置換術を施行しない患者の割合は92%と推定されることを報告した。人工股関節の耐用年数を知ることは、患者、外科医、そして医療機関にとって重要である。過去20年間で、人工股関節における最新のベアリングの使用がインプラントの摩耗、さらには耐久性に大きな変化をもたらしているが、これら最新インプラントの耐用年数を検討した大規模な研究はこれまでなかった。著者は、「今回の結果は、ベアリングの摺動面技術の進歩により人工股関節の長期耐久性が大幅に向上していることを示しており、患者への説明、医療計画の策定および医療機器規則に影響を及ぼす可能性がある」とまとめている。Lancet誌2026年2月28日号掲載の報告。

末梢動脈疾患(PAD)の症状改善にメトホルミンは無効(解説:小川大輔氏)

末梢動脈疾患(Peripheral Artery Disease;PAD)は、動脈に脂肪やコレステロールが蓄積する動脈硬化によって、腹部大動脈から下肢の動脈が狭くなり血流が制限される疾患である。これにより、歩行時の足の痛み(間欠性跛行)などの症状が生じる。症状はゆっくりと現れることが多いが、急激に悪化する場合もある。主な原因は動脈壁への脂肪、コレステロールなどの蓄積、いわゆるアテローム性動脈硬化と考えられている。PADの患者は動脈硬化を原因とする狭心症や脳梗塞を合併することが多いため、下肢だけでなく全身の動脈硬化症の評価も必要となる。

身体活動や座位時間の小さな変化による死亡に対する効果を検討(解説:名郷 直樹 氏)-2088

中等度から激しい強度の運動を5分、10分増やし、座位での活動を30分、60分減らしたときの死亡に対する効果を、活動度の低い下位20%の集団(ハイリスクアプローチ)と、活動度の高い上位20%を除いた80%の集団(ポピュレーションアプローチ)で、米国、スウェーデン、ノルウェー、英国のコホート研究のメタ分析により検討した論文である。またこのメタ分析は、各研究の結果を統合するのではなく、個々のデータを統合し解析している点で、メタ分析というより1つの巨大なコホート研究という側面がある。結果は、追加された英国のコホートとそれを除く7つのコホートで別々に解析されている。後者では、中等度から強度の強い活動を1日5分増やすと、死亡リスクがハイリスクアプローチで6%(95%信頼区間:4.3~7.4)、ポピュレーションアプローチで10%(6.3~13.4)低下し、10分の増加ではそれぞれ8.8%、14.9%低下している。また座位での活動を1日30分減らすと、死亡リスクがハイリスクアプローチで3%(2.0~4.1)、ポピュレーションアプローチで7.3%(4.8~9.6)低下、60分の減少ではそれぞれ5.5%、12.6%低下と報告されている。追加された英国のコホートでも、効果量は小さいものの同様な結果である。

変形性関節症患者のQOLに重要なのは握力よりも日常生活動作

 握力は従来、筋力の指標とされているが、変形性関節症(OA)患者においては、握力よりも、椅子から立ち上がれるかなどの日常生活動作の方が生活の質(QOL)に大きく影響することが示された。シャルジャ大学(アラブ首長国連邦)のAsima Karim氏らによるこの研究の詳細は、「European Journal of Applied Physiology」に12月6日掲載された。Karim氏は、「この結果は非常に印象的だった。OA患者は握力が弱く、QOLも全体的に低いが、QOL低下の実態を示していたのは、握力ではなく日常生活動作だったのだ」と述べている。