洞結節抑制薬ivabradine、心拍数低下により心不全の予後を改善:SHIFT試験

選択的洞結節抑制薬ivabradineの心拍数低下効果により、心不全の臨床予後が有意に改善されることが、スウェーデン・Gothenburg大学のKarl Swedberg氏らが実施した無作為化試験(SHIFT試験)で明らかとなった。この20年で、既存の心不全治療法の効果は確立されているが、依然として予後は極めて不良なことから、新たな治療法の開発が最重要課題とされている。SHIFT試験では安静時心拍数の上昇は心不全における不良な予後のリスク因子であることが示されており、ivabradineは洞結節のIf電流を特異的に阻害することで心拍数を低下させ、β遮断薬とは異なり収縮能が低下した患者でも心筋収縮や心臓内伝導に影響を与えないという。Lancet誌2010年9月11日号(オンライン版2010年8月29日号)掲載の報告。