腺腫、進行腺腫、大腸がんの有病率や必要検査数、男女間で格差

提供元:ケアネット

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公開日:2011/10/11

 



腺腫、進行腺腫、大腸がんの有病率は、同年齢層でみるといずれも男性で高率であり、検診で1人の疾病を検出するための必要検査数(NNS)も性別によって異なることが明らかにされた。オーストリア胃腸・肝臓学会のMonika Ferlitsch氏らが、約4万4,000人について行ったコホート試験で明らかにしたもので、JAMA誌2011年9月28日号で発表した。

腺腫、進行腺腫、大腸がんの有病率はいずれも男性が女性の約2倍




研究グループは、2007~2010年に、全オーストリアの大腸内視鏡検査によるスクリーニング・プログラムを受けた4万4,350人について解析を行い、腺腫、進行腺腫、大腸がんの有病率とNNSについて、男女の年齢層別における格差を調べた。

被験者は、女性が51.0%、年齢中央値は女性60.7歳、男性60.6歳だった。

結果、腺腫が検出されたのは全体の19.7%(8,743人)、進行腺腫は6.3%(2,781人)、大腸がんは1.1%(491人)だった。NNSは、腺腫5.1、進行腺腫15.9、大腸がん90.9だった。

男女別にみた、腺腫の有病率は男性24.9%、女性14.8%(補正前オッズ比:1.9、p<0.001)、進行線種は同8.0%、4.7%(同:1.8、p<0.001)、大腸がんは同1.5%、0.7%(同:2.1、p<0.001)であり、いずれも男性で高率だった。

進行腺腫有病率と必要検査数、45~49歳男性と55~59歳女性で同等




年齢別では、男性50~54歳の進行腺腫有病率は5.0%に対し、同年齢層の女性では2.9%と低く、必要検査数も男性20に対し女性34だった(いずれも補正後p=0.001)。

一方で、同有病率について男性45~49歳(3.8%)と、それより高齢層の女性55~59歳(3.9%)とで同等であることが認められ、同年齢層比較では、必要検査数も同等だった(男性:26.1、女性26)(p=0.99)。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)