医学生の不節制飲酒を正すためにも

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ケアネット

医学生の不節制飲酒を正すためにものイメージ



米国医学生の多飲、不節制飲酒は、同年代で広がっているほどではないものの、ごく一般的に見られること、また医学教育のルーチンな臨床トレーニングとして、飲酒に関するスクリーニングやカウンセリングを取り入れることが、ガイドラインで推奨され費用対効果に優れたカウンセリングによる患者ケアの実施率を上げ、学生および一般の多飲酒者を減らすことに結びつくとの報告が、ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)のErica Frank氏らによって報告された。BMJ誌2008年11月15日号(オンライン版2008年11月7日号)より。

カウンセリング診療実施への影響因子を探る




本研究は、米国では多飲酒者の75%が保険診療でカウンセリングを受けられるにもかかわらず、また過去24ヵ月以内に多飲であると申告しているにもかかわらず、医療提供者が飲酒に関する質問をほとんどしていないとの状況があることを踏まえ、医学生に着目し、飲酒に関する診療に影響を及ぼしている因子の同定を試みたもの。

米国の代表的な16医学部の学生を対象にアンケート調査を、1年次開始時(1999年夏/秋)、3年次進級時、最終年次(2003年)にそれぞれ行った。回答率は83%。

学生の34%が「過度な飲酒者」




アンケートから、「前月に飲酒した」学生は全体で78%(3,777/4,847)だった。年次ごとに見ると、3年次進級時が34%(1,668/4,847)で最も割合が多い。

全体の34%(1,666例:男性1,126例、女性540例)を占める「過度な飲酒者」(5杯/日以上がある、飲酒日の酒量が男性平均2杯/日超、女性平均1杯/日超のいずれかに該当)の飲酒日数は、約4分の3が14日/月以下に該当した。また酒量は、男性は62%(696/1,124)が3杯/日以上、5杯/日以上も18%(201/1,124)いる。女性は89%(478/539)が2杯/日以上、4杯/日以上が22%(117/539)だった。さらに、5杯/日以上飲んだ日が複数回あったと回答したのは、男性61%(691/1,126)、女性44%(229/520)だった。

教育トレーニング導入で、カウンセリング実施率は2倍に




カウンセリングと患者ケアとの関連を強く確信している学生の割合は、3年次進級時が61%(919/1,516)で最も高く、最終年次46%(606/1,329)を上回った。その確信は、プライマリ・ケアを志向する学生ほど強かったが、最終年次学生で患者と飲酒に関して話を「いつも/常に」すると回答したのは28%(391/1,393)に過ぎなかった。また「過度な飲酒者」ほど、患者にカウンセリングをすることや、カウンセリングと患者ケアとの関連を結び付けては考えられない傾向が見られた。

その一方で多変量モデル解析の結果、飲酒に関するカウンセリングのトレーニングを大規模に行った場合、カウンセリングと臨床ケアとの関連を報告する割合は2.3倍に、またカウンセリングを行ったとする報告の割合は2.2倍といずれも倍増することが示された。

これらから、学生時にトレーニングを積み確信を植え付けることが、高い臨床実践と強い信念に結びつくとし、飲酒に関する臨床トレーニングの実施を検討すべきと結論している。

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