喫煙の冠動脈心疾患リスクへの影響、女性のほうが大きい

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2011/10/20

 



喫煙が冠動脈心疾患リスクの上昇に及ぼす影響は男性よりも女性で大きいことが、米国・ミネソタ大学のRachel R Huxley氏らの検討で示された。現在、世界の喫煙者数は11億人にのぼり、その5分の1が女性である。たばこを直接的原因とする死亡数は、毎年、500万人以上に達し、そのうち150万人が女性だという。この状況を放置すれば、2030年までにたばこで死亡する女性は250万にまで増加すると予想されている。喫煙は冠動脈心疾患のリスク因子だが、女性における喫煙の影響が男性と同じかは不明であった。Lancet誌2011年10月8日号(オンライン版2011年8月11日号)掲載の報告。

前向きコホート試験のメタ解析




研究グループは、喫煙が女性の冠動脈心疾患のリスクに及ぼす影響を男性との比較において検討することを目的に、文献を系統的にレビューしメタ解析を行った。

1966年1月1日~2010年12月31日までに発表され、冠動脈心疾患や喫煙の相対リスクを男女別に検討したプロスペクティブなコホート試験を対象とした。

データはinverse variance weightingによる変量効果モデルを用いて統合し、男女間の相対リスク比を推算した。

若年女性の喫煙率が高い国は対策を




86試験(391万2、809人、冠動脈心疾患イベント6万7、075件)に関する26論文が抽出された。

冠動脈心疾患以外の冠動脈リスク因子で調整した75コホート(240万人)について総合解析を行ったところ、非喫煙者との比較における喫煙者の冠動脈心疾患リスクは、男性よりも女性で有意に高かった(相対リスク比:1.25、95%信頼区間:1.12~1.39、p<0.0001)。このアウトカムは出版バイアスで調整後も変化せず、試験間の大きな不均一性も確認されなかった(p=0.21)。

追跡期間が1年長くなるごとに、相対リスク比は2%ずつ大きくなり、これは有意な変化であった(p=0.03)。53試験の統合データでは、喫煙経験者と非喫煙者の相対リスクに男女差は認めなかった(相対リスク比:0.96、95%信頼区間:0.86~1.08、p=0.53)。

著者は、「冠動脈心疾患リスクにおける性差の基本的なメカニズムが、生物学的な要因によるのか、喫煙行動の男女差に関連するものなのかは不明」とし、「特に若年女性の喫煙率が上昇している国では、女性を対象とする喫煙管理プログラムの実施を考慮すべき」と提言している。

(菅野守:医学ライター)