RAS遺伝子変異を有する既治療膵管腺がん(PDAC)患者において、daraxonrasib(RMC-6236、GTP結合型変異および野生型RASを標的とする経口のRAS(ON)マルチ選択的阻害薬)は、300mg用量の投与により抗腫瘍活性が示され、Grade3以上の治療関連有害事象は約3割で認められた。米国・ダナ・ファーバーがん研究所のBrian M. Wolpin氏らRMC-6236-001 Investigatorsが、同国の16施設で実施した第I/II相試験「RMC-6236-001試験」の結果を報告した。PDACに対する現行治療法は有効性が限定的である。PDACの90%以上で活性化RAS遺伝子変異が認められることから、これを治療標的とした新たな治療法が期待されていた。NEJM誌2026年5月7日号掲載の報告。
米国16施設で第I/II相試験を実施
RMC-6236-001試験の対象は、コドン12、13または61での
KRAS、
NRASまたは
HRAS遺伝子変異を有する進行固形腫瘍の成人患者で、PDACについては、5-FUまたはゲムシタビンを含む化学療法後に病勢進行または許容できない有害事象が生じた患者が対象となった。
研究グループは、用量漸増期において固形腫瘍患者に10~400mgのdaraxonrasibを1日1回経口投与した。用量拡大期ではPDAC患者に120mg、200mgまたは300mgを投与した。
主要評価項目は安全性、副次評価項目は抗腫瘍効果および薬物動態であった。
本論では、PDAC患者を対象とした解析結果が報告された。
第III相試験の推奨用量は300mg、Grade3以上の有害事象の発現は約30%
2022年6月22日~2025年6月30日に、
RAS遺伝子変異を有する既治療のPDAC患者168例が登録され、daraxonrasibを投与された(300mg群83例、160~220mg群51例、120mg以下群34例)。
治療関連有害事象は、全Gradeについて168例中161例(96%)に認められ、Grade3以上の事象は50例(30%)で報告された。死亡に至った事象はなかった。
主な全Gradeの治療関連有害事象(発現割合20%以上)は発疹88%、下痢46%、悪心42%、口内炎または粘膜炎40%、嘔吐31%、疲労20%であった。
daraxonrasibの抗腫瘍効果は各用量で観察され、奏効率は総じて300mg群で高く、第III相試験の推奨用量として300mgを選択することが支持された。
2次治療としてdaraxonrasib 300mgの投与を受けた
RAS G12変異を有する26例のサブグループ解析では、確定奏効率35%(95%信頼区間[CI]:17~56)、奏効期間中央値8.2ヵ月、無増悪生存期間(PFS)中央値8.5ヵ月、全生存期間(OS)中央値13.1ヵ月であった。
また、
RAS G12、G13またはQ61変異を有し2次治療としてdaraxonrasib 300mgを投与された38例では、確定奏効率29%(95%CI:15~46)、奏効期間中央値8.2ヵ月(95%CI:3.8~8.8)、PFS中央値8.1ヵ月、OS中央値15.6ヵ月であった。
(ケアネット)