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グルタミン酸ドパミンD3受容体遮断による統合失調症の新たな創薬の可能性

 統合失調症の新たな創薬の可能性を示唆する、グルタミン酸作動経路を有するドパミンD3受容体の直接的および間接的相互作用について、フランス・Pierre Fabre Research CenterのSokoloff P氏らが報告した。側坐核中型有棘ニューロンの非対称性シナプスでグルタミン酸作動性とみられるドパミンD3受容体の免疫活性を描出したというもので、著者は「本知見は、新たなドパミンD3受容体選択的作動薬の開発コンセプトのフレームワークを提供するもので、統合失調症におけるグルタミン酸を直接的にターゲットとした、オリジナルの有効性、安全性を有する創薬出現の可能性がある」と述べている。Naunyn Schmiedebergs Arch Pharmacol誌オンライン版2012年9月22日号の掲載報告。

新規ワクチン導入後の安全性を適正に検討するには?

 デンマーク・Aarhus大学病院のRasmussen TA氏らは、ワクチン接種と時間的関連はあるが起因とはなっていない背景疾患の発生数を予想し、小児の大規模ワクチン接種後に発生する有害事象の因果関係評価を補足するため、全デンマーク集団ベースのコホート研究を行った。同種の検討はこれまで行われていなかったという。結果を踏まえて著者は、「年齢、性、季節分布に基づく正確な背景疾患の発生率を組み込むことは、ワクチンの安全性評価を強化することにつながる。また新規ワクチン導入後に増大するリスクを議論するうえで、エビデンスベースの論点を提供することにもなる」と述べている。BMJ誌オンライン版9月17日号の掲載報告。

細胞培養インフルエンザワクチンの製造販売承認を申請

 バクスター株式会社は2日、細胞培養H5N1インフルエンザワクチンおよび細胞培養プロトタイプワクチンについて、9月19日付で厚生労働省に製造販売承認申請を行ったことを発表した。これは、武田薬品工業株式会社との細胞培養法によるインフルエンザワクチンの日本における共同開発と、同社による国内生産・供給に向けた取り組みの一環とのこと。

理学療法士が足りない

相馬中央病院整形外科 石井 武彰 2012年10月2日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。  私は平成24年4月より相馬市にある相馬中央病院で整形外科医として勤務しています。初期臨床研修後に九州大学整形外科に入局し、3年間の関連病院での研修後、昨年は大学院で病理の仕事をしていました。震災後の川内村で行われた健康診断に参加したことより、福島県浜通りに関心を持っていたところ、相双地区で整形外科医が不足し求められているとの話を聞き、縁があって相馬中央病院で働く事となりました。

「小児の肺炎球菌」PCV7ワクチン導入で大きく減少

 欧州における7価肺炎球菌ワクチン(PCV7)導入後の状況について、フランス・Denis Diderot大学のWeil-Olivier C氏らが、レビュー報告を行った。欧州では2006~2008年の間に16ヵ国が順次、PCV7の定期接種(2~3回+ブースター1回)を導入し、現在は、PCV10、PCV 13の定期接種導入も進んでいる。BMC Infect Dis誌オンライン版9月7日号の掲載報告。

トファシチニブに関するデータ、米国リウマチ学会で発表へ

 米・ファイザー社は17日、中等度から重度の活動性関節リウマチ(RA)の成人患者に対して開発中の経口JAK(ヤヌスキナーゼ)阻害剤であるトファシチニブについて、11月9日から14日までワシントンD.C.で開催される2012年米国リウマチ学会(ACR)、リウマチ専門医協会(ARHP)年次会議にて14の演題が発表される予定であることを発表した。日本法人であるファイザー株式会社が21日に報告した。

「統合失調症リスク因子」海馬における働きが判明

 先行研究(ヒトおよびマウスの遺伝子研究)で統合失調症との関連が示されていたG蛋白共役型受容体SREB2/GPR85について、不明であった海馬における作用が解明された。米国・ノースウエスタン大学のChen Q氏らによるマウスを用いた実験の結果、海馬の成体神経新生および神経新生に依拠する学習および記憶にネガティブに作用することが示された。この結果を踏まえて著者は「SREB2の制御は、精神疾患患者の中核症状改善への新しいアプローチとなる可能性がある」と述べている。Eur J Neurosci誌2012年9月号(オンライン版2012年6月15日号)の報告。

小児におけるレベチラセタム静注の有効性と安全性を確認

 小児における急性反復痙攣およびてんかん重積状態に対するレベチラセタム静注の有効性と安全性が、観察研究の結果、確認された。英国・Alder Hey小児病院のMcTague A氏らによる報告で、「長時間作用性抗痙攣薬としてフェニトイン静注にとって代わるものかを無作為化臨床試験で判定すべきである」と提言した。Seizure誌2012年9月号(オンライン版2012年6月19日号)掲載報告より。  観察研究は2年にわたって行われ、急性反復発作(ARS)あるいは痙攣性または非痙攣性てんかん重積状態(SE)の治療として、レベチラセタム静注を受けた全患者を評価した。発作タイプ、てんかん症候群と基礎原因、レベチラセタム静注の初期負荷投与量およびその有効性と安全性、また最終フォローアップ時の本剤投与状況について調べた。

認知症治療薬ガランタミン、ラット試験で喫煙欲求の軽減効果を確認

 アルツハイマー型認知症治療薬ガランタミンに喫煙欲求を軽減する効果があることが、米国・ペンシルベニア大学のHopkins TJ氏らによるラット試験の結果、示された。現行の禁煙薬物療法では、喫煙再発予防や禁煙維持への効果に限界がある。ガランタミンはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬の1つであり、ニコチン性アセチルコリンレセプターにpositive allosteric modulatorとして作用する。最近、マウスを用いた試験で、ガランタミンがニコチン中断による認知障害を改善したことが示され、ヒトでの喫煙再発予防に寄与する可能性が示唆されていた。Neuropsychopharmacology誌2012年9月号(オンライン版2012年6月6日号)の報告。

第6回医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会感想文

 医療制度研究会 中澤 堅次 2012年9月21日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 前回までの論点整理と、第三者機関の調査の実務についての討論と、医療安全支援センターの実績に関するヒアリングの三点が予定され議論が行われました。

抗精神病薬アリピプラゾール併用による相互作用は?

 腸管および血液脳関門に発現する薬物排出系トランスポーター(drug efflux transporters)活性に関する、アリピプラゾールとその活性代謝物デヒドロアリピプラゾールの効果が検討された。MDR1に対しては比較的強い阻害が認められた一方で、MRP4活性に対する阻害効果はほとんどみられなかったなどの知見が得られた。アステラス製薬の長坂氏は、「アリピプラゾールは、薬物トランスポーターについて検討された薬物との同時投与では、血液脳関門で薬物相互作用(DDI)を生じる可能性が低いことが示された」と報告した。Biopharm Drug Dispos誌2012年9月号(オンライン版2012年8月15日号)の報告。

非喫煙者の非小細胞肺がんにおける予後予測因子

 非喫煙者における肺がん(LCINS)は、病因や臨床的特徴、予後の違いから、喫煙者における肺がんとは異なる疾患として認識されている。今回、LCINSにおける特異的予測マーカーの同定を目的とした米国MDアンダーソンがんセンターのXia Pu氏らの研究から、炎症関連遺伝子の変異がLCINSの臨床的転帰に影響する可能性があることが示唆された。Clinical Cancer Research誌オンライン版2012年 9月13日号に掲載された。

4人中3人が「自分が認知症と診断されたら、認知症であることを知りたい」
47都道府県 認知症に関する意識・実態調査より

 エーザイ株式会社 エーザイ・ジャパンでは、65歳以上の親がいる男女9,400人(各都道府県 各200人)を対象に、「認知症に関する意識・実態調査」のインターネットアンケート調査を実施し、その集計結果を発表した(調査期間:2012年8月16日~17日)。