旧社会主義国生まれの禁煙補助薬シチシンの有効性と安全性

提供元:ケアネット

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公開日:2011/10/12

 



1964年にブルガリアで発売され、40年以上にわたり旧社会主義国で商品名Tabexとして流通してきた禁煙補助薬シチシンについて、英国・ロンドン大学のRobert West氏らが、有効性と安全性に関する単施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験を行った。一部の禁煙補助薬には寿命保持への費用対効果が認められるが、国によってはその治療コストが喫煙コストよりも非常に高くつく(たとえば中国では、8週間課程ニコチン補充療法230ドルに対しタバコ20本約73セント、15セントのものもあるという)。シチシンは、2004年にEU加入後も発売を続けるポーランドでは15ドル、またロシアではOTC薬として6ドルほどで入手でき、研究グループはその低コストに着目した。NEJM誌2011年9月29日号掲載報告より。

25日間治療終了後、12ヵ月の継続禁煙を評価




シチシンは、α4β2ニコチンアセチルコリン受容体と高親和性に結合する部分的作動薬で、至適用量についての検討をはじめ現在標準に適合した治験は行われていない。

研究グループは、比較的短期治療(25日間)および最低限の医療専門家との接触でとの設定で、ポーランドのワルシャワにあるSklodowska-Curie記念がんセンターで被験者を募り行った。1,542例がスクリーニングを受け、740例が登録され、シチシン投与群(370例)とプラセボ投与群(370例)に無作為化に割り付けられた。

シチシン投与は、2004年にEUに加盟した国で許可されている方法に従い、1~3日は1日6錠(2時間ごとに1錠服用)、4~12日は同5錠、13~16日は同4錠、17~20日は同3錠、21~25日は同2錠のスケジュールで行われた。

両群被験者は治療期間中4回のカウンセリング[0、0~7(電話)、7、28日目]を受け、投与終了後6ヵ月の間に2回、さらにその後6ヵ月の間に2回のフォローアップを受けた。

主要評価項目は、投与終了後12ヵ月間の化学的に確認された継続禁煙とされた。

世界的な禁煙促進の安価な治療薬と成りえる




被験者登録は2007年12月10日に開始され、フォローアップ最終は2010年9月2日だった。

結果、投与終了後12ヵ月継続禁煙の割合は、シチシン群8.4%(31例)、プラセボ群2.4%(9例)だった(格差:6.0ポイント、95%信頼区間:2.7~9.2、P=0.001)。最終12ヵ月時点フォローアップ前週の禁煙達成者は、シチシン群13.2%、プラセボ群7.3%だった(P=0.01)。

両群計10例以上が報告された消化器系、精神医学的、神経系、皮膚・皮下組織の4区分の有害事象のうち、シチシン群の頻度が最も高かったのは消化器系イベントで、プラセボ群との格差は5.7ポイント(95%信頼区間:1.2~10.2)だった。

研究グループは、「この単施設試験において、シチシンはプラセボより有効だった。他の禁煙療法と比べて安価であるシチシンは、禁煙を世界的に促進させるために手に入れやすい治療と成りえる」と結論している。

(武藤まき:医療ライター)