医療一般|page:510

MTX治療乾癬患者には葉酸補充を考慮すべき

 米国・ウェイクフォレスト大学皮膚科研究センターのAmir Al-Dabagh氏らは、メトトレキサート(MTX、商品名:リウマトレックスほか)治療を受ける患者(とくに乾癬患者)の葉酸使用について検討した文献をレビューし、葉酸使用の傾向を検証した。その結果、皮膚科医による処方が少ない傾向や、葉酸の使用は文献的にはMTXの有害事象を減少させることが確認されたが、MTXの有効性を低下させるかについては不明であることなどを報告した。

キーンベック病の長期予後、血管柄付き骨移植術は良好

 血管柄付き骨移植術(VBG)は、進行期のキーンベック病に対する治療法の一つであるが、この治療法の長期予後に関する報告はほとんどなかった。日本・京都府立医科大学講師の藤原浩芳氏らは、VBGを施行したキーンベック病患者を10年以上追跡し、長期予後は良好であることを報告した。The Journal of Hand Surgery誌2013年5月号(オンライン版2013年4月2日号)の掲載報告。

過去20年間で、メラノーマによる社会的疾患負荷が2倍以上に

 オランダ・エラスムス大学医療センターのC. Holterhues氏らは、1991~2010年のオランダのメラノーマ登録患者のデータを解析した結果、オランダ社会においてメラノーマが重大な疾患負荷となっていることを報告した。疾患負荷は、疾患による健康損失や死亡を表すが、これまで一般集団におけるメラノーマについて十分に研究されていなかったという。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年3月29日号の掲載報告。

「かくれ骨粗鬆症」を救うために

 2013年4月23日(火)、日本イーライリリー株式会社開催のセミナーにて、近畿大学医学部奈良病院の宗圓 聰氏(整形外科・リウマチ科)と聖隷浜松病院の森 諭史氏(骨・関節外科)が、原発性骨粗鬆症の診断基準ならびに椎体骨折評価基準の改訂がもたらす積極的な診断・治療の広がりと、臨床に潜む「かくれ骨粗鬆症」の実態について語った。

疼痛性障害に対し、学際的な通所疼痛リハビリテーションプログラムが有効

 米国・ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部シカゴリハビリテーション研究所のChristine M. Gagnon氏らは学際的疼痛リハビリテーションプログラムの効果について検討し、多くの患者で精神的苦痛と疼痛が減少するとともに、就労が可能となったことを示した。Pain Practice誌2013年4月号(オンライン版2012年8月3日)の掲載報告。

糖尿病は軽度認知障害発症リスクを上昇させる

 高齢者において、糖尿病が軽度認知障害(MCI)発症リスクを上昇させることが米国メイヨークリニックのRosebud O. Roberts氏らの研究によって明らかになった。また、本研究により対象者の性別やMCIサブタイプ、障害領域の数によってその相関の強さが異なることも示された。Alzheimer's & dementia誌オンライン版2013年4月3日付の報告。  

やっぱり説明は大切!医師の分かりやすい説明は糖尿病治療に対する患者理解度と相関する-本邦での報告-

 良好な医師-患者間コミュニケーションは糖尿病治療における患者理解度と※1自己効力感を高めることが、帝京大学の井上真智子氏らの断面調査研究によって示された。また筆者は、患者のもつ伝達的・批判的※2ヘルスリテラシーも同様に、糖尿病治療における患者理解度と自己効力感に相関することを示した。BMC family practice誌オンライン版2013年3月23日号掲載の報告。

腰痛などに関与する傍脊柱筋変性を、日常的にCTで評価するための指標

 最近の研究で腰痛、椎間関節の変形性関節症、脊椎すべり症、椎間板変性疾患に傍脊柱筋変性が関与していることが示唆されているが、これまで簡単かつ信頼性の高いCTによる傍脊柱筋変性の指標はなかった。イスラエル・ベン=グリオン大学のLeonid Kalichman氏らはCTによる傍脊柱筋変性の評価について遂行可能性確認試験を行い、2つの指標(脂肪浸潤スコア、放射線学的密度比)が椎間関節の変形性関節症と有意に関連し、信頼性も高いことを明らかにした。Journal of Spinal Disorders & Techniques誌オンライン版2013年4月3日の掲載報告。

注射時間を問わず一定の有効性と安全性―持効型インスリン デグルデク

 従来の基礎インスリンは注射時間の制限があったが、1日1回投与のインスリン デグルデク(IDeg、商品名:トレシーバ)は、1日のうちどのタイミングで注射しても有効性と安全性を損なうことなく、良好な血糖コントロールが可能であることがベルギー・ルーベン大学Chantal Mathieu氏らの報告で明らかになった。患者さん一人ひとりの多様なニーズに合わせて注射時間を調整できるため、基礎インスリンのアドヒアランス向上につながると考えられる。The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism誌2013年3月号(オンライン版2013年2月7日号)の報告。

切除不能大腸がんの標準化学療法後に新たな治療薬

 現在、切除不能進行・再発大腸がんに対する治療は、大腸癌治療ガイドライン(2010年版)において、KRAS野生型では3次治療、KRAS変異型では2次治療までの治療アルゴリズムが推奨されており、国内では多くの医師がこれを順守している。先月25日、これらの標準化学療法が無効になった症例に対する治療薬として、レゴラフェニブ(商品名:スチバーガ)が承認された。東京医科歯科大学大学院教授の杉原 健一氏は、4月23日のバイエル薬品株式会社主催のプレスセミナーで、本剤の作用機序や第III相臨床試験成績を紹介し、標準化学療法後の新たな治療薬として期待を示した。そのうえで、副作用管理の重要性を強調し、発売後早期に症例データを集積し、自身が会長を務める「大腸癌研究会」のホームページに結果を掲載し注意を喚起していきたいと語った。

小児に多いスピッツ母斑、保存療法戦略を支持

 小児に多く発現するスピッツ母斑の診断と管理については、戦略をめぐって論争がある。Brook E. Tlougan氏らは匿名WEB調査にて、世界中の小児皮膚科医にスピッツ母斑に関する信条、行動および診療経験についてサーベイを行った。その結果、保存療法を支持する結果が得られたことを報告した。JAMA Dermatology誌2013年3月号の掲載報告。

患者自身が申告するアドヒアランスと血糖コントロールの関係-インスリン治療における検討-

 2型糖尿病患者のインスリン療法において、患者自身が申告するアドヒアランスと血糖コントロールとの関係が検討された。この結果、患者の自己申告であっても、アドヒアランスが高ければ良好な血糖コントロールを示すという相関関係が明らかになった。ただし、65歳以上の高齢者ではこの相関はみられなかった。本研究から、若年層の患者では自己申告によるアドヒアランスの報告も適切なインスリン投与量を判断するうえでは有用となる可能性が示唆された。

rhBMP-2を用いた椎体間固定術で注意すべきこと

 遺伝子組換えヒト骨形成タンパク質-2(rhBMP-2)は、すでに欧米では脊椎固定などに広く使用されているが、異所性骨形成、局所の骨吸収、神経根炎などさまざまな合併症が知られている。米国・ニューヨーク大学病院のShaun D. Rodgers氏らは、rhBMP-2を用いた椎体間固定術後の再手術中に致命的な血管損傷が発生した症例について考察した。

新規グルコキナーゼ活性剤の有効性-本邦での報告

 新規の2型糖尿病治療薬として開発段階にあるグルコキナーゼ活性剤 「AZD1656」 の血糖降下作用に関するデータが発表された。本研究は日本国内で行われた無作為化二重盲検、プラセボ対照比較試験。東京駅センタービルクリニックの清末 有宏氏らにより、Diabetes, Obesity and Metabolism誌オンライン版2013年3月22日号で報告された。

有酸素運動+レジスタンス運動は、血糖変動を改善する

 有酸素運動(AER)、または有酸素運動+レジスタンス運動(COMB)が2型糖尿病患者の血糖変動にもたらす影響を検討したデータが、ブラジルのFranciele R. Figueira氏らにより発表された。血糖変動の測定には、持続血糖測定装置(CGMS)が用いられ、MAGEなどの指標を用いた従来の分析方法に加え、スペクトル解析や記号解析を用いた非従来型の分析方法にて評価された。