バレット食道患者の食道腺がんリスク、サーベイランスの推定リスクよりはかなり低い

提供元:ケアネット

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公開日:2011/10/26

 



バレット食道は、食道腺がんの強力なリスク因子であるが、年間絶対リスクは推定されているよりもずっと低いことが明らかにされた。デンマークのAarhus大学病院胃腸外科部門のFrederik Hvid-Jensen氏らが、デンマーク国内の病理およびがん登録データによるコホート研究から報告したもので、現行のサーベイランス・ガイドラインで根拠とする推定リスクは0.5%だが、本調査の結果、絶対年間リスクは0.12%であったという。バレット食道患者における食道腺がん、高度異形成については、正確な住民ベースの研究が求められていた。Hvid-Jensen氏は、「現行の異形成を伴わないバレット食道患者に行われているサーベイランスの正当性に、疑問を投じるデータが得られた」と結論している。NEJM誌2011年10月13日号掲載報告より。

デンマーク住民ベースのコホート研究




研究グループは、1992~2009年の間の、デンマークの全バレット食道患者を対象として全国住民ベースコホート調査を行った。患者のデータは、デンマーク病理登録データ、および同がん登録データを利用した。

腺がんと高度異形成の発症率(1,000人・年当たりの症例数)を調べ、相対リスク指標として、調査期間中のデンマークの全国的ながん発生率を用いて標準化発生比を算出して評価を行った。

バレット食道患者の食道腺がん、一般住民の11.3倍だが年間リスクは0.12%




バレット食道患者1万1,028人(うち男性66.8%)について、中央値5.2年間のデータが解析された。

内視鏡検査が行われた患者で、1年以内に腺がんが新たに診断されたのは131例だった。その後に新たに検出されたのは66例で、腺がん発症率は、1,000人・年当たり1.2例(95%信頼区間:0.9~1.5)だった。

一般集団と比較したバレット食道患者の腺がんの相対リスクは、11.3倍(95%信頼区間:8.8~14.4)であった。食道腺がんの年間リスクは、0.12%(同:0.09~0.15)であった。

内視鏡検査で軽度異形成が検出された人の腺がん発症率は、1,000人・年につき5.1例だった。対照的に、異形成を伴わなかった患者の発症率は、1,000人・年につき1.0例だった。

高度異形成の推定発生リスク値は、腺がんの同値よりわずかに高かった(例:発症率1,000人・年当たり1.9例、95%信頼区間:1.6~2.3)。

(武藤まき:医療ライター)