医療一般|page:1

レカネマブの有効性・安全性、アジア人の特徴は?~Clarity AD試験

 アルツハイマー病(AD)は高齢者における主要な健康問題の1つであり、アジア地域においては、急速な高齢化によりADの有病率が上昇すると予想されている。早期AD治療薬であるレカネマブ(商品名:レケンビ)は、複数の臨床試験において忍容性が良好であると示されているものの、アミロイド関連画像異常(ARIA)およびインフュージョンリアクション(IRR)の発現率が高いことが懸念されている1,2)。シンガポール国立大学のChristopher Chen氏らは、Clarity AD試験で無作為に割り付けられた1,795例のうち、アジア地域に居住する294例についてサブグループ解析を行った。The Journal of Prevention of Alzheimer's Disease誌2025年5月号掲載の報告。

飲酒に起因するがんの死亡者数、20年で51%増

 アルコールに起因するがんによる死亡について、2000~21年で年齢調整死亡率(ASDR)は減少した一方、死亡者数は51%増加したことが、米国・Texas Tech University Health Sciences CenterのPojsakorn Danpanichkul氏らの研究により明らかになった。この傾向は社会人口統計学的指数(SDI)やがんの種類によってばらつきがみられた。Alimentary Pharmacology & Therapeutics誌オンライン版2025年4月27日号に掲載。  本研究では、Global Burden of Disease Study 2021を分析し、アルコールに起因するがんによる死亡とASDR、それらの2000~21年の年変化率(APC)を、SDIに基づく地域/国別、国の開発状況別に調べた。

次々と承認される抗アミロイド抗体、有効性に違いはあるか?

 近年、アルツハイマー病に対する抗アミロイド抗体の承認が加速している。しかし、抗アミロイド抗体の臨床的意義やリスク/ベネフィットプロファイルは、依然として明らかになっていない。他の治療法ではなく、抗アミロイド抗体を選択する根拠を確立するためにも、アルツハイマー病の異質性および抗アミロイド抗体の長期臨床データの不足は、課題である。スペイン・University of Castilla-La ManchaのDanko Jeremic氏らは、抗アミロイド抗体の有効性および安全性を評価し、比較するため、従来のペアワイズメタ解析ならびに第II相および第III相臨床試験の結果を用いたベイジアンネットワークメタ解析を実施した。また、本研究の目的を達成するため、研究者や臨床医が疾患進行や有害事象のベースラインリスクに関するさまざまな事前選択や仮定を組み込み、これらの治療法の相対的および絶対的なリスク/ベネフィットをリアルタイムに評価できる無料のWebアプリケーションAlzMeta.app 2.0を開発した。Journal of Medical Internet Research誌2025年4月7日号の報告。

複数の食品添加物の相互作用が2型糖尿病リスクを高める

 ダイエット飲料や超加工食品に使われている添加物が、2型糖尿病のリスクを高めることを示唆するデータが報告された。フランス国立衛生医学研究所(INSERM)のMarie Payen de la Garanderie氏らの研究の結果であり、詳細は「PLOS Medicine」に4月8日掲載された。複数の添加物による相互作用が、リスク上昇に関与している可能性があるという。  約11万人を対象に行われたこの研究によると、人工甘味料入り飲料によく含まれている添加物の混合物(添加物の組み合わせ)は2型糖尿病のリスクを13%増加させ、同様にスナックなどの超加工食品に含まれている添加物の混合物は、リスクを8%増加させることが明らかになった。de la Garanderie氏は、「多くの製品に含まれているいくつかの添加物はしばしば同時に摂取されるが、そのような同時摂取が2型糖尿病のより高いリスクと関連していることが示唆される」と解説。「これらの添加物は修正可能なリスク因子といえ、2型糖尿病予防の新たな戦略への道を開く可能性がある」と付け加えている。

豚由来腎臓を移植されていた米国人女性から移植腎を摘出

 遺伝子編集された豚の腎臓を移植し透析治療が不要になっていた米国人女性が、拒絶反応を来し、移植腎摘出に至ったことが報じられた。移植手術から130日後のことであり、遺伝子編集された豚由来腎臓が人の体内で機能した最長記録となった。  この女性は、米国アラバマ州に住む53歳の女性、Towana Looneyさん。移植術と摘出術を行った米ニューヨーク大学ランゴン・ヘルスの発表によると、Looneyさんは現在、透析治療を再開している。  一連の手術の執刀医であるRobert Montgomery氏は、ニューヨークタイムズ紙に対して、「移植腎の摘出は、動物の臓器を人に使用するという『異種移植』の後退を意味するものではない。今回のケースは異種移植による治療を受けた患者の中で、最も長く臓器が機能した。新しい治療法の確立には時間を要する。ホームランを狙って一発で勝負がつくというものではなく、単打や二塁打を着実に積み重ねていく進歩が鍵となる」としている。

高齢の心不全患者が感染症で再入院にいたる因子とは

 心不全(HF)患者の再入院は、患者の死亡率上昇だけでなく、医療機関に大きな経済的負担をもたらす。高齢HF患者では、しばしば感染症による再入院がみられるが、この度、高齢のHF患者における感染症関連の再入院にフレイルと腎機能の低下が関連しているという研究結果が報告された。徳島大学大学院医歯薬学研究部臨床薬学実務実習教育分野の川田敬氏らの研究によるもので、詳細は「Geriatrics & Gerontology International」に3月11日掲載された。  世界でも有数の高齢化社会を擁する日本では、高齢のHF患者が大幅に増加している。高齢者では免疫力が低下することから、高齢HF患者の感染症による再入院率も増加していくと考えられる。これまでの研究では60代や70代のHF患者に焦点が当てられてきたが、実臨床で増加している80代以上の高齢HF患者、特に感染症による再入院に関連する因子については調べられてこなかった。このような背景から、川田氏らは、高齢化が特に進む日本の高知県の急性肥大症性心不全レジストリ(Kochi YOSACOI Study)のデータを使用して、高齢HF患者の感染症による再入院に関連するリスク因子を特定した。

未治療高齢マントル細胞リンパ腫、アカラブルチニブのベンダムスチン・リツキシマブへの上乗せでPFS延長(ECHO)/JCO

 未治療の高齢マントル細胞リンパ腫患者に対して、ベンダムスチン・リツキシマブへのアカラブルチニブの上乗せ効果を検討した第III相ECHO試験の結果について、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのMichael Wang氏らがJournal of Clinical Oncology誌オンライン版2025年5月1日号に報告した。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)はアカラブルチニブの追加で有意に延長した。

統合失調症の新たなアプローチとなるか? ムスカリン受容体作動薬KarXTのRCTメタ解析

 統合失調症は、陽性症状、陰性症状、認知関連症状を特徴とする複雑な精神疾患である。xanomelineとtrospiumを配合したKarXTは、ムスカリン受容体を標的とし、ドパミン受容体の遮断を回避することで、統合失調症治療に潜在的な有効性をもたらす薬剤である。エジプト・ Assiut UniversityのHazem E. Mohammed氏らは、KarXTの有効性および安全性を評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。BMC Psychiatry誌2025年3月31日号の報告。  2024年10月までに公表されたランダム化比較試験(RCT)をPubMed、Scopus、Web of Science、Cochraneデータベースより、システマティックに検索した。KarXTによる治療を行った成人統合失調症患者を対象としたRCTを分析に含めた。エビデンスの質の評価はGRADEフレームワーク、バイアスリスクはCochrane Risk of Bias 2.0ツールを用いて評価した。

歯痕舌と血圧が関連~日本人集団

 東洋医学では舌の周囲に歯形がついた歯痕舌は体液貯留を示し、高血圧と関連する可能性があるが、歯痕舌と血圧の関連を調べた疫学研究はほとんどない。今回、順天堂大学の謝敷 裕美氏らが日本の地域住民を対象にした東温スタディにおいて検討したところ、潜在的交絡因子の調整後も歯痕舌のある人は収縮期血圧(SBP)と拡張期血圧(DBP)が高いことが明らかになった。American Journal of Hypertension誌オンライン版2025年4月17日号に掲載。  本研究は東温スタディ(愛媛県東温市における保健事業の評価、ならびに循環器疾患発症にかかる新たな危険因子の検索を目的とするコホート研究)に参加した30~84歳の1,681人を対象とし、歯根舌を舌画像により評価し、歯痕舌あり群と歯痕舌なし群に分けた。SBP≧140mmHgまたはDBP≧90mmHgまたは降圧薬の使用を高血圧と定義した。多変量調整ポアソン回帰分析を用いて、年齢、性別、肥満度を含む潜在的交絡因子を調整後、歯痕舌と血圧の関連を検討した。

ADHD治療薬は心臓の健康に有害か?

 注意欠如・多動症(ADHD)の治療薬が心臓の健康に悪影響を及ぼす可能性が心配されている。こうした中、英サウサンプトン大学小児・青少年精神医学部門のSamuele Cortese氏らが実施したシステマティックレビューとネットワークメタアナリシスにおいて、ADHD治療薬が収縮期血圧(SBP)や拡張期血圧(DBP)、脈拍に及ぼす影響はわずかであることが確認された。この研究の詳細は、「The Lancet Psychiatry」5月号に掲載された。  Cortese氏らは、12の電子データベースを用いて、ADHD治療薬に関する短期間のランダム化比較試験(RCT)を102件抽出し、結果を統合して、ADHD治療薬がDBP、SBP、脈拍に与える影響をプラセボや他の薬剤との比較で検討した。これらのRCTで対象とされていたADHD治療薬は、アンフェタミン、アトモキセチン、ブプロピオン、クロニジン、グアンファシン、リスデキサンフェタミン、メチルフェニデート、モダフィニル、ビロキサジンであった。追跡期間中央値は7週間で、参加者として小児・青少年1万3,315人(平均年齢11歳、男子73%)と成人9,387人(平均年齢35歳、男性57%)の計2万3,702人が含まれていた。

中国で豚由来腎臓移植が成功、生存中の患者としては3人目

 遺伝子編集された豚の腎臓を移植された中国人女性が、順調に回復していることが報告された。現在、世界で豚由来腎臓移植を受けて生存しているのは、この女性が3人目となる。研究者らは、将来的には豚の肝臓が人への移植の選択肢となる可能性にも言及している。  NBCニュースなどの報道によると、この女性は69歳で、豚由来腎臓を移植される以前、8年にわたり腎不全状態にあった。手術は第四軍医大学西京病院(中国)で行われ、移植チームの一員であるLin Wang氏によると、術後の患者は現在、病院で経過観察中であり腎機能は良好で容態も良いという。

若年層の大腸がん、その臨床的特徴が調査で明らかに

 大腸がんは日本人で最も患者数が多いがんであり、一般的に50歳代から年齢が上がるにつれて罹患率も上昇することが知られている。一方で、若年層における大腸がんに関する報告は少ない。しかし、今回50歳未満の大腸がんに関する臨床病理学的所見を調査した研究結果が報告された。大腸がんの好発部位や、スクリーニングの有用性が明らかになったという。研究は札幌医科大学医学部腫瘍内科学講座/斗南病院消化器内科の岡川泰氏らによるもので、詳細は「BMC Gastroenterology」に3月11日掲載された。  近年、高所得国を中心として50歳未満で発症する若年発症型大腸がんが増加している。さらに、若年発症型大腸がんは進行期で診断されることが多く、世界的に重要な懸念事項であるが、日本から若年発症型大腸がんについて報告された研究はわずかであり、その臨床病理学的特徴は不明のままである。このような背景から、研究グループは、若年発症型大腸がんの臨床病理学的所見を調査するために単施設の後ろ向き研究を実施した。

炭水化物を減らすと2型糖尿病患者の予後が改善/順天堂大

 2型糖尿病患者では、心血管イベントや死亡のリスクが高いことが知られている。今回、2型糖尿病患者における食事の栄養素と予後との関連性を調査した結果、炭水化物の摂取割合が高いほど心血管イベントや死亡のリスクが増大し、炭水化物を減らして動物性のタンパク質や脂質の摂取を増加させるとそれらのリスクが低減することが、順天堂大学の三田 智也氏らによって明らかになった。Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism誌オンライン版2025年3月21日号掲載の報告。  炭水化物制限は2型糖尿病患者の血糖コントロールに有用である可能性が報告されている。しかし、炭水化物の摂取割合が心血管イベントや死亡リスクに与える影響や、炭水化物の摂取量を減らしてタンパク質や脂質を増やすことによる影響など、依然として不明な点は多い。そこで研究グループは、2型糖尿病患者を対象に、食事の栄養素を含むさまざまな生活習慣と心血管イベントや死亡リスクとの関連性を、最大10年間にわたって前向きに調査した。

治療抵抗性うつ病に対する第2世代抗精神病薬増強療法〜ネットワークメタ解析

 治療抵抗性うつ病の成人患者に対する抗うつ薬と併用した第2世代抗精神病薬(SGA)増強療法のレジメンの根底にある「time window」効果をフォローアップ期間で調整しながら調査するため、中国・大連医科大学のBinru Bai氏らは、ネットワークメタ解析を実施した。BMC Psychiatry誌2025年4月5日号の報告。  Embase、PubMed、Scopus、Cochrane Library、Google Scholars、Clinicaltrials.govを含むデータベースより、2024年5月15日までに公表されたランダム化比較試験を検索した。主要エンドポイントは、Montgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)スコアとした。副次的エンドポイントはMADRS反応率、3次エンドポイントは臨床全般印象度(CGI-S)およびMADRS寛解率とした。標準平均差(SMD)およびハザード比(HR)は、それぞれ二値変数および連続変数との比較について、ベイジアンネットワークメタ回帰(NMR)により算出した。

ピロリ除菌後の胃がんリスクを予測するバイオマーカー~日本の前向き研究

 Helicobacter pylori(H. pylori)除菌後においても0.5~1.2%の人に原発性胃がんが発生する可能性がある。このような高リスクの集団を識別する新たなバイオマーカーとして、非悪性組織におけるepimutationの蓄積レベル(epimutation負荷)ががんリスクと関連していることが複数の横断的研究で報告されているが、前向き研究でリスク予測におけるDNAメチル化マーカーの有用性は確認されていない。今回、星薬科大学の山田 晴美氏らの研究により、epimutation負荷のDNAメチル化マーカーであるRIMS1がH. pylori除菌後の健康人における原発性胃がんリスクを正確に予測可能であることが示された。Gut誌オンライン版2025年4月15日号に掲載。

ロボットの遠隔操作による顕微授精で初の赤ちゃんが誕生

 世界で初めてロボットの遠隔操作による顕微授精(ICSI)で赤ちゃんが誕生したことを、グアダラハラ大学(メキシコ)のGerardo Mendizabal-Ruiz氏らが報告した。ICSIは体外受精(IVF)の一種であり、卵子の細胞内に1匹の精子を直接注入して受精させる。この研究の詳細は、「Reproductive Biomedicine Online」に4月9日掲載された。  研究グループによると、この赤ちゃんは男の子で、メキシコのグアダラハラ在住の40歳の女性から生まれた。この女性は、以前IVFを試みたが得られた成熟卵は一つだけであり、胚の形成には至らなかった。その後、完全に自動化されたデジタル制御バージョンのICSIにより妊娠し、出産した。この自動化システムが、精子を選択して注入の準備を行い、卵子に注入するまでのプロセスは、グアダラハラから2,300マイル(約3,700km)離れたニューヨークにいる遠隔オペレーターが監視したという。

アルツハイマー病の父親を持つ人はタウの蓄積リスクが高い?

 アルツハイマー病(AD)の父親を持つ人は、自身にもADに関連する脳の変化が生じる可能性があるようだ。新たな研究で、ADの父親を持つ人ではADの母親を持つ人に比べて、脳内でのタウと呼ばれるタンパク質の拡散がより広範囲であることが確認された。脳内のタウのもつれは進行したADの特徴の一つである。マギル大学(カナダ)のSylvia Villeneuve氏らによるこの研究の詳細は、「Neurology」に4月9日掲載された。  研究グループによると、過去の研究では、女性の性別や母親のAD歴がADリスクの上昇と関連することが示唆されているが、性別やADを発症した親の性別とADのバイオマーカーとの関連は明らかになっていない。

聴覚障害は心不全リスクの上昇と関連

 聴覚障害は、心臓の健康問題の前兆となる可能性があるようだ。新たな研究で、聴覚障害は心不全リスクの上昇と関連しており、両者の関連には、精神的苦痛が媒介因子として影響している可能性が示唆された。南方医科大学(中国)のXianhui Qin氏らによるこの研究結果は、「Heart」に4月8日掲載された。  Qin氏らは、長期健康研究プロジェクトであるUKバイオバンクのデータを用いて、研究参加時には心不全のなかった16万4,431人(平均年齢56.7歳、女性54.6%)を対象に、聴力と心不全発症との関連を検討した。媒介分析により、社会的孤立、精神的苦痛、および、神経症的傾向の影響についても評価された。参加者の聴力は、雑音下でDigit Triplets Testを用いて測定し、語音聴取閾値(SRT)として定量的に評価された。SRTは、聴力検査で用いられる指標の一種で、語音を50%の確率で間違わずに聞き取れる信号対雑音比(SNR)を示す。補聴器を使用していない参加者の聴力は、正常(SRT<−5.5dB)、不十分(SRT≧−5.5dB、SRT≦−3.5dB)、低い(SRT>−3.5dB)に分類した。

クロザピンの米国添付文書、30年の時を経て改訂されるか〜世界中の専門家の意見

 クロザピンは、1989年より米国において使用が再開された抗精神病薬であり、米国の添付文書は、時代遅れとなっていることが指摘されている。米国・ Wayne State UniversityのJose de Leon氏らは、クロザピンの添付文書改訂案を作成するため、文献の包括的レビューを実施した。Journal of Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2025年4月9日号の報告。  パートIでは、407件の関連論文に基づき基礎薬理学(クリアランス、薬物動態および薬力学、モニタリングツール)に焦点を当て検討した。パートIIでは、WHOのグローバル医薬品安全性監視データベースより、2023年1月15日までに米国より報告されたデータを用いて、臨床的側面および医薬品安全性監視に焦点を当て、致死的な臨床アウトカムおよび5つの警告(そのうちの4つはクロザピン特有で、重度の好中球減少、発作、起立性調節障害、心筋炎であり、1つはすべての抗精神病薬に関連する認知症高齢者への使用)に関して検討した。

脳卒中、認知症、老年期うつ病は17個のリスク因子を共有

 脳卒中、認知症、老年期うつ病は17個のリスク因子を共有しており、これらの因子のうちの一つでも改善すれば、3種類の疾患全てのリスクが低下する可能性のあることが、新たな研究で示唆された。米マサチューセッツ総合病院(MGH)脳ケアラボのSanjula Singh氏らによるこの研究結果は、「Journal of Neurology, Neurosurgery and Psychiatry」に4月3日掲載された。  研究グループによると、脳卒中の少なくとも60%、認知症の40%、老年期うつ病の35%は修正可能なリスク因子に起因しており、これらの疾患が共通の病態生理学的背景を持つため、リスク因子にも多くの重複が見られるという。