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だいじょうぶか安房医師会:無料低額診療に反対する理由がひどい (その1/2)

 亀田総合病院副院長 社会福祉法人太陽会顧問 小松 秀樹 2012年10月31日 MRIC by 医療ガバナンス学会 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 ●原徹文書 2012年10月9日、安房医師会理事会(会長、副会長以外に6名の理事が出席)において、原徹安房医師会副会長が「安房地域医療センター 無料低額診療施設としての位置付けに関して」と題する文書を配布した。原徹医師は、千葉県医師会副会長であり、日本医師会代議員でもある。医師会活動に長年取り組み、医師会内で地位を獲得してきた。理事会では、間宮聰会長と3名の理事が、原徹文書の論理に沿って、安房地域医療センターで計画されている無料低額診療に対する反対意見を述べた。

HPVワクチン接種を受けた少女、その後の性交渉に変化はみられるのか?

HPVワクチン接種を受けた少女と受けなかった少女について、その後3年間の性交渉に関連した受診動向について後ろ向きに比較した結果、接種群の複合アウトカムリスク(妊娠/性感染症の検査または診断、避妊カウンセリング)の増大は、認められなかったことが報告された。米国のHMOカイザーパーマネント南東部ヘルスリサーチセンターのBednarczyk RA氏らによる報告で、これまでHPVワクチン接種後の性交渉の変化について自己申告に基づくサーベイ調査はあったが、臨床的指標を用いた調査はこれが初めてだという。Pediatrics誌オンライン版2012年10月15日号の掲載報告。

小学生の日焼け止め塗布量、中央値0.48mg/cm2で大人と同程度

オーストラリア・クイーンズランド工科大学公衆衛生校のDiaz A氏らは、小学生の日焼け止めの塗布量と年齢、および容器との関連についてクロスオーバー試験を行った。その結果、塗布量は製品推奨では2.00mg/cm2だが中央値0.48mg/cm2未満であり、ポンプ入りの日焼け止め利用者が最も厚塗りだったが、それでも1.00mg/cm2未満で大人と同程度であったことが明らかになった。Arch Dermatol誌2012年5月号の掲載報告。

複数部位筋骨格痛の鑑別は主要な痛点をベースに

複数部位の筋骨格痛を訴えるケースは多いが、南デンマーク大学のHartvigsen J氏らはそれらの特異的パターンの定義を行った。その結果、「特異的パターンは、主要な痛点をベースに判定することが可能である。疼痛の主訴が脊椎にある人のほうが四肢にある人と比べて複数のパターンがみられる」ことを報告した。複数部位に起こる疼痛はネガティブな予後を予感させるが、これまで特異的な疼痛パターンに関する情報は十分ではなかった。

抗てんかん薬の処方、小児神経科医はどう使っている?

スウェーデン ウプサラ大学のMattsson氏らは、てんかん児の社会人口統計学的背景(居住地など)と抗てんかん薬処方との関連について調査した。その結果、年齢や居住地による専門医療アクセスの不平等さや、小児神経科医とその他の専門医とでは抗てんかん薬の処方に違いがあることが明らかとなった。著者は「広範な医療圏がてんかん児の医療機関へのアクセスを妨げていることを示す重要な報告となった。小児神経科医の充実が専門的医療サービスへのアクセスにとって重要であるかどうかについて、データの獲得はできなかったものの、傾向を把握することができた」と指摘している。Epilepsia誌オンライン版2012年10月12日号の報告。

5価ロタウイルスワクチンの有効性、1回接種88%、2回接種で94%に

5価ロタウイルスワクチン(RV5、商品名:ロタテック)について、3回接種を完了していなくても、ロタウイルス胃腸炎に対し有効性を示すことが報告された。米国・OptumInsight EpidemiologyのWang FT氏らが、3回接種を完了しなかった乳児を追跡した結果で、著者は「規定接種を完了しなかった場合のベネフィットを考えるうえで意義ある結果が得られた」と述べている。Pediatr Infect Dis J誌オンライン版2012年9月25日号の掲載報告。

世界初!「WEB版」気分変動アンケート、その後の臨床に有益

WEBベースで行う気分変動調査(Mood Swings Questionnaire:MSQ)など自己診断双極性障害スクリーニングの尺度は、高い認容性を有し、良好なアウトカムに結びつくことが明らかにされた。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のParker氏らが、WEB自己スクリーニング尺度の臨床への有用性を検討する公式では初となる試験の結果、報告した。Acta Psychiatr Scand誌オンライン版2012年10月5日号の掲載報告。

歩行補助器具の使用は変形性膝関節症に影響を与えるか

高齢になると男女ともに歩行補助器具を使用する頻度が高く、使用開始の有意な理由は膝の痛みとバランスの問題であることが、米国・退役軍人医療センターのCarbone LD氏らによる「Health ABCスタディ」の前向きコホート研究から明らかとなった。本検討では、歩行補助器具と膝の痛みスコアあるいは膝関節腔狭小化の進行との間に一貫した関連は認められなかったが、著者はさらなる研究で、変形性膝関節症の進行と歩行補助器具使用との関連について調べる必要があると述べている。Arch Phys Med Rehabil誌オンライン版2012年10月4日号の掲載報告。

学校でのワクチン接種プログラムに対し、多くの開業医が自院経営面への影響を懸念

米国・CDC公衆衛生予防サービス部門のMcCormick EV氏らは、学校で行われる青年期ワクチン(思春期ワクチン)およびインフルエンザワクチンの接種に対する医師の考え方について調査を行った。コロラド州の開業医1,337人を対象とした調査の結果、大半の医師が学校でのワクチン接種を支持する一方で、診療所経営への影響について懸念を抱いていることが明らかとなった。著者は、「医師の民間保険加入者への接種に対する支持が少なく、受診児の減少と収入への影響が障壁となっていることが示されたが、さらなる調査が必要である」とまとめている。Pediatrics誌オンライン版2012年10月1日号の掲載報告。

口腔粘膜の固定薬疹、鑑別診断で考慮すべきことは?

 口腔粘膜の固定薬疹(FDE)の特性については、ほとんど知られていない。トルコ・イスタンブール大学のOzkaya E氏は、臨床的に注目すべきポイントおよび鑑別診断を提示するため後ろ向き断面研究を行った。その結果、主要所見として口腔内局所のアフタ性病変や重度の水疱性/びらん性病変と、残存性色素沈着の欠如は、鑑別診断を難しくする可能性があると述べた。そのうえで、女性患者における月経困難に関連した非ステロイド性抗炎症薬による口腔内FDEと、月経が引き起こす単純ヘルペス感染症によるもの、およびベーチェット病由来の局所のorogenitalなアフタFDAとを区別することが、とくに疾患頻度の高い国では不適切な治療を避けるために重要であると結論した。J Am Acad Dermatol誌オンライン版2012年10月5日号の掲載報告。

乾癬の発生率、赤道から遠く離れるほど高い?

世界的な乾癬の発生率および有病率は、十分には明らかとなっていない。英国・マンチェスター大学のParisi R氏らは、住民ベースで検討された文献を適格としたシステマティックレビューを行った。その結果、年齢や地域によって格差があることなどが明らかとなった。著者は、乾癬の発生率と有病率を調べることで疾病負荷への理解を深めることができたと述べるとともに、さらなる乾癬疫学や時間経過に伴う発生率の傾向などの理解を深め、既存の知見とのギャップを埋める必要があると指摘している。J Invest Dermatol誌2012年9月27日号の掲載報告。

慢性腰痛症患者の年間医療費、非慢性腰痛症患者の倍

慢性腰痛症の治療と関連医療費について後ろ向きに検証した結果、診察費や処方薬といった直接的なコストだけでも、患者にとって相当な経済的負担があることが明らかにされた。慢性腰痛症は一般的な健康問題である。英国・ロンドン大学経済社会科学部のHong J氏らが、GPリサーチデータベース(GPRD)から、慢性腰痛症の治療に関連する12ヵ月分の医療費を分析し報告した。Spine誌オンライン版2012年10月2日号の掲載報告。

HATCH scoreは、カテーテルアブレーション後の心房細動再発の独立した予測因子とはなりえない

HATCH scoreは、カテーテルアブレーション後の心房細動再発の予測因子とはなりえないことが示された。HATCH scoreは、発作性心房細動の持続性への進展予測因子として知られている。今回の研究では、HATCH scoreがカテーテルアブレーション後の再発を予測する因子となるか検討された。中国のTang RB氏らによる報告(Chin Med J誌2012年10月号掲載)。

バイポーラの躁症状に対するアリピプラゾールの位置付けは?

近年、わが国では双極性障害に適応を有する薬剤が次々と承認されている。従来、気分安定薬を中心とした薬剤が主流であったが、非定型抗精神病薬も使用可能となった。双極性障害患者の急性躁症状に対し、明確な薬理学的および副作用プロファイルを有するアリピプラゾールをどのように使用すべきだろうか。英国のDratcu氏らは、双極性障害患者の急性躁症状に対し、アリピプラゾールの豊富な使用経験を有する英国の医療専門家による委員会にて議論を行った。Int J Psychiatry Clin Pract誌2012年10月号の報告。

慢性腰痛症への鍼治療、プラセボと比較し症状および疼痛強度を改善

鍼治療の慢性腰痛症への効果について、シャム対照治療との比較の結果、症状スコアおよび疼痛強度の低下がみられ、より良好な効果を示すことが示唆されたと、韓国・キョンヒ大学校のCho YJ氏らが報告した。鍼治療は慢性腰痛症に効果的な治療として知られているが、プラセボより優れているかについては依然として不明なままであった。Spine誌オンライン版2012年9月28日号の掲載報告。

小児臨床試験の潮流、感染症/ワクチン試験が23%と最も多くを占める

臨床試験はエビデンスベースの医学情報を生み出すゴールドスタンダードである。米国では近年の法律制定により、ClinicalTrials.govへの臨床試験登録が義務化され、これまでは不可能であった臨床試験計画の全体的な評価が可能になった。そこで米国・デューク大学医学校のPasquali SK氏らは、小児臨床試験のポートフォリオを明らかにするため、ClinicalTrials.govを解析した。著者は、「今回の解析結果は、小児臨床試験実施の判断情報としてステークホルダーに役立つものとなるであろう。また、小児保健を改善するための試験のあり方(インフラや方法論)を前進させる上でも役立つ可能性がある」と結論している。Pediatrics誌オンライン版2012年10月1日号の掲載報告。