日本発エビデンス|page:75

若者の約4割がネット依存…精神症状との関連は?:日本の大学生

 日本の大学生の約4割は、インターネットによって生活に問題がもたらされているという研究結果が、慶應義塾大学の北沢 桃子氏らによって報告された。筆者らは、その予測要因として、女性であること、年齢が高いこと、睡眠不足、ADHD傾向、うつ病、不安傾向が挙げられるとした。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌2018年4月13日号に掲載。

日本の児童・思春期におけるADHD治療薬の処方率に関する研究

 児童・思春期における注意欠如多動症(ADHD)の有病率は、地域差が小さいが、ADHD治療薬の処方率には、大きな地域差があるといわれている。薬剤処方の地域差を理解することで、潜在的に過剰または過小な処方の状況に関する示唆が得られる。しかし、日本人におけるADHD治療薬の処方率についてはよくわかっていない。医療経済研究機構の奥村 泰之氏らは、日本の児童・思春期におけるADHD治療薬の処方、新規処方、継続率を明らかにするため、調査を行った。Epidemiology and psychiatric sciences誌オンライン版2018年5月28日号の報告。

吸入薬の使い方、効果発現の要は舌を下げること

 気管支喘息治療の根幹はステロイド薬を中心とした吸入薬であり、正しい吸入操作を行うことが必要不可欠である。今回、藤田保健衛生大学の堀口 高彦氏らは、吸入デバイスの操作だけでなく、目に見えない口腔内の状況、とくに舌に焦点を当て、吸入薬使用時の望ましい舌の位置について検討を行った。その結果、舌を下げて吸入薬の通り道をつくることで、より多くの薬剤が咽頭に到達し、気管方向に流入していく様子が確認できた。舌が吸入薬の流入経路の妨げにならないよう、舌と舌根をなるべく下げ、喉の奥を広げるよう患者に指導することが望ましい。今回の結果は、The journal of allergy and clinical immunology:In practice誌2018年5~6月号に掲載された。

日本における抗認知症薬の処方量に関する研究

 2015年時点で、世界で認知症を有する人は4,700万人いるといわれている。認知症の有病者数は、2050年には1億3,200万人に達すると予想されており、そのうちアジア諸国が51%を占めると予想されている。日本は、OECD(経済協力開発機構)加盟国の中で最も認知症の有病率が高く、人口の2%(約500万人)が認知症に罹患している。

緑茶は口腔関連QOLに好影響~亀岡スタディ

 緑茶とコーヒーはどちらも健康によい効果をもたらすことが知られているが、口腔健康に関連する生活の質(OHRQoL)との関連は不明である。今回、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の南里 妃名子氏らは、高齢者コホートでの調査で、緑茶摂取量がOHRQoLと関連することを報告した。とくに男性では、1日3杯以上の摂取でOHRQoL不良リスクが減ることが示唆された。一方、コーヒー摂取量との関連は示されなかった。European Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2018年5月23日号に掲載。

乳児期に被災した福島の子供は体重増加の傾向

 生後10ヵ月までに福島県で東日本大震災の被害を受けた子供は、過体重の傾向があることが福島県立医科大学の小野 敦史氏らの研究により明らかになった。この結果について小野氏は、福島第一原子力発電所に近く放射線量がより高い浜通りや中通りにおいて外出が制限されたことが関係しているという見解を示している。BMJ Paediatrics Open誌2018年2月7日号に掲載。

認知症を除外できない?高齢者の新運転免許制度

 多発する高齢ドライバーによる事故を防ぐため、2017年3月の道路交通法改正で75歳以上の運転免許更新の手続きが変更になったが、新制度でも認知症の高齢者を必ずしもスクリーニングできていない―。八千代病院認知症疾患医療センターの川畑信也氏は、5月25日~27日大阪で開催された日本抗加齢医学会の「自動車運転の現在と未来」と題したシンポジウムで、こうした問題提起を行った。

男女の排尿時間はどちらが長いか?~日本抗加齢医学会総会

 「あなたは自分が何秒間おしっこしているか知っていますか?」  男女別の排尿時間という、これまで泌尿器科、婦人科の世界できちんと検証されてこなかったシンプルな疑問を明らかにしたのは、旭川医科大学病院臨床研究支援センターの松本 成史氏。5月25日~27日に大阪で開催された日本抗加齢医学会のシンポジウム中でその研究成果を発表した。

中高生時代の部活が心血管死リスクに影響か~日本人7万人調査

 日本人の中高生時代における運動部への参加と成人期の運動習慣が心血管疾患(CVD)死亡率にどのように関連するのかを、米国・Harvard T.H. Chan School of Public Healthのゲロ クリスティーナ氏らが調査した。その結果、成人期に運動している男性において、中高生時に運動部に参加していた人の冠動脈疾患(CHD)死亡リスクはより低いことが示唆された。Preventive Medicine誌オンライン版2018年5月10日号に掲載。

日本人は身長が高いと脳血管死亡リスク低い~JPHC研究

 成人の身長と死亡リスクの関連が以前の研究で示唆されているが、日本人における身長と全死因死亡率・疾患別死亡率との包括的な関連は不明である。今回、わが国の前向きコホート研究(JPHC研究)で評価したところ、成人での身長が高いと、男女共に脳血管疾患死亡リスクが低く、逆に男性のがん死亡リスクが高いことが示唆された。PLOS ONE誌2018年5月14日号に掲載。