血圧レベル別の脳卒中・冠動脈疾患死亡の生涯リスク~EPOCH-JAPAN

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 生涯リスク(lifetime risk、以下LTR)は、生涯に対象疾患を罹患する確率であり、長期的な絶対リスクを示す。アジア人集団において、詳細な血圧分類別の脳卒中死亡および冠動脈疾患(coronary heart disease、以下CHD)死亡のLTRを算出した研究は存在しない。今回、日本の主要な循環器疫学コホート研究の個人レベルのデータを統合した大規模統合データベースEPOCH-JAPANを用いたことにより、血圧レベル別の脳卒中死亡およびCHD死亡のLTRが明らかになったことを、東北医科薬科大学の佐藤 倫広氏らが報告した。本研究で算出されたLTRは、とくに10年間の循環器疾患死亡率が低い若年の高血圧患者に対して、早期の生活習慣是正と降圧治療開始の動機付けに役立つだろう、と結論している。Hypertension誌2019年1月号に掲載。

 主な結果は以下のとおり。

・メタ解析には、13コホート、10万7,737人の日本人(男性42.4%、平均年齢55.1歳)が含まれた。
・平均追跡期間15.2±5.3年(155万9,136人年)の間に、脳卒中で1,922人が死亡し、CHDで913人が死亡した。
・アウトカム以外の死亡を競合リスクとして調整後、35歳時点の脳卒中死亡およびCHD死亡の10年リスクは、それぞれ1.9%以下および0.3%以下であった。
・35歳時点の脳卒中死亡LTR(男性/女性)は、至適血圧群で6.1%/4.8%、正常血圧群で5.7%/6.3%、正常高値血圧群で6.6%/6.0%、I度高血圧群で9.1%/7.9、II度高血圧群で14.5%/10.3%、III度高血圧群で14.6%/14.3%であった。
・CHD死亡LTRも、血圧の上昇とともに高値を示したが、脳卒中死亡LTRよりも低かった(7.2%以下)。
・脳卒中またはCHDによる死亡のLTRは、基準年齢が若年ほど高値を示した。

(ケアネット 金沢 浩子)

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