腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:156

HER2+乳がん2次治療へのT-DXd vs.T-DM1、アジア人サブグループ解析結果(DESTINY-Breast03)/日本臨床腫瘍学会

 DESTINY-Breast03試験の中間解析結果がESMO2021で発表され、トラスツズマブとタキサンによる治療歴のあるHER2陽性の切除不能または転移を有する乳がん(mBC)患者に対し、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)がトラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)と比較し無増悪生存期間(PFS)を有意に延長した。同試験のアジア人サブグループ解析結果を、韓国・Seoul National University HospitalのSeock-Ah Im氏が、第19回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2022)で発表した。

PD-L1高発現NSCLC1次治療に対するアテゾリズマブ+ベバシズマブの効果(WJOG@Be)/ J Immunother Cancer

  非小細胞肺がん(NSCLC)において、免疫チェックポイントと血管新生阻害薬の併用の可能性が議論されている。PD-L1阻害薬アテゾリズマブと血管新生阻害薬ベバシズマブの併用は第III相IMpower150試験で検討されているが、化学療法がベースの検討であり、アテゾリズマブ+ベバシズマブのみの有用性評価ではない。  そのような中、NSCLCに対するアテゾリズマブ+ベバシズマブの評価が、九州がんセンターの瀬戸貴司氏らによる第II相単群WJOG@Be試験で検討されている。同試験結果がJournal for immunotherapy of cancer誌で発表され、未治療のPD-L1高発現NCSLCに対するアテゾリズマブ+ベバシズマブの可能性が示唆されている。

ニボルマブ+カボザンチニブ、腎細胞がん1次治療の2年間追跡で持続的な生存ベネフィットを示す(CheckMate-9ER)/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブとExelixis社は、2022年2月14日、第III相CheckMate -9ER試験の2年間の追跡調査の解析結果を発表した。同解析では、進行腎細胞がん(RCC)のファーストライン治療において、ニボルマブとカボザンチニブの併用療法が、スニチニブと比較して、持続的な生存および奏効ベネフィット、並びに健康関連の生活の質(HRQOL)の改善を示した。  これらの最新のデータは、米国臨床腫瘍学会(ASCO)2022年泌尿器がんシンポジウムのポスタープレゼンテーションで発表される。

進行食道扁平上皮がんの1次治療、ニボルマブを含むレジメンが有望/NEJM

 進行食道扁平上皮がん患者の1次治療では、抗プログラム細胞死1(PD-1)モノクローナル抗体ニボルマブ+化学療法の併用と、ニボルマブ+抗細胞傷害性Tリンパ球抗原4(CTLA-4)抗体イピリムマブの併用は、化学療法単独と比較して、いずれのレジメンも全生存期間を有意に延長することが、大阪大学大学院医学系研究科消化器外科学の土岐祐一郎氏らが実施した「CheckMate 648試験」で示された。新たな安全性のシグナルは確認されなかったという。研究の成果は、NEJM誌2022年2月3日号に掲載された。  本研究は、進行食道扁平上皮がんの1次治療における免疫チェックポイント阻害薬と化学療法の併用、および免疫チェックポイント阻害薬2剤併用の有効性と安全性の評価を目的とする非盲検無作為化第III相試験であり、2017年6月~2019年11月の期間に、日本を含む26ヵ国182施設で参加者の登録が行われた(Bristol Myers SquibbとOno Pharmaceuticalの助成を受けた)。

ctDNA検出のMRDが術後NSCLCの再発予測バイオマーカーに?

 近年、非小細胞肺がん(NSCLC)における周術期治療において、さまざまな薬剤の臨床試験が進行しており、今後治療が変化していくことが予想される。しかし、アジュバントによるメリットを受ける患者層を特定するためには、再発リスクを評価するためのバイオマーカーが必要である。  中国・四川大学のLiang Xia氏らは、周術期の循環腫瘍DNA(circulating tumor DNA:ctDNA)が、分子残存病変(MRD)の早期発見と、術後再発予測のバイオマーカーとなりうるか、検討を行った。Clinical Cancer Research誌オンライン版2021年11月29日号掲載の報告。

閉経前ER+早期乳がん患者への卵巣抑制+AI vs.タモキシフェン/Lancet Oncol

 卵巣機能抑制療法を受けているエストロゲン受容体(ER)陽性の閉経前早期乳がん患者における、アロマターゼ阻害薬とタモキシフェンの有効性について、Early Breast Cancer Trialists’Collaborative group(EBCTCG)が4つの無作為化試験のメタ解析により比較した。Lancet Oncology誌オンライン版2022年2月3日号に掲載の報告より。  LH-RHアゴニスト(ゴセレリンまたはトリプトレリン)または卵巣摘出術を受けている閉経前のER陽性乳がん患者を対象に、アロマターゼ阻害薬(アナストロゾール、エキセメスタン、またはレトロゾール)とタモキシフェンを3~5年間比較した無作為化試験の患者データを用いてメタ解析を行った。ベースライン特性、乳がんの再発または二次原発がん発生の日付と部位、および死亡の日付と原因に関するデータが収集された。

世界初、ニボルマブが原発不明がんの適応追加

 2022年1月19日、小野薬品工業とブリストル マイヤーズ スクイブは原発不明がんの治療薬として、適応追加承認を取得した免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブ(商品名:オプジーボ)に関するプレスセミナーを開催した。  今回のセミナーでは、原発不明がんへの適応拡大の意義や臨床試験結果などについて、中川 和彦氏(近畿大学 内科学 腫瘍内科部門)が説明した。  原発不明がんは十分な検索にもかかわらず、原発巣が不明で、組織学的に転移巣と判明している悪性腫瘍のことを指す。全がん種のうち1~5%が原発不明がんとされている。しかし、原発不明がんに承認されている薬剤はこれまで存在せず、治療を行うためには何らかの病名を付ける必要があることから、正確な患者数は不明だ。

乳がんリスクの高い9遺伝子、腫瘍サブタイプや悪性度との関連は?/JAMA Oncol

 乳がんとの関連が報告されている9つの生殖細胞系列の遺伝子変異について、それぞれ腫瘍サブタイプや悪性度にどんな特徴があるのか? 多施設共同症例対照研究(BRIDGES研究)の結果を、英国・ケンブリッジ大学のNasim Mavaddat氏らがJAMA Oncology誌オンライン版2022年1月27日号に報告した。  本研究は1991~2016年の間に実施され、遺伝子解析と分析は2016~21年に行われた。ATM、BARD1、BRCA1、BRCA2、CHEK2、PALB2、RAD51C、RAD51D、およびTP53の9つの遺伝子変異について、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、ERBB2の状態および腫瘍の悪性度(組織型、サイズ、TNM病期、リンパ節転移)によって定義された5つの乳がんサブタイプ(HR+ERBB2-低悪性度、HR+ERBB2+、HR+ERBB2-高悪性度、HR-ERBB2+、トリプルネガティブ)との関連が解析された。

HIMALAYA試験でデュルバルマブ+tremelimumabの肝がん1次治療が有望な成績/AZ

 アストラゼネカは、2022年1月26日、第III相HIMALAYA試験の結果から、切除不能な肝細胞がん(HCC)のうち、全身療法による前治療歴がなく、局所療法の適応とならない患者の1次治療として、デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)に免疫反応を誘導(プライミング)するtremelimumab単回投与を追加した併用療法が、ソラフェニブと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある全生存期間(OS)の延長を示したことを発表した。

デュルバルマブ+化学療法、進行胆道がん1次治療で奏効(TOPAZ-1)/AZ

 アストラゼネカは、2022年1月26日 、第III相TOPAZ-1試験の良好な結果から、進行胆道がん(BTC)の1次治療薬として、デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ )と標準化学療法の併用が、化学療法単独と比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)の延長を示したことを発表。この結果は、2022年1月21日に米国臨床腫瘍学会(ASCO)消化器がんシンポジウムで示された。  TOPAZ-1試験では、デュルバルマブと化学療法の併用療法により、病勢進行または死亡のリスクが25%低下した(HR:0.75、95%CI:0.64〜0.89、両側検p=0.001)。PFS中央値は、デュルバルマブと化学療法の併用療法の7.2ヵ月に対し、化学療法単独は 5.7ヵ月であった。デュルバルマブと化学療法の併用療法の奏効率(ORR)は26.7%であったのに対し、化学療法単独のORRは18.7%であった。